2007年08月12日
☆「清水のサッカー」と「エスパルスのサッカー」
Jリーグが中断期間を終えて第19節から再開となりました。 清水エスパルスは、ホームで大宮アルディージャと対戦し、2-2のドロー。相手に先に先に得点され、追いかける展開となりましたが、後半早い段階で追いついただけに勝ち越し点が奪えなかったのが、何とも痛いゲームでした。 そして写真にあるようにユニバーシアードもはじまっています。来期より加入予定の中央大学の辻尾選手と法政大学の本田選手も出場中。 厳しいコンディションの中とは思いますが、がんばってきてもらいたいですね。 近年、フロント陣、スカウトの興津さん、内藤さんの活躍、そして現場の長谷川監督の指導力も好影響し、素晴しい素材をもった新戦力を補強し続けている感のあるエスパルスですが、3年目を迎えた長谷川監督は、今後エスパルスを常勝クラブへと導くことができるんでしょうか。 昨シーズンの四位躍進が、「ホップ」の一年だったとするならば、今シーズンは「ステップ」、そして来シーズンは「ジャンプ」へ・・・。シーズン開幕前は、こういう期待をもって見守っていましたが、ここまでの戦いぶりは、「ステップ」に予想以上に苦しんでいる一年です。 その原因は、やはり失点にあるような気がします。ここまでの22失点は、一試合での失点数は3点とられたゲームが一つあるだけで、残りの試合は2点以内の失点にはおさえています。だからこそまだ7位という順位にはある訳ですが、サッカーで2点を相手にとられたら勝ち点3をとるのはなかなか困難なのは事実。 常勝クラブと浮き沈みの激しいクラブの差は、選手層や運営費の多少など、色々な要素があると思いますが、やっぱり一貫した経営理念や、自分たちクラブのサッカーの目指す方向性が揺らがない、ということも必要不可欠なんだと思います。 今シーズンのエスパルスはまだまだ試行錯誤の中にあるように思います。人間なかなか思うような結果が出ないと迷いが生じて、色々と変更をしたくなるもんですよね。本当はそこで我慢し続けることができてはじめて、思うような結果が生まれるんでしょうね。 継続することができるということも、大きな「人間力」が必要になってくるんだと思います。頑固一徹、こうと決めたらそれをし続けることができる長谷川監督には、こうした「人間力」をとても感じます。 そういう意味では、これまで「エスパルスといえばこういうサッカー」と言う共通イメージが、必ずしも形成されるには至っていないエスパルス。 長谷川監督には、「エスパルスのサッカー」をつくりあげていくことは勿論ですが、それ以上に清水という地域の「清水のサッカー」哲学の復活、つまりは地域で共有できるようなスタイルの定着という大きな目標をもって仕事をしていってもらいたいと思います。 エスパルスが誕生する以前、清水には「清水のサッカー」という共通したスタイルが既に存在していました。エスパルスの誕生から15年、ここまでの軌跡は、よりよりサッカーを模索する過程でもありましたが、逆にこの試行錯誤が「清水のサッカー」哲学を曖昧なものにしてしまった、とも言えると思います。
エスパルスの場合は、もともと清水という地域がブラジルサッカーをひとつの理想としてきたことがあって、当初はブラジル路線でスタートしました。監督も、スタッフも外国人選手も、ブラジルからで。 ブラジルサッカーと一言でいっても中味の問題が重要なんですが、4バックで個人技を重視するサッカーだと思います。緩急を織り交ぜた、ドリブルやショートパスのサッカーとはいえますよね。 初代監督のエメルソン・レオンの時は4バックの3トップ、次のリベリーノは3バックで長橋や伊藤優といった選手をウイングバックに使いましたけど、ブラジル路線ではありますよね。その後の宮本さんも日本人ですが、アントラーズの元監督でもあり、4バック志向でした。 アルディレスとペリマンの来日が、チームの路線を大きくかえました。アルディレスは4バックも多かったですが、3バックも試みましたし、ペリマンは3バックにほぼ固定しました。 サッカーの内容も完全なパスサッカーで、ショートパス、ロングパスで崩すスタイルで、アルゼンチンとイングランドのサッカーをミックス、ボールがスピーディーに動くサッカーですよね。 この路線でタイトルを掴んだこともあり、エスパルスと言えば3バックのパスサッカー、というイメージをサポーターの多くがもつようになったことは事実です。 ですから、その後の監督さんは自分の色を出したスタイルの模索に苦労した節があります。 ここまでの時期のエスパルスには、フロントサイドにエスパルスと言えばこういうサッカーだ、という哲学がなかったのではないか、と思っています。 アルディレスを招いて成功したのは大きな幸いでしたけど、確か就任の経緯はフロントが監督候補をみつけられず、日本サッカー協会に候補を打診して、推薦をもらったのがアルディレスだったはずです。結局、初代キャプテンでもあった三浦ヤスさんがこうしたフロントの姿勢と哲学のない路線変更に憤慨してクラブを去ったんでしたよね。 そして現在のエスパルスですが、長谷川監督は「エスパルスのサッカー」、という哲学を形成していこうという意図をもって、チームづくりをしている、と感じています。 彼自身が「清水のサッカー」の伝統と歴史でもある訳ですから、その点を良く心得ている人物だからこそ、就任当初から4バックというスタイルに原点回帰し、固定していくことをこだわっているんだと思います。 今は2トップですが、いずれは3トップも視野に入れているはずです。 現在の「エスパルスのサッカー」には、エスパルスができる以前からの伝統の「清水のサッカー」のノスタルジーを良い意味でとても感じます。 清水の伝統だった4バックを復活させ、今度こそ揺らぐことなく定着させて行こう、という試みを感じるからこそ僕は長谷川監督を支持しています。 ノスタルジーを感じる、といっても、土台について原点回帰するという意味です。過去のサッカーをやっている、という意味では決してありません。 フロントの伊達さんは清水商業、長谷川監督は清水東出身で「清水のサッカー」の伝統をよく心得ている方々ですし、大学はともに筑波大学でプレーした間柄です。フロントと現場が一体となって、今度こそ「エスパルスのサッカー」という一貫したものをつくっていって欲しいと思います。
posted by おおちゃん |10:20 |
☆清水エスパルス |
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