2007年02月15日

☆バルサのエトー問題を考える

バルセロナがカメルーン人FWエトー選手の「出場拒否」問題と、その後の彼自身の発言をめぐって大いに揺れている。

事の発端は11日のカンプ・ノウでのラシン・サンタンデール戦の終了間際からの出場をエトー選手が拒否したことにあったようだ。
エトー選手の出場拒否の理由は、フランク・ライカールト監督をはじめとするバルサのコーチングスタッフから、少なくとも30分間は出場させると約束されていたのに、実際に交代が告げられた時には85分が経過していて、この約束が守られなかったことに対して出場拒否をした、と報道されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070213-00000015-spnavi-socc

エトー選手は前節で4ヶ月ぶりに故障からピッチに復帰したが、今節はアルゼンチン人FWメッシ選手も故障から3か月ぶりに復帰している。
メッシ選手の出場は、エトー選手よりも先の後半23分からで、しかも交代出場したポジションは、エトー選手の定位置だった3トップのセンターであったことも彼には不満だったようだ。
この時点でライカールト監督は「(助監督の)エウゼビオと彼が話した。個人的には残念なこと。試合では5分でも15分でも毎分が重要なもの。彼には彼の理由があるのだろうから、これから話はする」とエトー問題について発言していたようだ。
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/world/news/20070213-OHT1T00107.htm

その後、この問題はさらに物議を醸していくものとなる。
エトー選手は翌日のチーム練習に顔を出さず、ライカールト監督へ出場拒否の説明もなかったようだ。
この問題について、ジョアン・ラポルタ会長が騒動の沈静化のため12日午後にもエトー選手と話し合いの場を作ったらしい。エトー選手の発言がこの話し合いの後だったか、先だったのかわからないが、彼本人は出場拒否問題について公にライカール監督を批判し、エトー問題について記者よりコメントを求められ「どんな選手でもチームのことを一番に考えるべきだ」という前提論をコメントしたロナウジーニョ選手に対しても怒りの矛先を向けた。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20070214-00000011-spnavi-socc.html

バルセロナのオフィシャルHPによると、12日のラポルタ会長とエトー選手との会合の場にて、エトー選手より「ドクターから試合のピッチに出るまでに少なくとも15分間のアップが必要と言われていた。そしてあの時はまだアップが充分で無いと考えた。出場するのは(自分の故障した膝にとって)危険だと考えた」と説明があったという。
この説明を受けラポルタ会長は、エトー選手の説明の裏付けを取ることでこの問題は早期解決が出来るとし、チームのテクニカル・ディレクターであるチキ・べギリスタイン氏にこの問題を一任する。
14日、ベギリスタイン氏とライカールト監督がエトー選手の説明について協議を行うと、クラブの広報から発表があった。
この協議により「何らかの適切な処置」が取られることになるらしい。
http://www.fcbarcelona.jp/news/feb07/news_0214_4.html

このエトー問題によって、バルサはどうなってしまうんだろう・・・。
そのカリスマ性によって個性的な選手たちをまとめ、チームを掌握してきたライカールト監督の影響力はどうなってしまうんだろうか?バルサは空中分解してしまうのか・・・。

そんなことが気になっていたが、キャプテンのプジョル選手は、「今回の件に関して、僕らはキャプテン達(プジョル、チャビ、ロナウジーニョ)とエトーとで集まって話し合ったんだ。このテーマはとても重要なことだからね。ロナウジーニョの発言が誤解されていた面もあった。でもそれが誤解を生む形で報道されてしまった。ロニーは決してサミュエルを非難するつもりで発言したわけじゃない。事実は全く逆だよ。その場に立ち会った僕が証明するよ。二人は仲が良いし、今回のことでさらに絆が強まったんじゃないかな。とにかく今回の件は僕らをもっと強くしてくれるはずだ。僕らはこれまで以上にまとまっていかなければいけない。これから難しい試合が続くからね」と発言している。
またライカールト監督との関係についても、「説明が良くなされていなかったから今回の騒動に繋がってしまった。もしエトーがちゃんと説明していれば、すぐに終わった話だった。彼は重要な怪我をした。再発を防ぐ為にも試合に出場する前に充分なアップが必要だった。彼はあの時それが充分でないと感じた為、出場しないことに決めたんだ。これは十分に理解出来ることだ。そのことはもうライカールトも含めて話し合ったことだし、エトーは監督との間に何ら問題を抱えていないよ」と発言している。
http://www.fcbarcelona.jp/news/feb07/news_0215_2.html

これを受けてエトー選手は14日には既に全体練習に参加している。
http://www.fcbarcelona.jp/news/feb07/news_0215_3.html
またべギリスタイン氏も、この問題に終止符をうつため会見を行った。
http://www.fcbarcelona.jp/news/feb07/news_0215_4.html

まさに「雨降って地固まる」といった感じですね。
エトー選手に課せられるはずだった「何らかの適切な処置」は、何のお咎めもなし、と言うものに決定した。
これって「適切な処置」なんでしょうか?シーズン中の大事な時期にこれ以上問題を大きくしたくない、と言う判断なんでしょうが、本当に問題解決になってるんでしょうか。見たくないものにフタをしているだけで、問題を先送りにしただけなんじゃないでしょうか。一人のスター選手の我侭を野放しにしてしまったんじゃないでしょうか・・・。将来的に禍根を残すことにならなければいいですが。

それにしてもバルセロナは度量の大きいクラブだなあ。
この終息に向けての一連の報道はオフィシャルHPによるものですから、情報操作はあって然るべき、なんでしょうけど。
こうした決断、なかなかできないですよ。ライカールト監督って、つかみどころのないスケールの大きさを感じます。まさに「フランク」な方なんでしょうか・・・。べギリスタイン氏の今回の処置も、国際色豊かなこのクラブのテクニカル・ディレクターに相応しい人物なんだなと感じます。
普通はやっぱり筋を通しておかないと、示しがつかないって思いますもん。僕も筋は通してもらいたいと思う派、なんです。ようするに理由はどうあれ、結果責任はとらなきゃなんないだろう、ということです。
エトー選手のように現在、社会的な立場は優遇されている人物であればこそ、余計に免れることなくそうすべきであると考えます(これはいつも政治家の人たちに対して思うことでもあるんですが・・・)。
カペッロ監督のレアル・マドリーではこうした処置は絶対ないでしょうし、スポーツ・ディレクターの立場で公然と選手とやりあっているバレンシアのカルボー二氏であってもそうだと思います。
カペッロ監督はとても明快に一本筋が通っている監督だと思っているんで、僕は個人的には好きなんですが、逆にカルボー二氏は筋が通っているとは思えない発言もあるんで、よくわかりません。
あ、二人ともイタリア人なんですね。
イタリア人の方が意外に筋を通さないといられないんでしょうか。意外です・・・。たまたま二人のパーソナリティーがそうなのかな。

現状のレアル・マドリーとバレンシアのチーム状況を見ると、監督とスポーツ・ディレクターの処置によって、チームが崩壊しかけてしまっていますよね。それは改革に向けて通過しないとならない道である、と捉えるべきなんでしょうか。
バルセロナのようなチームを見ると、別の道もあるんじゃないかと感じています。レアル・マドリーやバレンシアの改革も、見方によっては個人的な考えを他の多くの人間に押し付けているだけではないのかと言えるでしょう。それが権力を握っている上からの立場であればある程、悪質なのかも知れません。

カペッロ監督のような自らの「信念」を前面に押し出していく人の改革には、第三者の多くも納得できる筋が通っていることが必要です。それにより選手もその道筋を歩むことを支持し、結果が伴っていくものだと思います。ただその「信念」にそぐわない選手ははじき出されていってしまいますよね・・・。カペッロ監督のサッカーはイマジネーションに欠ける、とか、面白くない、とか事実はともかくこうしたレッテルを貼られる要因もここにあると思います。ただスター選手がピークを過ぎ、次代のチーム作りに取り掛からなければならない状況だったレアル・マドリーにとって、カペッロ監督はまさに「適任者」であったことは言えると思います。レアルフロントが、こうした汚れ役だけをカペッロにさせて彼を切り捨ててしまうのか、来季以降の新チームづくりまで任せるのか。このままではカペッロの仕事は正しい評価のされないまま終わりを迎える可能性が高そうです。
逆にバルセロナのライカールト監督のチーム作りは、相互理解によって、お互いの妥協点を見つけていくものだと思います。これはチームづくりの「理想像」と言えるものではあるけれども、そう簡単に易々とは真似のできない難しいものだと感じます。ライカールト監督就任後のバルサのサッカーに対する評価が高いことも、こうした点に要因があるように思います。
現在のバルセロナには、こうしたチーム作りの「理想像」があるように思います。黄金期とも呼べるチームがどのような結末を迎えていくんでしょうか。本当の意味でライカールト監督の真価が問われるのは、チームがピークを迎えてしまった以後なのかも知れません。その時まで彼がバルサに残っているかは? ですが・・・。

posted by おおちゃん |12:25 | ☆世界のサッカーに思う | コメント(6) | トラックバック(1)
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エトーのもめ事 【1サポーターとしての一言】

前節のエトー出場拒否の一件が大事になってきました。サッカーの世界では よくある話なのですが、 バルサを応援する人として非常に困った感じがします。 残り時間が少なかったからとか、メッシが先に出てグジョンセンと交代したとか 監督が暴露したとか、ロナウジーニョがチームの事を考えろと言ったとか、 正確な真相が解らないのでなんとも言えないのですが、 スポナビの記事に書いてあったエトーのロナウジーニョに対しての発言↓ 「チームメートの1人がチームのことを考えるべきだと言うのなら、まずは彼自身がそうしなければならない。

2007-02-15 14:25 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
Re:☆バルサのエトー問題を考える

この手の問題はスター選手を抱えるビッグクラブには避けて通れない問題ですよね。。
ビッグクラブの首脳陣は、選手補強以上に、こういう場面で真価が問われるのかもしれませんね!

posted by misteryouth | 2007-02-15 12:54

Re:☆バルサのエトー問題を考える

しかし、エトーが今季限りでバルサを離れる可能性が一段と高まったね。
元々、素行に問題のあった選手だが、
いかんせん問題を起こした時期が悪い。
バルセロニスタに愛されているとは思えないし。

posted by Lee | 2007-02-15 16:18

Re:☆バルサのエトー問題を考える

misteryouthさん、ビッグクラブにスター選手は必須ですもんね。
スター選手を獲るだけとっても散々結果が出なかったインテル・ミラノ。相変わらずスター選手を集める路線を続けつつも結果が伴うようになって来たのはマンチーニの手腕が大きいんでしょうね。彼もライカールト監督と同様にチーム作りの「理想像」を実践している監督だと思います。彼らの共通点、チーム作りの秘密はどこにあるのか、今とても興味があります。

Leeさん、エトーが放出リストに入ったのは間違いないですね。
スペイン移籍を希望するクリスティアーノ・ロナウドと交換、なんてこともあるんでしょうか。

posted by おおちゃん | 2007-02-15 21:11

Re:☆バルサのエトー問題を考える

今回の騒動については本当に臭いモノに蓋をした
だけのような気がします。

ロナウジーニョに対してエトォは少なからず不満を抱いているようですし(守備しないとか)。
ロニーのパフォーマンスが落ちれば当然その皺寄せはエトォに行く。怪我前のパフォーマンスを
これから取り戻して行かなくてはならない。
まだ怪我の再発を恐れているエトォにとって、それは深刻な問題でしょう。

無論今回のマスコミに対する後先考えないコメントなどはプロ選手として最低だと思いますけどね。
今後また同じことをやらかしたり、活躍できなければ放出リスト入りは濃厚でしょう。

しかしエトォの代わりなんているんでしょうかね?

posted by てぃーほりっく | 2007-02-15 22:16

Re:☆バルサのエトー問題を考える

コメントありがとうございます。
結局エトー選手は自分の権利を主張しているだけ、の人間に映ってしまうんですが。過去ログにも書いた「ダメな大人」の展開に見えてしまいます。ただ自分の意見を主張することは相手との理解を深めるには必要な事ではあるんですよね。
日本人には欠けていると言われがちな部分です。

彼の決定力とスピードは図抜けています。
これは紛れもない事実ですが、怪我によってどの程度回復できているんでしょうね。
同じシステムでサッカーをするんであれば、エトー選手のような働きができる選手は今のバルサにはいない、ということは欠場期間によくわかりました。
ただ最初からいないとわかっている状況では、別のやり方で、在籍する選手を生かしたチーム作りをするはずです。
ただそういうのってシーズン途中にはできません。シーズン途中に主力を放出したレアルは、現状のやり方に当てはめられる選手を選択せざるを得なかった、という言い方もできるかも知れないですね。
クリスティアーノ・ロナウド選手はバルサ、レアルのどっちを選ぶのか、そのままマンU残留を選ぶのか。エトー選手の動向がバルサにとっては鍵を握りそうですね。ロナウド選手のプレーは今ノリにのっているという感じですが、母性本能をくすぐるような純真な表情の裏で、あのわざとらしいこけっぷりをしながら、自分は何にもしていないという平然とした態度には抵抗あるんですが(笑)

posted by おおちゃん | 2007-02-16 00:32

Re:☆バルサのエトー問題を考える

バルサは今がエトー放出するには絶好のタイミングだと思うのに、本当に放出しないでおくんでしょうか。
いくらライカールト監督が3トップを採用するとしたって、ロナウジーニョにメッシ、アンリにエトー。必ず誰か一人は出れない訳ですよね。
それはちょっといくらなんでも抱えすぎ。
チームが中から崩壊して、本当に大切な選手を失ってしまわないか心配です。

posted by おおちゃん | 2007-07-22 21:36

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