2007年02月05日
☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
今シーズン、レアルマドリー新監督にユベントスのファビオ・カペッロ監督の就任が決定した時点で、今日現在レアル・マドリーに起きている状況に対してさして驚くことはない。 むしろ「あぁやっぱりそうなったか」感を抱いている方は多いだろう。 僕もそんな一人である。 今シーズンのレアル・マドリーはジダンの引退によりかつての「銀河系軍団」と呼ばれたドリームチームは既に崩壊していたが、カペッロ監督は就任当初、その「軍団」のいわば生き残りと言えるベッカムとロナウドを戦力として評価する発言をしていた。 これはいくらカペッロでも、新チームでの監督就任にあたって彼らの放出を条件にできなかったのかも知れないし、また実際に戦力として評価していなかった訳でもないだろう。しかしカペッロ監督の戦力評価とは、あくまでもトップ選手25人程の集団(チーム)としてシーズンを戦うための戦力であって、ひとつのポジションを確約する評価ではない。 実際にシーズンに入ればベッカムであっても、コンディション次第では優先順位が上がってこなければ出場機会はなかった。それを戦力外と見なしているかどうかは別として、ベッカムもロナウドもレギュラーとして当然のように試合に出ながらコンデションを上げてきた選手であり、カペッロ監督の扱いに承服できるような考え方を最終的に本人ができなかったのだろう。 ベッカムは8月からのアメリカMLSのロサンゼルス・ギャラクシー入団が決定、ロナウドは、この冬の移籍マーケットでACミランへの入団が決定した。 おそらくカッサーノのようにまだチーム内にはカペッロ監督に対して不満を抱いている選手は他にもいるだろうが、この2人の「大物」の進路決定によって、カペッロ監督のチームでの求心力は高まる可能性が高いだろう。
カペッロは就任当初、カンナバーロ、エメルソンをチームに引き連れて来てはいるが、それ以外はレアル首脳から用意された「食材」で「調理」するコックの役のようなシーズン開幕だっただろう。 「余材」になり兼ねないファン・ニステルローイをあえて加えたのも、用意された「食材」の中に「賞味期限」を過ぎてしまうものが出ることを想定していたと言えなくもない。ただ「賞味期限」を切らしてしまったのはコックの管理責任ではあるのだが・・・。 「レストラン」レアル・マドリーの「コック」長であるカペッロは、冬の移籍マーケットで自分の思うような「食材」集めだした。 ゴンサロ・イグアイン ←(リバープレート/アルゼンチン) フェルナンド・ガゴ ←(ボカ・ジュニアーズ/アルゼンチン) マルセロ ←(フルミネンセ/ブラジル) などである。 足りない「食材」は直営の「農園」から調達した。 これらの新鮮な「食材」は、レアル・マドリーという名の「レストラン」の新しい看板メニューを生み出していく可能性を秘めている・・・。 秘めてはいるが、まだこの「食材」から新メニューが生み出されていない、というのが今の「レストラン」レアル・マドリーであろうか。 ベッカムというイングランド特産の「食材」を冷蔵庫に保存したまま寝かせている「コック」カペッロは、この特産品にもう一度手を出さないとならないかも知れない。 チームは21試合消化した時点で12勝(2分け)を上げているが既に7敗もしている。 今シーズンあれほど出遅れや足踏みを叩かれているバルセロナは実はまだ2敗しかしていないのである。 4日にはホーム「サンティアゴ・ベルナベウ」でレバンテに0-1と敗戦。この敗戦は当然のように「まさか」と表現されるところではあるが、現在のレアル・マドリーのチーム状況の不安定さからはこの敗戦を「まさか」と表現はできない。 今後もホームで勝利を取り逃がす、アウェーで苦杯を舐めさせられる、ということは充分予想できる。 シーズン半ばでの改革を急いだカペッロ監督のレアル・マドリーには必然的に通らなければならない道のりである。 主力選手が若返ったチームは、勢いに乗れば連勝が期待できるだろうが、そのチームの骨格はできていないので、不安定な戦いぶりが目につき、そこに「名門」として風格は感じられない。 逆に今のレアルなら勝つことが可能だ、と相手のモチベーションをあげてしまう結果となっている。ホームで相手を威圧できないレアル・マドリー、仮にチャンピオンズリーグの出場権を逃すような位置に終われば、カペッロ監督は来シーズンこの地位にいないだろう。 しかし、そうなったとしてもカペッロ個人にとっては自分の仕事を全うしただけ、ということだ。 今シーズンをレアル・マドリーのサポーターは「悲劇」と回顧することになるのか、「悪夢」と感じるのか。はたまた「奇跡」が生じる結果となっているのか、それはシーズンが終了してみないとわからないが、ひとつ確実に言えることは、「銀河系軍団」と呼ばれた過去の栄光に引きずられたまま、そのバブルの夢の中で目覚めることができなかったレアル・マドリーにとって、カペッロという一人のイタリア人「リアリスト」は、夢を覚ませて現状を直視させてくれる存在だったと言うことだ。 現在のチームが置かれている状況は、今シーズン就任したカペッロ監督のパーソナリティーによってもたらされたものだけではなく、思い返せば数年前からのチームづくりの失敗にある、ように思う。 シャビ・アロンソ、ホアキンを選ばず、世界的なマーケットを意識して選手を獲得してきたチームフロント。そして今、チームの未来を託す存在も、ロビーニョ、イグアインである。 バルサだって同じようなもんだから、それが悪い方向性とは言わないが・・・。 新UEFA会長プラティニは原点回帰の改革を謳っているようだし、各国リーグもその意向に沿う形となれば、今後ビッグクラブとの鍔迫り合いは必須となろう。 「20世紀最高のクラブ」レアル・マドリー その21世紀も、2002年のチャンピオンズリーグ制覇によって既に栄光に彩られてはいるが、その栄光は前世紀の遺産である。 レアル・マドリーにまだ輝かしい21世紀は訪れていない。
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posted by おおちゃん |12:50 |
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Re:☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
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名コックならば、用意された食材である程度できそうですが、今の結果を見ると食材が賞味期限切れだったということでしょうか・・・・・。
レアルマドリードはマーケットでは成功をしており、一つビッククラブがサッカーの本質を忘れて、今日の行き過ぎた「サッカー=ビジネス」の混乱に巻き込まれ結果に見えなくもなりません。
ただ、数シーズン前のバルサも不調に陥っており、今後レアルが復活してくれることを祈ってます。
posted by ベップ | 2007-02-05 14:18
Re:☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
コメント投稿者ID :
核が欲しくありませんか?
レドンドやイエロやデシャンやドゥンガの様な。一応バルサにはプジョルがいて、チェルシーにはテリーとランパード。マウロ・シウバの居たデポルティーボも強かったですしね。
守備的な位置でどっしり構えて的確なコーチングが出来る人、って居ないんでしょうか?
posted by アンチ | 2007-02-05 17:17
Re:☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
コメント投稿者ID :
まぁガゴ、マルセロ、イグアインは来年ですからね。今年は慣らすため。
posted by L | 2007-02-05 17:32
Re:☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
コメント投稿者ID :
コメントありがとうございます。
結局「食材」は使い様なんだと思います。
どのメニューに加えるかによっても変わるでしょうし、調理のどの段階に入れるかによっても完成品に違いは出ますよね。
システム、コンビネーション、起用法、この点に注意すれば現状の「食材」でも素晴しい味は出せるとカペッロも思ったはずですが、彼は妥協を許さない厳しい信念の人ですから、「食材」の中の特産品の指示を得られなかったんでしょうね。
彼はパスタをつくればいい、というようなメニューが指定された状況できっちりとしたパスタをつくり続けることができるタイプなのかも知れません。多様な「食材」を与えられて何でもいいからおいしいものをつくりなさい、と言われて独創的なメニューを生み出せるタイプではないんでしょうか。
ですから今回もパスタをつくろうとしたんでしょうね。今の「食材」でそれなりのパスタはできたでしょうが、来年以降も同じ味をつくり続けることはできない、と判断したんでしょう。
彼のパスタのつくり方では、ラウルという「食材」は主役にはなりえないんでしょう。今回もやはりそうでした。残念です。
問題は、「レストラン」レアル・マドリーはマドリードにあるということです。ここは毎日パスタを食べていても良いというイタリアではありません。常連はパスタしか出なくなった「レストラン」で違うメニューを要求するでしょうね。
チームの「核」という意味では、ジダンの存在はやっぱり大きかったんだなぁと感じます。彼はリーダーシップのあるタイプではないですが、存在感という意味では際立った存在でしたから。
確かにイグアインやガゴは来年以降を見越して獲得した選手でしょうが、その選手たちが既に今シーズンの起爆剤的に起用されているところにレアル・マドリーの苦しい現状があると思います。
posted by おおちゃん | 2007-02-05 19:56
Re:☆急ぎ過ぎた改革 レアル・マドリー
コメント投稿者ID :
レアルで期待できるのはカシージャスだけのようだな。ラウルはFWが本職だし、2列目で結果を出せというのは酷のような気がする。
posted by レイモンド | 2007-02-06 22:02
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