2009年07月15日
史上最高の欧州CL決勝(欧州出張レポート)
中村俊輔のセルティック最終戦を取材した翌日、グラスゴーからアムステルダム経由でローマへ。いよいよ、今回の旅のメインである、UEFAチャンピオンズリーグ決勝の地に降り立つ。到着後、カメラマンのKさんと合流し、夕食。1年半前に、一緒に行ったリストランテで、たっぷりと飲み食いし、英気を養う。やっぱり、イタリアンは格別。 翌日は、ホテルをチェックアウトし(CL決勝前後は相場が急騰するため、別のホテルへ移動)、カメラマンのKさん、Aさんと合流。ローマのオペラ座の前にあるお店でランチ。後から、ライターのS氏らも合流。S氏は今回は申請が下りず、10万円以上出して購入したそうだ。S氏だけに限らず、今回の決勝は、相当申請が厳しいとのこと。実際、当日のスタジアムには、日本からやってきている記者は、数えるほどしかいなかった。そんな状況で申請を許可してくれたUEFAには感謝。 ランチ後、スタディオ・オリンピコへ。アクレディテーションセンターで、無事、プレスパスをゲット。大丈夫とはわかっていても、実際に手にはいるとホッとする。その後は、スタジアム内で記者会見&練習取材。先がマンチェスター・ユナイテッド、後がバルセローナ。どちらも試合前ということで、軽めの練習だったが、それでも技術の高さや、誰と誰が組んでアップをしているかなど、見どころはたくさん。印象的だったのは、パス回しの練習における、両者の微妙な違い。ともに、8対2(8人でボールを回し、2人がDFとしてボールを奪いにいく。パスはダイレクト)の練習をやっていたのだが、マンチェスター・ユナイテッドの輪に比べて、バルセローナの輪が一回り小さい。もちろん、マンチェスター・ユナイテッドの輪も、相当小さいのだが、バルセローナは驚くほどの狭さで、正確に速くボールを回していた。中でも、シャビ、イニエスタ、メッシの3人は別格。パス回しを見ているだけでとにかく面白い。 取材後、スカパー!のスタッフと合流して、夕食へ。解説担当の柱谷幸一さん、実況の八塚さん、コーディネーターのウィリー(スカパー!のセリエA中継でお馴染み)、そしてスカパー!のスタッフ一同、総勢10数人で盛り上がる。乾杯直後、空港からタクシーを飛ばしてきたバンちゃん(播戸)も合流。G大阪がACLに出場しているため、ナビスコカップのグループリーグは免除された結果、まるで計画したかのように、短期オフとCL決勝の期間が一致し、バンちゃんはローマへやってきたわけだが、当然、現役選手がシーズン中に渡欧して試合を観戦するのはさまざまなリスクがある。だが、そのリスクを冒しても、現地でしか得られないものを得るために、遠路はるばるやってきたバンちゃんはエラい。きっと、この決断が生きる日が来るはず。 さて、試合当日の夕方、バンちゃんとホテルからオリンピコへ向かうため、ホテルのフロントでタクシーを呼ぶと、「30分以上かかる」という。ローマ市内で大規模な交通規制が行われているため、タクシーが引っ張りだこなんだとか。どうにもできず困っていると、先にタクシーを呼んでいた2人組が、一緒に乗せて行ってくれることに。この2人、イングランドから来たという2人は、イングランド3部のミルウォールのサポーター。特にどちらを応援するとかではなく、ビッグマッチを見に来たとのこと。また、彼らは昨年のクラブW杯でのG大阪vsマンチェスター・ユナイテッドもテレビで見たらしく、バンちゃんがその試合に出たと言うと、かなりハイテンションな対応をしていた。それにしても、バンちゃんのコミュニケーション能力の高さには驚かされる。カタコトの英語ながら、ボディランゲージをまじえてガンガン会話する姿を見て感心させられた。 オリンピコの入口の前でバンちゃん&イングランド人たちと別れ、スタジアム内へ。まずは編集部や関係者に頼まれたオフィシャルグッズを購入するため、グッズショップに。人混みでもみくちゃになりながら、何とか購入成功。驚いたのが、マスターカードではなくVISAカードでも購入できるということ。自分の前に会計していた人が実際にVISAカードで購入していたのだが、これには驚いた。FIFAの大会でも同じなのだろうか。 試合前には、フジテレビの解説として来ていた風間さんと1時間ほど雑談。CL決勝の話だけでなく、日本サッカーの目指す方向性にまで話は及んだ。風間さんの話は、いつもながらシンプルでわかりやすく、本当に勉強になる。他にも、ジョン・カビラさんやトニーさんらと挨拶。 試合の内容は割愛するが、勝敗を分けたのは、キックオフ前とハーフタイムに大量にまかれた水かもしれない。水を含んでボールが走りやすくなったピッチが、マンチェスター・ユナイテッドのロングパスを封じ込め、バルセローナのパス回しを加速させたことは間違いない。一説には、バルサ側からの「試合前にピッチに水をまきたい」という希望を、マンU側は快諾したと聞くが、それがもし本当ならば、マンU側にはある種の慢心があったと言えるのではないだろうか。 試合後、バンちゃんやダイスケ(トリノ在住の友人)と試合を振り返りつつ、パチモノのマフラーなどを購入。その後、ウィリーらスカパー!スタッフの車に同乗させてもらって、夕食へ。前日にみんなでやったスコア予想は、正解者なし……。でも、最高の内容の決勝を見られたことで、みんなムチャクチャテンションは高かった。プレミアリーグ王者であり、イングランドで最も人気のあるマンチェスター・ユナイテッドと、リーガ・エスパニョーラ王者であり、スペインで最も人気のあるバルセローナ。しかも、世界で最も人気のあるクリスチアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2人の対決、という構図まであった今回のCL決勝は、これまでで最も最高のカードだったと言えるだろう。そんな試合を取材できた幸運に感謝したい。 (カターニア篇に続く)CL決勝開催に備えてリニューアルされ、美しく生まれ変わったオリンピコ
プレスの熱気も史上最高
前日練習時に、スコア表示のリハーサル。残念ながら、マンUにゴールは生まれなかった……
posted by from1 |16:16 |
欧州サッカー |

CL決勝開催に備えてリニューアルされ、美しく生まれ変わったオリンピコ
プレスの熱気も史上最高
前日練習時に、スコア表示のリハーサル。残念ながら、マンUにゴールは生まれなかった……

優勝セレモニーを見届けた後は、カメラマンのKさんと一緒に、急いでフランクフルトへ。本来ならば、市庁舎で行われる優勝報告会の取材も行いたいところだったのだが、翌日のセルティックvsハーツ戦を取材するためには、フランクフルトに戻り、朝イチの飛行機に乗る必要があるのだ。後ろ髪ひかれつつ、フランクフルトに戻り、中央駅の構内にあるアジアンフードで晩ご飯。
おまけ)以下の写真は、スタジアムから駅への帰り道で目にしたもの。センス抜群。
(セルティック篇に続く)
駅から、プレスパスのネゴをお願いしている人に電話してみる。声のトーンで、すぐに交渉がうまくいったことがわかる。「何とか、カメラマンさんの分だけはパスが出ました!」 あれ? いや、確かに「カメラマンを最優先で!」とお願いしたのだが、ホントにカメラマンしか出ないなんてことあるの?「席がないなら立ち見でもいいです」と伝えたのに……。いやいや、カメラマンのパスが出たのは素晴らしいことだ。こうなったら、おれの分はプレス入口で直接交渉だ!
スタジアムに着いて、プレス入口が空くのを待ち、さっそく交渉。すると、こちらの名前を聞くなり、広報のえらい人っぽい女性が、すごく厳しい表情で、「オンリー、カメラマン」とだけ口にする。なんだか、ムチャクチャ怒ってる。どうやら、一度、NG連絡をした人間が、別のルートからネゴったことが気に障ったようだ。その広報と顔見知りの記者に交渉してもらっても、とりつくしまもない。
すぐに切り替えて、ダフ屋を探しに行く。チケットが完売しているにもかかわらず、ダフ屋が全然いない……。諦めかけた時、一人の少年から声をかけられる。なんと、その手には1枚のチケットが! 金額を聞くと、●●ユーロという。元々の価格が非常に安いことから考えると割高だが、それでもフランクフルトからヴォルフスブルク間の片道電車賃と変わらない金額だ。この状況なら当然即決。少年はうれしそうに走り去った。
キックオフ10分前に、スタジアム内へ。せっかくの一般席なので、ビールとプリッツェルを手に、シートへ。席は正面右よりだが、かなり見やすい。そして、周囲には熱狂的なヴォルフスブルクのサポーターたちが。聞いたところによると、ヴォルフスブルクはブンデスリーガの中でも、あまり人気がないことで知られているそうだが、さすがに初優勝がかかった試合ということで、応援にも熱が入っている。
ピッチを見ると、長谷部が予想どおり、スターティングメンバーに入っている(大久保は発熱のため、ベンチ外)。相手は2日前にUEFAカップ決勝を戦い(しかも敗戦を喫し)、間違いなく疲労の残っているブレーメン。難敵とはいえ、この状況ならば、勝利する可能性は高い。キックオフの笛が鳴り響いた。(続きは次回)







