2007年12月25日

日本代表チームの新レシピ

ちょっと前だが、日本代表コーチに大木武氏が就任するというのはちょっとしたニュースだった。ヴァンフォーレ甲府という、どちらかと言うと予算的に非常に厳しいチームを率いながら、ある一つのコンセプトを掲げてチームをJ1に昇格させた手腕は、評価されてもいい。日本においては異才を放つ指導者だと思う。4-3-3というオランダ・スタイルを徹底させ、ショートパスによって相手チームのプレスをかいくぐるスタイルは、観ていて爽快だった。

岡田監督という勝負に徹した現場主義的な監督と、大木氏のオフェンス・オリエンテッドな戦術が融合すれば、ちょっとした面白いスタイルが生まれるのではないか。そんな期待感が僕にはある。これまで僕らに見せてきた2人のサッカー観・スタイルは全く違うからこそ、その2人が持つそれぞれのアイディアが融合されたものを見てみたいと思う。ソリッドで堅牢な守備と、ショートパスを執拗に繋ぐ、攻撃サッカーのコンビネーション。ちょっとあり得ない、というぐらいの距離の隔たりのある二つの要素が奇跡的に共存し、調和するような、そういうサッカーのスタイル。例えばウニと赤ピーマンとを一つの皿にコンビネーションさせるフランス料理のように。

というか、それぐらいの「奇跡」がなければオシム・スタイルの幻影は払拭できないのは間違いない。非常に愚鈍な、退屈で古いスタイルがフィールド上で現れてしまった時の現体制の脆さは、すぐ想像できる。もし、現体制が生き残るとするならば、やはり新しいスタイル、価値提案がなければサヴァイバルできないのだ。そのことを岡田監督は僕らが想像する以上に、しっかりと理解しているのかもしれない。

posted by footballplanet |13:05 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2007年12月18日

I Belong To JESUS

得点を決めたカカはシャツをめくり上げると、あの例のフレーズが現れた。「I Belong To JESUS」。カカの将来の夢は神父になることだそうだ。聖書と現代社会との間にある溝を埋めるのが神父の役割であり、それは非常に難しい仕事だが、自分はこれをやりたい。それが夢だ、と。

よく天才的なプレーヤーは神に譬えられる。ペレしかりマラドーナしかり。そしてカカは本当に神の道を歩もうとしている。とにかくこの日のプレーも相変わらずスピーディーで、無駄が一切なく、素晴らしかった。

posted by footballplanet |09:33 | ヨーロッパ | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年12月13日

わかっちゃいるけど止められない

いつもの「トヨタ・カップ」よりも俄然面白いゲームだった。カカのスピードが、鈴木啓太や阿部と比較することによって、よりリアルに感じられた。あの初めの3歩目ぐらいの加速感というのは、ちょっと別次元だ。このスピードでマンチェスターUやリヴァプールがメタメタにされたんだ、というのがわかる。そのカカがサイドをえぐってセードルフがそれに合わせる。という、黄金パターンが炸裂。浦和は…どうなんだろ?よくやっていたと思うが、ミラン相手に中二日はさすがに厳しいような気がする。押し上げが遅い(というか上がれない?)。

ただミランは例のクリスマスツリーの天辺の選手、要はジラルディーノやインザーギの存在がやはり軽いかもしれない。もう少しボールを持てる選手、例えば髪が酷くハンパに伸びているデブなブラジル人ストライカーのような選手がいれば(笑)、もっといいのに、とは思う。ボカはそれになりに強い。ただ、カカとセードルフとのコンビはわかっちゃいるけど止められないんだろう。

片やミラン的な甘いマスクの高速テクニシャンと、片や筋肉ダルマな黒人のアスリート。非常に対称的なベクトルを持つタフなアタッカー・コンビは、お互いの欠けているものを補完し合い、ほぼ全能な一つのスキルとなって相手DFラインをこじ開けてしまう。この2人が繰り出す前後のポジションチェンジをバイタルエリアで繰り返されたら、やはりマークが無力化するのも当然だ。こりゃあ誰もが予想する通りの、マルディーニの最後の花道を飾る大会になるんだろうか。

しかし。浦和×ミラン戦よりも、ボカ×ミラン戦のほうが面白くなる、ということは無いような気がする(苦笑)。

posted by footballplanet |22:22 | ヨーロッパ | コメント(0) | トラックバック(1)
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2007年12月12日

「カズ、外れるのは三浦カズ」

なんていうシーンが何度もTVでリプレイされていたが、遂に始まった、岡田JAPANが。新しい代表リストには鹿島の選手が名を連ねている。田代は特に意外。でも、こんなことはあまり重要じゃない。たぶん選手リストは今後もっと更新されていくだろう。

果たしてこれからの代表はどんなプレースタイルになるんだろうか?オシムさんが掲げた「日本化」というテーマがどれぐらい昇華されるのだろうか?関心はこの点に尽きると言ってもいい。かつての「トルシエ・スタイル」、あるいは「ブラジル・スタイル」というものではなく、日本人監督と日本選手による日本代表チームが体現するもの…サポーター、協会、監督、そして選手が「日本のサッカーというのはこういうのだよね」というイメージが暗黙のうちに共有され、フィールド上に具現化されているという…そういったことがこれから築くことが出来るのか。

「人もボールも動くサッカー」。これはちょっとした発明に近いキーワードだったと思う。ポジションは流動化し、特定の場所にボールが滞ることなく、フィールド上を偏在しながらゴールに突き進む。いわゆる「組織的」と言われる日本人の体質にマッチしたスタイルがつくれるのか。僕らにはある一つのフレームが必要だ。自分たちのアイデンティティを表すような、ある一つの思考のフレームが。何かの障害が生まれた時に、常にそのフレームに立ち返ることが出来るようなもの。それがコンセプトであり、関係者全てがそのコンセプトを共有しているような状態…

そういった関係性が果たしてこれから生まれるのか。僕らサポーターと、監督と、選手と、そしてサッカー協会の間で。岡田監督にはそういった難しい問題に直面している。何故ならそういった仕事を彼は今までやったことがないからだ。かつての代表でも札幌でも横浜でも、そういったコンセプトを描き、そこから生まれる関係性によってチームにある一つのモチベーションを与える。そういった経験は残念ながらない。が、岡田さんなりの「日本サッカー観」というものがここ数年で培われているのであれば、それを見てみたい。

にしても今だから言えるが、オシムさんのサッカーはスペシャルなものだったように思える。アーセナルやローマのような、ダイレクトプレーとフリーランニングが交互にコンビネーションされるようなスタイル。これが奇跡的に日本代表に移植されるようなことが起きたら、世界にサプライズを提供できたことは間違いない。

とは言え、やはり我々はまだ歴史を持っていない。様々な人間が加わるリレーのバトンタッチによって、ある一つのスタイルが作り出される。まだ我々はそれほどバトンをつなげてはいなし、スタートしたばかりだ。だから岡田さんのこれからについては、とにかく興味深く見守りたい。

posted by footballplanet |20:03 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年12月04日

イケ男揃いのメガクラブ

ACミランの選手のセレクトの基準の一つには選手のルックスも含まれている。そう思わせるぐらいミランにはいい男が揃っている、あるいは揃っていた。もはや他のジャンルのショービジネスと同様に、商品となる選手たちの外見も非常に重要な要素になってしまっている。そう思わざるを得ない。ましてやミランはイタリアのケーブルテレビ局を買収して自分のチームの試合を放送しているんだから、それも当然のことかもしれない。

サッカーは資本主義のエッジをいくスポーツとなっている。「モーニング娘。」や「ジャニーズ」といったタレントのプロデュースと同様にある一定のターゲットに向けた「選手の理想的な姿」を考えている。と言ってもそれは過言じゃないだろう。クラブ経営というのはもはやそういった次元にまで到達してしまっている。特に「世界のACミラン」、「グランデ・ミラン」にとっては、そういった路線は不可避だ。ちょっと思い出して欲しい。ヴァンディエラのマルディーニ、ちょっと前のシモーネやドナドーニ、コスタクルタにレオナルドにボバン。あるいはシャフチェンコのマスクを。超イケ男揃いだ。僕らはテレビを通して、イタリアのミラノで素晴らしい動きを見せる、グッドルッキングな男達に感動する。

そしてカカ。この選手は2000年代のミランにおける、シェフチェンコ以来の傑作だと言っていい。ブラジル人ながらにしてホワイトクラス出身の白人プレーヤーは(ミラノに住むイタリア人達にはすごく好かれそうだ・苦笑)、優雅さと強靭さを兼ね備える稀有なプレーヤーだ。初めて彼を見たときのインパクトは衝撃的だった。前方へ反転したときの速さ(あの初速のスピード、そして加速後のスピードといったら!)、ミドルシュートの正確さ、正確なスルーパス、そして何と言っても全てのプレーが計算されていて無駄が皆無で、シンプル。これがブラジル人?というぐらいのあっさり加減。でもそれが敵チームに対しては致命傷になる。ああ、何という天性の才能と唯一無比なマスクが共存した、まさしくミラン的なタレント!

バロンドールは極めて妥当だろう。唯一マラドーナが苦言を呈していたが(苦笑)、それは無視。またしてもミランは勝ったわけだ。いったい90年代以降の彼らは何人バロンドールを送り出している?メディア戦略的な選手獲得と育成強化が恐ろしくマッチングしたメガクラブのモデルケースとして、これからも彼らは語り継がれるだろう。そして今月、彼らが東京にマジに勝ちに来る。

posted by footballplanet |23:25 | ヨーロッパ | コメント(8) | トラックバック(0)
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2007年12月01日

奇跡!!!

こりゃあヤベえよ、マジこれヤバいよ、あーヤバい、マジにヤバいよ…というセリフが自然と口からこぼれだし、延々とループする。テレビを見ながら。BSと1チャンネルを交互に見る。一方は、ハッピーな最後のホームゲームを悠々と展開している。そしてもう一方は、選手の顔は青ざめ、疲れ果て、虚ろな目でボールを見つめている…

鹿島ファンとしては出来れば他会場のことは一切気にしないで、自分のチームの勝利をただ純粋に噛み締める。ただそれだけでいい。優勝?そんな贅沢!とんでもない!!という感じの、極めて慎ましやかな態度で僕は試合に臨んでいた。なので優勝への期待は全くなかった。あまりにも濃密過ぎる90分間。そしてその後の歓喜の爆発。

何故、鹿島は優勝できたのか?一番の要因は浦和の不調に尽きる(笑)。そしてオリヴェイラ監督の手腕、中堅選手の成長というのが大きい。やはりトニーニョ・セレーゾ暗黒政権が終わったのが一番大きいかもしれない(苦笑)。

オリヴェイラ監督がかつての鹿島のスタイルを復活させることが出来たことは間違いない。小笠原のボランチ起用、田代のようなターゲットマンの固定化、中盤の守備意識の強化…様々な微調整、バージョンアップに彼は成功した。特に前節の彼の采配はかなり見事なはまり具合で、見ていて鳥肌が立ったな。しかしJリーグは鹿島のようなローカルチームが優勝できるのが素晴らしい。他のリーグだとこうはいかない。

それと…
沢山のコメントありがとうございます。“コンセプトメーカーとしての監督”というテーマはまだこれからも深めて書いていきたいと思いますね。ナショナルチームとクラブチームとでまた変わってくるかと思いますし、僕は去年のあの「陰惨な」W杯についても自分では消化しきれていない部分があり(日本以外の、あの列強のチームが見せた酷く退屈でゲームの数々はもはやトラウマ的な記憶でしかないでしょう)、こういったことも書いていければなあ、と思っています。

posted by footballplanet |17:59 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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