2010年02月21日
前編では世界の主要リーグで3連覇以上を達成したクラブを紹介した。今季鹿島が狙うリーグ4連覇は、アジアのクラブはもちろんのこと、南米の強豪クラブも未だ実現しておらず、世界的にみても非常に狭き門であることが分かった。また、栄華栄耀を誇ったその先には極端に低迷するクラブもあるようで、タイトルを維持する難しさと同時に、チームの安定した力をいかに継続できるか、というのも黄金時代を長く築くための肝所といえるだろう。そこで後編となる今項では、栄枯盛衰の激しいJリーグで、なぜ鹿島が断トツの国内3大タイトル13冠を成し、リーグ4連覇を狙うまでのクラブに成長したのか。ぶれることのない一貫したクラブの姿勢を、鈴木満・取締役強化部長の言葉をかりて考察してみたい。
93年のJリーグ開幕以来、鹿島には多くの好敵手が出現した。1990年代後半から2000年代初頭まで2強時代を形成したジュビロ磐田を筆頭に、ヴェルディ川崎、横浜F・マリノス、ガンバ大阪、浦和レッズ、そして川崎フロンターレと・・・。鹿島に立ちはだかるのは、個性的なタレントを擁するチームや、苦悩のなかからようやく獲ることができたチームなど、それぞれ特徴的な“色”を持っていた。そんななか、いつの時代も鹿島だけは不変のスタイルを貫き通した。選手全員が試合の流れを読み、まるで一つの生き物のように動く鹿島スタイル。すべてはチームの勝利のために。アントラーズ党信者はすでにご承知のことと思うが、クラブ創設以来、ジーコとともにそれを築いた一人が取締役強化部長の鈴木満氏である。
鹿島の伝統の一つに、中盤をボックス型にした[4-4-2]システムがある。鈴木氏は中長期的にチーム編成を考える上で、それをベースとしている。「チームは3年で一度ピークを迎える。土台は変えず、新たな刺激を与えつつ、さらにチーム力が上がるように変化が必要だ」と。鹿島には[4-4-2]フォーメーションに配置した年齢構成表があり、主力はどの選手で、その下にバックアッパーがいて、3年後にはだれが出てくるといった構想を持ちながら、選手編成を組み立てるという。鹿島が新人選手を獲得する際には、常に年齢構成表に基づかれた綿密なクラブ設計がある。個に依存する一過性のスターを作り上げるような風潮はない。
鹿島はどのクラブにもない教理を持つことで独自のスタイルを確立しつつある。選手たちはその教えをピッチで表現することで勝利を掴み、大一番においては勝負強さと手堅さ、つまり勝利のメンタリティーを発揮してきた。クラブ創設以来、常に安定した成績は、ぶれることのないクラブ・スピリットに他ならない。しかし、今年で18年目を迎えるJリーグには、確実に根を下ろしながら成長を遂げた都市部のクラブが上位を占める。つまり、各クラブが独自の色を持つことで、Jリーグは少しずつ成熟し始めているのだ。
世界をみても狭き門であるリーグ4連覇。鹿島は今季、その偉業に挑むわけだが、Jリーグが群雄割拠の時代を迎えても、資金力のある大都市クラブが勢力を振るい始めても不変の鹿島スタイルでその道を切り拓いてほしいと思う。偉業を遂げた世界の主要クラブを“大企業”で例えると、Jリーグでは浦和が頭ひとつ抜けているとはいえ、全体的には“中小企業”に相応する。つまり、欧州のビッグクラブのように世界選抜ともいえるドリーム・チームを編成するのは、Jクラブにおいて皆無。仮に、それが日本選抜であっても、他のクラブを圧倒できるか否かは未知数だ。やはり、Jリーグでは足元をしっかり見ながら身の丈を知り、漸進するクラブが最も安定した力を発揮できるのではないだろうか。「育成と勝利」の両立を掲げる鹿島には不可能を可能にする反骨の牙がある。今季も、それを研ぎ澄まして大きな巨壁に立ち向かってほしいと思う。
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4連覇を遂げた世界の強豪クラブ(後編)
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2010年02月18日
今季、前人未踏のリーグ4連覇を狙う鹿島だが、ふと思った。世界中に星の数ほど存在するプロサッカークラブのなかで、リーグ4連覇を達成した偉大なクラブは果たしてどれほど在るのか、と。ここで世界中すべてのクラブを紹介することはできないが、欧州・南米の主要リーグ、日本、韓国、中国といったアジアのリーグで、栄華栄耀を誇ったクラブをまとめてみた。調べてみると、2連覇達成のクラブはかなりの数に上るも、それ以上になると激減。タイトルを維持する難しさは、それを手にする以上に困難であることを改めて痛感する。
■3連覇を達成したクラブ
[イングランド]
○マンチェスター・ユナイテッド(1998-1999・1999-2000・2000-2001)
○マンチェスター・ユナイテッド(2006-2007・2007-2008・2008-2009)
[イタリア]
○ジェノア(1898・1899・1900)
○ジェノア(1902・1903・1904)
○プロ・ヴェルチェッリ(1910-1911・1911-1912・1912-1913)
○ACミラン(1991-1992・1992-1993・1993-1994)
[スペイン]
○レアル・マドリード(1977-1978・1978-1979・1979-1980)
[ドイツ]
○バイエルン・ミュンヘン(1971-1972・1972-1973・1973-1974)
○ボルシアMG(1974-1975・1975-1976・1976-1977)
○バイエルン・ミュンヘン(1984-1985・1985-1986・1986-1987)
○バイエルン・ミュンヘン(1998-1999・1999-2000・2000-2001)
[ブラジル]
○サンパウロFC(2006・2007・2008)
[アルゼンチン]
○ラシン・クラブ(1949・1950・1951)
○リバー・プレート(1955・1956・1957)
[日本]
○鹿島アントラーズ(2007・2008・2009)
[韓国]
○一和天馬(1993・1994・1995)
○城南一和天馬(2001・2002・2003)
※一和天馬は2000年に本拠地を城南市に移し、城南一和天馬に改称。
[中国]
○大連万達(1996・1997・1998)
○大連実徳(2000・2001・2002)
※大連万達は現在、海運業を中核とする海昌グループがスポンサーとなり、チーム名を大連海昌(大連実徳)としている。
■4連覇を達成したクラブ
○トリノ(1945-1946・1946-1947・1947-1948・1948-1949)
○インテル(2005-2006・2006-2007・2007-2008・2008-2009)
○バルセロナ(1990-1991・1991-1992・1992-1993・1993-1994)
■5連覇を達成したクラブ
○ユヴェントス(1930-1931・1931-1932・1932-1933・1933-1934・1934- 1935)
○レアル・マドリード(1960-1961・1961-1962・1962-1963・1963-1964・1964-1965)
○レアル・マドリード(1985-1986・1986-1987・1987-1988・1988-1989・1989-1990)
昨季鹿島はJリーグ史上初となる3連覇を達成し、2010シーズンで4連覇を狙うことになるが、世界的にみても2連覇から3連覇、さらに4連覇とタイトルを積み上げたクラブはそう多くはない。この他にも、オリンピック・リヨン(フランス)が達成した欧州主要リーグ最多の7連覇(2001-02・2002-03・2003-04・2004-05・2005-06・2006-07・2007-08)という偉業もあるようだが、アジアにおいて4連覇を達成したクラブは存在せず、南米の主要リーグにおいても同様だ。現在、世界中に約140ものプロサッカーリーグがあるなかで、4連覇を達成したクラブは、フランスのオリンピック・リヨンを含めても僅か「6」。今季鹿島が挑むリーグ4連覇は世界的にみても非常に狭き門といえる。
「タイトルを維持する難しさは、それを手にする以上に困難である」。ジーコが2007年に、鹿島が国内2冠(リーグ・天皇杯)を達成した際に寄せたメッセージであるが、次項は鹿島の今シーズンについて少し触れてみようと思う。一歩一歩積み重ねてきた歴史あってこそのリーグ3連覇。そして4連覇への挑戦。世代交代と、チームのサイクル。群雄割拠のJリーグ。そしてまだ手にしていないタイトル、アジア王者。尽きせぬ想いは後編で。
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4連覇を遂げた世界の強豪クラブ(前編)
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2010年02月01日
柴崎岳がチーム練習に初参加
2011年シーズンから加入することが内定しているU-17日本代表MF柴崎岳(青森山田)が、鹿島に前倒しで合流した。高校2年生ながら、鹿島と来季入団で仮契約を結び、当初は2月1日から始まる宮崎キャンプに参加予定だったが、東北新人大会準々決勝で青森山田が盛岡商に敗れたため、予定を早めて31日の練習から鹿島に帯同することになったようだ。
「プラチナ世代」の代表格・柴崎岳は、同世代のなかでも飛び抜けて広い視野と高いパスセンスを持つ“超高校級ミッドフィルダー”で、国内外のクラブが興味を示した逸材だ。昨秋に行われたU-17ナイジェリアW杯では「10番」を背負い司令塔として活躍。柔らかいボールタッチと視野の広さが武器で、高校選手権でも準優勝の原動力となった。
青森山田高校の黒田監督は「柴崎はボランチに拘っているので、小笠原さんとか日本でもトップクラスの選手がいるなかでやってみたいようだ」と説明し、柴崎も「同じポジションの選手たちのレベルが高い。小笠原さんや青木さんから学びたい気持ちは強くあります」と話している。2月1日から始まる宮崎キャンプでは、チームの雰囲気に慣れることから始まるが、その雰囲気から少しでも「プロの精神」を肌で感じとってほしい。昨年の大型ルーキー大迫勇也に引き続き、今年も多くの報道陣が日向国を訪れるだろう。
オリヴェイラ監督と、新外国人が来日
31日の午後にはオリヴェイラ監督、そして新加入となるフェリペ・ガブリエル選手とジウトン選手が揃って来日しました。初来日となるフェリペ・ガブリエル選手は「Jリーグ優勝とアジア制覇できるよう、チームに貢献したい」と意気込みを話してくれました。
就任4季目のオリヴェイラ監督と、新加入のMFフェリペ・ガブリエル、DFジウトンの両選手が31日、来日した。指揮官と期待の新外国人がが揃ったことで、2月2日、鹿島の2010シーズンが本格的に始動する。今季の新体制は、オリヴェイラ監督を始めとする昨年同様の体制に、新たに韓国語通訳1人を加えた24人のほか、新加入選手を含めた31人でスタートする。
指揮官とともに来日したフェリペ・ガブリエルは、背中に羽があるような軽やかなプレースタイルから「天使」の愛称を持ち、セレソン入りを期待される逸材のようだ。U-20ブラジル代表歴を持つ24歳のガブリエルは「私の憧れであるジーコが所属したクラブのユニフォームを着られるのは誇らしい。チームに貢献できるように頑張りたい」と決意を語っているが、聖書においてガブリエルは「神の言葉を伝える『天使』」である。
「神様」ジーコに憧れるガブリエルと、神の言葉を伝える「天使」ガブリエル。そういえば、2つの深紅で表した2010年モデルのコンセプトは「伝統と未来」。歩んできた道と、進むべき道。クラブ独自の伝統を守りながら未来へ向かおうとしている鹿島において、ジーコとガブリエルとのつながりを好いように捉えてしまうのは私だけかもしれないが・・・まずはキャンプ地の宮崎で、一日も早く、日いずる国ニッポンとチームに慣れて、優雅に、そして力強く舞い上がってほしいと思う。
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神の言葉を伝える天使
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