2009年04月20日
後編で紹介するのは、アル・イテファクとアル・シャバブ。アル・イテファクはサウジ・プレミアリーグ3位でACL初出場を果たし、アル・シャバブはサウジ・チャンピオンズカップ優勝で同大会出場を決めたサウジアラビアのクラブだ。この2クラブは、前編で紹介したアル・ヒラル、アル・イテハドに較べると、人気、実力的にはやや劣るようだが、ACLでは他国の強豪クラブに善戦し健闘を魅せている。今大会からレギュレーションが大幅に変更された事で、アジア西地区も群雄割拠の様相を呈しているが、今後の結果次第ではグループ・リーグ首位突破も大いに可能性がある両クラブ。果たしてどんなクラブなのか、と調べてみたが、日本ではまだまだ知名度が低く情報が薄い。そこで今回は、両クラブの他に、西地区で注目する強豪クラブも併せて紹介しようと思う。
まず最初に紹介するのは、1944年創設のアル・イテファク。昨シーズン、サウジ・プレミアリーグ3位でACL初出場を果たしたアル・イテファクは、サウジアラビア東部最大の都市・ダンマームを本拠地とするクラブだ。ホームスタジアムは、北京五輪アジア最終予選・U-22日本代表対U-22サウジアラビア戦が行われたプリンス・ムハンマド・ビン・ファハドスタジアム。元鹿島監督のゼ・マリオも、このクラブで指揮を執った経験があるようだ。ACLグループDでは、セパハン(イラン)やFCブニョドコル(ウズベキスタン)が入る激戦区で混沌の様相を呈しているが、3試合を終えた時点で、首位をキープしている。アル・イテファクには、同国代表のDFアーメド・バハリや、FWサレー・バシル、ガーナ代表FWプリンス・タゴエらが在籍している。次に紹介するのは、1947年創設のアル・シャバブ。本拠地は首都・リヤド。人気的には同都市を本拠とするアル・ヒラルやアル・ナスルに劣るようだが、実力的にはサウジ・プレミアリーグ屈指の強豪クラブのようだ。サウジ・チャンピオンズカップ優勝でACL出場の権利を得たアル・シャバブは、同国代表のGKモハマド・ホージャやMFアブドゥ・アウテフ、UAE代表のDFワリド・アッバスらが在籍している。
2002-2003シーズンよりスタートしたACL。前身のアジアクラブ選手権を含めれば28回を数える本大会は、アル・イテハド(サウジアラビア)が連覇(2004年、2005年)を飾ったものの、UAE、タイ、シリア、韓国、イラン、日本、オーストラリアなど数多くのクラブがファイナルに進出。2009年大会からフォーマットが一新した事で、盛り上がり、レベルともに「アジア最高峰の大会」というブランドが着実に築かれつつある。今回は同大会に出場するサウジアラビアのクラブを紹介したが、他にもアジア西地区では、イラン、UAEの国内リーグの評価も高く、それぞれ4つの出場枠を持つ。しかし、ウズベキスタンやカタールのクラブも侮る事はできず、西アジアの主要リーグに迫る勢いとなっているのが現状だ。
それらのクラブを紹介すると、2007-2008シーズンのカタール・スターズリーグで得点王を獲得した元G大阪のアラウージョや、イラク代表のMFナシャト・アクラム、FWユニス・マフムードといったタレントを擁するアル・ガラファ。バーレーン代表のエースFWアラー・フバイルや、元G大阪のマグノ・アウベスといった経験豊富なストライカーを揃えるウム・サラル(カタール)。元ブラジル代表リバウドを筆頭に、2008年のAFC年間最優秀選手賞を受賞したMFセルヴェル・ジェパロフ、元チリ代表ストライカーFWホセ・ルイス・ビジャヌエバといった名手を揃えたFCブニョドコル(ウズベキスタン)などである。ウズベキスタンとカタールのリーグはAFCの格付けでCランク(東地区ではシンガポール、タイ、ベトナムのリーグに相当。JリーグはAランク)とされているが、決して蔑視する事はできない相手だ。今回、サウジアラビアを始めとするアジア西地区の強豪クラブを紹介したが、少しでも敵の城砦を知る事で、新たな発見があるかもしれない。そんな事を期待しながら「砂漠の勇者たち(前編・後編)」が、少しでも参考になれば欣快の至りである。
(完)
mixiチェック
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/football_dream/article/167
【ACL2009】砂漠の勇者たち(後編)
posted by 鹿太郎 |00:00 |
AFCチャンピオンズリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2009年04月14日
3月10日に開幕したAFCチャンピオンズリーグ(ACL)は現在、グループリーグ3試合を消化し、折り返し地点に立った。確実に勝点を積み重ねているチームや、未だ白星を挙げられずに苦戦を強いられているチームなどさまざまであるが、ノックアウト・ステージに進出する可能性は多くのチームに残されている。第3戦を終えたばかりで今後の行方云々を語るには時期尚早だが、この時点で各グループリーグの順位表を見ると興味深い結果になっている。それは、東地区は日本のクラブが、西地区はサウジアラビアのクラブが上位を占めているという事だ。東アジアの強豪リーグがJリーグだとすれば、西アジアの強豪はサウジ・プレミアリーグなのか。確かに、欧州のようにアジアでも「主要」と呼ばれるリーグがあっても悪くはない。そこで今回は、ACLグループリーグ西地区で勢威を振るうサウジアラビアのクラブを前・後編と2部に分けて紹介しようと思う。
最初に紹介するのは、サウジアラビアの首都・リヤドを本拠地とするアル・ヒラル。1957年創設のアル・ヒラルは、国内リーグ最多の11回優勝、カップ戦を含めた国内主要タイトルは24冠、ACLの前身アジアクラブ選手権を始めとする国際大会でも多くのタイトルを獲得している名門中の名門クラブだ。元鹿島で指揮を執ったトニーニョ・セレーゾが、2007年2月に監督に就任した事でも知られている。王族の援助を受けながら、欧州・南米の指導者を招聘し、下部組織も整備されている他、選手達は欧州レベルの高年棒を手にする事ができる為、ベテランの有名選手が小遣い稼ぎ感覚で短期間契約を結ぶ事も多い。サウジアラビアのみならず、アラブを代表するクラブとなったアル・ヒラルには、「砂漠の英雄」と称され、W杯4大会連続出場の原動力となったジャバーが在籍していた。現在は、スウェーデン代表で2006年ドイツW杯に出場したMFクリスティアン・ウィルヘルムションや、イングランド・プレミアリーグのフルハムから期限付きで移籍した韓国人ストライカーのFWソル・ギヒョン、「アジアの黒クモ」の異名を持つ元サウジアラビア代表GKデアイエらが在籍している。3試合を終えたACLグループAでの戦績は1勝2分で2位。
次に紹介するアル・イテハドは、1928年創設で、首都・リヤドに次ぐサウジアラビア第2都市・ジェッダを本拠地とするクラブだ。昨シーズン、国内リーグ2位でACL出場を果たす。因みに「アル」はアラビア語の「定冠詞(英語のTheに相当)」で、「イテハド」はアラビア語で「ユナイテッド」という意味。アラブ諸国には同名のクラブが幾つか存在するが、混同を避ける為に、アル・イテハド・“アレッポ”(シリア)、アル・イテハド・“トリポリ”(リビア)など便宜的に地名を付けて呼んでいるようだ。ACL史上唯一、連覇(2004年、2005年)を達成したサウジのアル・イテハドは、2005年クラブW杯で準決勝進出を果たすなどアジアを代表する強豪クラブに成長した。以前、大分やG大阪に在籍していたマグノ・アウベスが、その後、移籍したクラブとしても知られている。現在は、アル・アハリ(エジプト)時代にアフリカ王者としてクラブW杯に2回出場したエジプト代表のFWエマド・モタエブや、サウジアラビア代表のエースFWモハメド・ヌール、モロッコ代表のMFヌールディン・ブハリらが在籍している。3試合を終えたACLグループCでの戦績は2勝1分で1位。
アラビア半島の大半を国土に持ち、山、砂漠、ペルシャ湾など豊富な地形を持つサウジアラビア。緑色の国旗が示すように典型的なイスラム国家でメッカとメディナという2大聖地を国内に擁している。サウジアラビアなどの中東国は、クラブ強化の為に、ピークを越えたスター選手をオイルマネーによる高い年俸で獲得したり、欧州で活躍するイスラム教徒の選手を獲得したりと中東地域は新たな活躍の場となっている。近年はその風潮が和らいでいるものの、依然オイルマネーに流されやすい傾向にある中東。「豊富な資金力を持つサウジ・プレミアリーグ」対「実力のJリーグ」。こういった対立軸が生まれれば、ACLはさらに盛り上がるのかもしれない。そんな事を期待しながら「砂漠の勇者たち(後編)」は、先に紹介した2チームに次ぐサウジアラビアの強豪、アル・イテファクとアル・シャバブについて紹介しようと思う。
(後編に続く)
mixiチェック
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/football_dream/article/165
【ACL2009】砂漠の勇者たち(前編)
posted by 鹿太郎 |00:00 |
AFCチャンピオンズリーグ |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2009年04月06日
4日に行われたJ1第4節・鹿島対京都戦では、途中出場の佐々木竜太、興梠慎三の両FWが終了間際に2ゴールを挙げ、鮮やかな逆転勝利。前節の広島戦に続き、またしても終盤の決勝弾で劇的な勝利を収めた。オリヴェイラ監督は試合後、「昨年からホームで戦う時は、相手が守備的な戦法をとって1~2回のチャンスをものにしようとする為、観る人にとってはやや面白味にかけてしまう事もあるが、我々は終盤で点を獲る形ができている。今日は不注意から失点し、試合が緊迫してしまったが、苦しい中でも選手が最後まで諦めずに戦った結果が勝利に繋がった。今月は厳しい連戦が続くが、選手もしっかりと準備ができているので全員で結束して一戦一戦を戦っていきたい」と話していた。次戦は中2日でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のアウェー戦を控える。相手は格下のようだが、最後まで諦めない勝負強さと、強い気持ちで確実に勝点3を掴んで欲しい。主審の笛でドラマチックな展開にされるのは多管閑事である。
さて、ACLグループ・リーグ第3戦で鹿島と対戦するシンガポール・アームド・フォーシズFC(SAF)。「Armed Forces」を日本語に訳すと国防軍。つまり、SAFは軍隊のチームだ。国軍を経営母体とするSAFは、1996年に発足したSリーグ(シンガポール・プロサッカーリーグ)で、最多優勝(7回)を誇る国内屈指の強豪クラブ。昨年までシンガポールのクラブはACLに出場できずにいたが、今大会からレギュレーションが変更された事で、プロヴィンシャル・エレクトリック・オーソリティ(タイ)、PSMSメダン(インドネシア)とのプレーオフを制して本大会への出場を果たした。本拠地はシンガポール北西部に在るチョア・チュー・カン。だが、ACLのホームゲームはすべてジャラン・ベサルで開催される。収容人数は6000人とコンパクトだが、ナショナル・チームの主な国際試合はこのスタジアムで行われ、シンガポール・サッカーの聖地となっているようだ。因みに、2006年ドイツW杯アジア予選・シンガポール代表対日本代表戦も、同スタジアムで行われている。
SAFには現在、DF新井健二とMF深沢仁博の2人の日本人選手が所属している。2001年にアルビレックス新潟に入団した新井選手は、2006年、アルビレックス新潟シンガポールからSAFへ移籍し、守備の要としてリーグ3連覇とシンガポール・カップ2連覇に貢献。Sリーグを代表する外国人選手の1人として評価が高い。また、テクニックとパワーを併せ持つドリブラー深沢選手は、Jクラブ(横浜FM、新潟)を始め、アルゼンチン、スペイン、カナダ、タイと数々のクラブを渡り歩く。2007年に所属したタイのバンコク・ユニバーシティFC(現バンコク・ユナイテッドFC)では、外国チームに所属する日本人選手としてACLに初参加。結果は0勝3分3敗でグループ・リーグ4位に終わるも、同グループの川崎や全南(韓国)に引き分けるなど善戦した。
SAFの愛称は「ウォリアー」。マスコット・キャラクターは「サイ」である事から、地元のサポーター達はサイ戦士などと呼んでいるのだろうか。頭部には硬い角を持つ巨体獣で、踏み潰されれば一発でOUT。だが、ピッチの上で輝くのは紅い鹿戦士。一人ひとりがチームに対する献身さと、有機的に連動したサッカーでボールと意志とが繋がれば、サイのチームを翻弄できる。アウェーの気候や悪条件に戸惑わず、鋭い枝角で勇猛果敢に立ち向かって欲しい。ACLアウェー戦は、個人的に定番になりつつある、Yシャツの中に鹿島の紅いシャツを着て念を送る儀式。これは現地参戦できなくても、紅いシャツを身に纏えば、遠方の地シンガポールで戦う同志、アントラーズ・ファミリーと結束が図れるかもしれない、という私なりの信仰表現だ。明日は黄金の3rdユニフォームで初勝利。東京から紅鹿の賛美歌を心中で唄い続ける。
mixiチェック
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/football_dream/article/161
【ACL2009】愛称は「ウォリアー」
posted by 鹿太郎 |00:00 |
AFCチャンピオンズリーグ |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2009年04月01日
■3月の試合結果
<J1>
第1節:鹿島 2-0 浦和 (3月7日/カシマ)
第2節:鹿島 1-2 新潟 (3月15日/東北電力ビッグスワン・スタジアム)
第3節:鹿島 2-1 広島 (3月22日/カシマ)
<ACL>
GL第1戦:鹿島 1-4 水原三星 (3月11日/水原ワールドカップ・スタジアム)
GL第2戦:鹿島 2-0 上海申花 (3月18日/カシマ)
■4月の試合日程
<J1>
第4節:鹿島 14:00 京都 (4月4日/カシマ)
第5節:鹿島 13:00 F東京 (4月12日/味の素スタジアム)
第6節:鹿島 15:00 横浜FM (4月18日/カシマ)
第7節:鹿島 14:00 山形 (4月25日/NDソフト・スタジアム山形)
第8節:鹿島 19:00 神戸 (4月29日/カシマ)
<ACL>
GL第3戦:鹿島 19:30 シンガポール・アームド・フォーシズFC (4月7日/ジャラン・ベサル)
GL第4戦:鹿島 19:00 シンガポール・アームド・フォーシズFC (4月22日/カシマ)
J1は第3節を終えたばかりで、今季の優勝の行方云々を語る時期ではないが、リーグ3連覇を目指す鹿島は2勝1敗で4位。首位との勝点差は「1」で上位をキープした。ビッグスワンでの第2節、新潟戦を落としてしまったが、その後のACL・上海申花戦、J1第3節の広島戦でオリヴェイラ監督は一つの形を具現化し、再起を図った。「困難は全員の力で乗り越える」。これは場当たり的な回避措置ではなく、日々の練習で積み重ねてきた結晶。まさにチーム・スピリッツが生んだ伝統の賜物であり、鹿島の真骨頂だ。それは華やかなデビューを飾った大迫勇也、パク・チュホだけでなく、興梠慎三や増田誓志、佐々木竜太、遠藤康といった将来を担う選手達。他にも、小谷野顕治、船山祐二、鈴木修人、大道広幸、笠井健太、當間健文ら、名前を挙げれば切がない。オリヴェイラ監督が謳う「成熟のさらなる成熟」とは、多彩な個の才能とオリヴェイラ・スピリッツ。即ち、鹿島のイズムを融合させる事にある。鹿島は世代交代への布石を打ち、磐石な体制で未踏の快挙に挑む。用意周到。鹿島の不変のテーマ「育成」という営みに抜かりはない。
さて、鹿島の4月の日程表を見ると、国内リーグ、ACLと並行したハードワークが続く。ACLグループGの鹿島は、7日と22日に、プレーオフ枠で出場のシンガポール・アームド・フォーシズFC(SAF)とホーム・アンド・アウェーの2連戦を行なう。「我々はグループGで最も弱いクラブと考えてはいけない。少なくとも1~2試合でサプライズをもたらす力はある」とSAF主将テルサック・チャイマン。グループ・リーグ首位突破を目指す鹿島にとっては、相手の番狂わせを許してはならない。敵地・シンガポールでも、ボールと意志とが繋がれば鹿島の優位は揺るがない。SAFのマスコット・キャラクターは「サイ」のようだが、日本の赤い雄鹿を超える事はないと信じている。サプライズは是非、韓国と中国のクラブで演出して頂きたいと思う。
鹿島は4月、どのような成熟が見られるのだろうか。小笠原満男に続き、中田浩二の復帰はあるのだろうか。又、新たな選手が台頭するのだろうか。まずは4日のJ1第4節・京都戦だ。昨季(第29節/カシマ)は、鹿島のゴール裏から、かつてのエース柳沢敦に暖かいエールを送り、試合開始早々に興梠慎三が先制ゴールを決める。背番号を両手で指し示す新エースの姿に、聖地カシマは大歓声に沸いた。感謝の気持ちをこめて唄ったヤナギ・チャントに、「鹿島の13番」が継承された事を伝える興梠のパフォーマンス。この日のカシマスタジアムは素晴らしい雰囲気に包まれ、私にとっても、生涯、忘れる事のない大切な1日となった。あの試合から6ヶ月・・・。当時、柳沢が抜け、層が薄いといわれていたポジションも、今は激戦区となっている。中断明けの京都戦はどんなメンバーで臨むのか、誰がベンチ入りするのか、今から楽しみだ。4日は春休み期間中で、地元のちびっこ達や、多くの家族連れがスタジアムを訪れる。最高の春休み、最高の休日、チームは最高の4月スタートが切れるよう、私も紅い唄で選手に勇気を送りたい。
mixiチェック
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/football_dream/article/160
【PROGRESSO~飛躍~】As Kashima abril séries
posted by 鹿太郎 |00:00 |
鹿島アントラーズ |
コメント(0) |
トラックバック(0)