2009年02月15日
鹿島は宮崎キャンプ最終日の13日、宮崎県総合運動公園陸上競技場でホンダロックと練習試合を行い、6-1(前半1-0)で勝利。11日間の全日程を終了した。今後は、プレシーズン・マッチ水戸戦を行い、ゼロックス・スーパー杯、シーズン開幕へ向けた最終調整に入る。ホンダロック戦では期待のルーキーFW大迫勇也が実戦デビューを果たし、2得点を挙げる活躍をみせた。「1点目はDFと体を入れ替える事ができた。2点目は上手くPKが取れた。」と試合を振り返る一方で、「鹿島はパスの質が高い。動き出しのレベルアップと攻守の切り替えを早く。運動量も増やしたい。」と連係不足を反省し課題を挙げた。同じ新加入組の、SB宮崎智彦、MF川島大地も、後半、1アシストを決め勝利に貢献。アジア枠で獲得したパク・チュホは、豊富な運動量と対人プレーの強さを披露したようだ。この日はテレビカメラ8台、約50人の報道陣が詰め掛ける大盛況。彼等の視線の先は大迫のようだが、練習試合でこれだけ多くの報道陣に囲まれるのは、期待の証。「試合(J1)に出て点を獲りたい」を目標に掲げた大迫。鹿島のスピリッツ「自信」「献身」「勇気」「知力」を会得したNO.34のJリーグ初ゴールを、私も楽しみにしている。
さて、オリヴェイラ監督は宮崎キャンプの成果をどう見ているのだろうか。ホンダロック戦後のインタビューでこう述べている。新加入選手の試合での出来については、「新人は持ち味を出した」と称賛。今回のキャンプでの手応えについては、「宮崎キャンプは今年で3回目になるが、食事、ホテル、グランド、施設など、全般的に素晴らしい環境が整っていて、自分達が目標としているものが達成できた」。シーズン開幕までの課題については、「すべてを一気に詰めるという事は考えていない。スタートは体力測定、次はフィジカル、その次は技術や戦術的な約束事など、勘を取り戻す作業を少しずつやっていけば良いと思っている。来週からはチームとしての戦術的な約束事、勘を取り戻す作業を、もう一度、重点的に微調整していきたい。」とキャンプ最終日の練習試合を調整の一環としながらも、チーム創りに余念がなかった。
オリヴェイラ監督はキャンプ中、選手達に「リーグ連覇は2倍の努力、3連覇を達成する為には3倍努力しないとタイトルは獲れない。今まで以上のポテンシャルで臨まなければならない。」と話している。指揮官も昨季以上の“魔法”でチームを鼓舞してくれるに違いない。理性を一切介在しない感情の躍動で沸き上がる雄叫び。勝利の瞬間、爆発的に、一気に脳天まで駆け上がる歓喜。選手達を、私達を、スタジアムすべてを、オズの魔法で包み込んで未知なる世界へ導いて欲しい。神が宿る聖地カシマで神秘的なパワーを生み出せば、昨季の劇的勝利後(第33節・磐田戦)に架かったあの虹にまた逢えるかもしれない。私は超常現象は信じないが、カシマでは1シーズンに数回、そう思える瞬間がある。私はアントラーズ教の伝道師として地道に宣教活動を行っているが、今のところ順調?!である。ピッチに降りそそぐ陽射しを浴びながらビールが飲めるのも楽しみの一つ。今年もできるだけ多くの仲間と足を運び、ともに勝利の美酒に酔いしれたい。アントラーズ愛に満ち溢れたカシマスタジアムで。
さて、2009シーズンのJ1は、2008シーズンと同様に群雄割拠の様相を呈するだろう。川崎、名古屋、大分、清水、東京といった昨季の上位クラブだけでなく、G大阪、浦和を含めたすべてのクラブが鹿島の3連覇を阻止にかかってくる。国内、アジア両制覇を目指す鹿島の最大の敵は過密日程に変わりはない。しかし今季は黄金世代の79年組に依存するだけではそれを乗り越える事はできない。小笠原満男、中田浩二の復活を心から待ち望んでいるが、2009シーズンの救世主は、この二人や本山雅志ではない。79年組だけでは偉大なる偉業を成し遂げる事はできないのである。中堅若手がチームの核にならなければ、第3次黄金時代は短命となってしまう。「量より質」。少数精鋭で挑む2009シーズン、勝負師オリヴェイラ監督の手腕に期待している。
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【PROGRESSO~飛躍~】もっと前へ!もっと高く!
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2009年02月07日
【オリヴェイラ監督、新加入4選手にプロ心構え説く】
合宿3日目で、今年初めてチームに合流したオズワルド・オリヴェイラ監督。選手一人ひとりの状態を確かめるようにピッチ内に鋭い視線を送り、新加入4選手にはプロ生活の心構えなどを説いた。FW大迫勇也に対しては「彼のポジションは、他に4人がいる。ずば抜けた能力を持っていても、チームの機能を高められる選手でなくてはいけない」と冷静に話した。報道陣には「大きく取り上げ過ぎて、彼を潰してはいけない。サッカーファンが期待する選手に、皆さんも考えて報道してほしい」と注文を付けた。
以上は地元紙の記事である。合流が遅れていたオリヴェイラ監督が5日、宮崎県総合運動公園陸上競技場での練習に加わった。午前は室内で基礎的な体つくりを行った後、エアロビック、有酸素運動を高めるトレーニングなどを行った。奥野僚右コーチは「充実した良いトレーニングができている。選手達の表情を見る限りでは、元気で前向きに取り組んでいるので、疲労感よりも充実感を感じているようだ。注意点は、細かいところまで拘る。求められた動作を最後までやり切ろう。高い意識で取り組んでいこうとみんなで確認した」と。また、2008JリーグMVPで得点王のFWマルキーニョスも4日、チームに合流。「MVPをもう一度、獲りたい。その為にも頑張るね。」と気合い充分。ダニーロらブラジル組も揃い、2009シーズンへ向け本格的なスタートを切った。
先の高校サッカー選手権から注目されている大迫勇也についてオリヴェイラ監督は、「チームの機能を高められる選手でなくてはいけない」と語る一方で、「大きく取り上げ過ぎて、彼を潰してはいけない。サッカーファンが期待する選手に、皆さんも考えて報道してほしい」と取材陣を牽制した。宮崎には連日、多くのカメラマンが群がり、大迫にフォーカスを合わせている姿が容易に想像できる。関連記事では「今季中のデビューを目指す大迫の前に、高いハードルが並べられている」と揶揄しているが、オリヴェイラ監督は「レギュラーの保証は誰にもない」とチャンスは充分にある事を示している。メディアの関心の高さは期待の証。でも、野次馬の如く騒いでいるだけでは愚かしい。取材陣の大迫に対するオリヴェイラの気遣いが垣間見える。
大迫に今、期待するのは「偉大なファミリーの高いプロ意識」である。それは大迫だけに限らず、宮崎智彦、川島大地、パク・チュホら新加入した4選手にもいえる事で、まずはチームに慣れ、ディープ・レッドに染まり、伝統のスピリッツを学ぶ。ポジション争いは足場固めをしてからでも決して遅くはない。因みに第3次黄金世代の主力組は、“華やかさ”よりも、“ひたむきさ”がよく似合う。ひたむきに日々練習すれば、チャンスは必ず訪れる。私はその瞬間が来るまで、彼等を温かく見守ろうと思っている。
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【PROGRESSO~飛躍~】「彼を潰してはいけない」
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2009年02月03日
1月中旬から昨日まで、スイス最大の都市・チューリッヒを仕事で訪れた。ホテル、ミーティングなどはチューリッヒで持っていたが、主な仕事は地方だった為、その都度、車で移動していた。中田浩二が2008年4月まで在籍していたバーゼルを訪れる機会はなかったが、道中、車窓から見える世界は、ヨハンナ・シュピリが執筆した「アルプスの少女ハイジ」。日本でも1974年にアニメーション化され今でも教養作品として親しまれているが、その舞台となった街マイエンフェルトを通った時は、絶景の大自然に癒されていた。日中の陽射しは雪の反射で街を眩しく、夜は赤いネオンで心を温めてくれるスイス。時差ボケでまだ身体はだるいが、仕事が予定通り順調にいったのは、早朝、目を擦りながら運転したり、どんなトラブルでも事前に回避してくれた現地スタッフの頑張りあってこそだった。「Danke schön」。心からありがとう。
さて、私が出張している間に鹿島は、2009シーズン新体制の発表があったり、秋田豊の引退試合が行われたりしていた。私もクラブのオフィシャル・サイトから確認していたが、昨シーズン頃から、速報、情報、動画、写真など、あらゆる面で充実した内容になっている。これは異国に住む鹿島教信者にとっても強い味方だろう。海外にどれほど居るかは未知数だが、出張の多い私としては本当に心強い味方となっている。今後もさらにパワーアップし、多くの鹿島アントラーズを伝えてほしい。そう期待している。
遅ればせながら2009シーズンのスローガンは「PROGRESSO 飛躍」に決まった。昨年と同様に掲げる「FOOTBALL DREAM」は、「Jリーグ参入は99.9999%無理」とまでいわれた創設時以来のクラブ・アイデンティティー。これは私のブログ・タイトルの説明でも書かれているように、「地域の夢」「クラブの夢」といった鹿島の基本精神を示している。2007年、原点回帰する上でクラブ・アイデンティティーをスローガンに加え、リーグ戦と天皇杯の2冠を獲得した。2008年も同様にスローガンに加えて、J1連覇を達成。そして2009年、3たびスローガンの中にFOOTBALL DREAMを加え、新たな夢に挑戦する。PROGRESSOは「前進」「進歩」を示すポルトガル語で、ブラジル国旗にも「Ordem e Progresso」と書かれている。直訳すると「秩序と進歩」。連覇という結果に満足せず、さらに前へ進んでいくという意味が込められている。「PROGRESSO 飛躍」。Jリーグ3連覇、クラブ初のアジア王者を目指す2009シーズン。鹿島3季目のオリヴェイラ監督とともに「もっと前へ、もっと高く」。第3次黄金時代の幕が上がった。
昨日、宮崎入りした鹿島は、今日から本格的な練習が始まっている。俊足と精度の高い左足クロスが武器で強烈なミドル・シュートも得意とする左SB宮崎智彦、地元鹿嶋市出身でファンタジー溢れるプレーを得意とするレフティー川島大地、先の高校選手権で歴代最多得点王を記録した大迫勇也、アジア枠で獲得した韓国人パク・チュホら新加入4選手は、ディープ・レッドに馴染んでいるだろうか。高いプロ意識を肌で感じているだろうか。また、小笠原満男、本山雅志、中田浩二らの復調ぶりはどうだろうか。オリヴェイラ監督は今季、成熟のさらなる成熟の完成形に向けてどう導いていくのか。まずは宮崎キャンプ最終日に行われる練習試合ホンダロック戦と、プレシーズン・マッチ水戸戦に注目していきたい。
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