2008年09月24日

【ACL2008】オガサの為に、そしてジーコ

J1第25節・柏戦で小笠原が左膝半月板及び前十字靭帯損傷で全治6ヶ月の長期離脱を余儀なくされたが、中田浩二は「直前の試合でオガサ(小笠原)が怪我してしまった事は残念ですが、それによって皆が『オガサの為に』という事で団結している。勝って次に進む意欲は十二分に持っている。」と話した。遠征には小笠原の背番号6のユニホームも持参するという。「僕はいろんなポジションができる。言われれば何処だってやる。」とチームを引っ張る意気込みを口にしている。本山雅志は柏戦後、精密検査を終えた小笠原を訪ね「頑張ってくれ」と伝えられた。励ますつもりが励まされ、「もう休んでいられない」と決意。強行出場を志願している。青木剛も「隣にいて一番、影響を受けた。ショックは大きいが、頼っていた分、甘えになっていた。頼れない分、やるしかない。」と奮起を誓った。オリヴェイラもオーストラリア・アデレードへ出発する前に「勝って必ず日本に帰るぞ!」と選手達の士気を高揚した。

指揮官を始め、本山や中田といった経験豊富なベテランが先頭になれば、士気は高揚し精神的支柱を失ったからこそ結束はさらに強まる。小笠原の長期離脱は本当に痛い。しかし今、鹿島はまた一回り大きくなろうとしている。昨季から小笠原に依存するサッカーを展開してきたのに対し、今後はチーム全員で戦うサッカーに切り替えようとしている。すでにオガサ魂は充分に浸透している。繰り返し述べるが、「一人はみんなの為に。みんなは一人の為に。」といった鹿島アントラーズの原点を胸に刻んで戦って欲しい。全員で守り、全員で攻める「献身さ」が我等の美学。そんな姿を沢山観る事ができればアデレード・ユナイテッドの強靭なフィジカル、巨大な壁を打ち破るのは決して難しい事では無い。

話を変えて、昨季までトルコのフェネルバフチェを指揮していたジーコがウズベキスタンのクラブ、PFCブニョドコルの監督に就任する事が22日、決まった。自身のホームページでは「今朝、アジア諸国ですでに私のウズベキスタン行きが報じられている事を聞いた。同件に関して、現地クラブ役員とは口頭ではすでに合意がなされている。今日、私は現地入りし調印を行うつもりでいる。詳細は後日、現地からお伝えする。ブラジルに戻れるのは恐らくウズベク・リーグ終了後の12月頭になりそうだ。」とコメントしていた。契約の為にウズベキスタン・タシケントに向かうジーコ。代理人によると、W杯アジア最終予選で日本と同組のウズベキスタン代表監督を補佐する役職を兼務する可能性もあるという。尚、PFCブニョドコルとは1年契約で元ブラジル代表リバウドが在籍する事も就任要請受諾の後押しになったようだ。PFCブニョドコルは2008年のAFCチャンピオンズリーグで準々決勝に進出し、お互い勝ち上げれば準決勝で鹿島と対戦する。

PFCブニョドコル監督にジーコが就任した事でオリヴェイラは、「特別に彼と対戦したいというモチベーションでACLを戦っている訳ではなく、このステージを勝ち抜く事がまず重要です。ジーコは選手や監督として鹿島にいましたが、それが特別な理由やモチベーションにはならないと思います」。中田浩二も「準決勝の事を考えるよりも、今は明日の試合に勝たなければいけないので、全く頭に入っていないし考えても仕方がない事だと思います。」と準々決勝セカンド・レグ、アデレード戦前日会見でコメントした。準決勝へ進出する為に、今はアデレード・ユナイテッド戦に集中しなければならない。セカンド・レグは小笠原不在でチームの総合力が試される戦いである。ジーコやリバウドといった神や大きな壁が立ちはだかろうと、一つひとつの戦いに死力を尽くすのみ。地に足付けて前進するのみである。

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2008年09月14日

【ACL2008】アデレードに鹿島アントラーズがやってくる!

アデレードの邦人向け情報サイトに載っていた「サッカー特別企画」を以前、このブログで紹介した。3回に分けて伝えていたこの特集も、今回が最終章。第1回、第2回はACL準々決勝で対戦する鹿島とアデレード・ユナイテッドのチーム紹介や両監督インタビューなどを紹介していたが、最終章では両チームの注目選手にクローズアップしていた。そもそも、アデレード・ユナイテッドにはどういった選手が所属しているのか、注目する選手は誰なのか、代表経験者はどの位いるのかなど、敵方の選手についてはまったく無知な為、今回の内容はとても参考になった。すでにご存知の方もいるかもしれませんが、改めてアデレード・ユナイテッドに所属する主力選手を以下、紹介しようと思う。


【アデレードに鹿島アントラーズがやってくる!】

■アデレード・ユナイテッド
<9月の試合日程>
9月12日:アデレード・ユナイテッド vs メルボルン・ビクトリー (メルボルン)
9月17日:アデレード・ユナイテッド vs 鹿島アントラーズ (カシマスタジアム)
9月20日:アデレード・ユナイテッド vs シドニーFC (シドニー)
9月24日:アデレード・ユナイテッド vs 鹿島アントラーズ (アデレード)
9月27日:アデレード・ユナイテッド vs ニューキャッスル・ジェッツ (アデレード)

<選手紹介>
GK:Daniel Beltrame/1975年12月28日生/オーストラリア
GK:Eugene Galekovic/1981年6月12日生/オーストラリア
GK:Mark Birighitti/1991年4月17日生/オーストラリア
DF:Robert Cornthwaite/1984年10月24日生/オーストラリア
DF:Alemao/1982年11月29日生/ブラジル
DF:Angelo Costanzo/1976年5月9日生/オーストラリア
DF:Michael Valkanis/1974年8月23日生/オーストラリア
DF:Cassio/1980年1月8日生/ブラジル
DF:Scott Jamieson/1988年10月13日生/オーストラリア
DF:Daniel Mullen/1989年10月26日生/オーストラリア
DF:Isyan Erdogan/1982年9月25日生/オーストラリア・トルコ
DF:Sasa Ognenovski/1979年4月3日生/オーストラリア
MF:Lucas Pantelis/1982年3月12日生/オーストラリア
MF:Kristian Sarkies/1986年10月25日生/オーストラリア
MF:Travis Dodd/1980年1月6日生/オーストラリア
MF:Jonas Salley/1982年3月16日生/オーストラリア・コートジボワール
MF:Fabian Barbiero/1984年5月2日生/オーストラリア
MF:Jason Spagnuolo/1984年8月2日生/オーストラリア 
MF:Diego/1979年12月8日生/ブラジル
FW:Paul Agostino/1975年6月9日生/オーストラリア
FW:Cristiano/1981年6月3日生/ブラジル
FW:Robert Younis/1985年8月14日生/オーストラリア
※ポジション/名前/生年月日/国籍

<主力選手>
キャプテンのミカエルは、チーム一の古株で、33歳。アデレード・ユナイテッドの前身、アデレード・シティ時代からチームを支えている。チームの顔といえるだろう。アデレードに来る前は長年ギリシャでプレーしており、欧州での経験もあるベテランだ。試合出場数も多く、個人賞を獲得したり、僅かながらオーストラリア代表に呼ばれたりした事もある。メルボルン出身のクリスティアンは21歳の若手ながら精度があり、力強いキックでチームではコーナーキックやフリーキックを任せられている。17歳以下オーストラリア代表から、2006年には年齢制限なしの代表にも数試合出場しており、将来を期待された選手だ。また、まだ結果こそ出ていないが、ブラジルからのクリスチャーノや、アフリカからのジョナスも応援したい選手達だ。ジョナスはコートジボワール出身で母国ではいくつかのチームでプレーしていたようだ。しかし、国の問題から2006年にオーストラリアに移住。オーストラリアの各クラブチームで数試合に出場し、現在はアデレード・ユナイテッドに所属している。得点こそ無いもののコンスタントに出場しており、アフリカの選手の持つ身体能力に注目したい。そして、監督のアウレリオ・ヴィドマーは、元オーストラリア代表として日本でも戦った事があり、鋭い采配に期待したい。


以上がアデレード・ユナイテッドの選手紹介であるが、鹿島も小笠原や篤人、中田浩・青木・ブラジル人トリオといった主力選手を始め、過去の歴代選手・歴代スタッフなどを紹介していた。9月決戦の初戦となるJ1第24節・川崎戦は、マルキーニョスが後半22分、個人技で先制するも、その5分後に谷口のヘッドで追いつかれ1-1の引き分け。結果的に勝点3を奪えなかったのは残念であったが、17日のアデレード戦では是非、歓喜の唄を響かせたいと思っている。

「J1リーグ戦・ACLと過密日程がスタートするが、リーグ戦では体力的な負担があり、ACLでは地理的なもの、環境・食べ物といった戦う上でのいろんな負担の要素がある。その2大要素を含め、まずはリカバーを重点的に行っていきたい。その為にも選手達には自己管理を徹底して貰いたいと思う。」とオリヴェイラ。飲酒を控え、睡眠・食事はしっかり摂るよう心掛ける。ピッチの上や練習だけでなく、私生活に於いてもコンディション維持に努めれば、疲労の蓄積を抑制する事にも繋がり、延いては選手一人ひとりの輝きを、チームの機能美を失わずに走り切る事ができる。我等は序盤戦の失速の二の舞を演じてはならず、一歩ずつ着実に前進しなければならない。その先に「優勝」の二文字が、頂点が見えてくるのだ。アジア決戦・第二章まで、あと3日。

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2008年09月09日

【ACL2008】「決勝の舞台に立てるように」

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ノックアウト・ステージ準々決勝(9月17日、24日)に出場するJリーグの3クラブの監督が8日、東京都内に在るJFAハウスで記者会見した。「今年もタイトルを取りたい。」と2連覇に意欲を見せた浦和のエンゲルス監督。「日本チーム同士の決勝をイメージしている。」と鹿島のオリヴェイラ監督。G大阪の西野監督は「ショッキングなゲーム(Jリーグ・ナビスコカップ準決勝で2-3で清水に敗戦)の後で、もう少し大阪でリカバーしてから会見に臨みたいと思っていたので、まだ前向きというか、来週に始まる決勝トーナメントに向けて冷静に整理ができていない状態だ。しかし、それでも試合は続きますし、良い準備をして準々決勝に臨みたい。」と決意を新たにしていた。17日の準々決勝ファースト・レグでは、鹿島はアデレード・ユナイテッド(オーストラリア)をホームに迎え、浦和とG大阪はそれぞれ、アルカドシャ(クウェート)、アルカラマ(シリア)とアウェーで対戦する。


【オズワルド・オリヴェイラ監督コメント】

Jリーグを代表するビッグクラブの監督と共にここにいられる事は光栄です。自分自身が日本のクラブを代表してこの大会に参加する事は、重要な意味を持つと思います。これだけ日本のクラブがファイナル・ステージにいるという事は、それだけこの大会の価値、そして日本の力が示されている状況だと思います。できれば最後の決勝は日本のクラブ同士でやる事をイメージしています。当然、決勝を戦うチームの1つとして鹿島がいる事をイメージして、それを高いモチベーションとして戦っていきたいと考えています。ファイナル・ステージは強豪と言われるクラブ、現代サッカーを実践している多くのクラブがいますし、ファイナル・ステージを戦うクラブには高い競争意識があると思います。決勝の舞台に立てるように高いモチベーションで戦っていきたいです。

(アジア制覇のキーマンは)今後の対戦も踏まえた上で、対戦する相手に情報を与えたくないので、名前は挙げません。チームは1、2人で支えられている訳ではなく、複数の選手で支えられていると考えていますし、鹿島の場合は数名、そういった役割や経験を持っている選手がいて、私が言わなくても皆さん知っていると思います。「自分が全てをやらなければ」という余計なプレッシャーを感じるのではなく、「味方と共に一生懸命戦っていくんだ」という考えの基で周りに接して貰って、それを全員が意思統一できて、高い意識を持って戦えるようにしていければと思っています。誰か1人を特別に考えるよりも、チーム全員と共に力を合わせて戦っていきたいです。


「決勝の舞台に立てるよう、高いモチベーションで戦っていく」と語っていたオリヴェイラ。鹿島は日本を代表する強豪クラブの1つとして、広大なアジアの戦いに挑む訳だが、どのチームよりも、総合力で戦う事を強調していた我等の指揮官。これは「一人はみんなの為に。みんなは一人の為に。」といったジーコの教えが今も活き続いている証。鹿島に於いてアジア制覇のキーマンとは、選手であり、クラブスタッフであり、ホームタウンであり、スポンサーであり、「NO.12」なのである。鹿島を愛する全てのファミリーが今まで以上に結束すれば、我等の勝利の賛美歌は必ずアジアに響く。総合力、組織力、結束力といった全てのパワーを一つにすれば、今まで見た事の無い神秘的なパワーを生み出せるのかもしれない。アジア決戦・第二章まで、あと8日。

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2008年09月06日

【ACL2008】鹿島vsアデレード 両監督に聞く

前項では「サポーターの力は計り知れない」と題して、アデレードの邦人向け情報サイトに記載されていた「サッカー特別企画」の一部を紹介したが、今項ではAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ノックアウト・ステージ準々決勝で対戦する鹿島とアデレード・ユナイテッドの両監督インタビューを同サイトから紹介しよう。因みに、両監督のインタビューはフリークス(鹿島アントラーズ月刊誌)でも書見する事ができる。すでにご存知の方もいるかもしれませんが、改めてこの戦いに対する両監督の意気込みを紹介しよう。以下、その全容である。


【鹿島アントラーズ/オズワルド・オリヴェイラ監督】

Q:対戦相手がアデレード・ユナイテッドに決まりました。
「決勝トーナメントに進出した8チームで、殆どのチームが決勝戦に上がれる力があるし、能力がある。そして独特のサッカースタイルがあると思う。今回の対戦はハンディがあるが、集中して戦っていかないといけないと思う。」

Q:ハンディとは、どういう意味でしょうか?
「我々は第1戦をホームで戦い、第2戦をアウェーで戦うというハンディです。90分や180分の中で同点だった場合、敵地で延長戦やPK戦を戦わないといけないのですから。そういうハンディがこの試合ではあります。」

Q:オーストラリアの独特のサッカースタイルを分析されていますか?
「体格を活かしたサッカーというのは理解しています。ただ、オーストラリアのシーズンは始まったばかりですから、必ずしもフィジカルを前面に出したサッカーであるとは言えません。もう少し試合数をこなして貰って、分析したいと思っています。」

Q:アントラーズはどのような戦い方を考えていますか?
「180分や210分という戦いになると、非常に厳しいです。第1戦はホームで戦うアドバンテージがあるので活かしたい。その為にも、コンディションをベストな状態に持っていけるようにしたいと思っています。」

Q:ACLでは体力・技術・戦術・メンタルの中で何を最重要視していますか?
「どれか一つがずば抜けてもチームは機能しないものですし、途中から加入した中田浩二やマルシーニョがいます。2人が早くチームにフィットするようにしてあげたいし、4つの要素(体力・技術・戦術・メンタル)が良い状態になるようにしたい。」

Q:今回は予選リーグ以上の移動時間です。コンディションの調整方法は考えていますか?
「残念ながらナビスコ杯で敗戦してしまいましたが、それでチームは週1回の試合ペースになりますので、チームと個の成長が望めるでしょう。そして9月の第1週に中断期間があるので、ミニ合宿を張ろうと考えています。そこで問題なく調整できると思っています。」

Q:最後にアデレードのサポーターへのメッセージをお願いします。
「サッカーに於いて、サポーターの影響は計り知れません。予選リーグの第1戦(アウェー・クルンタイ・バンク戦)では相手の応援よりも大きな声援だった事で、9-1という結果に繋がりました。数多くの方々に来て頂いて、何処でもホームのような雰囲気作りをして貰いたいと思います。」

【アデレード・ユナイテッド/アウレリオ・ヴィドマー監督】

■敵は移動?!
創立4年のAリーグ(オーストラリア・プロサッカー・リーグ)の雄として、アデレード・ユナイテッドは僅か2週間で18000kmもの距離を移動し、5試合を戦う。Aリーグ3試合の合間にACL準々決勝の試合が組み込まれ、9月は苛酷な月だ。

「15日間に5試合。非常に厳しいものになるのは間違い無い。9月12日にメルボルンで試合がある為、鹿島に着くのは14日の午後か夜だ。17日に鹿島と戦うまでの適応期間は充分とはいえない。18日に日本を発って19日にシドニー到着し、20日にはシドニーFCと試合。21日にアデレードに戻って、24日にアデレードで鹿島とセカンド・レグを戦う。この移動は我々にとっては非常に大きな問題だ。だが、何とか遣って退けるしか無い。こういう事を考えると、カシマスタジアムでの初戦は大事な試合になるだろう。」

■監督は元Jリーガー
1998年から1999年にかけて、サンフレッチェ広島でプレーした事のあるアウレリオ・ヴィドマー監督。当時を振り返って「最高だった」という監督は、自らの経験からJリーグのチームというものを知り尽くしている。鹿島がノックアウト・ステージ準々決勝の対戦相手と知るや、アウレリオ・ヴィドマー監督は、(鹿島との対戦は)チームにとってビッグ・チャレンジになるだろうと身構えた。

「厳しい試合になるだろう。鹿島は非常に強いチームだからね。だが、日本のJリーグで戦った経験もあるし、日本で試合ができるのは楽しみ。日本には良い思い出が一杯あるからね。Jリーグでプレーした時期はとても良い思い出。サンフレッチェ広島の選手達は好くしてくれたし、未だにクリスマスカードを送りあう関係が続いているんだ。」

■対鹿島アントラーズ戦に向けて
「鹿島がグループ・リーグで戦った時のDVDがあるから、DVDを観て研究するつもりだ。すでにスタッフを現地に送り、鹿島とFC東京との試合をチェックして貰った。彼らの報告によると、気を付けないといけない選手は、マルキーニョス・本山雅志・小笠原満男・岩政大樹ら。鹿島は2007年のJリーグ王者で、素晴らしいチーム。スピードもあるし、調子も良い、チームとしての統制もとても良くとれている。何事も簡単にはいかないだろう。」

Jリーグ経験のあるアウレリオ・ヴィドマー監督が率いるアデレード・ユナイテッドは、鹿島にとって意外に戦い難い相手になるかもしれない。

■アデレード・ユナイテッドのプレースタイル
アデレード・ユナイテッドのプレースタイルは通常4-4-2だが、最近はアゴスティーノをワントップで起用している。アウレリオ・ヴィドマー監督曰く、チームはボールを回すプレースタイルを好む。

「パスを回す展開が望ましいが、時として、相手チームのスタイルに合わせないといけない事もある。荒っぽい戦い方をする時もあるが、ボールを回す方が好きだね。」

■オーストラリアと日本のサッカーの将来
アデレード・ユナイテッドと鹿島とのクラブ対決は、2010年南アフリカW杯アジア最終予選で対決するオーストラリアと日本のサッカーの将来を占うものとなる。

「タフなグループだが、両国とも予選を突破する筈だ。でも、試合というのは可笑しなもので、何が起こるか分からないよ。」

移動に疲れて勝つ見込みが無いと思われているアデレード・ユナイテッドが鹿島と対決する時、アウレリオ・ヴィドマー監督のこの発言が鹿島にとって予言めいた警告となるかもしれない。


上記のアウレリオ・ヴィドマー監督のインタビューは7月に取材したものだが、最近のオーストラリア紙のインタビューでは「オーストラリア・ナショナルチームは国際大会で素晴らしい活躍をし、結果を残した。我々アデレード・ユナイテッドも、他国とのレベル差がない事をACLで必ず証明する。」と述べていた。この強い決意は、浦項スティーラーズ(韓国)と長春亜泰(中国)をグループ・リーグで無得点に抑えた事がACLの戦いでさらに自信を深めたようだ。今シーズン開幕したばかりのAリーグだが、好調に首位を走っているアデレード・ユナイテッド。両チームとも過密日程の中、どう戦うのだろうか。オリヴェイラとヴィドマー両監督の采配にも注目したいが、鹿島は2006年ドイツW杯でオーストラリアに逆転負けを喫した日本代表のようになってはならず、仮に先制しても最後まで集中を切らさず全員一丸となって戦えば、アデレード・ユナイテッドには断じて呑まれる事は無い。私はそう信じている。

AFCチャンピオンズリーグ・ノックアウト・ステージ準々決勝
第1戦:鹿島 19:00 アデレード・ユナイテッド (9月17日/カシマスタジアム)
第2戦:鹿島 19:30 アデレード・ユナイテッド (9月24日/ハインドマーシュスタジアム)

参考資料:「GO GO ADELAIDE」、「月刊アントラーズ・フリークス9月号」

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2008年09月03日

【ACL2008】サポーターの力は計り知れない

鹿島が24日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ノックアウト・ステージ準々決勝、アウェーのアデレード・ユナイテッド(オーストラリア)との第2戦に向け、“集客大作戦”を開始した。当地の日本人コミュニティーからの要請もあり、邦人向けの情報誌9月号にチームの大特集を掲載。準決勝進出がかかる大一番へのサポートを呼びかけた。さらに近日中には、ホームページにオリヴェイラ監督の英語でのメッセージも映像で配信される予定という。留学生も多いアデレードには近郊都市も含め約3000人の日本人が生活しており、悲願のアジア制覇を目指すチームにとって、大きな後押しとなりそうだ。

上記はスポーツ紙の情報であるが、私も早速、邦人向けのアデレード情報サイトに目を通した。残念ながら、内田篤人が表紙を飾る9月号の詳細を知る事はできなかったが、特別企画として記載されていたサッカー特集の一部を紹介しよう。第一弾は「今、サッカーが面白い!」と題して、世界、特に日本とオーストラリアのサッカーとその面白さを紹介していた。具体的には、過去の日豪対決やJリーグ・Aリーグ(オーストラリア・プロサッカー・リーグ)の歴史。さらに各国代表を支える中心プレーヤーにもクローズ・アップするなど、平易な内容で紹介されている。第二弾は「AFCチャンピオンズリーグを観に行こう!」と題して、始めにACLの大会概要や出場チーム、予選結果などを紹介。次にノックアウト・ステージ準々決勝で対戦するアデレード・ユナイテッドと鹿島アントラーズのチーム紹介を記載していた。以下、チーム紹介の全容である。

■鹿島アントラーズ
AFCチャンピオンズリーグの初戦でアデレード・ユナイテッドと対戦する為に、アデレードにやってくるのは鹿島アントラーズ。日本の茨城県鹿嶋市・神栖市・潮来市・行方市・鉾田市が本拠地で、チームカラーはディープレッド。2000年には年間3タイトルを総なめにするなど、Jリーグで唯一、11冠を達成した日本の名門クラブの一つだ。1991年、住友金属・蹴球団を母体とし、地元自治体と企業からの出資で立ち上げられた。この名門誕生には、Jリーグ開幕当時まだ選手だった元日本代表監督でブラジル代表「伝説の黄金の4人」の一人、ジーコの影響が大きく、彼の植えつけた「SPIRIT OF ZICO」と呼ばれるプロ意識は、今もチームを支えている。ジーコを始め、多くの外国人選手の活躍と彼らに触発された日本人選手達により、Jリーグ開幕年のファースト・ステージ優勝という栄光を手にすると、そこから鹿島は一気に強豪クラブへ伸し上がった。一時期は成績不振で落ち込んでいたものの、世代交代でチームを一新し、2007年は3シーズン振りにJタイトルを獲得。名門の名を改めて日本中に知らしめた。

今季の鹿島は5連勝と好調なスタートを切ったが、その後は怪我人などが相次いだせいもあり、7試合勝ち無しと苦しんでいた。そんな状況でAFCチャンピオンズリーグの予選を勝ち抜いた事は評価されるべきだ。グループ・リーグ終了時点での大会得点ランキングには、5得点で1位のマルキーニョスを始め、4位に3得点の田代、9位に2得点の野沢と本山、と多くの鹿島の選手が得点ランキングに絡んでいる。予選で叩き出された得失点差25という驚くべき数字は、その得点力と、それを守り抜く守備力があるからこそ。DF4人、MF4人、FW2人を基本とし、左右のフィールドを縦に走り抜くサイドアタッカーを中心にクロスを駆使した戦い方が目立つ。GK曽ヶ端、DF大岩・内田、MF小笠原・本山、FW田代など、各ポジションに日本代表経験のある選手達が揃っている上に、元日本代表の中田浩の復帰とブラジル出身のMFマルシーニョの加入で戦力はより強化された。また、8月に開催されたJOMOオールスターには、鹿島から、オズワルド・オリヴェイラ監督、DF岩政・新井場、MF小笠原が選ばれた。これはファンによる投票で決定される為、鹿島にはファンに認められた監督・選手がいるという事だろう。AFCチャンピオンズリーグ・ノックアウト・ステージでは、期待の新星20歳のサイドアタッカー内田篤人の動きに注目したい。

■アデレード・ユナイテッド
鹿島アントラーズと対戦するアデレード・ユナイテッドは、オーストラリア・南オーストラリアの州都アデレードを拠点とするチーム。愛称はレッズ。こちらのチームカラーは赤。Aリーグの前身NSL時代、1977年から続いていたアデレード・シティが撤退した事で、急遽、僅か数週間でユナイテッドは作られた。経営が上手くいかずにリーグのシーズン途中から参加した事もあったが、現在は着実に強豪チームの道を歩んでいる。Aリーグのチームでは唯一、2度AFCチャンピオンズリーグの出場経験があり、オーストラリア初のACLノックアウト・ステージ進出を決めた。2006年には数試合限定契約で、ブラジルの生んだ天才的ストライカー、ロマーリオが所属していた事もあった。アデレード・ユナイテッドの選手として活躍し、さらにJリーグ出場経験もある元オーストラリア代表のFWアウレリオ・ヴィドマー監督の鋭く正確な采配は、もしかすると鹿島にとって最も手強い相手なのかもしれない。2007-2008年シーズン、アデレード・ユナイテッドの総得点31はAリーグ最多だった。元々定評のある攻撃力に加え、AFCチャンピオンズリーグの予選では、高さとオフサイドのトリックを使ったDFで相手を苦しめた。ただ、速攻にやや弱い面もあるようだ。

JOMOカップのファン投票は誤りのような気もするが、全体的に興味深く読ませて貰った。アデレード・ユナイテッドのトリック・オフサイドにも関心があり、機会があれば具体的にどういったものか調べてみようと思う。鹿島とアデレード・ユナイテッドは、クラブ史上初のノックアウト・ステージ進出となる。この2チームの対戦は、クラブの新たな歴史を懸けた戦いだ。初めての舞台でどれだけの力を発揮できるか。お互い挑戦者として全力ぶつかってくるだろう。いよいよ始まるACL。この試合に勝ち、準決勝に進出して欲しいチームは心情的には決まっているが、アデレード在住の日本人の皆様も是非、スタジアムへ足を運んで鹿島に声援を送って欲しいと思っております。

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2008年05月30日

【ACL2008】「ダエイ・スピリッツ」サイパFC

イラン・プレミアリーグで初優勝を飾ったサイパは、首都テヘランの近郊都市カラジを本拠地とし、イラン最大の自動車メーカー、サーイパーによって設立されたクラブである。テヘランの4部リーグを買収して、1989年に設立。毎年昇格を重ねたサイパは、テヘラン1部リーグで優勝を果たし、全国リーグ(イラン・プレミアリーグ)入りを果たす。その後も快進撃は続き、1994年・1995年とリーグ戦2連覇を果たしたが、翌シーズンにリーグ戦最下位で2部に降格する。1年で1部復帰を果たすも、それ以降は下位・中位のチームだった。2005-2006年シーズンではリーグ戦3位と上位に食い込み、2006年にはイラン代表FWとして知られるアリ・ダエイを選手兼監督として獲得し、2006-2007年シーズンでリーグ優勝を果たす。イラン屈指の育成組織から有望な若手を多数輩出しているが、AFCチャンピオンズリーグは初参加である。

AFCチャンピオンズリーグ準々決勝の組み合わせ抽選会で、サイパは前回覇者の浦和レッズを避けられた事で安堵し、クルフチ(ウズベキスタン)への対戦に意気込んでいるようだ。今年のノックアウト・ステージに進出した唯一イランのチームとなったサイパは、浦和レッズといきなりベスト8の初戦で対戦する事を望んではいなかった。昨年の大会でイランのセパハンが川崎フロンターレと準々決勝で対戦していたが、サイパは日本のチームを避け、ウズベキスタン・タシケントから彗星の如く登場したクルフチと対戦する事に満足しているようだ。

「この抽選は我々にとって、そう難しいものではない。まあまあの結果だ。」とサイパ運営部長のメフルダド・ハシェミ氏は語った。イラン代表監督としての仕事に集中する為、サイパの監督を辞任したアリ・ダエイだが、このチームを成功に導いたイランの国民的英雄がチームから去るのを認めるのは厳しい選択だったとメフルダド・ハシェミ氏は明らかにした。「我々は優先順位を熟慮する必要がある。今回、イラン代表はダエイを必要としている。しかし、サイパ理事の肩書きを持つダエイは、今後もサイパに尽力してくれるに違いない。」とダエイがチームを去った後のクラブへの影響については否定している。そして「出来るだけ早い時間に新監督を任命するつもりだ。」とハシェミ氏は付け加えた。更に、チーム力アップの為、新たな選手獲得にも乗り出すようだ。

上記はAFC公式サイトやWikipediaから引用した記事である。サイパはカリスマ的存在のアリ・ダエイが指揮を執り、急成長を遂げたチームのようだ。所属する選手については多くを知らないが、イラン代表へは毎回3~5人ほどが招集されている。今後、ダエイはナショナルチームを指揮し、サイパは新監督を招聘して新たにチームを創っていく事になるが、カリスマ不在でも「ダエイ・スピリッツ」を発揮するのか否か、注目しても良いだろう。イランはシーズンが終了したばかりなので、新監督の意向に沿ってチームを組織していくようだが、監督が変わればチームが一新する可能性もある。どういったチームになるのか未知数だが、新たな船出と共に、9月17日はホームでファースト・レグ、その1週間後にはタシケントでセカンド・レグを戦う。

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2008年05月26日

【ACL2008】アデレード・ユナイテッドの挑戦

■AFCチャンピオンズリーグ ノックアウト・ステージ準々決勝
第1戦:鹿島アントラーズ vs アデレード・ユナイテッド (9月17日/カシマスタジアム)
第2戦:アデレード・ユナイテッド vs 鹿島アントラーズ (9月24日/オーストラリア・アデレード)

2003年に設立したアデレード・ユナイテッドは、南オーストラリア州アデレードに本拠地を置くサッカークラブ。1月に終了した2007-2008年シーズンのAリーグ・レギュラーシーズン6位とやや低迷したが、シーズンの総得点31はリーグ最多で、攻撃力には定評があり、オーストラリアのプロ・サッカーリーグ(Aリーグ)の強豪チームの1つ。(2005-2006年はレギュラーシーズン1位・2006-2007年はレギュラーシーズン2位)。2006年には数試合限定契約で、ブラジルの生んだ天才的ストライカー・ロマーリオが所属していた事もあった。アデレードはAリーグのチームとして唯一、2度のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場経験を持つが、ノックアウト・ステージ進出は今回が初めて。過去サンフレッチェ広島にも所属していた元オーストラリア代表FWのアウレリオ・ヴィドマーが監督を務めている。

2005年に誕生したオーストラリアのプロ・サッカーリーグはまだ歴史が浅く、各クラブに所属する大半が同国の選手達で占める。Aリーグの選手達は体格的に恵まれているが、総じて技量が今一つ伴っていないようだ。そういった面を克服しない限り、技術で遙かに勝る中東勢や日本勢の強豪クラブより上を行くのは難しいとの見解もある。地元のオーストラリア紙でも、ACL準々決勝の相手が鹿島と決まった時、「アデレードは困難な相手と対戦する事になった」。という記事があった。とはいえ、予選グループEの戦いで、韓国王者・浦項スティーラーズに2-0で勝利した際、「オーストラリアサッカーは徐々に向上している。この結果はオーストラリアサッカーに勢いをつけるもので、将来アジアに於ける強豪国としての威信を確保する1勝となった。」とアデレード・ユナイテッドのアウレリオ・ヴィドマー監督は、アジアでの戦いに自信を深めている。鹿島もスカウティングが必要だが、ノックアウト・ステージを戦うチームの中で一番勢いに乗っているのは、もしかしたらアデレード・ユナイテッドなのかもしれない。

最後に、準々決勝進出を決めたアデレード・ユナイテッドのアウレリオ・ヴィドマー監督は、対戦相手の鹿島をどう見ているのだろうか。以下、昨日(25日)の同国地元紙の情報である。アデレード・ユナイテッドの新たな歴史を刻む為に、ノックアウト・ステージで最もエキサイティングなチームになる。準々決勝で対戦する日本の鹿島アントラーズは、グループリーグで中国・タイ・ベトナムから得失点差25という天文学的な数字を獲得して予選突破したJリーグチャンピオンだ。相手は強豪チームであるが、私は全く悲観していない。何故なら、私達が中国・韓国のチームで経験した事と同様の結果になるからだ。鹿島はどういったチーム、どういった選手が所属しているのか多くを知りませんが、対戦するまでに確りスカウティングして、全ての課題をクリアしているでしょう。とアウレリオ・ヴィドマー監督はコメントしていた。また、日本チームとの対戦は他国(ファイナル・ステージ進出国)と較べて、時差が余り変わらず安堵しているが、今後の事を考えて移動の困難さも苦言していた。・・・大雑把にはこんな感じだった。ノックアウト・ステージ初進出となる鹿島とアデレード・ユナイテッド。この対戦は、両チームともクラブの新たな歴史を刻もうとする戦いである。それぞれの挑戦。9月の準々決勝が今から楽しみだ。

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2008年05月24日

【ACL2008】ノックアウト・ステージ抽選結果

ACLノックアウト・ステージの組み合わせ抽選会が24日、マレーシア・クアラルンプールのAFCハウスで行われた。準々決勝は同国同士の対戦はなく、日本3チームの対戦相手は下記のようになった。今後の日程については、準々決勝(9月17日・24日)、準決勝(10月8日・22日)、決勝(11月5日・12日)となり、それぞれホーム・アンド・アウェーで戦う。詳細(キックオフ時刻、開催会場)については後日、発表するようだ。

AFC CHAMPIONS LEAGUE LAST 8 DRAW

■準々決勝(9月17日・24日)

[1] サイパ(イラン) vs クルフチ(ウズベキスタン)

[2] 鹿島アントラーズ(日本) vs アデレード・ユナイテッド(オーストラリア)

[3] アル・カドシャ(クウェート) vs 浦和レッズ(日本)

[4] アル・カラマ(シリア) vs ガンバ大阪(日本)

■準決勝(10月8日・22日)

[5] [1]の勝者 vs [2]の勝者

[6] [3]の勝者 vs [4]の勝者

■決勝(11月5日・12日)

[7] [5]の勝者 vs [6]の勝者

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2008年05月23日

【ACL2008】ファイナルステージへ

■グループF・順位表
1位:鹿島アントラーズ(日本) 【勝点15】5勝0分1敗 得失点差+25
2位:北京国安FC(中国) 【勝点12】4勝0分2敗 得失点差+5
3位:クルンタイ・バンク(タイ) 【勝点7】2勝1分3敗 得失点差−7
4位:ナムディン(ベトナム) 【勝点1】0勝1分5敗 得失点差−23

■赤鹿がファイナルステージへ
アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は21日、ベトナム・ハノイなどで予選グループ最終節を行い、F組の鹿島はナムディン(ベトナム)を4-0で下して通算5勝1敗の勝ち点15で同組首位となり、クラブ史上初のファイナルステージ進出を決めた。前節まで勝点12で並んでいた北京国安(中国)は3-5でクルンタイ・バンク(タイ)に敗れた。立ち上がりから攻め続けた鹿島は、前半に小笠原からのクロスを田代が左足で先制。後半にも興梠・本山らが追加点。4点目は、野沢からのパスをダニーロがワンタッチでDFを切り裂く美事なプレーで駄目押し。格下相手とはいえ、終始、鹿島が主導権を握る展開となり、久々の完封勝利でACL8強に名乗りを上げた。最終節まで縺れ込み、苦しい戦いが続いたが、この予選突破の鍵は、やはり得失点差の優位を最後まで保ち、この大きなアドバンテージを活かした結果と言えるだろう。最終節、北京国安は前掛かりになり、慌てふためき、最後は自滅した。予選グループの戦いは、「一つひとつの戦いに謙虚さを持って全力で戦う。」と語った、オリヴェイラ監督の信念を選手全員で表現したものだった。ナムディン戦はリーグ戦を含めて久々の勝利となったが、今思えば、この戦いは選手一人ひとりの点を線にする忘れかけていたチームの機能美を、赤鹿軍団はピッチ上で想起していたのかもしれない。

■ファイナルステージ進出チーム
昨年覇者:浦和レッズ(日本)
グループA:クルフチ(ウズベキスタン)
グループB:サイパ(イラン)
グループC:アル・カラマ(シリア)
グループD:アル・カドシャ(クウェート)
グループE:アデレード・ユナイテッド(オーストラリア)
グループF:鹿島アントラーズ(日本)
グループG:ガンバ大阪(日本)

■新たな歴史を刻む挑戦
準々決勝の組み合わせ抽選会は24日、マレーシアのAFCハウスで決定する。鹿島の対戦相手がどのチームになるか鶴首して待つが、9月から始まるACLの挑戦も、赤鹿の捷利を最後まで崇心。ファイナルステージ一つひとつの戦いは、クラブの新たな歴史を刻む戦いである。クウォーター・ファイナル、セミ・ファイナル、そしてファイナル。今まで手にした事のないタイトル獲得まで、あと3つ。未知で過酷な挑戦だと思うが、最後は大慶至極。アジアに「KASHIMA」の名を響かせ、今季最大の目標でもある世界への挑戦を遣り遂げたい。これが現実となれば、今迄に経験した事のない、何か暖かいものに触れられそうな気がする。いずれにしても、選手達の輝く姿を、その美しい景色を観る為に、強靭な角を持った愛しき“鬼子”へは、さらに身を浸ける事になるだろう。

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2008年05月19日

【ACL2008】「全力。否、死力の闘将」小笠原満男

「足?大丈夫。痛くない。試合には出場します」。鹿島の大黒柱で、不調に陥ったチームを牽引し続けた小笠原が18日、ACL予選リーグ最終節に出場できる見通しとなった模様。J1第13節の柏戦で左太腿裏を負傷し、足を引きずる様子も見受けられたが、ベトナム・ハノイに同行しているチームドクターに由れば「疲労が溜まって炎症しているだけ。問題なく出場できる」と話している。チームは既に現地入りし19日から練習開始。予選突破の大一番に赤鹿の闘将が奮起する。

小笠原の左太腿痛は今に始まった訳ではなく、4月2日の新潟戦から異変が起きていた。当初は、打撲や肉離れの可能性があり、試合以外の日は室内でのトレーニングと治療に終始していた時期もあった。また、4月の強豪クラブ(浦和・G大阪・北京国安)との連戦前に一度、強制欠場させるとの報道もあったが、結局すべての試合に出場。チームの支柱として、常にピッチの上で選手達を鼓舞し続けてきた。

痛みに耐え、闘志を漲らせる性格がゆえに大事には至らないで欲しいと願うが、全タイトルを獲得すると明言している闘将は、すべての試合に“全力”ではなく、“死力”を尽くすつもりだ。

余談になるが、戦国乱世の時代に塚原ト伝(つかはら・ぼくでん)という剣豪がカシマにいた。鹿島神宮の神職の家に生まれた新当流の開祖・創始者である。「剣聖」とまで呼ばれたト伝は、ここ一番の戦い方を確り心得ている勝負師でもあり、39度に及ぶ合戦で生き残り、19度の真剣勝負に於いても不敗を誇る剣術家として、今も多くの人に語り継がれている。「生涯真剣勝負」。蹴の術を知る小笠原満男は、もしかしたら、カシマの蹴豪と言えるのかもしれない。己を信じ、どんな局面でも打開する術は、ト伝と重なるところがある。蹴豪。正にその名の通り、力強く、勇ましく上り詰めて「KASHIMA」の名をアジアに響かせて欲しい。21日の生き残りを懸けた一戦は、敵地ハノイでの勝利と死力で戦う小笠原の無事帰還を心から祈っている。

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