2008年02月15日

【DESAFIO~挑戦~】ダニロ・ガブリエル・デ・アンドラーデ

鹿島の「NO.11」。ダニーロ選手である。今季、この男の活躍に期待する。昨季は苦しい1年だった。サンパウロFC(ブラジル)の「NO.10」を背負い、鳴り物入りで鹿島に移籍してきたが、コンディション不良や日本のスピードについていけず、持ち前のキープ力やミドルシュートを発揮できなかった。元々、長短のパスでゲームを組み立てる技巧派で、強烈なミドルシュートも放つ。サンパウロFCでは、テクニカルな足技を使うダニーロを、ジネディーヌ・ジダンにあやかって、「ジダニーロ」という愛称で親しまれていた。そのジダニーロ。鹿島のサッカーに中々馴染めず、我々サポーターには、助っ人外国人で一番必要のない選手とまで言われた。しかし、昨季の終盤戦で復調ぶりを感じたオリヴェイラ監督は、「アジアを戦うには、ダニーロが必要だ」と残留を要請。そして、ダニーロ自身も契約延長を願い出た、という。すでに宮崎キャンプも最終日を迎え、鹿島の2年目がスタートしている。昨季の天皇杯決勝で決めた、目の覚めるような豪快シュート。あれが、ダニーロ選手の本来の姿なのだと信じている。

そのダニーロ選手。日本での公式戦デビューは、2007年J1開幕試合・川崎戦だった。開幕戦のスタメンは【GK】曽ヶ端準、【DF】内田篤人・岩政大樹・ファボン・新井場徹、【MF】青木剛・中後雅喜・本山雅志・ダニーロ、【FW】マルキーニョス・柳沢敦。

試合開始前、等々力競技場のゴール裏では新加入した助っ人マルキニョース・ファボン、そしてダニーロのチャントをアントラーズレッドに染め上げたサポーター達が練習していた。私はその時、バックスタンドにいながらも、限りなく鹿島側に近い席に座っていた。もちろん、私も臙脂のユニフォームを着て、この練習に参加していた。この年、小笠原選手の背番号「8」を受け継いだ野沢選手は怪我で出場することができず、助っ人外国人に期待するしかなかった。ダニーロ選手が前に所属していたサンパウロFCは、2005年のクラブワールドカップで優勝。この時のメンバーにダニーロ選手も含まれていた。この男、何かやってくれる。そう期待したのは、私だけでは無いだろう。少なくとも、この試合が終わるまでは。

結局試合は「0-1」で終了。川崎勝利。鹿島は苦いスタートとなった。ロングボール中心のシンプルな攻撃で川崎陣内に攻め入るも決定機をつくり出すには至らない。一進一退の攻防が続いた。しかし、後半2回目の警告を受けた岩政選手が退場。数的不利の状況に陥った鹿島は、マギヌン選手に奪われた先制点に追いつくことができず、川崎がそのまま逃げ切った。「連携面で成熟するには、まだ時間がかかる。」とオリヴェイラ監督。だが、チームが機能していないことは、我々サポーターも分かっていた。この日、デビューを飾ったダニーロ選手は酷過ぎた。世界一を経験している選手とは思えないほどの無様な内容だった。変に期待しすぎた私も悪いのだが、勝てる気がしない内容だった。後半の終盤に差し掛かったところで、私は悔しさのあまり、

「おいっ!!!何をやりたいんだか、さっぱりわからね~よ!」

ダニーロ選手に対し、腹の底から精一杯の罵声を浴びせた。私は鹿島側とはいえ、バックスタンド。周囲は、フロンターレブルーの川崎ファンが多い。叫んだあとで、川崎ファンの方達から笑い声がこぼれる。そんなことは関係ない。悔しい。開幕ダッシュに失敗した鹿島。ダニーロ株もガタ落ち。地に落ちていくようだった。その後、野沢選手の怪我が完治してからは、控えに回ることが多くなり、後半からの途中出場が定番になっていった。

時は経ち、一年を締め括る天皇杯決勝。ダニーロ選手は、いつものようにベンチからのスタート。当たり前のことで気にも留めない。前半終了。試合は、「1-0」で鹿島がリードしている。後半に入り、広島が猛攻するも全て跳ね返す安定した鹿島DF陣。リーグ開幕、あの川崎フロンターレ戦と較べても、鹿島は明らかに成長していた。成熟の域に達したと言っても過言ではなかった。すでにゴール裏では、優勝が決まった瞬間に投げる紙テープが配られ始め、2冠達成のカウントダウンが始まっていた。後半35分、野沢選手に代わってダニーロ選手がピッチに入る。また、ダニーロ選手だ。この時間帯での交代は、お決まりコース。周りの同志からは、誓志(増田誓志選手)を入れろ!、との声が聞こえる。あと10分。私は、「1-0」で終了する歓喜の瞬間を待ち構えていた。後半44分。右サイド、ドリブルで相手を引き寄せた本山選手が柳沢選手へ絶妙なパスを送る。上手い!。ゴール前で広島のDF陣が、柳沢選手に喰らい付く。そしてスペースが空いた所に、あの巨人が走りこんできた。柳沢選手の横パスに角度の浅い所から放つ豪快シュート。巨人・ダニーロ選手が、この試合を決定付ける2点目のゴール。ダニーロ?!!。「ぅお~~~っ!」。紙テープが舞い上がる。試合は、まだ終わっていない。勝利を確信したゴール裏は、ロスタイムがあるのを忘れ、沢山の紙テープが舞い上がった。私が、カウントダウンしていた「1-0」での歓喜など、もはや温過ぎた考えだった。

「ダ・ダ・ダニーロ!ネッチ、ブロンカ!」

シーズン始めの開幕戦で練習したダニーロ選手のチャント。これをシーズン終わりの天皇杯決勝で自身初コールするとは。私は、鹿島を応援しにスタジアムへ足を運ぶが、このチャントをコールした記憶がない。あまりにも久しぶりだった。大爆発。そして、「2-0」で優勝。11冠獲得。歓喜、オブラディ・オブラダ。

ダニーロ選手には、プロとしての「SPIRIT」があった。プライド、謙虚、そして何よりも腐らずに取り組んできた姿勢。見えない所で少しずつ馴染んできた、鹿島のサッカー。今日、最終日を迎える宮崎キャンプですが、ダニーロ選手は絶好調だといいます。期待と同時に元々チカラのある選手ですから、「本来」を取り戻すことができれば、鹿島の中盤は、さらに強靭なモノになります。手薄と言われているFWもカバーすることができるでしょう。ジダニーロ。そう、今季はジダニーロのチャントを沢山コールしたいと願っています。・・・分からないもので、最終的にさよならを言うのは、同僚のファボンだった。さらばファボン。そして、今季もよろしくジダニーロ。

posted by 鹿太郎 |00:00 | 鹿島アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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