2008年09月30日
柏レイソル1−1鹿島アントラーズ
9/20 日立台 晴 主審・岡田 10669人
鹿島アントラーズ2ー0清水エスパルス
9/28 カシマ 曇 主審・片山 15481人
立ち上がりこそ鹿島が何本かシュートまで持ち込んだが,除々に清水のペースになる。
それを押し戻したのは,両サイドからのクロスと,クリアを拾っての二次攻撃を繰り返せたからである。立役者はボランチの二人だ。
小笠原がいないのは痛い。しかし,中後がいることのメリットを,この日は十分に確認できた。
小笠原は前からボールへの守備にいく。それはいいのだが,バイタルエリアが空いてしまうことがあった。青木が代表でブレーキの踏み方を忘れて来た事で,ボランチが揃って後ろを留守にし,全体のバランスが崩れてしまう。
翻って中後は,昨年にアグレッシブさを身につけたものの,本来は底にいてこその選手である。低い位置で捌き,守りでは水漏れを即座に防ぐ。勝手なイメージとは逆の,前に青木・後ろに中後という型が思いのほか機能した。
そもそも昨年の前半は主力として良くやっていた。今季は試合感を失い,慣れない右SBで苦闘してきた。だが日立台では時間が経つにつれて馴染み,玉際の激しさが戻って来ていた。そしてこの試合,序盤に散見されたパスミスは減り,ワンタッチパスでサイドを変える持ち味も蘇る。今後に大きな期待を抱かせる内容だった。
バランスが整ったことで,前からのプレスが機能した。マルキの追加点も2トップで奪い,2トップで崩したもの。後ろが安定したことで,前からの積極性を保てた。
出場機会を取り戻しつつある伊野波も大きかった。彼でなかったら,岡崎にキープを許して押し込まれていたかもしれない。あのスピードと身体能力に加え,68分にダニーロへ送ったような見事なパスも持つ。日立台でも安定していたし,今やローテーションの一駒に留まらない。
前から行ければ,次の守備のイメージも描きやすくなる。清水の縦パスのほとんどは失敗に終わり,奪った勢いで前へと進んだ。連勝中を思い出すほどの盤石の内容で得た勝ち点3は,ACLの悪夢を吹き飛ばすには十分だったかもしれない。
しかし,最近はいい内容が続かない。アデレードの闇夜を忘れるのは,来年のアジアを制した時でいい。
篤人や興梠・伊野波が躍動し,79年組が後方支援に回る新生アントラーズの誕生日は,チームの軸となる男が生まれてから26年後のこの日に。
いよいよ青木時代の到来である。
posted by footant10 |15:22 |
アントラーズ |
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2008年09月19日
鹿島アントラーズ1−1川崎フロンターレ
9/13 カシマ 曇 主審・村上 22292人
何度も見てきた悪い部分を,この期に及んで強調しさえする監督は,もはや神通力を失ったように思える。
選手起用からしていけない。先発ダニーロは2つの意味で好ましくない。チームの機能性を消し去り,後半のジョーカーを手放す。元スーパーサブの本山は気負いすぎてボールが足につかず,野沢と田代は空白でしかない。
そしてセレーゾ時代からは信じられないが,攻めでも守りでも,セットプレーの度に絶望的な気分になる。
情けないほどのピッチも含め,自らを追い込む過ちが多すぎる。
中断期間の成果がまったく見えない。
フィジカルが向上したわけでもなく,中田やマルシーニョが完全に溶け込んだ訳でもなく。連動性はほんの半年前の面影すらない。
川崎戦は決して悪い試合ではなかった。むしろ楽しめたほどだ。しかし強さは見えない。8月の犠牲や,望外の練習時間を活かしていない。
アデレード戦も含め,見えないものに羽交い締めにされたような,もどかしさを感じる。4月5月に味わったものとそっくりの。
昨年,右往左往していたチームがしっかりと前進をはじめるキッカケとして,日立台での勝利が大きかった。今の閉塞感を打ち破るのに,あれほどの場所はない。
posted by footant10 |18:53 |
アントラーズ |
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2008年09月11日
鹿島アントラーズ1−2名古屋グランパス
8/23 カシマ 曇 主審・奥谷 19868人
ヴィッセル神戸1−2鹿島アントラーズ
8/27 ホムスタ 曇(屋内) 主審・松村 13123人
3日前には二つの誇りが粉砕していた。15年前にジーコの右足から始まった伝説は、薄っぺらい敗北で終わった。昨年の劇的な逆転を演出した無敗のスタジアムは、燃えたぎることなく屈服した。
さらに最近のアウェーゲームでは、余所行きで主導権を握れずに負け続けた。気迫を表現できずに、同じ過ちを繰り返した。
これっぽちもフットボールの臭いがしない兵庫駅も、屋根を出したせいか無機質なホムスタも、この一戦への想いを挫きはしない。
ここで勝てなければ優勝争いから大きく脱落する。
前半、跳ねるような2トップに先導され、勝ちたい欲求をピッチに落とし込んだ。両サイドに雪崩れ込み、ちょっとしたカウンターの危険はやり過ごす。“流す”審判にも触発された。頭に血が上り、しかし機能美は失わずに攻め続けた。
好機を逸し続け、誤審にも見舞われ、リードされて折り返したとしても、負ける気はしない。それほどの手応えだった。
ちなみに帰宅後ビデオを見ると、小笠原へのチャージはPK、失点シーンはオフサイドか微妙だったと思う。しかし鹿島のゴール裏からは誤審に見える。当然。そして怒りは熱狂に転化する。
ゴール裏が選手を助けるとしたら、今日こそがその日だと思った。だから神戸に行った。
後半もペースを握り、例によってダニーロがギアを一段上げる。左サイドで重い腰を上げ、滑った敵を嘲るように越えた。中に目をやる暇も無く、気付けば大エースがドフリーで左足を振りぬいていた。爆発。一気に畳み掛ける。
代表でブレーキの踏み方を忘れてきた青木が右サイドに侵入する。独特の謙虚なクロスを送ると、GKはさらに下手に出た。持て余したボールを、獰猛な興梠が遠慮するはずもない。逆転。時間よ過ぎろ。
守りきろうという段階になると不安を垣間見せる。妙にバイタルエリアが空き、フリーで落とさせる場面が目に付く。何とか守りきった。
ゴール裏の気持ちが、魂のチームコールが救いになったと信じている。
9月への布石だろうと、これほど負けてはいけなかった。しかしこうなった以上、決戦の月は落とせない。幸い新戦力は馴染みつつある。
あとはどれだけの覚悟を持てるか。前半戦の過密日程では、崩れた後に立ち直らなかった。チームに関わる者として救いとなれるか。微々たる力だが、勝負はいつも紙一重だ。
次のレジェンドチームは、JとACLの2冠達成チームになるはずだ。射程に捉えているのに、戦えないはずはない。
posted by footant10 |20:52 |
アントラーズ |
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2008年09月07日
前半 1−0(マルキーニョス) 後半 3−1(田代,本山,野沢)
曽ヶ端 小澤
増田 岩政 大岩 新井場 笠井 大道 伊野波 石神
青木 中田 中後 船山
マルシ ダニーロ 本山 野沢
マルキ 興梠 佐々木 田代
途中から當間・鈴木・遠藤・小谷野・川俣
まず。連日の2部練習とフィジカルトレーニングの影響で,コンディションは相当に悪かった。疲れは体のキレばかりでなく,ボールへの積極性や判断のスピードを奪う。それは当然割り引くべきだが,あえて戦術的な見方をしてみる。
前半,ダニーロとマルシーニョが前・サイドに張り,4トップのようになってしまう場面が多々あった。中盤前目の2人はサイドで働いて欲しいというのは監督の考えだ。
何度か左サイドでダニーロとマルキに中田,新井場が絡んで崩す場面はあった。マルシは連係が今一つでも抜群のスピードを見せる。
しかし中盤での流動性がなく,攻撃は手詰まりを起こした。
後半に出場した野沢と本山は,頻繁に中に切り込み,逆まで動き,2人のコンビで崩していた(そういえばダニーロとマルシはほとんど絡んでいない)。特に本山は,人と人を縫い合わせ一枚にする力がある。彼が抜けて中盤の組織が崩壊した名古屋戦は象徴的。
彼ら2人は近くでプレーすべきだ。今は戦術上,逆のサイドにいることが多い。何とか近づければ,野沢は復調し,面白いサッカーが見られるようになると思うのだけど。
ではなぜダニーロとマルシが重用されるのか。それはゴール前での怖さだと思う。前半はいい形こそ少なかったが,ベクトルはゴールへ向いていた。一方,意外性のあるパスやワンツーで魅せた後半だが,崩しきらなければゴールにはならない。相手が弱かったので崩せたが,今後の厳しい戦いでそれは容易ではないとなれば,魅力ばかりを追求してもいられない。
僕としては前後半をミックスし,本山を先発,ダニーロをスーパーサブで固定し,野沢とマルシは調子や相手によって使い分けるのがいいと思う。
また,今年はサテライトを観ていなかったので,トップで出ていない選手を見るのも楽しみだった。ただ正直,収穫は乏しい。大道は守備的MFで使えば化けるかもと思ったくらい。
やはり出られないのにはそれなりの理由があるのだと痛感した。期待の遠藤や小谷野が示すのは将来性に過ぎず,モトノザが控え組の2列目で出るのは難しい。田代と佐々木は壁にぶつかっている模様。
選手たちは疲れていた。
この中断はチームを立て直すいい機会だった。しかしこの試合で目新しい戦術的な狙いは見えなかった。監督は上で観ていて,指示は無し。守備の意識が食い違ったり,攻撃の打開策が掴めない時間帯もあった。
つまり,この試合はフィジカルトレーニングの延長で,合宿のテーマはフィジカルだったのではないか。そこに「コンディションさえ整えれば問題無い」という自信が透けて見える。
中田とマルシの加入で“使える”選手が増え,試合毎にメンバーが変わった。その辺の連係が不安ではある。次の一週間の課題になるのだろう。
posted by footant10 |00:00 |
アントラーズ |
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2008年09月03日
スパーズ戦のチェルシー,特に前半を観て感じた。
アントラーズに似ている。
僕の日常のサッカーは鹿島で行われている“ブラジル”サッカーにある。それが一つの基準にもなっているのだが,今季のチェルシーのサイドの使い方がアントラーズにそっくりなのだ。
4−3−3ではあるが,Jコールとデコは典型的なサイドプレーヤーではないので,前方のサイドに張る選手がいない。そこを活かすのは,サイドバック(SB)の選手だ。
システムの成り立ちの関係で,欧州のSBはCBから来ているために守備重視,南米のSBは前から下がって来たために攻撃的だという話をどこかで聞いた。
それが本当かはともかく,南米のSBの方が敵陣深くに入り込む回数が多い。さらに“ウイング”がいないと,ビルドアップの段階で幅を持たせるのにSBを使う回数が増えるので,組み立てる能力も求められる。
ちなみに鹿島でもSBが攻撃に負う役割はとてつもなく大きい。
具体的に2つのパターンで。SBがボールを持って始まるのと,そうでないのと。
前者の場合。ハーフラインを越えた辺りでボールを持つと,前方のスペースに誰かが流れる。そこへの縦パスと同時に走る。前の選手の突破を後ろからサポートするのではなく,追い越すことで選択肢とスピード感を与えるのだ。特徴的なのは,外を回るだけではなく,頻繁に内側へと切り込むこと。前の選手が斜めに流れることでできたスペースを使う。
SBが「縦パス」と「走り込み」という楔を打ち,一気に崩しにかかる。
逆にボールを持たずに始まる場合,できるだけ存在を消す。タイミングが命になるが,走りながら受けることが何より重要だ。そのままの勢いでクロスまでいくことを目指す。ダメだった時は,おそらく詰まった状態なので,サイドチェンジを念頭に一旦細かくつなぐ。ここでもカギになるのは逆のSBだ。
いずれの場合も周囲のサポートが必要だが,適当に放っとくくらいの意識でいい。
内田篤人を例に。SBに必要な走る能力に長けた選手だ。接近展開連続などと言っていたころの代表では,彼の周囲に味方が集まりすぎていた。おかげで走ることが出来ずに苦しんだ。
五輪代表で輝きだしたのは,前にいるのが水野から本田になったころ。蓋をしていた選手がいなくなり,自由に走れるようになったのだ。
こうして書くと責任転嫁に聞こえるが,やむを得ない。SBは戦術によって求められる能力がかなり違ってくる。周囲に左右されやすい。
翻ってチェルシー。サイドをブラジル的に使うようになり,Aコールが迷い無く走り出しているように見える。ロッベンを放出し,マルダやカルーが今一つなことで漂っていたサイドでの閉塞感が解消されれば,攻撃力は格段に増す。
しかし落とし穴もある。適度にスペースを空けるためSBの周囲に人が少なくなり,攻撃の過程でボールを失うとカウンターを受けやすくなる。SBが上がった裏に流し込まれ,途端に守備はパニックに陥る。多くの選手のベクトルが前向きになるため対応が遅れやすい。鹿島もボールの失い方が悪い時は大抵負ける。運動量が落ちてきたとはいえマケレレの放出が痛い。
ブラジルのエッセンスを取り入れたことで,チェルシーは凄みが増したのか,付け入るスキができたのか。開幕戦があまりに強烈だったので,今は後者の考えに傾きつつある。人口密度を高めてフィジカルを活かしてくる方がコワい。
しかしブラジル人監督の最高峰にいる人物が,チェルシーをどのように高みへと導いていくのかは興味深い。特にSBの走りを封じられた時の打開策について。ユーロでの傾向から考えると異端だが,程よく頑張って欲しい。
posted by footant10 |13:36 |
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2008年08月19日
鹿島アントラーズ4−1東京ヴェルディ
8/16 カシマ 雨→曇 主審・東城 21431人
アントラーズの強さはマリーシアのおかげ。日本にはマリーシアが足りない。その通りだと思う。
しかし,意味が誤解されている。
審判に見えないようにファウルしたり,大げさに転んだり。それはマリーシアのごく一部でしかない。どうも“ズル賢い”という言葉のズルさにばかり焦点が当てられ,対象が審判になっている。戦っているのは対戦相手である。
ヴェルディは福西と和田が出場停止だった。中盤で敵を威嚇する選手がいないなら,小笠原や本山が躍動する。唯一とも言える右SBがいないなら,新井場が徹底的に仕掛ける。見事に弱点を狙った。
さらに,この日の鹿島は得点経過が最高だった。先制し,前半終了間際に追加点をあげ,後半開始から3バックにしてきた相手のサイドを突いてダメを押す。4点目は逸機を悔やんで立ち止まる相手を尻目に完璧なカウンター。
相手の弱点を突き,流れを見ながら試合を運ぶ。これこそがマリーシア。それは勝つためである。
4バックが機能したとか,1トップが孤立したとか,戦術論も確かに大切なことだ。しかし最も重視されるべきは,試合の流れだと思う。どんな戦術でも90分ずっと上手くいくことなど有り得ない。そこで役に立つのがマリーシアだ。
負けたけど課題が見つかって良かったとか,自分たちのサッカーができたとか。そんな甘ったるいことを言っているうちは,いつまでたってもマリーシアなど身につかない。勝てるようにはならない。
親善試合でも負けていいわけがない。まして五輪など。
ヴェルディは自分たちの真価を試したらしいが,あそこまで寄せが甘いと好き勝手やられるのも道理だ。千葉がなぜ勝ったのか研究すべきだった。
向こう見ずな特攻精神では意味が無い。相手に自由にやらせないのも自分たちの力である。
マルシーニョが時間を経るにつれて馴染み,中田は不安を垣間見せながらも踏ん張った。“チームの顔”青木,本山,小笠原は出色の出来。雨上がりの鹿島に野沢の右足が虹を描き,完璧な締めくくりをしたかに見えたのだが・・・
増田は右SBをこなした。前半20分に見せたように,叩いて,動いて受けて,また叩くというシンプルなリズムは彼の持ち味で,いいスペースを見つけた時は輝く。SBだと後ろから余裕を持って探せる。岩政にあまり行くな,早すぎると言われてからは陰を潜めたが,そこは慣れれば折り合いがつくようになる。MFとして開花してほしいが,SBも出来ることは大きな武器だ。
失点シーンに絡んでしまった。落ち込む彼を小笠原が叱咤激励する。直後のキックオフのボールを渡した。キャプテンからのメッセージである。増田はそれを,キーパーに戻した。足りないとしたら,メンタルの強さかもしれない。
戦う気持ちは最低条件でしかない。
posted by footant10 |15:32 |
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2008年08月16日
'98-'99シーズン,マンチェスター・Uはカントナから受け継いだ魂のもと,大陸への侵攻に繰り出していた。前季の,さらにはW杯での敗北から立ち上がるために。
だから,CL準々決勝でインテルを迎えたオールド・トラッフォードは,野心と反骨に燃えたぎっていた。
開始直後からギグスが左サイドを駆け上がるのを合図に,ガリガリ言わせながらギアを上る。両サイドからの空爆と中盤での地上戦で一気に押し込んだ。暴力的に荒削りな猛攻。キーンの縦パスが,ベッカムの足元にこぼれる。
右足に撫でられたボールは,スッと,インテルを切り裂いた。
完璧なクロスにヨークが合わせて実を結んだ勢いは,先制しても止まない。再びベッカムのクロスからヨークがゴールへ迫る。
しかし15分を過ぎたあたりで一段落すると,脆さが垣間見える。不安定の中で無理に攻めようとし,ミスが出始めた。
隙間を必死で埋めたのは,本能的で攻撃的な守りだった。ひたすらボールに食らいつき,それは自分たちのものだと主張する。どこかチグハグなイタリアの雄は所有権をあっさりと手放した。しつこいガキたちに嫌気がさしたよう。
そしてガキたちは無邪気に前に出る。ベッカムのアーリークロスはコールの足先に置かれたがGKに防がれる。サネッティがシュマイケルを強襲したならキーンがやり返す。時間など忘れ,目に入るのはゴールのみ。
前半ロスタイム。細かく右から左,また右へと繋がれたボールを,Gネビルは背番号7に託す。繊細な刃を振りかぶり,振り下ろす。ヨークはただ,飛ぶだけでよかった。
ギグスが左から開拓し,ベッカムが右から刺す攻撃は洗練された無骨さ。サイドを利用しながらもチームのベクトルは常に前,前,前。
後半も頭からチャンスを掴む。ヨークの突破にギグスのヘッド。2−0?まだ足りない。
3分,2人でボールを奪いに行くがかわされ,右サイドを破られた。サモラーノのヘッドはシュマイケルが左手ではじくも,無邪気な攻撃精神は危うさも孕んでいることが示された。インテルが1点返せばアウェーゴールで,大きな意味を持つ。
だがユナイテッドは耐えることを選ばない。縄張りで暴れるヤツがいるなら,睨み返して追い出す。
7分にはギグスが独走からシュートにもち込み,直後にはCKからスタムがゴールに迫る。前からの攻撃的な守備で奪い,パスを回して下地を整え,ヨークの突破はコールのシュートを導いた。
劇場は訴える。もっとだ。もっと攻めろ—
10年後,無邪気さを捨て去ったガキたちは,大人に勝つ術を手にした。例えば攻めを捨ててでも。2冠王者として臨むシーズン,彼らはさらに成熟していくのだろうか。
ひたすら攻め倒すサッカーは限界を見,“イタリア”を取り入れ,成功した。タイトルは何より説得力を持つ。しかし夢を見るのは自由だし,何よりあれは現実だった。
何度かの奇跡の洗礼を経て伝説となるチームは,グラグラと揺れるのをかまわず,ひたすら前へ出た。
ギグスがミドルを見舞い,ベッカムのサイドチェンジからコールがインテルに襲いかかる。最後までゴールを欲し,いくつかのピンチを招きながらも,イタリアを粉砕した。
大喝采が包む。これこそがユナイテッドのフットボールだ。
バスビーがいつも叫んでいたように。
Boys, be attack. 飽くなき攻撃精神を,もう一度。
posted by footant10 |13:16 |
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2008年08月16日
ジェフユナイテッド千葉3−1鹿島アントラーズ
8/9 フクアリ 曇 主審・高山啓 16190人
ヴェルディ戦を前に,重い腰を上げて前節の振り返り。
情けないほどの完敗である。
小笠原,篤人,マルキが欠場。期待を込めて起用した選手は,ことごとく裏切った。増田は好調を示せず,中後は本職でも輝かず,石神は失笑を買った。
背骨を引っこ抜かれて立てないなら,這いつくばってでも戦えるはずだ。ロスタイムのCKを誰も蹴ろうとしないのには愕然とした。
気の毒な面もあった。試合をコントロールしたり,気の利く選手がいなかった。本山だけでも先発していたら,多少は違ったかもしれない。気持ちを感じなかったわけではない。
それだけに,先は不安だ。
ジェフの寄せが早く,自由にボールを持てないので技術を発揮できない。小手先だけでは通用しない。日本人に技術があるという話,非常に疑わしい。
オリンピックでもそうだった。ちょっと芝が悪いと途端にトラップすらできなくなり,試合で効果的なスキルは無い。決定力もさることながら,試合運びの拙さは致命的である。
2試合を通じて,シドニー世代の凄さを改めて感じた。彼らに続く世代をどう育てていくかは,代表でも鹿島でも大きな課題である。
根本的な才能の違いは,埋めきれるのだろうか。
特に気になったのは田代。求められているのは,ターゲット役とエリア内での仕事のはず。スタメンを外され「練習でいろいろ出来た」とコメントしていたが,期待3割,不安7割だった。結果は怒り10割である。この日のプレーを見れば,彼が何をやってきたのかよく分かる。
オシャレなヒールパスは彼の仕事ではない。クロスの場面でファーサイドに漂っている場合ではない。どうして周囲の誰も指摘しないのだろう。お前は間違っていると。
ベンチで興梠のガムシャラさを見てきた。巻が泥臭さの価値を示した。いい加減,気付くべきだ。
まずは,体を投げ打ってでも点を取れる場所に入ること。あの身体能力があれば,できるはず。
興梠くらいしか明るい材料のない,あまりに虚しい試合だった。
と思っていたが,青木の代表選出のニュースを聞いて思い出した。この試合でも最後まで奮闘し,軽いプレーをした田代に激怒していた彼の姿を。もともとエリートなので代表くらいで自分を見失うことはないだろう。
新時代の旗頭として,いよいよ青木がチームの顔になる。
今日もマルキが出られないようなら,トップには野沢を見たい(無いだろうけど)。
マルキの得点力はカバーできないかもしれないが,中盤と巧く絡める選手が前には必要だ。気が利くマルキの代わりができそうなのは,野沢くらい。
何より,本山と近い場所でプレーすることで復調のキッカケになるはず。
増田の右SB,マルシーニョ先発など不安要素は消えきらない。しかしここで勝てないようだと,前半戦を思い出してしまう。
タフさを身につけられるか。何よりも結果。
posted by footant10 |01:29 |
アントラーズ |
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2008年08月08日
後半の途中から出場した佐々木竜太は,CKにもかかわらずファーサイドでうろうろしていた。マークを外すでもなく,勢いを蓄えるでもなく。チームで決められたポジショニングがあるにせよ,もっと貪欲な姿勢が見たい。そう思って,キッカーから放たれたボールに目を移す。
次の瞬間,流れて来たボールに頭で合わせたのは背番号17だった。
この時は惜しくも好セーブに阻まれてしまったのだが,その才能の深さに身震いしたのである。
初ゴールは昨年の甲府戦で,野沢からのパスを巧みに脚を畳んで決めている。センセーショナルだったのは日立台での躍動だ。バカボン並の回転数を誇る脚力を活かしてゴリゴリと突破し,柏のゴツい外人を弾き飛ばす。そしてロスタイムには田代の落としを完璧なタッチで収め,マルキーニョスの決勝ゴールをアシストした。
強烈な自己紹介を経て,柳沢が抜けた今年は,戦力として計算されている。札幌戦や千葉戦で得点し,柏戦ではスタメンの座を勝ち取った。
最初から出ると色々見えてくる。荒削りなところがあるため“背負う”ことができず,周囲を活かすことも難しかった。しかし確実にゴールに迫っていたのも事実である。
特にFWの選手は一芸に秀でていればいい。長所を忘れて無理にプレーの幅を広げようとしだすと,思うように伸びない。
佐々木はゴールに向かわせてこその選手で,それ以外の複雑な仕事は苦手らしい。「点はとったけど出来は今一つ」という評判を散見するのが象徴的だ。ならば,ゴールだけを考えさせればいい。
柏戦では相方が興梠で,イケイケコンビのため難しい面があった。例えばアレックス・ミネイロと組ませたら。2桁は確実にとるだろう。何なら得点王を争うくらいのポテンシャルはある。
俗な言い方をすれば,突破力のあるピッポ。あるいは点で合わせられるアンリ。どちらもピンと来ない。
アントラーズには,香川を預かっているセレッソ同様,大きな責任がある。才能のすべてを引き出さなくてはならない。先の見えないブラジル人を慣らすのに四苦八苦するくらいなら,佐々木を使うべし。
彼が将来もたらすであろう恩恵は,元セレソンなんかの比ではない。あとはそれが,何億円かの移籍金ではないことを願って。
長谷川祥之の後継者。ミスターアントラーズとして,どこまでも大きく。
posted by footant10 |09:35 |
アントラーズ |
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2008年07月30日
昨日の朝日新聞朝刊に潮智史という人が書いた鹿島vs浦和についてのコラムがあった。
大ざっぱに言うと,ライバルの存在はありがたいもので,浦和は相手に底力を引き出され,鹿島は過剰に意識してマリノス戦のように割り切ることができなかったというもの。そして最後の一段落である。抜粋してみよう。
「勝って得るものも大きいし,負けた代償も大きい」。浦和との一戦をこう表現していた鹿島のオリベイラ監督は審判に文句をつけたが,判定の正誤より,好試合を引き出した見事なコントロールに触れる方がずっとフェアな試合だった。
以上である。この“見事なコントロール”とは審判のことだろう。 ・・・?
別に審判のせいで引き分けたと言うつもりはない。妥当な結果だった。
しかし見事だったなんて口が裂けても言えないほど,吉田主審は下手だった。決定的なハンドを見逃し,ファウルやイエローの基準が滅茶苦茶で,暴力行為はイエローで済ます。
選手の感情を逆撫でして盛り上げるのが“見事”だということなのか。
ちなみにこの記事は“好試合引き出す好敵手”という見出しだった。好敵手とは審判のこととも読める。間違っても“好”ではないが。
もう二度と,審判を敵に見ざるを得ないような試合は観たくない。
家元主審が復帰したが,ありえないことだ。仮にGKがいて,「前のチームでトンネルによる失点で試合をブチ壊したことが10数回あります」という選手だったら,どこが雇うというのか。
審判とはお気楽な職業である。巨大な権力に守られ,ミスしても致命的にはならない。今のままでは生活を懸けて戦っている選手や監督が浮かばれない。
せめてマスコミくらいは,審判の過ちを検証して欲しい。それでこそ功績も素直に称えられる。
本山は「僕らの代わりに怒ってくれた。すばらしい監督だ」と言った。その監督は,マスコミに検証をお願いしている。言論の自由はサッカー界にもあるべきだ。
誤審も時にはやむを得ない。無くそうとする努力と,犯したミスの検証・償いがしっかり行われていれば。
posted by footant10 |12:49 |
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