2008年10月28日

エキサイティング!!~F東京vs鹿島

 パスの回りが速く、選手はよく走った。ゴール前の局面も多く、かと言って中盤が疎かになっていたわけではない。気持ちも入っていて、興奮度の高い魅力的な一戦だった。

 まったく、最悪な試合をしてくれたものである。

 FC東京は勢いに乗らせたら強いということは分かっていたはずだ。それなのに、攻め合いを許し、面白い試合にしてしまった。
 相手は縦横無尽に走り回り、プレスの狙いどころを絞れない。小気味いい展開に付き合い、試合のテンポが上がる。
 のらりくらりと振る舞いながら勢いをかわせるほど、チームは熟成していなかった。

 東京の狙いにハマってしまった。象徴は右サイド。篤人は崩されたし、責任は逃れられないが、あまりにオープンな局面が多すぎた。カボレが前を向き、後ろから何人もが飛び出してくるような場所を提供してはやられるのも当然だ。
 引きこもってスペースを消し、膠着させればよかった。セットプレーなりで1点を取って逃げ切る。
 試合を退屈にするのもまた、強さである。

 またしてもリーグを退屈にするチャンスを逃した。痛い敗戦も、下にいるチームを同じことを繰り返しているおかげで助かってはいる。だが、漂いつつあった楽観ムードなど何も保証してくれないことを思い知ったはずだ。もう一押しが要る。
 
 田代はようやく獰猛さを思い出した。11月の男、背番号8を引き継いだ生え抜きのファンタジスタは、後に続けるか。
 野沢拓也は、このままでは終われない。

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2008年10月22日

むせかえるほどのヤナギ愛

 2008年1月1日,国立競技場を背に,ビルの向こうの夕日が沈んでいく。涙に霞んだオレンジ色は黒く染まろうとしていた。

 ヤナギが,いなくなる。

 彼は鹿島という田舎街にやってきた太陽だった。日本中から注目されていた高校生は息子として受け入れられ,“親”たちは溢れんばかりの愛情を注いだ。
 点が取れない時期にはコールを止めもした。たった1つのゴールに涙もした。移籍の可能性が浮上してからは,まるで娘の嫁入りを前にダダをこねる父親のようになった。
 家を出て行く時が来るのは必然だったのだと,新生活を幸せに送る彼を見て思う。大人になれば,親の愛はたまに感じれば十分だ。こんなブログを書いてしまうような愛情を,彼はうっとうしく思うようになったのだと。

 天皇杯に勝った喜びもかなぐり捨てて彼の名を叫び続けたゴール裏に対して,いともあっさりと別れを告げた。
 こんな暑苦しいのは,年に一回で充分だと聞こえた気がした。

 だったら味わわせてやろう。カシマに帰省する我が子には,ありったけのブーイングを用意するつもりでいた。
 彼にコールを送ると耳にした時,頭では,西京極で誰にやられたか忘れたのかと怒った。こんな面倒くさいサポーターに嫌気がさして出て行ったんだろうと納得した。ゴール裏が昼ドラのような愛憎にまみれていても,彼はいつも通りクールに振る舞っている。
 試合中は彼のことを忘れようとした。西京極に行けなかった僕にとって,はじめて彼が敵になった。
 でも,独特の腰を落とすプルアウェイや,見慣れた枠を逸れるシュートを見る度に,心は疼く。
 
 やっぱり彼が好きだと感じるのは,何度目だろうか。


 誰よりも頑固な男だから,周りが何を言っても聞かない。でもいつか,素直な「おかえり」を言いたい。クラブハウスで流し目を振りまきながら,フッと笑って歩いていくのをもう一度見たい。
 こういうことを言うから離れていくのだろうけど,言わずにはいられない。

 やっぱり,柳沢敦は特別なのだ。

posted by footant10 |02:00 | アントラーズ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年10月21日

牽引するエース〜鹿島vs京都

鹿島アントラーズ2ー1京都サンガ
 10/18 カシマ 曇のち晴 主審・松尾 20580人

 エースの足元にボールがこぼれた。一旦後ろ向きになり,すぐに振り返る。周囲ではバタバタとした時間が流れ,DFたちは血眼になる。次の瞬間。フワリと浮いたボールがネットを揺すった。
 マルキーニョスだけが,時間に流されなかった。

 相手のミスを興梠が突き,押し気味に試合を進める。またも盤石の勝利を得ようとしていた。そんな平穏を田原が打ち破った。DFは隙を見せたが,それよりも田原の才能によって,一気に試合は行き先を失う。
 後半はどちらが手綱を握るかの戦いになった。田原が突進すれば,新井場とダニーロが左から侵入する。徐々に鹿島がたぐり寄せる。そしてマルキのゴールで,ガッチリと手にした。
 主導権を得れば今の鹿島は揺るがない。エースの器になりつつある田原が下がったのも助けとなり,逃げ切った。

 前からのプレスと両ボランチの出足の良さ,伊野波のカバーリングという最近の強さの要因はこの日も発揮された。チームは前への勢いとスピードを得,ゴールへの破壊力は増す。
 さらに中後の両サイドへの配給も冴え,攻撃は広がりを持った。たくさんの道筋を持って多彩に攻める。
 しかし,それだけでは不十分。

 マルキーニョスはハードワークの象徴でもあり,粘り強いポストプレーもする。非常に汗をかくアタッカーだ。
 それがゴールに迫るにつれて汗は引き,冷徹なスナイパーと化す。コンスタントに得点を積み重ねる18番の貢献度はすこぶる高い。最後の局面で歯がゆい思いをしてきたチームから,初めての得点王が出ようとしている。

 リーグの方は何も決まっていない。優位に立ったとは言えるだろう。やるべき事をやり,ハードワークで汗をかき,ゴール前では冷徹に。
 マルキーニョスに牽引された鹿島は,手綱をたぐり寄せつつある。しかし。
 最後に結果を残さなければ何の意味も無いことは,誰よりも分かっているはずだ。

posted by footant10 |17:22 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月16日

日本代表,最大の課題は決定力ではない

 僕は日本の最大の課題は,試合運びの拙さや流れを読む力の無さだと思っている。決定力ではなく。
 序盤にウズベキスタンが激しいプレスを仕掛けてきて,おまけに芝が滑るなら,長いボールをDFの背後に蹴り続ければいい。スピード勝負になるし,相手は後ろの不安定さを露呈しただろう。そうすれば後ろ髪を引かれ,プレスは緩む。
 ところがチームの約束なのか,後ろから細かく繋ごうとしてミスを連発し,リズムを崩した。

 巧みな試合運びや流れを読む力は,勝つためにサッカーをすることで磨かれる。
 親善試合でも“自分たちのサッカー”をやることばかりに気を取られ,結果に拘らない。ホームで完敗しても「ウルグアイが本気で来てくれて良かった」などと微笑んでいては,いつまでも強くならない。
 ◯◯が機能したとか,◯◯が台頭したと喜ぶのはいい。自分たちのサッカーを確立するのも大切だ。しかしそれは,試合に勝つことで意味のあるものになる。UAEを相手に押せ押せになった隙を突かれて追いつかれるなど,許されるべきではない。

 岡田監督はUAEに引き分けた時点で(それまでの働きぶりも踏まえて)“次もダメならクビ”になり,昨日の引き分けで解任される。それくらいの危機感を持って試合に臨まないと,月に1,2試合のチームが強くなるはずがない。



 もちろん解任する際には試合内容も判断材料になる。
 例えば昨日の右サイド。内田篤人にとって,前方で外に張っている俊輔が邪魔だった。あれでは篤人の持ち味である長い距離のランニングができない。ボールを持った時に横でサポートする選手もいない。
 では俊輔を外すべきかというと,そうではない。物足りない面もあったが,彼の左足は多くのチャンスを演出した。
 こういった問題を解決するのが監督の仕事だ。俊輔を右に置きたいなら右SBには堅実で後方支援に長けた選手を使えばいいし,2人を使いたいならポジショニングを修正すべき。

 こういった齟齬がピッチの至る所で見られた。するとチームは動きを失い,何となく足元へのパスを繰り返しながら前進し,結果的に攻めるスペースを自ら狭めていた。
 放送席では「スピードを活かせ」だの「動け」だのと叫んでいたが,人ごみの中では走れない。どうやって混雑を解消するのか,それこそがチームとしての攻め方だが,狙いがまったく無い。オシム時代に見られた,サイドチェンジからの素早い崩しすら消えた。



 岡田さんが監督である効果は見えないが,しかしクビには早すぎるとか,次まで時間が無いということもある。何度も解任の危機に瀕したトルシエは勝ち,ちょっとしたデモのみに終わったジーコは負けた。条件の違いはあったが,チームへの危機感は必要だ。頻繁に進退が問題になるのは悪くないと皮肉っぽく考えるしかない。

 結果として2試合で勝ち点4なので,そこまで深刻になるものでも無いかもしれない。予選はワールドカップへ行ければ大成功というものだ。
 今更ながら,アジア枠の多さは日本代表にとって非常にありがたい。サッカー界にとってどうかはともかく。

posted by footant10 |16:33 | その他 | コメント(9) | トラックバック(0)
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2008年10月15日

ユベントス攻略法

1.カモラネージを出させない
 彼こそがキーなので,何とかしてピッチから遠ざける。いるといないとでは,ユーベの攻撃力がまったく違う。元気に出てきた場合は,頻繁にサイドからバイタルエリアに侵入し,リズムを生もうとしてくるので,細心の注意をはらう。

2.左SBは放置する
 特にモリナーロで,素晴らしいタイミングで上がってくるので驚くが,最後はクリアしてくれるので気にしない。デチェーリエもクロスはアバウトなので,中に人数を割くべき。

3.新聞を読む
 モッジの頃とは違い,移籍市場での振る舞いはとっても素直。新聞記事は全面的に信用し,うまく邪魔をする。出し抜かれる心配は無用。

4.カウンターは外から
 真ん中の4人の守備ブロックは固いが,対応力にやや欠けるので,外から揺さぶりつつ攻める。正面突破は無謀。意外にスキはある。

5.ミラノ方面の電話機から盗聴器を取り除く

6.ボールを持たせる
 パスの出し手が(カモラネージ以外)おらず,ボールの動かし方も上手くないので,勝手にリズムを壊してくれる。下手に奪いに行くとロングボールを使ってFWを活かしてくるので,ミスを犯してくれるまで根気よく待つ。

7.押し上げる
 FW陣をゴールに近づけてはいけない。遠ざければ怖くない。

8.程よく勝つ
 監督の首元が涼しくなっているようなら負けてあげる。ラニエリを留ませるのが将来のため。念のためにベンチでは禁煙というルールを徹底しておく。

9.「もうイタリアダービーじゃないよね」とか言わない
 Bに落ちてからの反骨心には目を見張るものがあるので,刺激しない。

10.CLに出させない
 フィオやミランあたりには負けておく。反骨心に加えてユーベのプライドが完全に戻ったら厄介極まりない。CLに出続けると,そうなる可能性が高い。

11.程よく勝つ(その2)
 ユーベがスクデットを穫る邪魔をしない。このままでは古豪になってしまう。それは寂しいし,一勝の重みが減る。できればCLも穫っていただき,ネドベドやブッフォンあたりを満腹にしてあげる。

posted by footant10 |01:01 | 海外サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月07日

秋色の決戦 〜G大阪vs鹿島

ガンバ大阪0ー0鹿島アントラーズ
 10/4 万博 晴 主審・佐藤 19386人


 夏の日差しと秋の風が交錯する万博で,この90分は何を決めることになるのか。
 首位固めと同時にライバルを蹴落としたい鹿島が,優勝争いへの本格参戦を目論むガンバのホームに乗り込んだ。決戦を迎えた赤と青が,多少異なる思いをぶつけ合うのは中盤だと予想されていた。華麗で,流動的で。

 ところがボールは思いのほか多く空を飛んだ。
 鹿島の流動性は戦い方にもあった。ロングボールを駆使して激戦区を回避したかに見える。しかし“真ん中”はどうあっても避けられない。そこで活かし方を変えたのだ。繊細さではガンバに譲るものの,強さでは上回る。青木や中後の出足は早く,セカンドボールを拾えるのが2連勝につながっていた。
 中盤が動き出すポイントを前に置く。前線に蹴り込むことでベクトルが前向きになり,フィジカルでの優位性を強調する。粘り強い2トップと,前進する中盤とで押し込む。
 マルキーニョスや中後が掴んだチャンスは一見すると幸運だったが,しっかりとした狙いのもとにあった。

 それでも崩しきれなかったのは,ガンバの中盤には後ろ向きでも効く選手がいたから。明神と橋本は,奮闘したDFラインを大いに助けた。
 攻めではロニーが中盤に埋没したこともあり,脅威にはならなかった。セットプレーで得たチャンスもバーに弾かれる。
 ジリジリとした凌ぎ合いは,粘り強い守りに演出された。伊野波と山口は互いにカバーリング能力の高さを示し,ピンチの芽を摘み取り続ける。

 ガンバが目に見えてペースを得たのは播戸が投入されてから。脅威の与え方を知る男は鹿島が苦手とする一人で,堅固なDFにヒビを作り,ナーバスになって全体がやや下がった。引き分けも許容できる。
 最後に少しばかりレスリングに興じたものの,文句無しに好ゲームだったし,結果も不当とは言えない。

 試合が終わると,夏は消え去っていた。ここは大阪。ガンバは首位と勝ち点6差とはいえ,上に6チームいるとなると冷え込んでくる。
 鹿島とて勝ち点1でも許されるが,3が欲しい内容だった。翌日の結果を踏まえれば,抜けるチャンスを逃したとなる。
 秋は深まり,空模様は謎めくばかり。

posted by footant10 |14:09 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月03日

大阪決戦

 昨年の夏,金沢での衝撃はあまりに大きく,諦めの悪さで9冠を獲得してきたチームを揺さぶった。小笠原を得て盤石になったはずが崩壊し,手にした挑戦権を失いかけた。
 これ以上ない大惨事だが,さらに最悪なのは,これをテレビの中に見たからだった。

 勢いにのり,首位チームに挑む。たぶん昨年とは逆の立場なのだろう。今は上にいる。しかしそれが,いかにおぼつかないものか。
 脅威となるチームは少ない方がいい。ここで叩けば,少なくともガンバの優勝は無くなるだろう。
 昨年の優勝は「おこぼれ」だの「タナボタ」だのと,余所から言う人もいる。だが自分たちはまったくそうは思わない。本気で最後まで信じきった。

 それはつまり,あれをできるのは鹿島だけだから。

 ここで強いガンバを止めることができるか。仮にできなければ,混戦は更に極まることになる。
 いずれにしても目の当たりにするものが,決戦であることは間違いない。
 

posted by footant10 |17:22 | アントラーズ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年10月02日

足りない2−0 〜鹿島vs大宮

鹿島アントラーズ2ー0大宮アルディージャ
 10/1 カシマ 曇 主審・西村 6725人

 エメジャケは,日本では2−0が危険なスコアと言われていることについて,「そりゃ日本が弱いからだろ」と言ったらしい。
 だからじゃないが,僕は2−0が一番好きなスコアである。それで勝ちきれるチームは強い。
 しかし何事にも例外はある。

 前半にセットプレーで2点を奪い,盤石の後半にしなければならなかった。
 ところが弛緩したムードが漂い,攻めに勢いが生まれない。守りも何となくで誤摩化し,有り体に言って大宮じゃなかったら危なかった。あるいはデニスマルケスだのラフリッチだのがいたら。
 結果的に2−0で終わったものの,次に向けて後味は決して良くない。

 最近気になるオリベイラの修正能力の低さもある。
 過密日程で中盤の運動量が減り,各人の繋がりも希薄になっていった後半の15分辺りで,息を吹き込むべきだった。試合の状況や次の相手を考えれば動きやすかったはずである。しかし30分まで動かず,替えたのはFWだった。
 この時期のために中田やマルシーニョを馴染ませたはずなのに,出番が増えてこない。シーズンのプランニングは上手くいっていない。

 だが,首位にいる。あと一試合で小休止に入る。次に勝てば,先の見通しがついてくる。
 様々な条件が整い,決戦を迎える。

posted by footant10 |16:00 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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