2008年07月30日

審判問題とマスコミ

 昨日の朝日新聞朝刊に潮智史という人が書いた鹿島vs浦和についてのコラムがあった。
 大ざっぱに言うと,ライバルの存在はありがたいもので,浦和は相手に底力を引き出され,鹿島は過剰に意識してマリノス戦のように割り切ることができなかったというもの。そして最後の一段落である。抜粋してみよう。


 「勝って得るものも大きいし,負けた代償も大きい」。浦和との一戦をこう表現していた鹿島のオリベイラ監督は審判に文句をつけたが,判定の正誤より,好試合を引き出した見事なコントロールに触れる方がずっとフェアな試合だった。


 以上である。この“見事なコントロール”とは審判のことだろう。 ・・・?
 別に審判のせいで引き分けたと言うつもりはない。妥当な結果だった。
 しかし見事だったなんて口が裂けても言えないほど,吉田主審は下手だった。決定的なハンドを見逃し,ファウルやイエローの基準が滅茶苦茶で,暴力行為はイエローで済ます。
 選手の感情を逆撫でして盛り上げるのが“見事”だということなのか。
 ちなみにこの記事は“好試合引き出す好敵手”という見出しだった。好敵手とは審判のこととも読める。間違っても“好”ではないが。
 もう二度と,審判を敵に見ざるを得ないような試合は観たくない。

  家元主審が復帰したが,ありえないことだ。仮にGKがいて,「前のチームでトンネルによる失点で試合をブチ壊したことが10数回あります」という選手だったら,どこが雇うというのか。

 審判とはお気楽な職業である。巨大な権力に守られ,ミスしても致命的にはならない。今のままでは生活を懸けて戦っている選手や監督が浮かばれない。
 せめてマスコミくらいは,審判の過ちを検証して欲しい。それでこそ功績も素直に称えられる。
 本山は「僕らの代わりに怒ってくれた。すばらしい監督だ」と言った。その監督は,マスコミに検証をお願いしている。言論の自由はサッカー界にもあるべきだ。


 誤審も時にはやむを得ない。無くそうとする努力と,犯したミスの検証・償いがしっかり行われていれば。

posted by footant10 |12:49 | Jリーグ | コメント(15) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月28日

同じミスの繰り返し ~鹿島vs浦和

鹿島アントラーズ1−1浦和レッズ
 7/27 カシマ 雷雨 主審・吉田 36412人

 試合終了後の新井場はとても悔しそうだった。
 同点ゴールのシーン。エスクデロのボールを奪いにいき,失敗してターンを許した。当然左サイドは空き,クロスから失点した。その責任を感じていたのだと思う。
 選手の気持ちは痛いほど伝わったし,新井場の仕草も胸を打つものはあった。だからこそ,あえて言いたい。彼だけでなくチーム全体に。「何度同じミスを繰り返せば気が済むのか」と。

 先にゴールを奪い,優勢に進める。後半になると押し込まれ,前の運動量が減り,しかしベンチは動かず,動いたと思ったら守備固めで,固めたはずが機能せず,浦和の勢いは増し,耐えきれずに決壊する。
 たしか似たようなことは2004年から3年続いている。奥野さんはそれを見続けてきたはずなのに・・・
 中田が出て来て,交替ボードに11が見えたとき,マルキは天を仰いでいた。


 再開後5分程度しかない前半にアクセルを踏んでしまうあたりは凄い。先制した時は,何年か前のベティスvsRマドリーを思い出し,伝説の予感もあったが,鹿島vs浦和は閉じられた試合になるので華やかにはならない。だが気持ちがぶつかり合うタフな好ゲームだった。

 だからこそ,一瞬のスキやミスは許されず,度々マークを見失う中後や,オフサイドのアピールに気を取られてクリアミスをする岩政は不安だった。最後の決定的なラストパスをミスしたマルシーニョには怒りすら覚えた。
 慣らす時間があるほど余裕ではないし,すぐに働けるブラジル人もいることは川崎の方で証明されている。あの程度しかできないなら,佐々木や遠藤に経験させたほうがいい。というか彼らの方が働く。ダメな外人に拘るのは繰り返さないでもらいたい。

 嬉しかったことといえば,大岩がスタメンだったこと。いよいよターンオーバーが導入されるのだろうか。
 ターンオーバーというのは,決して捨て試合を作ることではない。レギュラークラスが12人以上いるなら全員を有効に使い,全てに勝ちにいくものだ。鹿島のようなチームにこそ不可欠である。
 浦和との戦いは続きそうだが,ひとまず彼らがいない大会だ。次は日本平。

posted by footant10 |15:39 | アントラーズ | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月22日

蘇った必死さ 〜横浜vs鹿島

京都サンガ2−1鹿島アントラーズ
 7/16 西京極 晴? 主審・柏原 15081人

横浜Fマリノス0−2鹿島アントラーズ
 7/20 日産 晴 主審・村上 34752人


 ヤナギに叩き起こされた闘争心は,勝ち点3への執着となって表れた。

 マリノスには個人的に苦手意識がある。中盤の寄せが早く,いつものパスワークができない。サイドでの数的有利の作り方が巧く,押し込まれてしまう。タフな戦いになる。
 しかしこの日,特に前半は鹿島の出足が圧倒的だった。青木が拾ったボールをマルキが突き刺したように,前への意識で上回る。小笠原や中田もさすがの読みを見せる。

 不安定だったのは裏にボールを入れられた時だ。坂田に走られるとバタバタしてしまう。先制したことで引けるようになり裏を消せたことも大きかった。だがマリノスの策不足も否めない。
 狭い場所で,仕掛けるでもないパス回しを繰り返せばインターセプトを狙われるのは当然だ。前にいるのがマルキと興梠だとすれば,カウンターの餌食になるのは明白である。あれをやるならロペスとロニーがいた方が怖いと,意味不明のランニングをする水沼を見て思った。

 木村さんに2番目に向かない職業は交通課の警官だろう。“事故”はしょうがないと割り切り,対策も何もないのではたまらない。
 だいたいマルキのゴールは断じて事故ではない。どうやら1番向かない職業に就いてしまったようである。

 鹿島は後半に失速したように見えたが,許容の範囲内だろう。水際で耐えながら武器をチラつかせる。サイドで3人くらいがグルグル回りながら崩しにきたが勝手にやらせておき,中ではね返す。崩しに人数を割けばエリア内の人数が減るのは道理だし,そもそも肝心のクロスの際にはヘトヘトで精度を欠いていた。
 1点取られていたら分からないと言うが,余裕はあった。マルシーニョの投入もその表れだと思う。ボールを持てば光りそうなものはあったが,守備はまったくしない。そんな選手を使うのだから,半ば勝ちを確信していたのだろう。


 やっと得た先発のチャンスで,興梠は走り回った。必死に。その上にしかあり得ない冷静さで得点した。敵の監督はともかく,こっちのベンチにいた背番号9は思うところがあったはず。
 必死にもぎ取った勝ち点3ほど輝けるものはない。

posted by footant10 |15:35 | アントラーズ | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月14日

試合運び 〜鹿島vs東京

鹿島アントラーズ4−1FC東京
 7/13 カシマ 霧 主審・西村 16561人

 前半は引いた相手に苦労した。清水戦もそうだが,せっかくサイドを崩してもクロスがまったく合わない。本山がドフリーでパスを選択したようにシュートへの積極性も足りない。東京は常に数的優位を保ち,奪ってからのカウンターに懸ける。前節の浦和を酷評していたのは何だったんだというくらい守備的だが,悪くない。
 ところが,なぜだか先制した後から“浦和”であることをやめた。中盤が空きカウンター合戦に。こうなると上手い選手の舞台が整い,本山や小笠原が躍動する。美味しいスペースを用意されたマルキやダニーロ,興梠がガッつく。ゴールラッシュも必然である。

 それにしても東京は親切だ。ホーム負け無しが続き,首位奪回のチャンスで,先制を許したチームが猛攻に来るのは分かりきっているのに,されるがまま。1対1に弱いCBが晒される。前半と同じことをすれば良かったのに。
 相手にサッカーをさせないのもサッカーだと知るチャンスに,浦和を批判して現実から目を背けた。浅利ではなく大竹を投入したのは強気ではなく無謀というもの。自分たちのサッカーを試す3連戦らしいが,勝つために戦わなければ意味がない。
 もし彼らが浦和から何かを学ぼうとしていたら,こんな試合にはならなかったのではないか。

 相手に因るところもあったが,鹿島も強かった。後半のように試合が流れた時の攻撃は本当に美しい。あとはあの状況をいかに自分たちで作るか,作れない時にどうするかである。昨年は田代へのロングボールが有効な選択肢だったが,どうにも不調から抜け出せない。
 試合前のアップを見てガッカリした。ボレーを大外しするわ,未だに振り向きざまのシュートを練習するわ。そろそろベンゼマにはなれないと知るべきで,自分にしかない武器を磨いて欲しい。
 何となく原因が分かる田代とは違い,野沢はいったいどうしたのだろうか。気のないミスが多すぎ,スタメンが危うくなって来た。
 つい悲観的になってしまうのも,この時期の首位に意味はないから。中2日で夏の西京極はツラい。しかしタイプの違う人材が増え,監督が選べる戦い方は数多くあるので,体勢は整った。


 霧が醸す幻想と本山のゴールから中田登場までの熱狂が相まった雰囲気,ちょっと忘れ難い。
 

posted by footant10 |16:40 | アントラーズ | コメント(3) | トラックバック(2)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月08日

クラブの伝統〜磐田vs鹿島〜

ジュビロ磐田1−2鹿島アントラーズ
 7/5 エコパ 曇? 主審・穴沢 18479人


 二点目を取った直後に新井場があんまり嬉しそうで,このクラブの素晴らしさを改めて思い知ったのである。その前にも本山のシュートがブロックされたシーンで,新井場は囮になって3人を引きつけ,達成感のある拍手をしている。
 SBが求められるもの,チームに貢献する方法が,4バックを継続してきたことで染み付いている。
 スタイルが定まっているので,必要な選手像が浮かびやすくもある。例えば山形で頑張っている石川は素晴らしいクロスを持っていたが,決定的に走力が足りなかった。大阪からやって来た男の馬力あるランニングは,ピタリとハマっている。

 クラブに息づく伝統は何より大きい。名波の上空を行き交うだけのボールを眺めながら思った。
 次の壁は'79年組が抜けた時だろう。そこで監督選びを間違えたら,ジュビロに勝てなくなる日が来るかもしれない。そうならないために,復調ぎみの篤人や増田には伸びていって欲しい。
 何だかノスタルジックな気分になってしまう,ライバルとの勝負だった。

 前節に続いて勝負所を押さえた勝ちである。これもまた伝統だが,忘れたときもあった。思い出す方法が勝利だというのがまた難しいが,真夏の連戦に向けて,思い出せてよかった。
 

 オリベイラがしつこく愚痴る日程については,文句の一つも言いたくなる。なぜ次節は土曜じゃダメなのかとか。でもしょうがない。
 彼の本心は,選手には文句を言わせないことだったり,反骨心を持たせることだったりと,他にある(と信じたい)が,それはともかく。

 厳しい日程こそがチャンピオンチームへの最大の敬意だ。
 大きな敵に向かっていく挑戦の心こそが,鹿島アントラーズである。

posted by footant10 |15:47 | アントラーズ | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月04日

今さらEUROについて

 優勝したスペインの強さは“サッカーが上手い”ことだったように思う。

 最近のトレンドとして,ポゼッションとカウンターの二刀流がある。
 カウンターについては,前からのプレスでボールを奪うことが必要だ。そこから速く攻める。これはロシアやオランダも見せたように,比較的やりやすい。先制してしまえばなおのこと。しかし彼らには固めた相手を打ち破る術が無かった。
 僕がポルトガルを推した理由は,叩き潰せるロナウドがいたから。マンチェスター・Uのイメージだ。GKの稚拙さが目立ち,後方支援も不十分だったために悲願は実現しなかった。何よりロナウド自身のコンディションが今一つ。彼のストロングポイントはテクニックではなくフィジカル面にあるため,あれでは厳しい。1試合のみ覚醒したドイツに負けるのもしょうがなかった(応援していたイタリアは単純に弱かった)。

 スペインは叩き潰そうとはしない。相手の守備ブロックの中に侵入するのが抜群に上手い。すると守備のバランスは少しずつ崩れ,ズレをショートパスで突つきながらゴールへ向かう。狭い局面でもボールを扱えるテクニックがあってこそ。
 彼らは本当にサッカーが上手く,だから美しかった。



 個人的お気に入りイレブン(ベストイレブンではないっす)

GK:ロボント
DF:ファンブロンクホルスト,キエッリーニ,コロディン,サブリ
MF:メフメト・アウレリオ,モドリッチ,スナイデル,シオンコ
FW:オリッチ,パブリュチェンコ

posted by footant10 |18:08 | 海外サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月01日

勝者のメンタリティーとは?~名古屋vs鹿島~

名古屋グランパス0−4鹿島アントラーズ
 6/28 瑞穂 雨? 主審・岡田 18215人


 特に去年の優勝まで、マッチレポートなどで“強か”だの“試合巧者”だのと言われるたびに、違和感を感じていた。本当にそうなら4年も無冠なはずがない。


 名古屋は強かった。小気味いい人とボールの動きは苦手だ。押し込まれ、早い時間のリードもあって、人数を割いたカウンターも少ない。目にしたのは、控えめに言っても0-4の内容でなかったことは確かだ。

 例えば、突如として伊野波が左サイドを駆け上がり、青木が右に流れて真ん中がポッカリと空いた。そこを見逃さずに左足を振るった小笠原を勝者と称えることはできる。
 名古屋が諦めを覗かせた隙に爆発したダニーロは世界一経験者である。
 しかし彼らとて、いつもあのシュートを決められるわけでもない。

 “強さ”とは安定感のある守備を基盤に2-0で勝てることだと考えている。「日本では2-0は危険なスコア」と聞いて「それは日本が弱いからだろ」と言ったのはエメ・ジャケだったか。
 3点目を決めるまで安心できなかったこの日の鹿島は、まだ強いとは言えない。

 それでも鹿島に勝者のメンタリティーが宿ると言われるのは、勝ってきたからだ。秋田や藤田を迎えた名古屋を見るにつけ、買ってくることはできない。勝ちを積み重ねていくしかない。

 大切なのは90分のストーリーを描くことだ。もちろん、実行する能力と。

 名古屋は試合勘の問題もあり、立ち上がりは失点さえしなければ良かった。後半勝負に持ち込めば勝機はあったはず。しかしそれを実行できない。鹿島が許さなかった。
 多くのメディアが見出した勝因は、戦術や技術的な話ではなく、漠然とした形のないものだ。だが弾丸ミドルや独走ドリブルは技術の賜物である。

 途方もないサッカーの奥深さが見えた試合は、両チームに様々な示唆を与えた。
 そこにある真実が、0-4でしかないにしても。

posted by footant10 |01:37 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加