2008年10月07日

秋色の決戦 〜G大阪vs鹿島

ガンバ大阪0ー0鹿島アントラーズ
 10/4 万博 晴 主審・佐藤 19386人


 夏の日差しと秋の風が交錯する万博で,この90分は何を決めることになるのか。
 首位固めと同時にライバルを蹴落としたい鹿島が,優勝争いへの本格参戦を目論むガンバのホームに乗り込んだ。決戦を迎えた赤と青が,多少異なる思いをぶつけ合うのは中盤だと予想されていた。華麗で,流動的で。

 ところがボールは思いのほか多く空を飛んだ。
 鹿島の流動性は戦い方にもあった。ロングボールを駆使して激戦区を回避したかに見える。しかし“真ん中”はどうあっても避けられない。そこで活かし方を変えたのだ。繊細さではガンバに譲るものの,強さでは上回る。青木や中後の出足は早く,セカンドボールを拾えるのが2連勝につながっていた。
 中盤が動き出すポイントを前に置く。前線に蹴り込むことでベクトルが前向きになり,フィジカルでの優位性を強調する。粘り強い2トップと,前進する中盤とで押し込む。
 マルキーニョスや中後が掴んだチャンスは一見すると幸運だったが,しっかりとした狙いのもとにあった。

 それでも崩しきれなかったのは,ガンバの中盤には後ろ向きでも効く選手がいたから。明神と橋本は,奮闘したDFラインを大いに助けた。
 攻めではロニーが中盤に埋没したこともあり,脅威にはならなかった。セットプレーで得たチャンスもバーに弾かれる。
 ジリジリとした凌ぎ合いは,粘り強い守りに演出された。伊野波と山口は互いにカバーリング能力の高さを示し,ピンチの芽を摘み取り続ける。

 ガンバが目に見えてペースを得たのは播戸が投入されてから。脅威の与え方を知る男は鹿島が苦手とする一人で,堅固なDFにヒビを作り,ナーバスになって全体がやや下がった。引き分けも許容できる。
 最後に少しばかりレスリングに興じたものの,文句無しに好ゲームだったし,結果も不当とは言えない。

 試合が終わると,夏は消え去っていた。ここは大阪。ガンバは首位と勝ち点6差とはいえ,上に6チームいるとなると冷え込んでくる。
 鹿島とて勝ち点1でも許されるが,3が欲しい内容だった。翌日の結果を踏まえれば,抜けるチャンスを逃したとなる。
 秋は深まり,空模様は謎めくばかり。

posted by footant10 |14:09 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月03日

大阪決戦

 昨年の夏,金沢での衝撃はあまりに大きく,諦めの悪さで9冠を獲得してきたチームを揺さぶった。小笠原を得て盤石になったはずが崩壊し,手にした挑戦権を失いかけた。
 これ以上ない大惨事だが,さらに最悪なのは,これをテレビの中に見たからだった。

 勢いにのり,首位チームに挑む。たぶん昨年とは逆の立場なのだろう。今は上にいる。しかしそれが,いかにおぼつかないものか。
 脅威となるチームは少ない方がいい。ここで叩けば,少なくともガンバの優勝は無くなるだろう。
 昨年の優勝は「おこぼれ」だの「タナボタ」だのと,余所から言う人もいる。だが自分たちはまったくそうは思わない。本気で最後まで信じきった。

 それはつまり,あれをできるのは鹿島だけだから。

 ここで強いガンバを止めることができるか。仮にできなければ,混戦は更に極まることになる。
 いずれにしても目の当たりにするものが,決戦であることは間違いない。
 

posted by footant10 |17:22 | アントラーズ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年10月02日

足りない2−0 〜鹿島vs大宮

鹿島アントラーズ2ー0大宮アルディージャ
 10/1 カシマ 曇 主審・西村 6725人

 エメジャケは,日本では2−0が危険なスコアと言われていることについて,「そりゃ日本が弱いからだろ」と言ったらしい。
 だからじゃないが,僕は2−0が一番好きなスコアである。それで勝ちきれるチームは強い。
 しかし何事にも例外はある。

 前半にセットプレーで2点を奪い,盤石の後半にしなければならなかった。
 ところが弛緩したムードが漂い,攻めに勢いが生まれない。守りも何となくで誤摩化し,有り体に言って大宮じゃなかったら危なかった。あるいはデニスマルケスだのラフリッチだのがいたら。
 結果的に2−0で終わったものの,次に向けて後味は決して良くない。

 最近気になるオリベイラの修正能力の低さもある。
 過密日程で中盤の運動量が減り,各人の繋がりも希薄になっていった後半の15分辺りで,息を吹き込むべきだった。試合の状況や次の相手を考えれば動きやすかったはずである。しかし30分まで動かず,替えたのはFWだった。
 この時期のために中田やマルシーニョを馴染ませたはずなのに,出番が増えてこない。シーズンのプランニングは上手くいっていない。

 だが,首位にいる。あと一試合で小休止に入る。次に勝てば,先の見通しがついてくる。
 様々な条件が整い,決戦を迎える。

posted by footant10 |16:00 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月30日

新生アントラーズ 〜鹿島vs清水

柏レイソル1−1鹿島アントラーズ
 9/20 日立台 晴 主審・岡田 10669人

鹿島アントラーズ2ー0清水エスパルス
 9/28 カシマ 曇 主審・片山 15481人


 立ち上がりこそ鹿島が何本かシュートまで持ち込んだが,除々に清水のペースになる。
 それを押し戻したのは,両サイドからのクロスと,クリアを拾っての二次攻撃を繰り返せたからである。立役者はボランチの二人だ。

 小笠原がいないのは痛い。しかし,中後がいることのメリットを,この日は十分に確認できた。
 小笠原は前からボールへの守備にいく。それはいいのだが,バイタルエリアが空いてしまうことがあった。青木が代表でブレーキの踏み方を忘れて来た事で,ボランチが揃って後ろを留守にし,全体のバランスが崩れてしまう。
 翻って中後は,昨年にアグレッシブさを身につけたものの,本来は底にいてこその選手である。低い位置で捌き,守りでは水漏れを即座に防ぐ。勝手なイメージとは逆の,前に青木・後ろに中後という型が思いのほか機能した。
 そもそも昨年の前半は主力として良くやっていた。今季は試合感を失い,慣れない右SBで苦闘してきた。だが日立台では時間が経つにつれて馴染み,玉際の激しさが戻って来ていた。そしてこの試合,序盤に散見されたパスミスは減り,ワンタッチパスでサイドを変える持ち味も蘇る。今後に大きな期待を抱かせる内容だった。

 バランスが整ったことで,前からのプレスが機能した。マルキの追加点も2トップで奪い,2トップで崩したもの。後ろが安定したことで,前からの積極性を保てた。
 出場機会を取り戻しつつある伊野波も大きかった。彼でなかったら,岡崎にキープを許して押し込まれていたかもしれない。あのスピードと身体能力に加え,68分にダニーロへ送ったような見事なパスも持つ。日立台でも安定していたし,今やローテーションの一駒に留まらない。

 前から行ければ,次の守備のイメージも描きやすくなる。清水の縦パスのほとんどは失敗に終わり,奪った勢いで前へと進んだ。連勝中を思い出すほどの盤石の内容で得た勝ち点3は,ACLの悪夢を吹き飛ばすには十分だったかもしれない。
 しかし,最近はいい内容が続かない。アデレードの闇夜を忘れるのは,来年のアジアを制した時でいい。

 篤人や興梠・伊野波が躍動し,79年組が後方支援に回る新生アントラーズの誕生日は,チームの軸となる男が生まれてから26年後のこの日に。
 いよいよ青木時代の到来である。

posted by footant10 |15:22 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月19日

修正力 〜鹿島vs川崎

鹿島アントラーズ1−1川崎フロンターレ
 9/13 カシマ 曇 主審・村上 22292人


 何度も見てきた悪い部分を,この期に及んで強調しさえする監督は,もはや神通力を失ったように思える。
 選手起用からしていけない。先発ダニーロは2つの意味で好ましくない。チームの機能性を消し去り,後半のジョーカーを手放す。元スーパーサブの本山は気負いすぎてボールが足につかず,野沢と田代は空白でしかない。
 そしてセレーゾ時代からは信じられないが,攻めでも守りでも,セットプレーの度に絶望的な気分になる。
 情けないほどのピッチも含め,自らを追い込む過ちが多すぎる。

 中断期間の成果がまったく見えない。
 フィジカルが向上したわけでもなく,中田やマルシーニョが完全に溶け込んだ訳でもなく。連動性はほんの半年前の面影すらない。
 川崎戦は決して悪い試合ではなかった。むしろ楽しめたほどだ。しかし強さは見えない。8月の犠牲や,望外の練習時間を活かしていない。

 アデレード戦も含め,見えないものに羽交い締めにされたような,もどかしさを感じる。4月5月に味わったものとそっくりの。
 昨年,右往左往していたチームがしっかりと前進をはじめるキッカケとして,日立台での勝利が大きかった。今の閉塞感を打ち破るのに,あれほどの場所はない。

posted by footant10 |18:53 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月11日

戦いは9月へ ~神戸vs鹿島

鹿島アントラーズ1−2名古屋グランパス
 8/23 カシマ 曇 主審・奥谷 19868人

ヴィッセル神戸1−2鹿島アントラーズ
 8/27 ホムスタ 曇(屋内) 主審・松村 13123人


 3日前には二つの誇りが粉砕していた。15年前にジーコの右足から始まった伝説は、薄っぺらい敗北で終わった。昨年の劇的な逆転を演出した無敗のスタジアムは、燃えたぎることなく屈服した。

 さらに最近のアウェーゲームでは、余所行きで主導権を握れずに負け続けた。気迫を表現できずに、同じ過ちを繰り返した。

 これっぽちもフットボールの臭いがしない兵庫駅も、屋根を出したせいか無機質なホムスタも、この一戦への想いを挫きはしない。
 ここで勝てなければ優勝争いから大きく脱落する。

 前半、跳ねるような2トップに先導され、勝ちたい欲求をピッチに落とし込んだ。両サイドに雪崩れ込み、ちょっとしたカウンターの危険はやり過ごす。“流す”審判にも触発された。頭に血が上り、しかし機能美は失わずに攻め続けた。
 好機を逸し続け、誤審にも見舞われ、リードされて折り返したとしても、負ける気はしない。それほどの手応えだった。

 ちなみに帰宅後ビデオを見ると、小笠原へのチャージはPK、失点シーンはオフサイドか微妙だったと思う。しかし鹿島のゴール裏からは誤審に見える。当然。そして怒りは熱狂に転化する。

 ゴール裏が選手を助けるとしたら、今日こそがその日だと思った。だから神戸に行った。

 後半もペースを握り、例によってダニーロがギアを一段上げる。左サイドで重い腰を上げ、滑った敵を嘲るように越えた。中に目をやる暇も無く、気付けば大エースがドフリーで左足を振りぬいていた。爆発。一気に畳み掛ける。
 代表でブレーキの踏み方を忘れてきた青木が右サイドに侵入する。独特の謙虚なクロスを送ると、GKはさらに下手に出た。持て余したボールを、獰猛な興梠が遠慮するはずもない。逆転。時間よ過ぎろ。

 守りきろうという段階になると不安を垣間見せる。妙にバイタルエリアが空き、フリーで落とさせる場面が目に付く。何とか守りきった。
 ゴール裏の気持ちが、魂のチームコールが救いになったと信じている。



 9月への布石だろうと、これほど負けてはいけなかった。しかしこうなった以上、決戦の月は落とせない。幸い新戦力は馴染みつつある。
 あとはどれだけの覚悟を持てるか。前半戦の過密日程では、崩れた後に立ち直らなかった。チームに関わる者として救いとなれるか。微々たる力だが、勝負はいつも紙一重だ。

 次のレジェンドチームは、JとACLの2冠達成チームになるはずだ。射程に捉えているのに、戦えないはずはない。

posted by footant10 |20:52 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月07日

鹿島vs流経(練習試合) 〜合宿の延長

前半 1−0(マルキーニョス)      後半 3−1(田代,本山,野沢)

        曽ヶ端                   小澤
   増田 岩政 大岩 新井場          笠井 大道 伊野波 石神
      青木 中田                 中後 船山
   マルシ      ダニーロ           本山   野沢
      マルキ 興梠                佐々木 田代

                   途中から當間・鈴木・遠藤・小谷野・川俣


 まず。連日の2部練習とフィジカルトレーニングの影響で,コンディションは相当に悪かった。疲れは体のキレばかりでなく,ボールへの積極性や判断のスピードを奪う。それは当然割り引くべきだが,あえて戦術的な見方をしてみる。

 前半,ダニーロとマルシーニョが前・サイドに張り,4トップのようになってしまう場面が多々あった。中盤前目の2人はサイドで働いて欲しいというのは監督の考えだ。
 何度か左サイドでダニーロとマルキに中田,新井場が絡んで崩す場面はあった。マルシは連係が今一つでも抜群のスピードを見せる。
 しかし中盤での流動性がなく,攻撃は手詰まりを起こした。

 後半に出場した野沢と本山は,頻繁に中に切り込み,逆まで動き,2人のコンビで崩していた(そういえばダニーロとマルシはほとんど絡んでいない)。特に本山は,人と人を縫い合わせ一枚にする力がある。彼が抜けて中盤の組織が崩壊した名古屋戦は象徴的。
 彼ら2人は近くでプレーすべきだ。今は戦術上,逆のサイドにいることが多い。何とか近づければ,野沢は復調し,面白いサッカーが見られるようになると思うのだけど。

 ではなぜダニーロとマルシが重用されるのか。それはゴール前での怖さだと思う。前半はいい形こそ少なかったが,ベクトルはゴールへ向いていた。一方,意外性のあるパスやワンツーで魅せた後半だが,崩しきらなければゴールにはならない。相手が弱かったので崩せたが,今後の厳しい戦いでそれは容易ではないとなれば,魅力ばかりを追求してもいられない。
 僕としては前後半をミックスし,本山を先発,ダニーロをスーパーサブで固定し,野沢とマルシは調子や相手によって使い分けるのがいいと思う。


 また,今年はサテライトを観ていなかったので,トップで出ていない選手を見るのも楽しみだった。ただ正直,収穫は乏しい。大道は守備的MFで使えば化けるかもと思ったくらい。
 やはり出られないのにはそれなりの理由があるのだと痛感した。期待の遠藤や小谷野が示すのは将来性に過ぎず,モトノザが控え組の2列目で出るのは難しい。田代と佐々木は壁にぶつかっている模様。



 選手たちは疲れていた。
 この中断はチームを立て直すいい機会だった。しかしこの試合で目新しい戦術的な狙いは見えなかった。監督は上で観ていて,指示は無し。守備の意識が食い違ったり,攻撃の打開策が掴めない時間帯もあった。
 つまり,この試合はフィジカルトレーニングの延長で,合宿のテーマはフィジカルだったのではないか。そこに「コンディションさえ整えれば問題無い」という自信が透けて見える。
 中田とマルシの加入で“使える”選手が増え,試合毎にメンバーが変わった。その辺の連係が不安ではある。次の一週間の課題になるのだろう。

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2008年08月19日

マリーシアの意味 〜鹿島vs東京V

鹿島アントラーズ4−1東京ヴェルディ
 8/16 カシマ 雨→曇 主審・東城 21431人

 アントラーズの強さはマリーシアのおかげ。日本にはマリーシアが足りない。その通りだと思う。
 しかし,意味が誤解されている。

 審判に見えないようにファウルしたり,大げさに転んだり。それはマリーシアのごく一部でしかない。どうも“ズル賢い”という言葉のズルさにばかり焦点が当てられ,対象が審判になっている。戦っているのは対戦相手である。

 ヴェルディは福西と和田が出場停止だった。中盤で敵を威嚇する選手がいないなら,小笠原や本山が躍動する。唯一とも言える右SBがいないなら,新井場が徹底的に仕掛ける。見事に弱点を狙った。
 さらに,この日の鹿島は得点経過が最高だった。先制し,前半終了間際に追加点をあげ,後半開始から3バックにしてきた相手のサイドを突いてダメを押す。4点目は逸機を悔やんで立ち止まる相手を尻目に完璧なカウンター。
 相手の弱点を突き,流れを見ながら試合を運ぶ。これこそがマリーシア。それは勝つためである。

 4バックが機能したとか,1トップが孤立したとか,戦術論も確かに大切なことだ。しかし最も重視されるべきは,試合の流れだと思う。どんな戦術でも90分ずっと上手くいくことなど有り得ない。そこで役に立つのがマリーシアだ。
 負けたけど課題が見つかって良かったとか,自分たちのサッカーができたとか。そんな甘ったるいことを言っているうちは,いつまでたってもマリーシアなど身につかない。勝てるようにはならない。
 親善試合でも負けていいわけがない。まして五輪など。


 ヴェルディは自分たちの真価を試したらしいが,あそこまで寄せが甘いと好き勝手やられるのも道理だ。千葉がなぜ勝ったのか研究すべきだった。
 向こう見ずな特攻精神では意味が無い。相手に自由にやらせないのも自分たちの力である。

 マルシーニョが時間を経るにつれて馴染み,中田は不安を垣間見せながらも踏ん張った。“チームの顔”青木,本山,小笠原は出色の出来。雨上がりの鹿島に野沢の右足が虹を描き,完璧な締めくくりをしたかに見えたのだが・・・

 増田は右SBをこなした。前半20分に見せたように,叩いて,動いて受けて,また叩くというシンプルなリズムは彼の持ち味で,いいスペースを見つけた時は輝く。SBだと後ろから余裕を持って探せる。岩政にあまり行くな,早すぎると言われてからは陰を潜めたが,そこは慣れれば折り合いがつくようになる。MFとして開花してほしいが,SBも出来ることは大きな武器だ。
 失点シーンに絡んでしまった。落ち込む彼を小笠原が叱咤激励する。直後のキックオフのボールを渡した。キャプテンからのメッセージである。増田はそれを,キーパーに戻した。足りないとしたら,メンタルの強さかもしれない。

 戦う気持ちは最低条件でしかない。

posted by footant10 |15:32 | アントラーズ | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年08月16日

這いつくばってでも 〜千葉vs鹿島

ジェフユナイテッド千葉3−1鹿島アントラーズ
 8/9 フクアリ 曇 主審・高山啓 16190人


 ヴェルディ戦を前に,重い腰を上げて前節の振り返り。

 情けないほどの完敗である。
 小笠原,篤人,マルキが欠場。期待を込めて起用した選手は,ことごとく裏切った。増田は好調を示せず,中後は本職でも輝かず,石神は失笑を買った。
 背骨を引っこ抜かれて立てないなら,這いつくばってでも戦えるはずだ。ロスタイムのCKを誰も蹴ろうとしないのには愕然とした。

 気の毒な面もあった。試合をコントロールしたり,気の利く選手がいなかった。本山だけでも先発していたら,多少は違ったかもしれない。気持ちを感じなかったわけではない。
 それだけに,先は不安だ。

 ジェフの寄せが早く,自由にボールを持てないので技術を発揮できない。小手先だけでは通用しない。日本人に技術があるという話,非常に疑わしい。
 オリンピックでもそうだった。ちょっと芝が悪いと途端にトラップすらできなくなり,試合で効果的なスキルは無い。決定力もさることながら,試合運びの拙さは致命的である。
 2試合を通じて,シドニー世代の凄さを改めて感じた。彼らに続く世代をどう育てていくかは,代表でも鹿島でも大きな課題である。
 根本的な才能の違いは,埋めきれるのだろうか。

 
 特に気になったのは田代。求められているのは,ターゲット役とエリア内での仕事のはず。スタメンを外され「練習でいろいろ出来た」とコメントしていたが,期待3割,不安7割だった。結果は怒り10割である。この日のプレーを見れば,彼が何をやってきたのかよく分かる。
 オシャレなヒールパスは彼の仕事ではない。クロスの場面でファーサイドに漂っている場合ではない。どうして周囲の誰も指摘しないのだろう。お前は間違っていると。
 ベンチで興梠のガムシャラさを見てきた。巻が泥臭さの価値を示した。いい加減,気付くべきだ。
 まずは,体を投げ打ってでも点を取れる場所に入ること。あの身体能力があれば,できるはず。

 興梠くらいしか明るい材料のない,あまりに虚しい試合だった。

 と思っていたが,青木の代表選出のニュースを聞いて思い出した。この試合でも最後まで奮闘し,軽いプレーをした田代に激怒していた彼の姿を。もともとエリートなので代表くらいで自分を見失うことはないだろう。
 新時代の旗頭として,いよいよ青木がチームの顔になる。


 今日もマルキが出られないようなら,トップには野沢を見たい(無いだろうけど)。
 マルキの得点力はカバーできないかもしれないが,中盤と巧く絡める選手が前には必要だ。気が利くマルキの代わりができそうなのは,野沢くらい。
 何より,本山と近い場所でプレーすることで復調のキッカケになるはず。

 増田の右SB,マルシーニョ先発など不安要素は消えきらない。しかしここで勝てないようだと,前半戦を思い出してしまう。
 タフさを身につけられるか。何よりも結果。

posted by footant10 |01:29 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月08日

佐々木竜太 限りない

 後半の途中から出場した佐々木竜太は,CKにもかかわらずファーサイドでうろうろしていた。マークを外すでもなく,勢いを蓄えるでもなく。チームで決められたポジショニングがあるにせよ,もっと貪欲な姿勢が見たい。そう思って,キッカーから放たれたボールに目を移す。
 次の瞬間,流れて来たボールに頭で合わせたのは背番号17だった。
 この時は惜しくも好セーブに阻まれてしまったのだが,その才能の深さに身震いしたのである。


 初ゴールは昨年の甲府戦で,野沢からのパスを巧みに脚を畳んで決めている。センセーショナルだったのは日立台での躍動だ。バカボン並の回転数を誇る脚力を活かしてゴリゴリと突破し,柏のゴツい外人を弾き飛ばす。そしてロスタイムには田代の落としを完璧なタッチで収め,マルキーニョスの決勝ゴールをアシストした。
 強烈な自己紹介を経て,柳沢が抜けた今年は,戦力として計算されている。札幌戦や千葉戦で得点し,柏戦ではスタメンの座を勝ち取った。
 最初から出ると色々見えてくる。荒削りなところがあるため“背負う”ことができず,周囲を活かすことも難しかった。しかし確実にゴールに迫っていたのも事実である。

 特にFWの選手は一芸に秀でていればいい。長所を忘れて無理にプレーの幅を広げようとしだすと,思うように伸びない。
 佐々木はゴールに向かわせてこその選手で,それ以外の複雑な仕事は苦手らしい。「点はとったけど出来は今一つ」という評判を散見するのが象徴的だ。ならば,ゴールだけを考えさせればいい。
 柏戦では相方が興梠で,イケイケコンビのため難しい面があった。例えばアレックス・ミネイロと組ませたら。2桁は確実にとるだろう。何なら得点王を争うくらいのポテンシャルはある。
 俗な言い方をすれば,突破力のあるピッポ。あるいは点で合わせられるアンリ。どちらもピンと来ない。
 
 アントラーズには,香川を預かっているセレッソ同様,大きな責任がある。才能のすべてを引き出さなくてはならない。先の見えないブラジル人を慣らすのに四苦八苦するくらいなら,佐々木を使うべし。
 彼が将来もたらすであろう恩恵は,元セレソンなんかの比ではない。あとはそれが,何億円かの移籍金ではないことを願って。

 長谷川祥之の後継者。ミスターアントラーズとして,どこまでも大きく。

posted by footant10 |09:35 | アントラーズ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年07月28日

同じミスの繰り返し ~鹿島vs浦和

鹿島アントラーズ1−1浦和レッズ
 7/27 カシマ 雷雨 主審・吉田 36412人

 試合終了後の新井場はとても悔しそうだった。
 同点ゴールのシーン。エスクデロのボールを奪いにいき,失敗してターンを許した。当然左サイドは空き,クロスから失点した。その責任を感じていたのだと思う。
 選手の気持ちは痛いほど伝わったし,新井場の仕草も胸を打つものはあった。だからこそ,あえて言いたい。彼だけでなくチーム全体に。「何度同じミスを繰り返せば気が済むのか」と。

 先にゴールを奪い,優勢に進める。後半になると押し込まれ,前の運動量が減り,しかしベンチは動かず,動いたと思ったら守備固めで,固めたはずが機能せず,浦和の勢いは増し,耐えきれずに決壊する。
 たしか似たようなことは2004年から3年続いている。奥野さんはそれを見続けてきたはずなのに・・・
 中田が出て来て,交替ボードに11が見えたとき,マルキは天を仰いでいた。


 再開後5分程度しかない前半にアクセルを踏んでしまうあたりは凄い。先制した時は,何年か前のベティスvsRマドリーを思い出し,伝説の予感もあったが,鹿島vs浦和は閉じられた試合になるので華やかにはならない。だが気持ちがぶつかり合うタフな好ゲームだった。

 だからこそ,一瞬のスキやミスは許されず,度々マークを見失う中後や,オフサイドのアピールに気を取られてクリアミスをする岩政は不安だった。最後の決定的なラストパスをミスしたマルシーニョには怒りすら覚えた。
 慣らす時間があるほど余裕ではないし,すぐに働けるブラジル人もいることは川崎の方で証明されている。あの程度しかできないなら,佐々木や遠藤に経験させたほうがいい。というか彼らの方が働く。ダメな外人に拘るのは繰り返さないでもらいたい。

 嬉しかったことといえば,大岩がスタメンだったこと。いよいよターンオーバーが導入されるのだろうか。
 ターンオーバーというのは,決して捨て試合を作ることではない。レギュラークラスが12人以上いるなら全員を有効に使い,全てに勝ちにいくものだ。鹿島のようなチームにこそ不可欠である。
 浦和との戦いは続きそうだが,ひとまず彼らがいない大会だ。次は日本平。

posted by footant10 |15:39 | アントラーズ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年07月22日

蘇った必死さ 〜横浜vs鹿島

京都サンガ2−1鹿島アントラーズ
 7/16 西京極 晴? 主審・柏原 15081人

横浜Fマリノス0−2鹿島アントラーズ
 7/20 日産 晴 主審・村上 34752人


 ヤナギに叩き起こされた闘争心は,勝ち点3への執着となって表れた。

 マリノスには個人的に苦手意識がある。中盤の寄せが早く,いつものパスワークができない。サイドでの数的有利の作り方が巧く,押し込まれてしまう。タフな戦いになる。
 しかしこの日,特に前半は鹿島の出足が圧倒的だった。青木が拾ったボールをマルキが突き刺したように,前への意識で上回る。小笠原や中田もさすがの読みを見せる。

 不安定だったのは裏にボールを入れられた時だ。坂田に走られるとバタバタしてしまう。先制したことで引けるようになり裏を消せたことも大きかった。だがマリノスの策不足も否めない。
 狭い場所で,仕掛けるでもないパス回しを繰り返せばインターセプトを狙われるのは当然だ。前にいるのがマルキと興梠だとすれば,カウンターの餌食になるのは明白である。あれをやるならロペスとロニーがいた方が怖いと,意味不明のランニングをする水沼を見て思った。

 木村さんに2番目に向かない職業は交通課の警官だろう。“事故”はしょうがないと割り切り,対策も何もないのではたまらない。
 だいたいマルキのゴールは断じて事故ではない。どうやら1番向かない職業に就いてしまったようである。

 鹿島は後半に失速したように見えたが,許容の範囲内だろう。水際で耐えながら武器をチラつかせる。サイドで3人くらいがグルグル回りながら崩しにきたが勝手にやらせておき,中ではね返す。崩しに人数を割けばエリア内の人数が減るのは道理だし,そもそも肝心のクロスの際にはヘトヘトで精度を欠いていた。
 1点取られていたら分からないと言うが,余裕はあった。マルシーニョの投入もその表れだと思う。ボールを持てば光りそうなものはあったが,守備はまったくしない。そんな選手を使うのだから,半ば勝ちを確信していたのだろう。


 やっと得た先発のチャンスで,興梠は走り回った。必死に。その上にしかあり得ない冷静さで得点した。敵の監督はともかく,こっちのベンチにいた背番号9は思うところがあったはず。
 必死にもぎ取った勝ち点3ほど輝けるものはない。

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2008年07月14日

試合運び 〜鹿島vs東京

鹿島アントラーズ4−1FC東京
 7/13 カシマ 霧 主審・西村 16561人

 前半は引いた相手に苦労した。清水戦もそうだが,せっかくサイドを崩してもクロスがまったく合わない。本山がドフリーでパスを選択したようにシュートへの積極性も足りない。東京は常に数的優位を保ち,奪ってからのカウンターに懸ける。前節の浦和を酷評していたのは何だったんだというくらい守備的だが,悪くない。
 ところが,なぜだか先制した後から“浦和”であることをやめた。中盤が空きカウンター合戦に。こうなると上手い選手の舞台が整い,本山や小笠原が躍動する。美味しいスペースを用意されたマルキやダニーロ,興梠がガッつく。ゴールラッシュも必然である。

 それにしても東京は親切だ。ホーム負け無しが続き,首位奪回のチャンスで,先制を許したチームが猛攻に来るのは分かりきっているのに,されるがまま。1対1に弱いCBが晒される。前半と同じことをすれば良かったのに。
 相手にサッカーをさせないのもサッカーだと知るチャンスに,浦和を批判して現実から目を背けた。浅利ではなく大竹を投入したのは強気ではなく無謀というもの。自分たちのサッカーを試す3連戦らしいが,勝つために戦わなければ意味がない。
 もし彼らが浦和から何かを学ぼうとしていたら,こんな試合にはならなかったのではないか。

 相手に因るところもあったが,鹿島も強かった。後半のように試合が流れた時の攻撃は本当に美しい。あとはあの状況をいかに自分たちで作るか,作れない時にどうするかである。昨年は田代へのロングボールが有効な選択肢だったが,どうにも不調から抜け出せない。
 試合前のアップを見てガッカリした。ボレーを大外しするわ,未だに振り向きざまのシュートを練習するわ。そろそろベンゼマにはなれないと知るべきで,自分にしかない武器を磨いて欲しい。
 何となく原因が分かる田代とは違い,野沢はいったいどうしたのだろうか。気のないミスが多すぎ,スタメンが危うくなって来た。
 つい悲観的になってしまうのも,この時期の首位に意味はないから。中2日で夏の西京極はツラい。しかしタイプの違う人材が増え,監督が選べる戦い方は数多くあるので,体勢は整った。


 霧が醸す幻想と本山のゴールから中田登場までの熱狂が相まった雰囲気,ちょっと忘れ難い。
 

posted by footant10 |16:40 | アントラーズ | コメント(3) | トラックバック(2)
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2008年07月08日

クラブの伝統〜磐田vs鹿島〜

ジュビロ磐田1−2鹿島アントラーズ
 7/5 エコパ 曇? 主審・穴沢 18479人


 二点目を取った直後に新井場があんまり嬉しそうで,このクラブの素晴らしさを改めて思い知ったのである。その前にも本山のシュートがブロックされたシーンで,新井場は囮になって3人を引きつけ,達成感のある拍手をしている。
 SBが求められるもの,チームに貢献する方法が,4バックを継続してきたことで染み付いている。
 スタイルが定まっているので,必要な選手像が浮かびやすくもある。例えば山形で頑張っている石川は素晴らしいクロスを持っていたが,決定的に走力が足りなかった。大阪からやって来た男の馬力あるランニングは,ピタリとハマっている。

 クラブに息づく伝統は何より大きい。名波の上空を行き交うだけのボールを眺めながら思った。
 次の壁は'79年組が抜けた時だろう。そこで監督選びを間違えたら,ジュビロに勝てなくなる日が来るかもしれない。そうならないために,復調ぎみの篤人や増田には伸びていって欲しい。
 何だかノスタルジックな気分になってしまう,ライバルとの勝負だった。

 前節に続いて勝負所を押さえた勝ちである。これもまた伝統だが,忘れたときもあった。思い出す方法が勝利だというのがまた難しいが,真夏の連戦に向けて,思い出せてよかった。
 

 オリベイラがしつこく愚痴る日程については,文句の一つも言いたくなる。なぜ次節は土曜じゃダメなのかとか。でもしょうがない。
 彼の本心は,選手には文句を言わせないことだったり,反骨心を持たせることだったりと,他にある(と信じたい)が,それはともかく。

 厳しい日程こそがチャンピオンチームへの最大の敬意だ。
 大きな敵に向かっていく挑戦の心こそが,鹿島アントラーズである。

posted by footant10 |15:47 | アントラーズ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年07月01日

勝者のメンタリティーとは?~名古屋vs鹿島~

名古屋グランパス0−4鹿島アントラーズ
 6/28 瑞穂 雨? 主審・岡田 18215人


 特に去年の優勝まで、マッチレポートなどで“強か”だの“試合巧者”だのと言われるたびに、違和感を感じていた。本当にそうなら4年も無冠なはずがない。


 名古屋は強かった。小気味いい人とボールの動きは苦手だ。押し込まれ、早い時間のリードもあって、人数を割いたカウンターも少ない。目にしたのは、控えめに言っても0-4の内容でなかったことは確かだ。

 例えば、突如として伊野波が左サイドを駆け上がり、青木が右に流れて真ん中がポッカリと空いた。そこを見逃さずに左足を振るった小笠原を勝者と称えることはできる。
 名古屋が諦めを覗かせた隙に爆発したダニーロは世界一経験者である。
 しかし彼らとて、いつもあのシュートを決められるわけでもない。

 “強さ”とは安定感のある守備を基盤に2-0で勝てることだと考えている。「日本では2-0は危険なスコア」と聞いて「それは日本が弱いからだろ」と言ったのはエメ・ジャケだったか。
 3点目を決めるまで安心できなかったこの日の鹿島は、まだ強いとは言えない。

 それでも鹿島に勝者のメンタリティーが宿ると言われるのは、勝ってきたからだ。秋田や藤田を迎えた名古屋を見るにつけ、買ってくることはできない。勝ちを積み重ねていくしかない。

 大切なのは90分のストーリーを描くことだ。もちろん、実行する能力と。

 名古屋は試合勘の問題もあり、立ち上がりは失点さえしなければ良かった。後半勝負に持ち込めば勝機はあったはず。しかしそれを実行できない。鹿島が許さなかった。
 多くのメディアが見出した勝因は、戦術や技術的な話ではなく、漠然とした形のないものだ。だが弾丸ミドルや独走ドリブルは技術の賜物である。

 途方もないサッカーの奥深さが見えた試合は、両チームに様々な示唆を与えた。
 そこにある真実が、0-4でしかないにしても。

posted by footant10 |01:37 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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