2008年05月25日

Oh Manchester, so much to answer for

 降りしきる雨も軟弱なピッチも、天はユナイテッドの敵だった。

 閉じられたタフな試合になることでアドバンテージを得るのは青いチームだ。赤は燃えたぎらない。
 決勝をユナイテッド有利とは思えなかった。閉じられない決勝なんてほとんどない。ピッチ状態が悪いというニュースも伝わった。
 そこへきての雨。

 ところが、閉じられても強いのが今年のユナイテッドだ。流れを掴んで先制点を挙げる。
 スコールズが自由に捌き、ルーニーがアクセントを付ける。エッシェンの右サイドを狙い、これが攻めでも守りでも効果を挙げた。追加点も欲張れるはずだった。
 そうはしなかったのか、できなかったのか。いずれにしても、追いつかれることは考えていなかった。

 後半はチェルシーが、思い出したように蘇る。アグレッシブな守りから、推進力を持った重い攻撃を繰り出す。象徴はエッシェンで、ブルドーザーのような前進は確実にゴールに迫った。
 しかし最後の柔軟性に欠ける。淡白さを払拭した赤い壁を崩せない。

 雨は、ピッチと選手たちを蝕む。戦いの時間は延びる。タフさが色濃く表れた。
 赤は燃えないが、消えない。ギグスの効力は抜群だった。巧みに受けてシンプルに動かすベテランは、休憩所としてチームの拠り所になった。
 互いにチャンスを得るが決めきれない。勝つことに拘りぬいた両チームは心まで消耗し、辿り着いたのは、あまりに残酷な場所だった。

 PK戦は宝くじでも運試しでもなく、フットボールだ。例えばロナウドを止めたチェフのセーブは技術の塊だったし、彼ですら手が届かないところへ蹴りこんだハーグリーブスは幸運以外のものを持つ。
 ただ、フットボールは残酷で、だから美しい。

 テリーは足を滑らせ、天は最後に味方になった。もちろん。そこではジョージ・ベストが誕生日を祝っている。


 悲劇から50年、勝たなければならないシーズンに勝った。いくつかの犠牲を払いながら。退屈だったいくつかの試合はこの日のため。ユナイテッドはすべてを償った。

 一大スペクタクルの名前は、やはり死闘だった。

posted by footant10 |12:33 | 海外サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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