2008年10月15日

ユベントス攻略法

1.カモラネージを出させない
 彼こそがキーなので,何とかしてピッチから遠ざける。いるといないとでは,ユーベの攻撃力がまったく違う。元気に出てきた場合は,頻繁にサイドからバイタルエリアに侵入し,リズムを生もうとしてくるので,細心の注意をはらう。

2.左SBは放置する
 特にモリナーロで,素晴らしいタイミングで上がってくるので驚くが,最後はクリアしてくれるので気にしない。デチェーリエもクロスはアバウトなので,中に人数を割くべき。

3.新聞を読む
 モッジの頃とは違い,移籍市場での振る舞いはとっても素直。新聞記事は全面的に信用し,うまく邪魔をする。出し抜かれる心配は無用。

4.カウンターは外から
 真ん中の4人の守備ブロックは固いが,対応力にやや欠けるので,外から揺さぶりつつ攻める。正面突破は無謀。意外にスキはある。

5.ミラノ方面の電話機から盗聴器を取り除く

6.ボールを持たせる
 パスの出し手が(カモラネージ以外)おらず,ボールの動かし方も上手くないので,勝手にリズムを壊してくれる。下手に奪いに行くとロングボールを使ってFWを活かしてくるので,ミスを犯してくれるまで根気よく待つ。

7.押し上げる
 FW陣をゴールに近づけてはいけない。遠ざければ怖くない。

8.程よく勝つ
 監督の首元が涼しくなっているようなら負けてあげる。ラニエリを留ませるのが将来のため。念のためにベンチでは禁煙というルールを徹底しておく。

9.「もうイタリアダービーじゃないよね」とか言わない
 Bに落ちてからの反骨心には目を見張るものがあるので,刺激しない。

10.CLに出させない
 フィオやミランあたりには負けておく。反骨心に加えてユーベのプライドが完全に戻ったら厄介極まりない。CLに出続けると,そうなる可能性が高い。

11.程よく勝つ(その2)
 ユーベがスクデットを穫る邪魔をしない。このままでは古豪になってしまう。それは寂しいし,一勝の重みが減る。できればCLも穫っていただき,ネドベドやブッフォンあたりを満腹にしてあげる。

posted by footant10 |01:01 | 海外サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月07日

秋色の決戦 〜G大阪vs鹿島

ガンバ大阪0ー0鹿島アントラーズ
 10/4 万博 晴 主審・佐藤 19386人


 夏の日差しと秋の風が交錯する万博で,この90分は何を決めることになるのか。
 首位固めと同時にライバルを蹴落としたい鹿島が,優勝争いへの本格参戦を目論むガンバのホームに乗り込んだ。決戦を迎えた赤と青が,多少異なる思いをぶつけ合うのは中盤だと予想されていた。華麗で,流動的で。

 ところがボールは思いのほか多く空を飛んだ。
 鹿島の流動性は戦い方にもあった。ロングボールを駆使して激戦区を回避したかに見える。しかし“真ん中”はどうあっても避けられない。そこで活かし方を変えたのだ。繊細さではガンバに譲るものの,強さでは上回る。青木や中後の出足は早く,セカンドボールを拾えるのが2連勝につながっていた。
 中盤が動き出すポイントを前に置く。前線に蹴り込むことでベクトルが前向きになり,フィジカルでの優位性を強調する。粘り強い2トップと,前進する中盤とで押し込む。
 マルキーニョスや中後が掴んだチャンスは一見すると幸運だったが,しっかりとした狙いのもとにあった。

 それでも崩しきれなかったのは,ガンバの中盤には後ろ向きでも効く選手がいたから。明神と橋本は,奮闘したDFラインを大いに助けた。
 攻めではロニーが中盤に埋没したこともあり,脅威にはならなかった。セットプレーで得たチャンスもバーに弾かれる。
 ジリジリとした凌ぎ合いは,粘り強い守りに演出された。伊野波と山口は互いにカバーリング能力の高さを示し,ピンチの芽を摘み取り続ける。

 ガンバが目に見えてペースを得たのは播戸が投入されてから。脅威の与え方を知る男は鹿島が苦手とする一人で,堅固なDFにヒビを作り,ナーバスになって全体がやや下がった。引き分けも許容できる。
 最後に少しばかりレスリングに興じたものの,文句無しに好ゲームだったし,結果も不当とは言えない。

 試合が終わると,夏は消え去っていた。ここは大阪。ガンバは首位と勝ち点6差とはいえ,上に6チームいるとなると冷え込んでくる。
 鹿島とて勝ち点1でも許されるが,3が欲しい内容だった。翌日の結果を踏まえれば,抜けるチャンスを逃したとなる。
 秋は深まり,空模様は謎めくばかり。

posted by footant10 |14:09 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年10月03日

大阪決戦

 昨年の夏,金沢での衝撃はあまりに大きく,諦めの悪さで9冠を獲得してきたチームを揺さぶった。小笠原を得て盤石になったはずが崩壊し,手にした挑戦権を失いかけた。
 これ以上ない大惨事だが,さらに最悪なのは,これをテレビの中に見たからだった。

 勢いにのり,首位チームに挑む。たぶん昨年とは逆の立場なのだろう。今は上にいる。しかしそれが,いかにおぼつかないものか。
 脅威となるチームは少ない方がいい。ここで叩けば,少なくともガンバの優勝は無くなるだろう。
 昨年の優勝は「おこぼれ」だの「タナボタ」だのと,余所から言う人もいる。だが自分たちはまったくそうは思わない。本気で最後まで信じきった。

 それはつまり,あれをできるのは鹿島だけだから。

 ここで強いガンバを止めることができるか。仮にできなければ,混戦は更に極まることになる。
 いずれにしても目の当たりにするものが,決戦であることは間違いない。
 

posted by footant10 |17:22 | アントラーズ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年10月02日

足りない2−0 〜鹿島vs大宮

鹿島アントラーズ2ー0大宮アルディージャ
 10/1 カシマ 曇 主審・西村 6725人

 エメジャケは,日本では2−0が危険なスコアと言われていることについて,「そりゃ日本が弱いからだろ」と言ったらしい。
 だからじゃないが,僕は2−0が一番好きなスコアである。それで勝ちきれるチームは強い。
 しかし何事にも例外はある。

 前半にセットプレーで2点を奪い,盤石の後半にしなければならなかった。
 ところが弛緩したムードが漂い,攻めに勢いが生まれない。守りも何となくで誤摩化し,有り体に言って大宮じゃなかったら危なかった。あるいはデニスマルケスだのラフリッチだのがいたら。
 結果的に2−0で終わったものの,次に向けて後味は決して良くない。

 最近気になるオリベイラの修正能力の低さもある。
 過密日程で中盤の運動量が減り,各人の繋がりも希薄になっていった後半の15分辺りで,息を吹き込むべきだった。試合の状況や次の相手を考えれば動きやすかったはずである。しかし30分まで動かず,替えたのはFWだった。
 この時期のために中田やマルシーニョを馴染ませたはずなのに,出番が増えてこない。シーズンのプランニングは上手くいっていない。

 だが,首位にいる。あと一試合で小休止に入る。次に勝てば,先の見通しがついてくる。
 様々な条件が整い,決戦を迎える。

posted by footant10 |16:00 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月30日

新生アントラーズ 〜鹿島vs清水

柏レイソル1−1鹿島アントラーズ
 9/20 日立台 晴 主審・岡田 10669人

鹿島アントラーズ2ー0清水エスパルス
 9/28 カシマ 曇 主審・片山 15481人


 立ち上がりこそ鹿島が何本かシュートまで持ち込んだが,除々に清水のペースになる。
 それを押し戻したのは,両サイドからのクロスと,クリアを拾っての二次攻撃を繰り返せたからである。立役者はボランチの二人だ。

 小笠原がいないのは痛い。しかし,中後がいることのメリットを,この日は十分に確認できた。
 小笠原は前からボールへの守備にいく。それはいいのだが,バイタルエリアが空いてしまうことがあった。青木が代表でブレーキの踏み方を忘れて来た事で,ボランチが揃って後ろを留守にし,全体のバランスが崩れてしまう。
 翻って中後は,昨年にアグレッシブさを身につけたものの,本来は底にいてこその選手である。低い位置で捌き,守りでは水漏れを即座に防ぐ。勝手なイメージとは逆の,前に青木・後ろに中後という型が思いのほか機能した。
 そもそも昨年の前半は主力として良くやっていた。今季は試合感を失い,慣れない右SBで苦闘してきた。だが日立台では時間が経つにつれて馴染み,玉際の激しさが戻って来ていた。そしてこの試合,序盤に散見されたパスミスは減り,ワンタッチパスでサイドを変える持ち味も蘇る。今後に大きな期待を抱かせる内容だった。

 バランスが整ったことで,前からのプレスが機能した。マルキの追加点も2トップで奪い,2トップで崩したもの。後ろが安定したことで,前からの積極性を保てた。
 出場機会を取り戻しつつある伊野波も大きかった。彼でなかったら,岡崎にキープを許して押し込まれていたかもしれない。あのスピードと身体能力に加え,68分にダニーロへ送ったような見事なパスも持つ。日立台でも安定していたし,今やローテーションの一駒に留まらない。

 前から行ければ,次の守備のイメージも描きやすくなる。清水の縦パスのほとんどは失敗に終わり,奪った勢いで前へと進んだ。連勝中を思い出すほどの盤石の内容で得た勝ち点3は,ACLの悪夢を吹き飛ばすには十分だったかもしれない。
 しかし,最近はいい内容が続かない。アデレードの闇夜を忘れるのは,来年のアジアを制した時でいい。

 篤人や興梠・伊野波が躍動し,79年組が後方支援に回る新生アントラーズの誕生日は,チームの軸となる男が生まれてから26年後のこの日に。
 いよいよ青木時代の到来である。

posted by footant10 |15:22 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月19日

修正力 〜鹿島vs川崎

鹿島アントラーズ1−1川崎フロンターレ
 9/13 カシマ 曇 主審・村上 22292人


 何度も見てきた悪い部分を,この期に及んで強調しさえする監督は,もはや神通力を失ったように思える。
 選手起用からしていけない。先発ダニーロは2つの意味で好ましくない。チームの機能性を消し去り,後半のジョーカーを手放す。元スーパーサブの本山は気負いすぎてボールが足につかず,野沢と田代は空白でしかない。
 そしてセレーゾ時代からは信じられないが,攻めでも守りでも,セットプレーの度に絶望的な気分になる。
 情けないほどのピッチも含め,自らを追い込む過ちが多すぎる。

 中断期間の成果がまったく見えない。
 フィジカルが向上したわけでもなく,中田やマルシーニョが完全に溶け込んだ訳でもなく。連動性はほんの半年前の面影すらない。
 川崎戦は決して悪い試合ではなかった。むしろ楽しめたほどだ。しかし強さは見えない。8月の犠牲や,望外の練習時間を活かしていない。

 アデレード戦も含め,見えないものに羽交い締めにされたような,もどかしさを感じる。4月5月に味わったものとそっくりの。
 昨年,右往左往していたチームがしっかりと前進をはじめるキッカケとして,日立台での勝利が大きかった。今の閉塞感を打ち破るのに,あれほどの場所はない。

posted by footant10 |18:53 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月11日

戦いは9月へ ~神戸vs鹿島

鹿島アントラーズ1−2名古屋グランパス
 8/23 カシマ 曇 主審・奥谷 19868人

ヴィッセル神戸1−2鹿島アントラーズ
 8/27 ホムスタ 曇(屋内) 主審・松村 13123人


 3日前には二つの誇りが粉砕していた。15年前にジーコの右足から始まった伝説は、薄っぺらい敗北で終わった。昨年の劇的な逆転を演出した無敗のスタジアムは、燃えたぎることなく屈服した。

 さらに最近のアウェーゲームでは、余所行きで主導権を握れずに負け続けた。気迫を表現できずに、同じ過ちを繰り返した。

 これっぽちもフットボールの臭いがしない兵庫駅も、屋根を出したせいか無機質なホムスタも、この一戦への想いを挫きはしない。
 ここで勝てなければ優勝争いから大きく脱落する。

 前半、跳ねるような2トップに先導され、勝ちたい欲求をピッチに落とし込んだ。両サイドに雪崩れ込み、ちょっとしたカウンターの危険はやり過ごす。“流す”審判にも触発された。頭に血が上り、しかし機能美は失わずに攻め続けた。
 好機を逸し続け、誤審にも見舞われ、リードされて折り返したとしても、負ける気はしない。それほどの手応えだった。

 ちなみに帰宅後ビデオを見ると、小笠原へのチャージはPK、失点シーンはオフサイドか微妙だったと思う。しかし鹿島のゴール裏からは誤審に見える。当然。そして怒りは熱狂に転化する。

 ゴール裏が選手を助けるとしたら、今日こそがその日だと思った。だから神戸に行った。

 後半もペースを握り、例によってダニーロがギアを一段上げる。左サイドで重い腰を上げ、滑った敵を嘲るように越えた。中に目をやる暇も無く、気付けば大エースがドフリーで左足を振りぬいていた。爆発。一気に畳み掛ける。
 代表でブレーキの踏み方を忘れてきた青木が右サイドに侵入する。独特の謙虚なクロスを送ると、GKはさらに下手に出た。持て余したボールを、獰猛な興梠が遠慮するはずもない。逆転。時間よ過ぎろ。

 守りきろうという段階になると不安を垣間見せる。妙にバイタルエリアが空き、フリーで落とさせる場面が目に付く。何とか守りきった。
 ゴール裏の気持ちが、魂のチームコールが救いになったと信じている。



 9月への布石だろうと、これほど負けてはいけなかった。しかしこうなった以上、決戦の月は落とせない。幸い新戦力は馴染みつつある。
 あとはどれだけの覚悟を持てるか。前半戦の過密日程では、崩れた後に立ち直らなかった。チームに関わる者として救いとなれるか。微々たる力だが、勝負はいつも紙一重だ。

 次のレジェンドチームは、JとACLの2冠達成チームになるはずだ。射程に捉えているのに、戦えないはずはない。

posted by footant10 |20:52 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月07日

鹿島vs流経(練習試合) 〜合宿の延長

前半 1−0(マルキーニョス)      後半 3−1(田代,本山,野沢)

        曽ヶ端                   小澤
   増田 岩政 大岩 新井場          笠井 大道 伊野波 石神
      青木 中田                 中後 船山
   マルシ      ダニーロ           本山   野沢
      マルキ 興梠                佐々木 田代

                   途中から當間・鈴木・遠藤・小谷野・川俣


 まず。連日の2部練習とフィジカルトレーニングの影響で,コンディションは相当に悪かった。疲れは体のキレばかりでなく,ボールへの積極性や判断のスピードを奪う。それは当然割り引くべきだが,あえて戦術的な見方をしてみる。

 前半,ダニーロとマルシーニョが前・サイドに張り,4トップのようになってしまう場面が多々あった。中盤前目の2人はサイドで働いて欲しいというのは監督の考えだ。
 何度か左サイドでダニーロとマルキに中田,新井場が絡んで崩す場面はあった。マルシは連係が今一つでも抜群のスピードを見せる。
 しかし中盤での流動性がなく,攻撃は手詰まりを起こした。

 後半に出場した野沢と本山は,頻繁に中に切り込み,逆まで動き,2人のコンビで崩していた(そういえばダニーロとマルシはほとんど絡んでいない)。特に本山は,人と人を縫い合わせ一枚にする力がある。彼が抜けて中盤の組織が崩壊した名古屋戦は象徴的。
 彼ら2人は近くでプレーすべきだ。今は戦術上,逆のサイドにいることが多い。何とか近づければ,野沢は復調し,面白いサッカーが見られるようになると思うのだけど。

 ではなぜダニーロとマルシが重用されるのか。それはゴール前での怖さだと思う。前半はいい形こそ少なかったが,ベクトルはゴールへ向いていた。一方,意外性のあるパスやワンツーで魅せた後半だが,崩しきらなければゴールにはならない。相手が弱かったので崩せたが,今後の厳しい戦いでそれは容易ではないとなれば,魅力ばかりを追求してもいられない。
 僕としては前後半をミックスし,本山を先発,ダニーロをスーパーサブで固定し,野沢とマルシは調子や相手によって使い分けるのがいいと思う。


 また,今年はサテライトを観ていなかったので,トップで出ていない選手を見るのも楽しみだった。ただ正直,収穫は乏しい。大道は守備的MFで使えば化けるかもと思ったくらい。
 やはり出られないのにはそれなりの理由があるのだと痛感した。期待の遠藤や小谷野が示すのは将来性に過ぎず,モトノザが控え組の2列目で出るのは難しい。田代と佐々木は壁にぶつかっている模様。



 選手たちは疲れていた。
 この中断はチームを立て直すいい機会だった。しかしこの試合で目新しい戦術的な狙いは見えなかった。監督は上で観ていて,指示は無し。守備の意識が食い違ったり,攻撃の打開策が掴めない時間帯もあった。
 つまり,この試合はフィジカルトレーニングの延長で,合宿のテーマはフィジカルだったのではないか。そこに「コンディションさえ整えれば問題無い」という自信が透けて見える。
 中田とマルシの加入で“使える”選手が増え,試合毎にメンバーが変わった。その辺の連係が不安ではある。次の一週間の課題になるのだろう。

posted by footant10 |00:00 | アントラーズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月03日

チェルシーに見る”ブラジル”

 スパーズ戦のチェルシー,特に前半を観て感じた。
 アントラーズに似ている。

 僕の日常のサッカーは鹿島で行われている“ブラジル”サッカーにある。それが一つの基準にもなっているのだが,今季のチェルシーのサイドの使い方がアントラーズにそっくりなのだ。
 4−3−3ではあるが,Jコールとデコは典型的なサイドプレーヤーではないので,前方のサイドに張る選手がいない。そこを活かすのは,サイドバック(SB)の選手だ。

 システムの成り立ちの関係で,欧州のSBはCBから来ているために守備重視,南米のSBは前から下がって来たために攻撃的だという話をどこかで聞いた。
 それが本当かはともかく,南米のSBの方が敵陣深くに入り込む回数が多い。さらに“ウイング”がいないと,ビルドアップの段階で幅を持たせるのにSBを使う回数が増えるので,組み立てる能力も求められる。
 ちなみに鹿島でもSBが攻撃に負う役割はとてつもなく大きい。


 具体的に2つのパターンで。SBがボールを持って始まるのと,そうでないのと。

 前者の場合。ハーフラインを越えた辺りでボールを持つと,前方のスペースに誰かが流れる。そこへの縦パスと同時に走る。前の選手の突破を後ろからサポートするのではなく,追い越すことで選択肢とスピード感を与えるのだ。特徴的なのは,外を回るだけではなく,頻繁に内側へと切り込むこと。前の選手が斜めに流れることでできたスペースを使う。
 SBが「縦パス」と「走り込み」という楔を打ち,一気に崩しにかかる。

 逆にボールを持たずに始まる場合,できるだけ存在を消す。タイミングが命になるが,走りながら受けることが何より重要だ。そのままの勢いでクロスまでいくことを目指す。ダメだった時は,おそらく詰まった状態なので,サイドチェンジを念頭に一旦細かくつなぐ。ここでもカギになるのは逆のSBだ。

 いずれの場合も周囲のサポートが必要だが,適当に放っとくくらいの意識でいい。
 内田篤人を例に。SBに必要な走る能力に長けた選手だ。接近展開連続などと言っていたころの代表では,彼の周囲に味方が集まりすぎていた。おかげで走ることが出来ずに苦しんだ。
 五輪代表で輝きだしたのは,前にいるのが水野から本田になったころ。蓋をしていた選手がいなくなり,自由に走れるようになったのだ。
 こうして書くと責任転嫁に聞こえるが,やむを得ない。SBは戦術によって求められる能力がかなり違ってくる。周囲に左右されやすい。


 翻ってチェルシー。サイドをブラジル的に使うようになり,Aコールが迷い無く走り出しているように見える。ロッベンを放出し,マルダやカルーが今一つなことで漂っていたサイドでの閉塞感が解消されれば,攻撃力は格段に増す。

 しかし落とし穴もある。適度にスペースを空けるためSBの周囲に人が少なくなり,攻撃の過程でボールを失うとカウンターを受けやすくなる。SBが上がった裏に流し込まれ,途端に守備はパニックに陥る。多くの選手のベクトルが前向きになるため対応が遅れやすい。鹿島もボールの失い方が悪い時は大抵負ける。運動量が落ちてきたとはいえマケレレの放出が痛い。


 ブラジルのエッセンスを取り入れたことで,チェルシーは凄みが増したのか,付け入るスキができたのか。開幕戦があまりに強烈だったので,今は後者の考えに傾きつつある。人口密度を高めてフィジカルを活かしてくる方がコワい。
 しかしブラジル人監督の最高峰にいる人物が,チェルシーをどのように高みへと導いていくのかは興味深い。特にSBの走りを封じられた時の打開策について。ユーロでの傾向から考えると異端だが,程よく頑張って欲しい。

posted by footant10 |13:36 | 海外サッカー | コメント(10) | トラックバック(0)
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2008年08月19日

マリーシアの意味 〜鹿島vs東京V

鹿島アントラーズ4−1東京ヴェルディ
 8/16 カシマ 雨→曇 主審・東城 21431人

 アントラーズの強さはマリーシアのおかげ。日本にはマリーシアが足りない。その通りだと思う。
 しかし,意味が誤解されている。

 審判に見えないようにファウルしたり,大げさに転んだり。それはマリーシアのごく一部でしかない。どうも“ズル賢い”という言葉のズルさにばかり焦点が当てられ,対象が審判になっている。戦っているのは対戦相手である。

 ヴェルディは福西と和田が出場停止だった。中盤で敵を威嚇する選手がいないなら,小笠原や本山が躍動する。唯一とも言える右SBがいないなら,新井場が徹底的に仕掛ける。見事に弱点を狙った。
 さらに,この日の鹿島は得点経過が最高だった。先制し,前半終了間際に追加点をあげ,後半開始から3バックにしてきた相手のサイドを突いてダメを押す。4点目は逸機を悔やんで立ち止まる相手を尻目に完璧なカウンター。
 相手の弱点を突き,流れを見ながら試合を運ぶ。これこそがマリーシア。それは勝つためである。

 4バックが機能したとか,1トップが孤立したとか,戦術論も確かに大切なことだ。しかし最も重視されるべきは,試合の流れだと思う。どんな戦術でも90分ずっと上手くいくことなど有り得ない。そこで役に立つのがマリーシアだ。
 負けたけど課題が見つかって良かったとか,自分たちのサッカーができたとか。そんな甘ったるいことを言っているうちは,いつまでたってもマリーシアなど身につかない。勝てるようにはならない。
 親善試合でも負けていいわけがない。まして五輪など。


 ヴェルディは自分たちの真価を試したらしいが,あそこまで寄せが甘いと好き勝手やられるのも道理だ。千葉がなぜ勝ったのか研究すべきだった。
 向こう見ずな特攻精神では意味が無い。相手に自由にやらせないのも自分たちの力である。

 マルシーニョが時間を経るにつれて馴染み,中田は不安を垣間見せながらも踏ん張った。“チームの顔”青木,本山,小笠原は出色の出来。雨上がりの鹿島に野沢の右足が虹を描き,完璧な締めくくりをしたかに見えたのだが・・・

 増田は右SBをこなした。前半20分に見せたように,叩いて,動いて受けて,また叩くというシンプルなリズムは彼の持ち味で,いいスペースを見つけた時は輝く。SBだと後ろから余裕を持って探せる。岩政にあまり行くな,早すぎると言われてからは陰を潜めたが,そこは慣れれば折り合いがつくようになる。MFとして開花してほしいが,SBも出来ることは大きな武器だ。
 失点シーンに絡んでしまった。落ち込む彼を小笠原が叱咤激励する。直後のキックオフのボールを渡した。キャプテンからのメッセージである。増田はそれを,キーパーに戻した。足りないとしたら,メンタルの強さかもしれない。

 戦う気持ちは最低条件でしかない。

posted by footant10 |15:32 | アントラーズ | コメント(6) | トラックバック(0)
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