2012年05月04日

岩手初開催のなでしこリーグ

なでしこリーグ第3節「日テレベレーザ4‐0ジェフ千葉L」

なでしこジャパンが女子W杯で世界一となり、その立役者の地元出身岩清水梓がベレーザに在籍していることから、4月29日に盛岡市の岩手県営運動公園陸上競技場で初めて実現したこの公式戦。
有料とはいえ入場者数は7082人ですから、Jリーグ規格のスタジアムの無い岩手のスポーツ界としては快挙と言えます。なでしこブーム、岩清水効果があったにせよ、ほとんどのJ2の試合より入っているのですから、潜在的な盛岡地区の集客能力も低くはないと感じました。

私自身なでしこリーグ観戦は約2年振りでしたが、スカパー観戦はしていたり、スポーツニュースでチェックしている所為か、久々という感じはしませんでした。
試合開始の13:00には既に気温26℃と初夏の陽気で、それが選手に影響を与えていたのでした。

試合は開始3分CKから上がっていたCB土光がこぼれ球を押し込みベレーザが先制、その後前半で2点、後半1点でジェフLを圧倒しての勝利、さすが昨季リーグ2位のベレーザ!選手は以前と入れ替わっても伝統の力は強いという感じです。
 
ただ対戦した両チーム共試合を通じて収穫と課題があり、私なりにピックアップしてみました。

〈日テレベレーザ〉
4得点を奪った攻撃力、クリーンシートのディフェンスと個々の能力も高く、今季も優勝争いに絡むチームであると実感するが、攻撃面はまだ課題がある。
両チームコンパクトで、ジェフLがガチガチプレスに来ていたとはいえ、ポゼッションは高くとも繋ぎに落ち着きが無く、ミスも目立ちコンビネーションが良くない。
それが中盤と前線の動きを停滞させ、状況を変える為、前線の岩渕、永里、木龍目がけてロングボールを送るがコンビネーション合っていない為、ほとんどチャンスに繋がらない。
世界一“影のMVP”“日本女子サッカー界のシャビ・アロンソ”坂口夢穂が故障明けにもかかわらず今季初スタメンでアンカーポジションに入り、後ろの岩清水、土光と攻守にバランサーとして巧みにゲームコントロールしていたが、負傷が完治していない所為か、パスが繋がらないことも多く、プレー面ではまだチームに馴染めていない印象。
パスを受ける岩渕、永里、木龍にしても動きが悪く、ロンドンには行けないかもと感じさせる程プレーの精度が低かった。
坂口のパスが合わないというのがあるにしても、永里が2点、木龍が1点取ったにしても、得点機の何倍も自分達のミスでチャンスをフイにしている。
INACとの違いは、攻撃力の質と量であるのが明らかで、川澄、大野といった選手と比較しても、残念ながら現状では見劣りしてしまう。
従って、ベレーザからロンドンに行ける選手は岩清水と坂口だけかも知れない。
岩清水はさすがなでしこの要!というプレー振りで、ロンドンに掛ける意気込みがひしひしと感じ取れ、ここだけはハズレ無しという印象。多分、世界の女子DFの中で、彼女の心技体の充実度はトップレベルだろうと感じるのは贔屓目であろうか?

〈ジェフ千葉レディース〉  
コンパクトにしてベレーザのパスワークを停滞させ、そこからカウンターという意図を最後まで貫いたのは、今後に向けても評価出来る。
ただ、内容がよろしくない。1失点目は混戦の中で押し込まれたので仕方ないにしても、その後はミスが絡んだり、対応が緩慢だったり、個人技に振り回されと取られるべくしての失点で、今後とも上位候補には大量失点を重ねるだろうという感じがした。 
コンパクトな中で数的優位を作ってボールを奪えても、パスの精度が低くてインターセプトされやすく、繋がっても前線の枚数が少なく孤軍奮闘に成らざるをえず、決定的な場面が作れない。
スピードのあるFWの深澤、清水の能力を上手く活かせない理由は、中盤の能力の低さに尽きる。
まずボールを収めて決定的な仕事をする選手と、前線をフォローし、それを追い越してゴール前へ飛び出しを常に狙える選手が残念ながら居ない。
頑張っちゃいるが結果に結び付かないチームの典型的な中盤といった形だが、中盤に強力な選手を補強すれば流れは変わるように思えるのだが……

丸山が移籍した後、目立った飛び道具は細川の強烈な左足からのキックくらいしか見当たらないとなると、得点は昨季より落ち苦しい戦いになるだろうと容易に予想出来る。  

元千葉県民としては、ジェフLには頑張ってもらい、せめて福岡、狭山、大阪高槻よりは上に来て欲しいと願うのだが、それも今の戦力では厳しいかも知れない。

〈観戦終わって〉
いつ観ても“なでしこ”は堪能出来ます。狭いスペース、細かい局面では男子より巧みだし、ポンポン蹴らずに細かくつなぎ、実に丁寧です。シーズン始まったばかりで両チーム完成度はイマダシで、気温が上がり全体的に動きが鈍って、内容的に“どうだかな”という部分はあったにしても、見応えのある部分は随所にありました。特にベレーザの方は、個人技も高く、観客の反応を見ると満足出来たのではないかと感じました。本当は、秋口にコンビネーションレベルの高まった姿を岩手の観客に観せてあげたいとは思うのですが、それなら首都圏に来てください!ということなのかも知れません。

ジェフLに関しては、最後まで切れずに頑張るという存在感は示せたのですが、あれでは“なでしこ余波”を活かせないのは明らかだし、選手もモチベーションを高くするのは難しいのではないでしょうか。何とかなりませんかジェフフロントの方々!

posted by finalunder |22:11 | なでしこリーグ | コメント(0) |
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