MLB 戦いの原理を求めて

なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか、その最大の理由 歴史的にソーシアと栗山監督の違いを明らかにする

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本ハムとエンジェルスがどれだけ違うチームかまず分析する。

日本ハムはセイバーメトリクスに基づいた「ベースボール・オペレーション・システム」(通称BOS)を運用し、それを土台として1軍2軍も含めた現場とフロントの全体に対してオープンとなった情報を共有し、互いの意識に齟齬がないように民主的に話し合い、戦略的に一体となってチームの理想的な未来像に向かって力を合わせるカルチャーを持っている。

一方、エンジェルスはオーナー・モレノの直下にソーシア監督がおり、チーム最大の権限を握っている。新思考派のGMとオールドスークルの監督で意見が違えるとき、パイレーツなどは互いの立場に理解を示し、フィールドに立つ現場の知恵とフィールド外においてコンピューターによる数理解析を担当する新思考派の知恵がアウフヘーベンされて、より高次なものへ昇華する理想的な姿が現出することがあるが、エンジェルスの場合は監督とフロントが歩み寄るというよりもこれまではしばしば監督がGMの首を切るという形で問題を解決してきた歴史がある

つまり、日本ハムのカルチャーが民主的かつボトムアップ式で組織の運営を戦略的に推進させてきたのに対して、エンジェルスは独裁という言い方がふさわしいかはともかく、オールドスクールのソーシアによるトップダウン式によって組織を運営してきたという特徴がある。新思考派の意見を上手に取り入れて、思考をアウフヘーベンさせずソーシアのオールドスクールの意見がまかり通る時、だんだん時代に適応できず古くなり、エンジェルスの最近の停滞の一つの要因となっている可能性はあるかもしれない。

このようにチームのカルチャーが大きく違うのが日本ハムとエンジェルスである。

またマーケットにしても、日本ハムはスモールマーケット故にオークランドやレイズのようにFAやポスティングで次々と育成した選手を国内外問わず放出してきたのに対して、エンジェルスは2000年代ディケ―ド最高のプレイヤーでもあるプホルスやサイヤンガーであったグリンキーも獲得したように、大きなマーケットを持っている。事実、おそらく2018年のペイロールは贅沢税のラインを優先課題としているヤンキースとほぼ変わらない金額になることが予想される。35歳キンズラーも獲得し、完全に勝負モードに入ったエンジェルスではあるが、終盤においてチームの勝利を優先する状況が来たとき、果たして大谷を育成することは最優先事項になるのだろうか。現実的に考えて、大谷が上手にメジャーの環境に適応できず、シーズン終盤でPO争いをしている時、育成の話がいったん保留状態になる可能性がある。

ビックマーケットとスモールマーケットという違いが、日本ハムとエンジェルスの育成も含めた根本的な戦略において明らかな違いを生み出している。

更には監督自体もソーシアと栗山もタイプが全く違う。奇策を好んで使うマジック系統の栗山とセオリーとデータを重視するオールドスークル系統のソーシアと分類することも可能である。(ただしここで言う奇策とは、ヒットエンドランやスクイズの類のスモールにおける奇襲の事を言っているのではない。奇襲ならソーシアは好む。成果の出た二刀流を運用するならともかく。成功するかどうかなど全くわからない二刀流をフロンティアととしてやってみるという発想はソーシアに基本的にない。)

このマジック系統の監督は二刀流に代表されるように奇策を用いるのを信条とするの同時に、ドラマを演出したがるという大きな特徴がある。一方、オールドスークルはデータを重視セオリーし、とことん拘り手堅く勝つこを好む傾向にある。

3ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
大谷二刀流
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか、その最大の理由 歴史的にソーシアと栗山監督の違いを明らかにする

お久しぶりです。今後も大谷関連の記事楽しみにしています。
今回はエンゼルスに関してほぼ無知な者としてのコメントになりますが、今回の大谷の決断に関しては正直「やっちまったな」という印象があります。

まず今回の流れを生み出したのは代理人の質問状だと思います。あまりに反響が大きすぎました。
あれだけの騒動の中で、デッキレースと言われながらパドレスを選ぶことができなかったのではないか。
正直そういう感想を抱いております。

ソーシアに関しては先刻の記事を読んで同じ印象を抱いております。
そしてエンゼルスというチームの印象も同じです。(一番不安を感じるのがこの点。組織として一貫性が見えないチーム)

主の言う通りオーナーの権限で2刀流を保証したとしましょう。しかし初年度から適応できずにチームの負けが込み、ソーシアが我慢を強いられた時にどういった状況になるでしょうか。
ファンが支持するのはオーナーと大谷? それともソーシアとチームの成績?
今年は大型補強をしているだけにチームメイトもファンも我慢できるのか・・・?


いずれにせよ、パドレスで温かく見守られながら成長する大谷を見るのも、エンゼルスという未知の境遇で前代未聞の2刀流にチャレンジする大谷を見るのも楽しみではあります。

なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか、その最大の理由 歴史的にソーシアと栗山監督の違いを明らかにする

カタカナが多すぎて読みづらいです。
アウフヘーベンといった耳慣れない単語について、複数回使われるのであれば括弧書きで日本語訳の単語を追加いただければ有難いです。
なお、文中に複数回使われていたオールドスークルの意味だけ分からないので、教えていただければ幸いです。

「なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか、その最大の理由 歴史的にソーシアと栗山監督の違いを明らかにする」へのコメント

一ページ目だけ読んで、文章力がなさすぎて次を読む気がしなくなった。

なぜエンジェルスを大谷翔平は選んだのか?

それは誰にも分からないですね。
上手く裏金が動いたのカモしれないし・・^^;
単にトラウトとTV電話で話をして感動したからカモしれないし・・
真相は誰にも分かりません。

シーズン終盤でPO争いになった時、育成の話がいったん保留になる可能性は十分あるでしょう。
監督が何も言わなくてもクラブハウスの雰囲気で大谷も分かるでしょう。
チームメイトはみんなWS優勝を望んでるのに「契約ですから・・」って
呑気に二刀流なんかしてちゃ総スカンですよ。ファンにもソッポを向かれる。

いい例がイチローですね。
個人記録だけを追いかけてチームプレーを無視すれば、同僚から嫌われて信頼を無くすだけ。

大谷も頑固ではあるけれど、イチローほど愚かではないと思います。
WSに出られるチャンスがあれば、臨機応変に対応すると思いますよ。
ま、今の先発投手陣じゃPO進出は不安ですが・・
6人ローテすら出来るのか?と思います。

ダルビッシュを獲れればいいのですが・・無理かな・・

こんな記事も読みたい

人的補償の発表と噂される候補たちについて【アナグラム的分析ラボラトリ】

【補強】左の大砲オズワルド・アルシアを獲得【札幌ドームが見える部屋から】

続・東日本パ・リーグ本拠地行脚★メットライフドーム&ZOZOマリン編【HAMFAN★応援歌】

松井をスケーブゴートにしたソーシア、大谷翔平はいずれ栗山監督が如何に優れた指導者であったか改めて知るだろう。【MLB 戦いの原理を求めて】

増井浩俊&大野奨太の補償を考える【札幌ドームが見える部屋から】

大野の人的補償を考えてみる【FF】

「オープンな、まっさらな気持ちで」という大谷翔平の言葉の真意を曲解してはならない【MLB 戦いの原理を求めて】

出でよ!サッカー界の大谷翔平!【「読裏クラブ」のワンツー通し】

ブロガープロフィール

profile-iconfield_of_dreams

本日アカウント作成。もしブログを継続する際はツィッターでお知らせします。


大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


  • 昨日のページビュー:823
  • 累計のページビュー:3571373

(01月23日現在)

関連サイト:MLB 戦いの原理を求めて

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 大谷レベルのファーストボールを投げる投手は3Aにゴロゴロいる
  2. 大谷翔平の移籍先は、おそらくメジャーで唯一この9月に6人ローテを実践したチームになる!
  3. ドジャースはプイーグ放出をすべきである
  4. 大谷の二刀流に反対していた人たちは誰か 改めて検証する
  5. なぜ張本勲・野村克也は栗山監督を未だ認められないのか
  6. 栗山嫌いの野村克也に本物の知性はあるのか?
  7. 大谷翔平がヤンキースを選ばないと確信したその理由 記者会見を通じて
  8. カブス史上最悪のトレード セイバーメトリクスの限界とルー・ブロックに輝きをもたらしたもの 
  9. ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする
  10. ジラルディの継投ミスについて 武田の解説はほんとうに正しかったのか

月別アーカイブ

2018
01
2017
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月23日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss