MLB 戦いの原理を求めて

歴史的な大失速、ドジャースが決断すべきこと

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ダルビッシュが好投する昨日の直前にこの記事は書いたものです。

エースカーショウによってストップされた73年ぶりの11連敗。PO進出自体に問題ないものの、メジャー最低勝率争いをしているジャイアンツにまで苦戦を強いられるドジャース。8月まではメジャー最強であったドジャースが9月に入りメジャー最弱のチームへとがらりと転落したことは数字上も明らかになっています。9月に入ってからの得点力NL15位・防御率NL13位ともにスタッツはリーグ最低レベル。ここまでチームに力がなければロバーツ監督が采配しようにも限界がある。9月に入ってからドジャースの大失速のために、フロントに打てる手はない。仮にドジャースがNLDSへ進出してもあっさり敗退する可能性を否定できなくなってきました。

あらゆる物事には慣性の法則が働いています。

2014年のOAKもぶっちぎりで地区優勝するかと思いきや、主砲セスペデスを放出するというミスを犯しよもやの8月以降の大ブレーキによって地区優勝をさらわれ、ワイルドカードへ回りKCにも延長で奇跡的な大逆転敗けを喫し9-8で敗退。かたや2007年ロッキーズはラスト怒涛の10連勝を含む13勝1敗でワンゲームプレーオフへ滑り込み、奇跡的なサヨナラ勝ちでNLCS進出 NLCS3連勝、NLCS4連勝でワールドシリーズに入ったことがありました。ちなみに2014年のロイヤルズもALCS3連勝、ALCS4連勝でワールドシリーズへ。(両チームともWSでは負けましたが原因はそれぞれ別にあります。それについてもこれまでの何百の記事の中で触れています。)

たしかに<勢い>というものは極めて感覚的なものでもあり、それを線形のセイバーメトリクスによって客観的に数値化して表現することはできません。しかしそれは単に線形における知の限界を示しているに過ぎず、<勢い>や<流れ>というものは本質的に非線形な複雑系に属するものです。解説者が安易に連発する<勢い>や<流れ>だけでベースボールを語り切ることなど到底、不可能であるが、<勢い>や<流れ>という要素を切り捨てることによって、はじめてベースボールを理知的に語れると思い込んでいるとしたら、それはとんだセイバーメトリシャンの思い上がりである。ほんとうに知性があるというならば、線形における知の限界をきちんとわきまえるべきであると私自身は一貫して考えています。

後から振り返ってあの歴史的な11連敗があったからこそ、ワールドシリーズ優勝することができたのだと回想できるには今ドジャースは何をし、どう考えればいいのでしょうか。正直よくはわかりません。ただ元ドジャースの外野手でもありボストン時代にはロバーツ監督は2004年のヤンキースとの戦いで世紀の「the steal」を決めて絶体絶命のピンチからボストンを世界一まで伸し上げることに成功しました。

すべての流れを変えたのは、ロバーツの盗塁であったとされています。

ピンチをチャンスへ変える勝負の一手が鮮やかに決まった時、勝利への扉が開いてゆくものなのかもしれません。今のドジャースの状態では力で押し切れる程、POの勝負は甘くもない。

サンクコストという経済用語あります。どれだけ高い代償を支払ってダルビッシュを獲得しようが、シーズンの成績がパットせずに冷静に眺めた時、ダルビッシュを見限るのが最も賢明な選択であると判断した場合、サンクコストと割り切ってダルビッシュをローテから外すというのも一つの英断と言えます。しかし翻って考えてみた時、ダルビッシュ獲得こそフロントが賭けた最大の勝負の一手であった以上、今のドジャースにはダルビッシュに二番手を託す以外に選択肢はないのではないか

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この記事へのコメントコメント一覧

歴史的な大失速、ドジャースが決断すべきこと

いつも拝見しております。
歴史的裏付けや各学問領域も交えたfield_of_dream氏の記事は常々参考になります。

「勢い」…これほど抽象的で使いやすいワードもなかなかありませんね。
私自身は「自ら綻びを作らずに守り、攻めるべき時に攻める」とひとまず結論付けてますが…。
どんな風にお考えでしょうか。

氏がご覧になられているか分かりませんが、知己に富んだ貴ブログにはこれからも期待しております。どうか情熱の続く限り書き綴ってください。ありがとうございます。

「歴史的な大失速、ドジャースが決断すべきこと」へのコメント

ブログ投稿お疲れ様です。
「流れ」や「勢い」が数値化して線分化出来ない事はよくわかります。

解説者の使う「流れ」や「勢い」が幼稚である事もわります。

一度、投稿主さんが主張される「流れ」や「勢い」の具体的な定義を示していただかないと、他者より自分が知的である事の示しにならないのではないかと思うのです。

結果が出た後に「勢いがある」と言うのは簡単ですが、今から大型連勝をするであろう「勢い」があるチームを教えていただけませんか

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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(12月14日現在)

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