MLB 戦いの原理を求めて

ヤンキース・キャッシュマンGMをもっと評価すべきである 戦略とは何か?

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キャッチャー・ゲーリー・サンチェス、ショート・ディディ・グレゴリアス、セカンド・スターリン・カストロ、センター・アーロン・ヒックス。ヤンキースのセンターラインを司る4人を抑えたのもキャッシュマンGMであるならば、現在MLB全体のWAR1位であり三冠王でもあるアーロン・ジャッジをドラフト1位で獲得したのもキャッシュマンGMです。

これまでジラルディ監督もそれなりの堅実で優れた働きをしていると言えますが、2017年は勝ちにはいかないシーズンとも言われていた中で、ここまでのヤンキース躍進、影のMVPは客観的にはキャッシュマンGMだと言ってもいいでしょう。

ハル・スタインブレナーという人物と唯一意見が一致するところがあるとすれば、監督及びGMへの評価となると以前にも書きました。しかし同時にこのチームの勝利するチャンスを逃すとしたら、それはリーダーであるオーナーの判断力のエラーになるだろうとも一貫して指摘し続けてきました。

例えばハル・スタインブレナーという人物の大局的な判断力のなさは、クリス・セール以外の判断でもこんなところに表れています。

2017の春先、ヤンキースのベタンセスが年俸調停で「ベタンセス500万ドルVSヤンキース300万ドルの闘い」は、公聴会まで持ち込まれヤンキース勝利という結果となりました。ところがたった200万ドルをケチったために、ベタンセスとの確執を生み出し、問題の焦点はベタンセスがピンストライプのユニフォームがいつまで着続けることになるのかへ、完全に移っています。

最終的にベタンセスがどこへ落ち着くのかその結果はわかりません。しかしベタンセスは3年連続でオールスター出場もし、2016年終了時、セイバーメトリクス的にも抜群の優秀さを示しとりわけK/9はキャリア通算14.28と出色であり、メジャーを代表するセットアッパーであります。生え抜き主義と言いながら、原理原則がコストカット第一主義であるために殿堂入りほぼ確実視されるカノ放出という大失策につづき、ベタンセスというリーグを代表するセットアッパーまで手放すことになるかもしれないという事態を招いてしまっています

コストパーマンス至上主義」と「若手・生え抜き重視」。 この両者のベクトルは矛盾なく基本一致することは間違いありません。

そうした若手の中でも殿堂入り級やオールスター級の特に優れた選手が育った時、その生え抜きにもそれなりのサラリーを当然支払わなければなりません。問題なのはヤンキースは超金満であるにもかかわらず「コストパーマンス至上主義」と「若手・生え抜き重視」の両者が食い違うシーンとなった時、ハル・スタインブレナーという人物の優先順位は、相も変わらず常にコストパフォーマンスであるという点にあります。

日本の有名なベンチャーキャピタルの社長がある時、こう問われたそうです。「今までベンチャーに投資してきた中で、失敗したのはどれくらいありますか?」。それに対して「これまで数十件ほどのベンチャーに投資をして失敗したのは1件だけだ」と答えたそうです。すると「それは素晴らしいリスク管理だ」とある素人は絶賛したそうです。ところがアメリカのベンチャーキャピタルCEOはこう答えたと言います。「失敗が少なすぎる。リスクをそこまでガチガチに管理しているということは、君はこれまでいくつももの大きなチャンスを逃していることを意味している。真に戦略的であるならば、リスクを取らな過ぎても駄目だということをもう少し知る必要がある」そうプロの戦略家は答えたそうです。かつて戦の神と表した孫正義と全く同じことを言っています。

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ヤンキース
戦略編
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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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