MLB 戦いの原理を求めて

ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする

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トミー・ジョン手術のリハビリ期間中におけるダルビッシュの特に上半身につけられた筋肉の発達には目を見張るものがあるが、果たして、肉体改造の試みは吉と出るのかそれとも凶と出るのかセイバーメトリクスによって分析を試みたい。

まずは誰でも映像を見ればすぐにわかるように、ファーストボールの球速がアップしたことはpitch F/Xでも明らかになっている。奪三振王を獲得した2013年が平均球速92.8マイルだったのに対して、2017年では94.0マイルへと上がっている。

ところが球速は上がったが奪三振力は低下し2013年のK/9 11.89から2017年では大きく数字を落としており、K/9 8.39とキャリアでも最悪のレベルになってしまっている。更には制球が乱れに乱れたデビューした2012年であってもBBは4.19であり、ダルビッシュは2017年の中堅からベテランの域に達しつつありながらBB/9 4.38へと低下している。

さて、ここで興味深いデータを提示したい。

スライダーのOswing率である。

2012 46.3% 2013 41.3% 2014 45.0% 2016 45.3% 2017 28.6%

スライダーのボールへ外れる球を振らせる割合が、2017年で急降下していることがわかる。それだけスライダーの変化率が落ちたために、バッターから見切られていることがデータからはっきりわかる結果となっている。

更にはスライダーのContact%を経年で調べてみた。

2012 58.8% 2013 63.7% 2014 60.2% 2016 65.5% 2017 70.6%

どうやらダルビッシュ最大の武器にして奪三振力の原動力でもあったスライダーはバッドに当てやすくなったことがデータでもはっきりした。すなわちスライダーの切れが失われてストライク・ボールの見極めがしやすくなったばかりか、キレが低下したためにボールにコンタクトしやすいボールとなってしまったということである。

2013年のダルビッシュは追い込めば左右の打者問わずスライダーを投げ込めば、クルクルバッドが回っていたが、2017のスライダーのボールゾーンへ曲がる球は見極められるばかりか、さらには追い込んでもファールで逃げられるためにK/9は低下しBB/9は増えるという状況となってしまっているのが現状のダルビッシュなのではないだろうか。

肉体改造によって球速アップと引き換えに、筋力の極端な増強が、上半身から肩周りにかけての可動域を狭めた結果、スライダーに切れがなくなったのではないかということである

エンジェルス戦のようにツーシームとセットにしてスライダーの制球が良い日には素晴らしいパフォーマンスを発揮することもできるが、もともと精密機械のような制球をダルビッシュは持ち合わせてはいない。2013年の奪三振王を獲得した年などは、ツーシームとスライダーをセットにする必要なども特になく、追い込めば左打者の内角あたりへ、右打者の外角あたりへ適当に投げ込んでいれば三振を量産することができた。それはダルビッシュ自身が現にそう語っている。「(2013年)とりあえずスライダーを投げておけば三振が取れる状態だった」と。

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日本人選手
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ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする

155km超の速球はむしろ、バットに当たりやすい。大谷の160km台の速球が結構バットに当たるのは、切れが悪いのではなく、あまりに速いため、投球が浮き上がっているヒマがないまま、バッターの手元まで届いてしまうためである。上原の140km台そこそこの速球は、160km近いバーランダーの速球より回転数も少ないが、それでも打者が空振りするのは、球速がない分バッテリー間の通過時間が長いため、打者まで届くまでの回転数は、むしろ多い可能性がある。これはスラーダーでも同様。超速球の投げ過ぎは、むしろ選手寿命を縮めやすく、95mph超の速球が投げられるのであれば、それ以上の球速アップより、ムーブさせるようにする方がよい。

ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする

2016年の詳細な数字も加味して「肉体改造後」を論じるなら分かるのですが。
自分に都合の良いデータだけ抽出してますよね。
いつもの事ですが。

全く関係ありませんが、あれほど「大谷栗山すげー」って言ってたのに、
彼らが良くないときは、スルーなんですね。

「ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする」へのコメント

コメント失礼致します。

K/BBとO-swing、Contactだけでセイバーというのはどうなんでしょう。
私としては2017のGB/FBが近年では一番高く、CT%の増加からダルビッシュ自身は打たせて取る方向に行きたいのでは?と感じました。
まあBB%はどうにかしないといけないと思いますし空振りが一番有効だというのもわかりますが、P/IPもダルビッシュの課題ではありましたし。
一応現状のBB%でもP/IPは改善してます。

「ダルビッシュ有に危険シグナルあり!肉体改造の功罪をセイバーメトリクスする」へのコメント

ピッチングスタイルの変化でしょう。最近流行りの、小さく鋭く曲がるスラッターに変えただけで、実際本人もエンゼルス戦では曲がりすぎたと言ってましたし。あまり煽動的なタイトルは辞めて頂きませんか。

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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