MLB 戦いの原理を求めて

イチローとジョー・ジャクソンを結ぶ 偉大なるベースボールの力

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”それを作れば彼はやってくる・・・”

どこからともなく語りかける声なき声に導かれるまま、主人公レイ・キンセラが<それ>を作り始めるところからこの物語は始まります。

映画「フィールド・オブ・ドリームス」。

この原作者であるキンセラは大のイチローファンでも知られています。イチローへの熱烈なラブレターとも言うべきエッセイまで上梓しています。これから少しだけ、この映画とイチローを結びつけるお話します。

物語の舞台にもなったアイオワの大地。周囲の人々から嘲笑されつつも、霊感に従って主人公キンセラは生活の糧である広大なトウモロコシ畑を切り開き<フィールド・オブ・ドリームス>を作り始めます。

「それを作れば彼はやってくる」というメッセージ・・・果たしてそこに誰がやってくるというのか。

フィールド・オブ・ドリームス>が完成すると 最初にそこへ姿を現したのは伝説のメジャーリーガー「シューレス・ジョー」ことジョー・ジャンクソンでした。

終身打率356、MLB史上3位。

4割打者の一人でもありタイカッブやジョージ・シスラーと同時期に活躍。しかしタイ・カッブがいたため一度も首位打者を獲ったことはありません。奇しくも1911年にこのジョー・ジャンクソンが作ったルーキー最多安打記録233本は、2001年に日本からアメリカに渡ったルーキーによってほぼ一世紀ぶりに破られることとなります。

当初は他の選手の安打記録がルーキーイヤーの記録とされていたのですが、イチローの記録ラッシュにあわてて古い記録が調べなおされ、浮かび上がった名前がジョー・ジャンクソンでした。よもや映画「フィールド・オブ・ドリームス」をオリックス時代に見たイチローも 映画の登場人物と2001年にMLBの史上記録においてクロスするとは思わなかったかもしれません。

その4割打者の一人でもあるジョー・ジャンクソンが、ブラックソックス事件というMLB史上最大の八百長事件に巻き込まれて、野球界より永久追放されたのは1920年のことです。ちなみにジョー・ジャンクソン現役最終の1920年の打率は382でした。

ジョー・ジャンクソンは野球が何よりも大好きだった。

382もの打率を残しながら球界を去らねばならなかったそのジョー・ジャンクソンを八百長でワールドシリーズの試合に負けた悪徳な選手であると決め付けることは簡単です。

しかしそもそもなぜジョー・ジャンクソンはわずか5000ドルという金で八百長に加担せざる得なかったのか?

どうもいろいろと調べてみるとホワイトソックスのオーナー、チャールズ・コミスキーがケチが原因だったとも言われています。わずかなユニフォームのクリーニング代も出し惜しむ始末であって、今でも残っているタイカッブと一緒に写っているプロマイドではタイカッブの真っ白なズボンと対照的にジョー・ジャンクソンの下のユニホームは真っ黒のままです。

どうやら彼らは1919年の八百長事件以前から「ブラックソックス」と揶揄されていたようです。

ホワイトソックスというチーム名。白い靴下がトレードマークの球団であるにもかかわらず、白ソックスまで常に黒ずんでいたというエピソードはあまりに皮肉であり それが八百長の遠因ともなっていた。私自身それまでは<ブラックソックス>のブラックとは薄汚れた罪深い者たちというアイロニーを込めて この事件の呼称として使われたと思っていたのですが どうやらこの<ブラックソックス>には 現代MLBでは考えられない 球団による選手に対しての劣悪なる扱いの象徴であることを知りました。

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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