MLB 戦いの原理を求めて

8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディは、もっと評価されるべきである

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これは2016の最優秀監督賞ポイントの順位です。

1 Terry Francona CLE 2 Jeff Banister TEX 3 Buck Showalter BAL 4 John Farrell BOS 5 Joe Girardi NYY 6 Scott Servais SEA

PO進出した地区1位もしくは2位の監督に多くのポイントが入っていることがわかります。しかしながらPO進出のTORのギボンズ監督は1ポイントも入っていません。NL2016でも世界一のマドンはリーグ2位であったように、2009の世界一に輝いたヤンキース時代にあってもジラルディのポイントはリーグ3位でした。ちなみにジラルディが最優秀監督賞を受賞した年、マーリンズは勝率500にすら届かず4位という成績でしたが、一時はPO争いにも絡む躍進を見せた年であり、そのチームの総額年俸はリーグ最下位のわずか3000万ドルに過ぎませんでした。ふつうの監督ならばマーリンズはPOにかすりもしなかった戦力だと言ってもいいでしょう。だからこそのジラルディ、2006年最優秀監督賞受賞でした。最優秀監督賞のポイントを獲得するためには単に、チームを勝ちに導けばそれで獲得できるものでもないことがわかります。2016年もNYYは地区4位。

ジラルディが唯一ポイントを逃しているのは、貯金16も獲得したがPO進出を逃した2008年のみとなっています。いずれにしても揺るがぬ事実としてここ8年連続でポイントを獲得しているのはジラルディただ1人だけであるということです。この8年連続の中にはヤンキースが衰退期に入り地区3位や4位という結果の年も入っています。地区3位や4位でポイントはふつうではまず獲得できません。

言葉が悪いですが2013年では3番ウェルズ4番オーバーベイ5番ハフナーというまるで廃品回収で寄せ集めたようなクリーンナップで勝ち越し、2014年黒田以外、「先発ローテはそして誰もいなくなった」という状態、フィリップス、カプアーノ、ヌーノ、グリーン、ウィットリー、マッカーシー等のお世辞にも一線級とは言えない脆弱な先発陣を率いても勝ち越しを決め、2016年においても鮮やかなファイアーセールを敢行しながら尚もジラルディはPO争いにも持ち込み勝ち越してみせました。戦力は他のチームから見ても明らかに劣り、すべて大きく得失点差はマイナスであった結果です

こうした例を出せばわかりやすいでしょうか。野球は得点を争う競技と言ってもいいでしょう。ヤンキースの4番グレゴリウス・5番カストロはあの狭小なホームでようやく20本に乗せたというものでした。他のTB・BOX・BAL・TORの中心打者の平均はいずれも35~40本レベルのHRを放っています。

偶然に何度も、得失点差がマイナスであって、チームを勝ち越しに導けるとも思えません。そこには何らかの技術のようなものがきっとあるはずです。当ブログのテーマには戦略がありそれなりの視点を持っているつもりですが、ジラルディの行動原理の奥にあるものへ光を投げかけるだけの透視力がなければ、なかなかその力量を正当に評価することは難しいのです。はっきり言えば多くの批判している日本のファンよりも、ジラルディの方が遥かに戦略や戦術についての確かな目を持っているように少なくとも私には見えます。

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この記事へのコメントコメント一覧

8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディ監督は、もっと評価されるべきである

言いたいことは思ったよりいい監督だよ?

ということね

あーはいはい。

どうでもいいってそんなこと。自分がジラルディのことを褒めているのに周りがそうじゃないからフラストレーションでも溜まったんだろcdo

8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディ監督は、もっと評価されるべきである

日本でジラルディの評価は低いのは、ある意味しょうがないと思う。
比較的好調だった松井のNY最終年、シーズンでもPSでもDH以外決してスタメンで起用せず、イチローも前日好調でも翌日ベンチに下げたり、黒田も白星消されたり、と日本人に恨まれやすい(笑)
けど、日本人に限らず、与えられた選手でシーズンやPSを乗り切る戦略を決めたら絶対に曲げない、頑固なまでの選手起用の一貫性は彼の最大の長所だと思います。
これが端的にでたのが、やっぱ世界一の時のWSで、松井の起用方法(あれだけ乗っていたら、普通アウェイでも使いたくなる)や、やや弱かった先発陣への対応として3人ローテの決断だと思います。
なので、個人的にはジラルディは、どちらかというと戦力があまり整っていないチームの方がより力を発揮するタイプと思い、反対に充実した戦力の時には綻びが出る可能性があり、それは選手起用の一貫性の副作用ともいえる「選手のモチベーション確保・向上の下手さ」が一要因だと思います。(特定選手からの批判が多いのはその為だと。)
優秀なモチベーターだったトーリの後というのも、彼の不幸なところかもしれませんね。
いずれにしても、個人的にはいい監督だと思うし、一方で、日本人選手の活躍からMLBを見るもの一つの楽しみ方なので、そういう人たちに嫌われてしまうのも致し方ないかな、とも思いますね。

「8年連続で最優秀監督賞ポイントを獲得しているジラルディ監督は、もっと評価されるべきである」へのコメント

最優秀監督賞は全米野球記者協会の投票によって決まりますが、田口壮曰く「ジラルディは何も考えていないがしゃべるのはうまい」とのことですので、記者ウケが良い結果だろうなぁと思います

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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