MLB 戦いの原理を求めて

ダルビッシュの提言 ロースター26人になるのか 投手の健康問題

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ダルビッシュがトミー・ジョン手術を受けることが決定した際、2015年3月ネットの某所で書いたもののダイジェストをここに掲載します。ベースボールと野球に横たわっている投手の健康についてのお話です。一部加筆修正してありますが、コンテンツについては基本そのままです。

===

奪三振王も獲得し、サイヤングポイントにおいて2位に入ったこともあるダルビッシュ有はMLBにおいては歌舞伎で言うところの千両役者 相撲で言う横綱大関レベルの投手です。(実際ダルビッシュが来年のFAでどういう契約を結ぶかでもそれは明らかになるでしょう。)ダルビッシュに限らず、看板スターであるエースが次から次へと欠場するMLBというショービジネスの<興業>というものがほんとうの意味で成立するのかどうか?そうした根本的な疑問が私にはあります。

結論からすると各チームに委ねるだけでなく、MLB機構自体がスーパーエリートクラスの投手の相次ぐ 戦線離脱に本格的にメスを入れるべき改革の時期に来たと考えます。

これまでの意見を見る限り、ほぼすべてが判で押したように<中四日>はメジャーの文化であり、それに適応してゆくのがメジャーの投手の宿命であるというものばかりです。(当時の雰囲気としてはダルビッシュの提言は現実的ではないという論調一色であったと言ってもいいでしょう。)しかし過去の歴史を紐解くと 1970年代くらいでしょうか、当時の常識は<中三日>でした。あるいはボールというものも 時代によって大きくその質は変わっています。ホームからマウンドまでの距離や高さなども時代の環境に応じて 変化し続けてきているのです。今ある<ボールの皮の質><マウンドの硬さ><中四日>という現代の常識が、これからも未来永劫変わらないものとして、MLBで継承され続けてゆくものなのかどうか?この点については改めて考えてみる価値があります。歴史的観点からすれば、「時代の流れに適応して絶えず変化するもの」「時代の流れを越えて不変であり続けるもの」、その二種類にあらゆるものは篩いにかけられることになります。

肘の故障の原因は複合的なものによって構成されていますが、最大の要因のひとつはダルビッッシュも言うように、「投球間隔の短さ」及び「投球数の多さ」による投手への過負担にあります。それはスポーツ医学を紐解くまでもなく明らかなことです。更には「マウンドの硬さ」や「ボールのグリップ」、「スプリット スライダー系の多投」や「投げ込み」などが問題として挙げられます。

この問題は各投手の個別性が高いために、一般論として括るのが非常に困難でもありますが、それ故に実にさまざまな意見が飛び交っています。しかし気をつけなくてはならないことは、ある一側面をクローズアップしそれを拡大解釈して その見方を正しいと思い込むことの愚かさです。例えばスライダーの投げ込み過ぎこそが最大のネックとなっているというセンセーショナルな意見が先日も出ていましたが(当時そうしたコラムが出ていたのです)、そうした極論では駄目だということです。

メジャーでは投手の肘を消耗品として考える文化があり、甲子園という日本プロ野球の土台を成すこの野球文化を真っ向から否定する考え方が主流となっています。そして日本人がメジャーへ来てこれだけ故障するのは甲子園に大きな原因があるとしています。ところがアメリカの投手はハイスクール時代、日本の甲子園球児以上に強力な投球制限を受けているにもかかわらず、日本プロ野球でのみプレーし続けている元甲子園投手がトミージョン手術を受ける確率よりも、遥かに高い実に30パーセント強がトミー・ジョンの手術を受けています。ハイスクール時代に強力な投球制限を受けているアメリカの方が格段に手術率が低いのなら、甲子園時代の投げ込みが故障における根本的な原因であるという説にも大いに説得力はあります。しかしそうはなっていません。むしろアメリカほど制限していないにもかかわらず、ダルビッシュにしても田中にしても和田や藤川、松坂など、日本時代には何らの問題はありませんでした。日本プロ野球ではピンピンしていた日本人投手が、メジャーにいった途端、次々と手術送りとなっているわけです。(田中は回避)

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ダルビッシュの提言 ロースター26人になるのか 投手の健康問題

日本の投手は「手術をするとチームに迷惑がかかる」と考えがちで
米国の投手は「手術は結果的にチームにも自分にもプラスになる」と考えるのでしょう。
この点に関しては米国の選手のほうが合理的に考えていると思いますし
手術の原因を米国の環境に求めるのは性急な議論に感じます。

私も結論には賛成ですけどね。

「ダルビッシュの提言 ロースター26人になるのか 投手の健康問題」へのコメント

引用されてる記事内の日本人の投手の中で、和田と藤川は1年目のシーズンが始まってすぐに故障しましたし、田中も1年目の後半ですし、契約時に怪我のリスクがあったことも報じられてましたよね。この3人を除けば、日本人投手のサンプル数少なすぎですし、前の方のコメントの通り日本とアメリカのアマチュアの野球の手術の環境と考え方が違うから比較しづらいと思いますよ。結論は間違っていないかもしれませんが、議論が粗いです。

ダルビッシュの提言 ロースター26人になるのか 投手の健康問題

いつも、楽しくブログを読ませていただいて、色々と勉強させていただいてる一人です。

今回の一つ気になることが有るのですが、

日本のピッチャーがトミージョン手術の数が少ない、と言う点に対しての
自分の個人的な意見と質問ではありますが。

日本ではもうどうしょうも無い状態まで追い込まれた投手が最期の手段としてトミージョンを受けるというのに対して、MLBだとメジャー定着1~2年目の投手が多く受けています、コレは有望株に少しでも異常見られたら早めに手を打とうとする姿勢の差を感じるのですが?
(三年目以降年俸が上がる頃にリタイヤされると困る球団側とFA前の大事な時に手術を受ける事による商品価値が下がる事をおそれる代理人側の利害の一致が大きいと思いますが)

その辺はどう感じているのか?後学の為に意見を聞かせていただきたいです。

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ブロガープロフィール

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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