MLB 戦いの原理を求めて

必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

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さて2016NDCSですが、LADの歴史においてひとつの転換点になる可能性をも秘めたディビジョンシリーズの勝ち上がり方だっただけに、LADにも勝機はあると漠然とした記事を先日は挙げました。今回は少しデータを眺めていきます。

レギュラーシーズンでは得失点差というスタッツを通してチームの総合力を把握するのが定石です。この得失点差を見ると30チーム中1位。CHCは投打の総合WARといい30チーム中1位です。CHCが圧倒的な戦力を持っていることはデータでも明らかです。ところで一試合におけるスターターの持つ力の及ぼす影響というものは大きく、特に短期決戦においては、バムガーナーの例を引くまでもなく絶対エースの存在が極めて重要です。そしてその投手の力を短期決戦において計算するにはERAよりも、FIPの方が断然あてになる。

そこでスターターのLADとCHCの4人に絞り込んでFIPを並べました。

カーショウ 1.80 ヒル 2.07 ウリアス 3.02 前田 3.58

ヘンドリックス 3.20 レスター 3.41 ラッキー 3.81 アリエタ 3.52

FIPが2.00台に入ると一流の投手です。こうしてみると絶対エースはCHCには実質一人もいないことがわかります。レギュラーシーズンはチームの総合力を競うために、試合を作れるFIP3.50前後の投手が平均して揃っていることは極めて重要です。しかし短期決戦においては試合をつくることが至上命題ではありません。絶対エースの存在の有無、確実に勝利を計算できる投手の有無はより大きな価値を持つ。漠然とチームの総合力だけを眺めて、CHCはすごいという印象論もいただけません。

スターターのFIPを比較してもLADにこのNLCSに十分にチャンスはあるというのが当ブログの見解です。少なくともCHC圧倒的優位という下馬評は全くあてにならないデータがある。ロバーツの采配一つでおそらくLADは勝ち上がることは十分に可能です。初戦、チャップマンを引っ込めるために勝負の満塁策を8回に出したこと自体は問題ないと考えています。問題だったのは、なぜ満塁にした時にブラントン続投だったのかということです。その前段で左打者をブラントンは敬遠していたはずです。向こうがチャンプマンに代打の左で勝負したなら、LADも勝負をしジャンセン投入の一択だったのではなかったのか。昨日8回2死4点差でわざわざジャンセンを出すくらいならば、チャップマンをCHCが引っ込めた時点で、同点の満塁時にこそジャンセンで勝負すべきであったと考えます。初戦は監督の采配で落とした試合と言われても仕方ありません。

もちろん戦力的にはCHCの方が上であり、勝つ可能性は当然であるわけですが、言うほど短期決戦での強みを持ったチームでもないといったところです。野球は筋書きないドラマであり、まだどちらにも勝つシナリオはあります。しばし成り行きを見守ります。

最後に余談になりますが、戦いの原理に照らして見た時に、正しい方向性を取っていると一貫して当ブログが支持してきたのは、これまでの記事をご覧いただいてきた方にはご承知いただいているかとは存じますが、日本ハムドジャースでした。それぞれ11.5ゲーム差からの日本ハム大逆転と、絶対エース・カーショウ不在に加えて故障者リスト入り続出であり、すでに終わったと言われた中、首位と8ゲーム差からドジャースもまた逆転劇でここまで勝ち上がってきました。日本ハムはFAに補強を頼まない育成中心の弱者の戦略を採用しているのに対して、LADは典型的な強者の戦略を取っているという違いがあります。

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短期決戦
ドジャース
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必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

FIPにおいて断然優っているカーショーがヘンドリックスに完全に投げ負けました。野球はそんなに単純では無い。ワールドシリーズならともかく、ディビジョンシリーズでカーショーをリリーフとして出さなければ勝ち進めなかった選手層しか持っていなかったドジャーズが負けたという事だと思います。

必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

昨今のロイヤルズや今年のインディアンズに、バムガーナーやカーショーみたいな先発投手は居ないと思いますが、何故彼らはワールドシリーズチームになったのでしょうか?

必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

「投手の力を短期決戦において計算するにはERAよりも、FIPの方が断然あてになる」
って書いてありますが、その根拠はどこにあるのでしょうか?
カーショウは、去年迄、POでよく打たれてましたが・・・。
両チームを比較したいのなら、他のデータも挙げたほうがいいと思いますが。

あと「自分の過去の発言が正しい」と言うことを強調しすぎです。
反面、他者が間違いを指摘した時(プライスのFIP)は、スルーしてましたよね。
都合のいいことだけ言うのは、止めた方がいいと思います。

必ずしもカブスは絶対優位ではない ドジャース ワールドシリーズへ一歩前進 

FIP 2点台ってそもそも規定投球回以上の投手だとメジャー全体で3人(シンダーガード、ホセ、クエト)しかいないし、FIP3.5点よりも良い投手も規定投球回以上の投手73人中11人しかいない
カーショウは別として、ユリアス、ヒルは規定投球回に達していないから、確かにカーショウほどの絶対的エースはいないにしても、LADよりもCHCの方が投手力上では?

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大谷を口説くために日本ハムが用意した提案書に感銘して以来、日本ハムのファンとなる。二刀流については入団当初から 支持をする。

歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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