MLB 戦いの原理を求めて

名将フランコ―ナの光る采配 インディアンズの野球をセイバーメトリクスする

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盗塁数リーグ1位。盗塁成功率リーグ1位。 犠牲バント リーグ3位。 犠飛 リーグ1位。 アルティメットベースランニング リーグ1位。 DRS リーグ6位。 UZR リーグ3位。 防御率 リーグ2位。ブルペン 防御率リーグ2位。 総得点 リーグ2位。

走攻守。これほどバランスの取れた戦力の整ったチームは、ALにはCLEを除いて一つもない。

ALDSにて9番ペレスがレフトフライからタッチアップで2塁へ進塁したように、ベースランニングには特に大きな力を入れているのがCLEでもあり、セイバーメトリクス的にもアルティメットベースランニングがリーグ1位を記録している。「成功率を下げてもいいと言うなら80個の盗塁することもわけはない」とイチローは言ったように、盗塁数と盗塁成功率は一般にトレードオフの関係にある。CLEのナポリやサンタナ等も含まれての盗塁成功率80%超の数字は、イチローの通算における盗塁成功率とほぼイーブンであり、これは何を意味しているのかと言えば、CLEの走塁技術に関するソフトの充実ぶりが数字にもはっきりと表れているということでもある。無論、リーグで唯一の80%越である。投手の癖や心理状態なども含めて研究し尽くした形跡がそこにはあるとも言えるだろう。

足によって敵の隙をどこまでついてゆくCLEの野球。その一方で強力な守備陣と投手力によって相手に付け入る隙を与えないスモールベースボールをCLEは志向している。BOS最終戦にあっても全得点は2度の犠牲バントを絡めたものでもあった。もしカラスコとサラザールが故障していなければその豪華なスターターと強力な攻撃陣をも擁した点も併せて見れば、KCをバージョンアップさせたスモールベースボールを志向したチームとなっているとさえ言える。

カラスコとサラザールがいれば、CLEの総合力は非常に高いものでありフランコーナも弱者の戦術を駆使しおそらくここまで極端な形でミラーの前倒しギャンブルを積極的に仕掛けることもなかったはずである。クルバーの時のようにレギュラーシーズンの継投で十分となる。もし監督がレギュラーシーズンのスタイルにこだわったショーウォルターがCLEの監督であったなら、BOSスィープということもまずなかったのではないだろうか。

魔術師・ギルホッジスも言うようにレギュラーシーズンでは戦力が大きくものをいうステージであるのに対して、監督の力量が勝敗に直結することもあるのが短期決戦である。またもうひとつの地区シリーズにおいて、TORの最終戦における決勝点は、TEXのオドーア送球エラーとTORのドナルドソンが隙を逃さず付け込んだベースランニングにあったように、圧倒的な戦力差がないチーム同士の戦いにおいては、細やかなスモールの質が勝負の大きな分かれ目になることがある

短期決戦の戦い方を心得たボウチーが名将たる所以を、NLDSでも随所に発揮している。負けたら終わりという第3戦。絶対エース・バムガーナーを起用するも調子が悪いと見れば5回で降板させている。ドジャースのロバーツ監督も徹底して勝負に出ており用兵自体を眺めても特におかしいと思えるところはないが、ディビジョンシリーズで毎回ほぼ姿を消してしまうLADの短期決戦での弱さはすっかりファンの間では定番と化している。

このままSF、LADともにNLDSで姿を消すのか。はたまた、逆転で勝ち上がってゆくことができるのか。LADはエースもクローザーも、レギュラーシーズン通りの力を発揮しているとは到底言い難いものがあるだけに、監督への依存度は必然高くなる。

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監督の技術
短期決戦
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この記事へのコメントコメント一覧

名将フランコ―ナの光る采配 インディアンズの野球をセイバーメトリクスする

前のコメ主の主張に同意です。
オリオールズのブリットンを登板させずにヒメネスを選んだという采配もギャンブル、リスク(分散)の大きい判断だと捉えることもできるはずです。ヒメネスが抑えていれば、大きなリターンを得ることができたからです。
ギャンブル、弱者の戦術の定義も恣意的で、「弱者の戦術」が有効だという客観的な根拠がなければ結果論にすぎないのではないでしょうか。

「名将フランコ―ナの光る采配 インディアンズの野球をセイバーメトリクスする」へのコメント

定期的なブログ更新お疲れ様です。

フランコーナ監督が前倒しでミラーを登板させたことはシーズン中でも何度かありましたし、ミラー自身も「フレキシビリティーが自分の売りだ」とコメントしています。

質問なのですが、記事ではあのタイミングでのミラー投入はギャンブルであるが、リスクを恐れないのが短期決戦における弱者の戦術である。とありますが、
「あのタイミングでのミラー投入」を「ギャンブルである」とされた理由があればお聞かせ願いたいです。

もう1つ要望込みの質問があるのですが、ご自身が主張される「弱者の戦術」の定義がハッキリしておらずブログを読んでいくうちに混乱してしまいます。
①「弱者の戦術」とは戦力のない弱者が戦力のある強者に勝つために用いる戦術と言う事ですか?
②それとも戦力には関係なく「短期決戦ではリスクを恐れないの事」のように特定の戦術を「弱者の戦術」とネーミングされたのですか?



私は毎回毎回の記事からブロガー様の熱量を感じる事のできるこのブログのファンであり、だからこそ繰り返される主張に対して真剣に考えます。
ここまでの熱量を持って放たれた自己主張の固まりのような記事の中身が客観的根拠と共にあると期待しています。

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歴史や戦略 戦術をテーマにずっと研究してきました。

MLBで最も惹かれる人物は、リグリーフィールドの蔦を考案した人。7イニングストレッチで「Take Me Out to the Ball Game」を歌う文化を定着させた人物と言ってもいい。

2015年7月5日に自分がどうしても書きたかった記事をupする予定です。ビル・ベックを知らずしてMLBの歴史は語れない。


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