2008年04月30日
サッカーファンであれば、誰もが「あたかも昨日のように鮮明に覚えている試合」があるだろう。僕にとっては、97年のWest Ham 4 - 3 Tottenhamであったり、95年の等々力で、自分の目の前で福田がスキラッチに追いつく31ゴール目を決めた瞬間であるのだが、人生で最も記憶に残っている試合と言われると、98年フランス大会予選の国立での韓国戦をはじめとする一連の最終予選ではなかったかと思う。
あの時の国立競技場の雰囲気は、日本史上最高のものだったと信じている(僕より上の年代の人はきっとあの木村和司の伝説のフリーキックの試合を上げるかもしれないが、、、)。
緒戦のウズベキスタン戦で、日本代表イレブンが入場したときの、スタジアム全体の揺れは今でも忘れない。あの瞬間、日本は今までの日本ではなくなっていた。
97年というと、ちょうどJ-Leagueブームがひと段落し、サッカー人気の凋落が叫ばれ始めた頃であったと思う。今までスタジアムを埋め尽くしていた女子高生達は女子大生になり彼氏とのデートに精を出しはじめ、コネをつかってチケットを入手し、「カズを観に行かない?」と女の子を誘い出す口実にしていた業界人たちは姿を消し、残ったのはJ-Leagueと’ドーハの悲劇’でサッカーにすっかり魅了された10代から30代の主に野郎達だったように思う。
あの一連の予選でスタジアムを埋め尽くしたのは、そんな若い男共がメインだった。緒戦の入場の際、そんな5万人の野郎達の雄たけびがスタジアム中に響き渡り、すっかりウズベキスタンの選手達は萎縮してしまったのだろう。結果は、憎っくき三浦和義(あえて誤字させて欲しい)が人生最後に輝いた試合で、6-0だった。
その後、Awayでの引き分けを挟んだ国立での韓国戦。陳腐な言い方だが、スタジアムのボルテージは試合開始前から最高潮だった。大声で歌う5万人の日本サポーター、大きく取られた緩衝ゾーンに守られたアウェーエンドの真っ赤な3千人の韓国ファンたち。この試合の重要性が痛いほど分かっていた僕たちのこの試合にかける意気込みは並半端なものではなかった。
そんな中、目の前で決めた山口のループシュート。あのゆっくりとゴールに吸い込まれている弾道は頭の中に焼きついている。そしてその後の歓喜。日本でゴールの瞬間にあれだけゴール裏がChaos状態になったのは長いファン経験でも、この瞬間と福田の31ゴール目の瞬間だけだ。3列後方くらいからは、同じく20代位の男ども3人ほどが、椅子から足を踏み外して、僕らの歓喜の輪の中に転げ落ちてきたとかすかに記憶している(笑)。
そして、韓国のあの同点弾と、逆転弾。あまりのショックに立ちくらみがして座り込んでしまったのをかすかに覚えている(苦笑)。
極めつけはその後のUAE戦。あまりにロスタイムが短かったことに対して、引き上げてくる審判団に、メインのSS席の観客が罵声を浴びせて、物を投げつけるという衝撃的な場面を目撃した。あの国立のSS席のお客さんがだ。それだけ、みんな真剣にサッカーを見ていたのだと思う。欧州に近づいてきたな、と本当にその時強く思った。
しかし、ジョホールの頃、そしてフランスの本大会になると、J-Leagueの初期の方々がまた、突然興味を持ち出したような感覚を持った。国中が、また突然サッカーに興味を持ち出したかのような違和感を感じたのを覚えている。
そして時は流れ、この間足を運んだ日本 v ボスニア戦。そんなフランス大会予選の強烈な記憶があるからこそ、この時の観客席の様子はあまりにショッキングだった。バレーボールの試合と変わらない客層、そしてバレーボールほど一体感のない雰囲気、図書館のように静まり返ったバックスタンドの観客。長年一緒に浦和をおっかけてきた友人とは、顔を見合わせて「これはワールドカップ出場はかなり難しいだろうな」とお互い真っ青になった。
W杯の予選の前の国際試合で、ここまでひどい客層を見たのは僕は初めてだ。相手がボスニアだから、などというのは言い訳にならないと思う。
あの時に国立にいた皆さん、一体どこへ行ったのだろう?最終予選になれば戻ってきてくれるのだろうか、、?
posted by fareasthammer |23:44 |
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2008年04月27日
ちょうどこのBlogを出張帰りでトランジットに寄ったシカゴの空港で書き終えた。仕事柄世界中を飛び回ることが多いのだが、サッカー好きかつ、アメリカのスポーツに一切興味のない自分にとって、アメリカ出張は結構厳しい。新聞を読んでもサッカーの記事は皆無、ホテルのケーブルでもサッカーは殆ど取り扱っていない。そしてもっと困るのが始めて会うアメリカ人お客さんとのIce Breakの話題である。せいぜい、映画、いくつかのテレビ番組程度しかアメリカ文化と触れる機会のない僕にとって、こちらの人と仕事以外で仲良くなるのは正直至難の業である。今回も、1週間で多くの人に会ってきたが、特に誰とも打ち解けることなく、しかも南部の英語のシャワーにあびて現在ほぼ脳死状態だ。
東南アジアと欧州出張はその点僕にとってはやりやすい。特に欧州となると、どの国に行ってもほぼサッカーの話が通じる。一緒に仕事をしている人たちの中には、マドリッド在住かつReal Madridのシーズンチケットホルダー、30年来のLiverpoolファンだというノルウェー人、ManUファンの南アフリカ人とハンガリー人などなど多種多様だ。イギリスとなるともっと話はわかりやすい。僕の働いている会社のロンドン事務所には、Portsmouth、Liverpool、QPR、Arsenal、Ipswichといったチームのファンがごろごろいて、たいがい月曜日の電話は、サッカーの話題で始まったりする。
東南アジアも、サッカーが町中に溢れている。タイに行けば市場でお決まりのChelsea、ManUやらの偽物のシャツが売られているし、シンガポールなど土曜の夜の繁華街を歩くと、ありとあらゆるBarでプレミアリーグの生放送をしている。去年休暇で行ったモルジブでは、ホテルの土産屋のおじさんがArsenal v ChelseaのCarling Cupの決勝を画面に食い入るように見ていた。(ちなみにアジアで人気なのはやはりLiverpoolとManUである。当然「Chelseaのファンだ」などという不遇の輩とも遭遇するが、得てして昔のChelseaのことや、そもそもサッカーのこと事態何も知らなかったりするので、こういうものはカウントしない、、。)
欧州の人にとっても東南アジアの人にとっても、「筋金入りWest Hamファンの日本人」となるとそれなりにインパクトがあるらしく、殆どの人が一回会っただけで僕のことを覚えてくれているという大きな仕事上の利点もあったりする。
おかげさまで、West Hamがそれぞれのチームと試合をして負けたときなど、翌日になると必ず「ざまあみやがれ」メールが飛んでくる。Liverpoolに0-4で負けたときなど、かなり長文のメールがうちのロンドン事務所のLiverpoolファンの若造から届いた。
当然こちらも応戦はする。昨年の12月28日には現地でWest Hamがお得意様ManUを2-1でいつも通りに叩き潰した試合を本拠地Upton ParkのEast Stand Upperから目撃したのだが、新年の仕事始めでで最初に打ったメールが、ManUファンの皆さんへの ’Happy New Year’メールだった。
言うまでもなく、このやり取りは、友人レベルになるともっと過熱してくる。毎回TottenhamやらChelseaと当たるとき、必ずそのチームを応援している友人の顔が思い浮かぶ。残念ながらこの2チームとは最近相性がさっぱりなので、彼らのニタニタした表情しか浮かんでこないのだが、、。
日本でもこうなってくれれば良いなといつも思っている。しかしながら、そもそも会社だろうとプライベートだろうと、日本人で浦和以外のJ-Leagueのチームを熱狂的に(かつ長期間に)応援している人と殆どあったことがない。かつて、会社の同僚で自称‘鹿島アントラーズのファン’(川崎在住で鹿島スタジアムには一度も行ったことがない)がいた。雨の埼玉スタジアムでロスタイムにエメルソンのダイビングへダーで浦和が2-2に追いつき、鹿島の優勝を拒むという、思い出すだけでも今でも恍惚の表情を浮かべてしまう出来事があったことも浦和のファンには記憶に新しいところだと思う。
この試合の翌週に彼に会ったときにオブラートに包んで「ざまあみやがれ」攻撃をした。これが大失敗に終わった。日本的感覚ではきっと「浦和にとってはタイトルとは何も関係ない試合だったのに、悪いことをして申し訳ない」と謝りを入れるべきだったのだろう。今では彼とは会社であっても挨拶すらしない関係になってしまった。
きっとプロ野球だったら、欧州的なライバル関係が存在するのだろうと思う。僕はよくは知らないが、きっと阪神ファンは、阪神が自分達の故郷を代表するチームだから誇りをもっていて、東京と、東京を代表するチームである巨人と、巨人のファン達が大嫌いで、巨人に勝ったときは同じく関西弁をしゃべる友達と、酒を飲みながら大いに巨人の悪口を言って盛り上がるのではないかと思う(これがまさに欧州のサッカーファン的な感覚であるが)。
昔、今はなき近鉄バッファローズの超がつく熱狂的なファンが会社にいた。どうしようもなく僕とはあわない人で、仕事中何回も衝突をしたのだが、不思議とこの人はプロ野球に関しては僕と同じ感覚を持っていて、この話だけは盛り上がれた。彼は逆に、阪神タイガースと阪神タイガースのファンが大嫌いで、常に「阪神は本当の大阪のチームじゃない」と言い張っていた。本当だかどうだか知らないが、彼曰く、彼の周りのバッファローズファンはみんな同じ感覚だという。
日本サッカーにもそんな日が来るのだろうか?20年後にはプロ野球と同じようなライバル関係が生まれるのだろうか?
前回と同じ結びになってしまうが、可能性があるのなら、やはり浦和v 鹿島であろうと思うのだが。
posted by fareasthammer |14:39 |
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2008年04月21日
West Ham United 2 – 1 Derby County
勝ったものの、恐らくプレミアリーグ史上最弱相手にふがいないパフォーマンス。Zomoraは先制点を挙げたものの、それ以外はさっぱり。ディフェンス陣も、オフシーズンの休暇のことで頭が一杯で、サッカーどころではないかのようなふがいなさ。何度もプレミアリーグ最弱攻撃陣に切り裂かれそうになっていた。試合を見ながらチャットをしていた友人も「あたかもゲイパレードを見ているよう」と酷評。
そんななか、皮肉にも気をはいたのがLjungberg。2点目を演出し、その前にもScumの中のScum、Savageをぶっちぎってあわやキーパーと一対一の局面を作り出すなど、年齢にもかかわらずまだまだペースは失っていない。
何よりも嬉しかったのが、Wigan 1- 1 Tottenham。これで奴らとの勝ち点差は5。10位でUEFA出場の見込みゼロ、降格の可能性もゼロ、という中で、ここだけが唯一意味をなすところである、、。
浦和レッズ 0 – 0 大宮アルディージャ(試合のコメントは一切無し)
欧州で言うところの「ダービー」とは異質の「埼玉ダービー」。何せレッズファンとしては、大宮はあくまで新参者でOne of them、大宮のファンにいたっては、一部の説では「元レッズファン」が結構いるとかいないとか、、。これが本当だとしたら、「女房はいくら変えられようとも、サッカーチームだけは絶対に変えられない」という世界の常識が、この国ではがたがたと崩れ去ることになる。
普通、ダービーというと、「隣町、あるいは同じ町のチームで、こいつらにだけは負けられん」、とチームのリーグの成績には関係なく両ファンが盛り上がるもの。という意味では、浦和にとっては、やはり鹿島であり、東京であり、昔ではベルディと清水が「負けてはいけない相手」であると思う。
Jリーグでは、福岡と鳥栖などが九州ダービーとしてそれなりに盛り上がるようだが、大阪ダービーやら横浜ダービーなど、果たして本当にファンは他の試合と比べて盛り上がっているのか個人的にはわからない。レッズにとっての大宮は、正直まだそんな存在にはなっていないと感じる(とはいいつつ最近全くこいつらには勝てないのだが、、)。今日行ったスタジアムの雰囲気からもそれは感じ取れた。
イギリスだと、確かにダービーは盛り上がる。有名なところではMan U v ManC、Liverpool v Everton、Arsenal v Chelsea、Newcastle v Sunderland、Villa v Birmingham(Birminghamご愁傷様でした、、、)。少しマイナーどころだとSouthhampton v Pompy、Luton v Watford、Palace v Brighton(ダービーとは呼びづらいか?)、Cardiff v Swansea(確かAway fanはお互い出入り禁止になっていたはず。しばらく実現しそうに無いが、、)などなど、数えたらきりが無い。この試合だけは、どんなに普段静かなファンも、突然スタジアムは歓声と、罵声、歌声につつまれたりする(Watford v Lutonが良い例か?)。
ちなみにWest Hamにとっては人によって意見は分かれるが、最大のRivalはやはり川向こうのMillwall。今でも全く違うチームとの試合なのに、試合前にPubで飲んでいると良くみんな酔っ払ってMillwallのファンが近親相姦だとか、Scum(くずという意味)だとかいう歌を大声で歌っている。このRivalryは、どちらかというと、70年代、80年代に吹き荒れたフーリガニズムに起因するところが大きい。MillwallファンがWest Hamのマフラーをつかんだまま電車のホームに落ちてひかれてしまった話など、血なまぐさい話はたくさん。同じ理由で絶えずLondonのTop Firm(Firmというのはフーリガンのグループのこと)の座を争っていたChelseaも、West Hamファンにとってはとにかく嫌いな相手。
ピッチ上の話に戻すと、現実的なところでは、やはり実力的にわりと均衡しているTottenhamがChelsea、Millwallと並んで大きなライバルだと言えよう。
最近ホームゲームではすっかり静かになってしまったWest Hamのファンも、Tottenham、Chelsea相手になると、スタジアムの雰囲気は急変する。Millwall相手だともっと違う次元らしいが、僕は行ったこともないし、幸いにもカップ戦以外では当たる可能性はあと5年はなさそうである。
J-Leagueにおいては、僕は浦和v鹿島の試合が今後、世界でも名の知られる日本ダービーになってくれることを期待している。今年も7月のリターンマッチが待ち遠しい、、。
posted by fareasthammer |00:45 |
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2008年04月19日
You're only singing Karaoke ! これはSydneyでのSydney FC v 浦和レッズの翌日、Sydney Timesだか何かの現地紙で、Best chant of the day(その日最も良かった応援歌)として紹介されたもの。試合には行けなかった僕に、同じく93年からレッズを応援している友人が、シドニー帰りの土産話のひとつとして帰国後真っ先に教えてくれたのだ。
無論、これはレッズファンの歌ではなく、Sydney FCのファンが休み無く歌い続けている数千人のレッズファンに対して歌ったもの。「お前らは単にカラオケ歌っているだけだ」という日本最大の娯楽のひとつにかけた、実に皮肉たっぷりの1曲だ。恐らくその場で誰かが即興で作ってスタンド中に広がったものだろう。
欧州に仕事でずっと在住していて、Sunderlandの熱烈なファンでもある彼と、かれこれもう10年以上West Hamを応援してきている僕にとって、オーストラリアのファンがそんな英国的なウィットにとんだチャントを作り出すなどというのは正直予想外だった。友人曰く、雰囲気はほとんどイギリスでアウェーの試合と変わらないものだったという。
イギリス人の友人達、そして、長年イギリスのチームを応援してアウェーの試合までものこのこ日本から参戦するような日本人の友人達といつも話題になるのが、「日本と海外のファンカルチャーの大きな違い」だ。
Sydney FCのチャントはそれを実に如実に表しているなと感じた。
先日の浦和レッズ v 鹿島アントラーズ戦で試合前に現れた「F*ck Reds」の絵文字に憤慨する日本のファン。確かに日本の社会では許され難い行為である。しかしながら、そのJリーグのファン達が盛んに真似をしている欧州のファン達が歌っているチャントの内容は、時にとてつもなく相手ファン、チームに対して屈辱的、攻撃的なものであったりする。
我がHammersを裏切って出て行ったDefoeが今シーズン、West Hamの本拠地Upton ParkにTottenhamの一員として戻ってきた時、Bobby Moore Lower(ゴール裏の下段のスタンド)から発生した「Defoe, we hope you die you c*nt」(死んじまえこの****野郎)、プレミアリーグの試合で主審の誤審があるとお約束で聞こえてくる「The referee is a wanker !」(イギリス英語でWankと言葉は自慰行為を表す)などなど、数え出したら切りがない。
近年すっかりプレミアリーグがメジャーになり、ChelseaやらManUやらのシャツは日本のあちらこちで見かけるようになった。しかし、大部分の人たちは、現地のファンカルチャーのことは知らないだろうし、それ以前に、そんなものには興味が無いだろう。
ただ、サッカー好きのイギリス人達、そしてFanzine(ファンが作るミニコミ誌)まで読み漁るマニアックな日本人とで意見が一致するのが、「このファンカルチャーの奥深さが無ければ、サッカーは絶対にここまで大きなスポーツになりえなかった」ことである。
このブログでは、そんなファンカルチャーに焦点をあてつつ、愛してやまない浦和レッズ、West Ham United、そして日本代表についてもフリースタイルで書いていければと考えている。
また、できればイギリスと日本以外の国のファンカルチャーについて詳しい人たちにもここで出会えたら嬉しい。きっと各国それぞれ面白い話がごまんとあることだろう、、。
さあ、Kick Off... C'mon you IRONS !!!
posted by fareasthammer |21:54 |
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