2009年03月10日

England Away

という小説を読んだ。John King著の、「Football Factory」、「Headhunters」に続く3部作の完結編である。内容は、巷にあふれるいわゆる「フーリガン本」とは一線を画したもの。第2次世界大戦の退役軍人で、今はLondonで隠居生活を送るおじいさん、そしてその孫であるChelseaファンの主人公Tommy Johnson、そしてその友人たちのそれぞれの視点から、物語が同時並行していくフィクション形式のお話だ。BerlinでのGermany v Englandを観戦するため、渡航禁止令を破って、フェリーでオランダに渡り、陸路Berlinを目指すChelseaのフーリガンのメンバーたちに、Londonの狭いフラットにてドイツ軍と戦った時の生々しい思い出にふける老人の回顧録。本物の戦争と、お遊びな戦争との絶妙なコントラスト。

 小説を伝わって通じてくるのは、日本ではまずお目にかからないイギリスの労働者階級独特の思想と文化。第2時世界大戦や北アイルランド紛争を通じて生まれてくる他国への憎しみと偏見、上流階級の人間に対しての‘Us and them’のスピリット、男らしさを前面に出さないと生きていけないタフな生活環境、過去に世界を統治したイングランドという国への強固な忠誠心と誇り、そして閉ざされたコミュニティーの中で固まりよそ者を毛嫌いする風潮。

 この労働者階級に支えられてきたスポーツこそがサッカーであり、その中で必然的に生まれてきてしまった種族がフーリガンである。

 無論イングランドの労働者階級が全て上述のような偏屈な人間たちであるということでは決して無い。現に僕が一緒にサッカーをしたり飲み歩いている連中は、ほぼ全員労働者階級出身である。大部分は、極めて気さくな奴らだ。しかしながら、彼らの中に「偏屈な労働者階級像」がちらつく時がどうしてもある。パブで、昔々のサッカー場での乱闘の話になると、誰もが目を輝かせて飛びついてくる時などその典型であろう。そして何故Tottenhamが嫌いなのかを熱弁する姿にも(ちなみにRacialな理由では無いので悪しからず)。

角度を変えて、Jリーグを見てみよう。

 サッカーは、どうしてもファン同士が熱くなってしまうスポーツである。日本のJリーグでも、ごくまれに「持っているハンドバック同士をぶつけ合う程度」(イギリス英語にこのような面白い表現があるのだ)の騒ぎは起こった。  
 しかしながら、僕が長い間スタジアムに足を運んでいる中で、誰かが人を「殴った」というシーンは見たことがない。マスコミが「浦和フーリガン」と大騒ぎをした94年の横山監督辞任を求めての抗議行動に、95年のシジマール追っかけ事件。前者は「このままではチームが駄目になる」と必死の思いでグランドに飛び込んだファンがほとんどだったし、後者はあれだけ試合中ホームファンを挑発しているキーパーにも大きな非があったし、第一誰もかすり傷さえも負っていない。まあ後者に関しては、ファンは反省すべきことであるには変わりないが。

 日本人には、隣町に対する憎しみもなければ、組織的に街の建造物を破壊しようなどという思いは微塵たりともない。ゴール裏でいきがっている若者ですら、本当は喧嘩すらほとんどしたこと無いのが現実だろう。君が代が流れると、アドレナリンが沸き立つどころか、学校で習った歴史を思い出し、申し訳ない気分になる。我々は、戦争から長い時間を経た今、暴力を嫌い、平和を好む民族と変貌を遂げた。

 England Awayに書かれていた、そして僕の知っているイギリス人の労働者階級とはある意味対極の人種である。

 僕は、日本にはフーリガンが生まれる土壌がないと確信している。England Awayを読んだあと、その思いはより確固たるものになった。スタジアムが、「欧州並みに危険」になることなど、マスコミの妄想、もしくは新聞を売ろうとする策略としか思えない。
 日本のゴール裏では、多くのファンたちがイタリアのUltraの真似をしている。しかしながら、England Awayで登場したおじいさんが、フーリガンは「戦争ごっこ」をしているだけと思っているように、日本のゴール裏は「フーリガンごっこ」をしているにならない。

 サッカーはどうしても熱くなってしまうスポーツである。時にペットボトルの一つや二つが飛んでくることもあるし、少し好戦的なバナーが登場することもある。しかしながら、それは単に感情があまりに高ぶってしまった結果か、「フーリガンごっこ」の一部であって、決して日本が欧州化する前兆ではない。むしろそれにJリーグ、クラブや周りのファンが過剰に反応することで、スタジアムが「冷めてしまう」ことを懸念すべきではないか。元気の有り余った若者は、多少多めに見てあげないと。放っておくと、彼らがそのうち、ナイフを持ってアウェーの韓国に乗り込んで、南大門広場で、君が代を合唱しだすのか?I don’t think so…

 フーリガニズムを肯定する気はない。特に彼らが、パブや商店を破壊するなど、一般人へ被害を及ぼす場合はなおさらだ。HeyselとHillsboroughは、フーリガニズムが間接的であろうと、大勢の人を殺してしまった最大の悲劇であり、2度と起こってはならない。フーリガンがフーリガン同士でぶん殴りあいするだけなら大いに結構だが。
 
 ちなみに、England Awayは残念ながら日本語訳は出ていないようだ。しかしながら、Football Factoryの映画版、「フットボールファクトリー」は日本でもDVDで発売されている。ご興味のある方はTsutayaへGo。僕がJリーグのなんちゃってUltraとは全く異なる世界であると言っていることが良く分かるかと。

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2009年02月24日

イギリス下部リーグのちょっと良い話(?)

 4ヶ月にわたるWest Hamのアウェー不敗記録が、Boltonごときに終わらされてしまった暗黒の週末、久々に本棚を整理していたところ、大昔買った「Football Fans Guide」というイギリスのプロ92チームのスタジアム周辺のパブ情報や、行き方などが網羅されたガイドブックが埃まみれになって出てきた。懐かしさに思わず読み入ってしまったのだが、そんな中、目についたこれまた懐かしい話。ここでご紹介を。

 ご存じない方がほとんどだと思うが、イギリスの北ヨークシャーにScarboroughという小さな海辺のリゾートタウンがある。僕も大昔の学生時代に、暇を持て余して何の期待も無しに一人で訪れたことがある。とてもコンパクトかつ綺麗な町で、今でもイギリスの中で、最も思い出に残っている場所のひとつだ。

 ここにScarborough FCというやはり小さなサッカーチームが存在している。いまや、破産してConference Northというとてつもなく下のリーグにいるこのチームも、当時はプロリーグに属していたのだ。そのガイドの中で触れられていたのは、このチームの変わったシーズンチケットホルダーの話。何が変わっているかと言うと、このシーズンチケットホルダー、なんとSandyという名の犬だったのである。飼い主が、Scarboroughではちょっとした有名人の、イラストレーターのScarboroughファンのおじいさんで、雨の日も風の日も、Sandyはこの飼い主とともに、毎試合チームのカラーの服を身にまとって、なんと自分専用の席にちょこんと座って90分間を過ごしていたとのこと。

 当然ファンたちの間でも、この犬は大人気者で、やがてチームの愛称自体が、Seadogとなるほど。ファンジン(各クラブのファンが自主的に作っている同人誌のようなもので、オフィシャルプログラムのように試合ごとに発行され、スタジアムの外で売られている)のタイトルも、’The Seadog bites back’というもので、必然とチームの実質上のマスコットとなった。

 95/96シーズン、Scarboroughは、4部リーグでビリから2番目という最悪な結果となる。しかしながら、そのシーズンでファンが最も悲しんだことは、実はチームの成績ではなかったという。Sandyの死であったのだ。

 反響のあまりの大きさに心を動かされた飼い主は、その後、保健所にいき、2代目のシーズンチケットドッグを発掘、その後も2代目Honeyは1代目のあとを次いで、飼い主とともにSandyの席に座ってチームの成り行きを見守っていたらしい(ちなみにインターネットで検索したところ、この飼い主のおじいさんは既に亡くなっていた。犬の行方もわからずじまいであった)。

 サッカーをあくまで「スポーツ」としてしか捉えない大多数の方々には、「だから何?」的な話だろうが、僕はこんなほのぼのさ、そして地域のコミュニティーの暖かさが感じられることが、イギリスのサッカーが好きになった理由のひとつだったりする。日本のサッカー場だったら、「保健所の許可が下りない」の一言で犬など入れてくれないだろうに、、。


 

posted by fareasthammer |22:39 | ファンカルチャー | コメント(3) | トラックバック(1)
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2008年10月26日

Sunderland 2 - 1 Newcastle

 浦和の今シーズンの見所は、毎年恒例の愛媛FC相手の天皇杯緒戦敗退を残すのみ、第2のLeeds United 、West Hamも1月の選手大売出しの後Championshipへの道まっしぐら、日本代表も選手達はどうやら南アフリカへの長距離フライトがお気に召さないご様子と、応援している3チームともお先真っ暗な現状である。しかたなくSunderland v Newcastleの試合をまったりと観戦。

 しかし、これが非常に好ゲームで、久々にニュートラルの試合で熱くさせられた、、。

 ご存知の通り、イギリスの北東部、Tyne and Wearにあるこの2都市のライバル心は生半可なものではない。良く日本では、Sunderland、Newcastle、Middlesbroughの3チームが絡む試合がNorth East Derbyなどと紹介されているが、Boroはどちらかというとこの2チームの眼中にはない。よって、Arsenal、SpursとChelseaもしくはWest Hamの関係に良く似ていると言えよう(ArsenalとSpursのライバル関係もそれは恐ろしいもので、Chelsea、West Hamともにある意味「羨ましがる」ほどである)。

 SunderlandとNewcastleのライバル関係は、1600年代までさかのぼるらしい。当時、北東部の石炭をトレーディングする権利を当時の国王CharlesがSunderlandではなく、Newcastleに渡したことから、Sunderlandではアンチ英国王室の感情が大きくなり、王室派のNewcastleとの関係は悪化していく。やがて、イギリスで起こった内戦で、Newcastleは英国側の拠点、Sunderlandはスコットランドからのアンチ英国王室派の拠点となり真っ向に衝突。その後、英国側が完全に同地域を掌握すると共に、Newcastleを優遇する政策を取り続けたという。

 20世紀に後半に入って、Tyne and Wearという一つのCountyに統一された後も、空港はNewcastle側に建設、地下鉄の建設もしばらくはNewcastle一帯のみ、ということで、Sunderland側の「我々の税金が全てNewcastleの発展に使われている」という感情はくすぶっていたようだ。

 当然、現在では、日常生活においては昔ほどの際立ったほどの敵対心はGeordie(Necastle人のこと)とMackem(Sunderlandの人のこと)の間には見られないものの、彼らのDNAに埋め込まれた古代の記憶を呼び起こさせる唯一の機会がサッカーの試合という訳である。

 70年代以降は、両チームのファンが試合毎に衝突、2000年には、フェリーの上であらかじめアレンジされた決闘スタイルの大クラッシュをし、近年では最悪の部類に入る怪我人の数を出した。2006年のDerbyでは逮捕者27人で、「最もトラブルフリーなDerby」と称賛されたほどである(苦笑)。

 今日の試合も、散々アナウンサーが言っていたが、とにかく観客のNoiseのレベルは半端ではなかった。恐らく、強風のため、サッカーの質としてはどちらかというとPoorであったかもしれない。しかし、本当のDerbyとなると、はっきり言って、サッカーの質など関係ない。ただただ、憎き相手チームを倒し、翌週月曜日から相手チームのシーズンチケットを持っている同僚をオフィスで丸々1週間馬鹿にし続ける権利を得ようと、ファンは必死なのである。

 僕がWest Hamを応援するきっかけとなったのも、Spurs相手のDerbyであった。同じく風が吹き荒れる2月のMonday Night Game、Hammersにとって、Millwallに次ぐ大敵との試合をシーソーゲームを4-3でものにし、2ヶ月ぶりの勝利を手に入れたのだった。

 今日のTyneside Derbyを見ていて、大昔のあの記憶が蘇えってきた。こめかみに血管を浮かべながらチームを鼓舞し、全く座ろうとしない観客(プレミアリーグでは、試合中の着席が義務付けられており、これに違反を続けるとシーズンチケット没収、試合立ち入り禁止などの厳しい処置がとられる場合がある)、それに答えようと必死にタックルをかます選手達、自分達のゴールの瞬間の狂喜乱舞、相手ゴールの際のホームエンドに訪れる完全な静寂。あの瞬間、2月のくそ寒いUpton ParkのEast Standで、僕はこのスポーツが何故世界で一番人気のあるスポーツなのかを初めて理解し、同時にWest Hamの虜となったのだ。
 
 ちなみに今日の試合では、両チームのファンは、ほとんどチャントを歌っていなかった。ましてや、2-1で負けているNewcastleのファンなど、普段あれだけうるさい連中が、ただただ悲痛な面持ちで頭を抱えているだけだった。普通試合に熱中したら、のんきに歌など歌ってられないのが自然ではなかろうか、、。

 Sunderland v Newcastle。「何故自分がここまでサッカーを好きになったのか」を再認識させられる好試合であった。

 一方で、同時に考えさせられたのが、自国での現状。殆どの日本人の「自称サッカーファン」、サッカーライター達には理解できないこのエクストリームな感情。しかし、ブラジルだろうと、ドイツだろうと、イギリスだろうと、サッカー先進国のファンには必ずあるこの共通理解。

 俊輔のセットプレーがどうだ、やれ4-4-2ではなく4-3-2-1だ、試合中延々と歌い続ける「おー、ばもにいっぽーん」も結構だが、結局のところサッカーがなぜ「People’s game」と呼ばれているのかをいまだに理解できないようなこの国に対しての危機感は募る一方だ。プロリーグ発足後、16年が経とうとしている日本のサッカー。一体今後どんな方向に進んでいくのだろうか。

posted by fareasthammer |00:17 | ファンカルチャー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年10月08日

G大阪 v 浦和 試合後の雑感

 まずは、堂々と「大阪 v 浦和戦 Liveで放送」とHPで謳っておきながら、行ってみたらKick Off 時間を大幅に過ぎた時間までPrivate Partyで、「一般のお客立ち入り禁止」となっていたFoonik大崎店に最大の賛辞を送りたい。挙句の果てに、試合が始まってもスカパーで契約しているパッケージをミスったのか、一切試合がスクリーンに映し出されないおまけつき。開始時間早々に危機を感じ取って恵比寿の本店に移ったものの、やっと着いたのは見事細貝のゴール後。あの後、大崎店では試合は観れたのだろうか、、?
 Footnikのキャッチフレーズは「Respect for all football fans」。96年の高田馬場でのOpen以来、何百パイントを消費し、ずっと懇意にしてきたPubに、最高の贈り物を頂いた気分だ。
 日本以外のサッカー先進国だったら、今頃Pub自体、完全に跡形も無くなっていた事だろう。

 試合自体は、途中からの観戦だったものの、全体的にはよく1-1で逃げ切れたと思わざるを得ない。月曜8時のドラマに出るジャニーズ所属の15歳の少年並みの名演技に笛を吹いた中東の審判には参ったが、冷静に見て1-3で負けてもおかしくない内容だっただろう。あのまま1-0で逃げ切って、少し精神的に余裕を持ってReturn Legに望むより、むしろこちらのほうが気が引き締まって良いのでは、とポジティブに捉えたい。坪井もすっかり千葉戦の汚名を返上してくれたし、心配していた万博の観客動員も、阪神と巨人の大一番が同時刻であるにもかかわらずしっかりと満員。

 とまあ、何気に良い気分で自宅に戻り、早速ニュースステーションを見てみる。試合のハイライトは恐らく30秒くらいだっただろうか?イギリスで言えば、Champions LeagueのSemi Finalで、ManUとArsenalが当たるようなもの。あまりのあっさりな扱いにあっけに取られる。続けて、本日のメインイベント、巨人 v 阪神。長い時間をかけて映し出される試合のハイライトに超満員の東京ドームで真剣に試合を見入る観客の姿。そして敗れた阪神の外野スタンドから投げ込まれた多数のメガホン。残念ながら、サッカーは日本ではマイナースポーツであるという事実をいやがおうに思い知らされる。

 恐らく明日会社では、にたにたした巨人ファンのおじさんが、暗い顔をした関西弁のおじさんに楽しそうに話しかける場面があちらこちらで見られることだろう。一方で、会社には、熱狂的なガンバ大阪のファンはおろか、浦和ファンすらおらず、昨夜、何も無かったかのように一日が過ぎることだろう。

 15年が経ったJリーグ。観客動員数自体、伸びているものの、やはりファン文化という面では、プロ野球の足元にも及ばない。この国で野球ファンとして生まれてこなかったことを少し悔やむと共に、なぜ自分がここまでイギリスのサッカーにのめり込むのかを再認識した夜であった。

posted by fareasthammer |23:17 | ファンカルチャー | コメント(4) | トラックバック(1)
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2008年07月14日

Jリーグでのブーイング

 大分 v 浦和の試合で、一点非常に不愉快に思った点をふと思い出した。試合前の大分の選手紹介での鈴木慎吾と小林への浦和ファンからのブーイングである。
 ご存知のとおり、Jリーグのファンのほとんどは、「元」自チームの選手へは無差別にブーイングする傾向にある。これはには昔から辟易していたが、今回、鈴木という、浦和ユース出身かつ、埼玉の吹上出身の選手に対しての(いつも通りの)ブーイングには、改めて頭を抱えたくなった。
 確かに、移籍後は古巣相手によくゴールを決める選手である。しかしながら、本人は埼玉出身かつ、山瀬のように、フロントの制止を押し切って、自分の意思で出て行った訳ではなく、無念ながらも戦力外通告を受け、浦和を去っていったのだ。

 ちなみに、イギリスでは、元自チームの選手が古巣のスタジアムに戻ってきた時にブーイングを受けるかどうかは、基本的には「出方」、「出た後のコメント」、「その選手の出身地」といった要素が関ってくる。
 例えば、不本意ながらWest Hamを去って、Leicesterに渡ったTony Cottee(その後West Hamには戻ってきたが)が、Leicesterの一員として、Upton Parkに戻ってきた際には、場内は割れんばかりの拍手に包まれ、彼がゴールをした時には、同じくらいの拍手がWest Hamファンから起こった。
 また、Rio Ferdinandなどは、West HamからLeedsに移籍が決まり、最後の練習を終えた際に、泣きながらグランドを後にしたという逸話から、今でもWest Hamファンからは拍手を受けている。
 もっと最近の話では、Carlos Tevezなどは、West Hamに戻ってきた最初の試合では、試合前の選手紹介のアナウンスのあと、1分間のStanding Ovationと「There's only one Carlos Tevez !」の大合唱がWest Hamの本拠地Upton Parkを包んだ。ちなみに僕はその試合を観にいっていたのだが、お蔭様でTevezはすっかり闘争心を失ってしまい、54分でベンチに下げられる姿を目の当たりにした。

 一方で、Paul Ince、Dofoe、Lampardなどは、出方(InceとDefoe)と出た後のコメント(Lampard)のせいで、ありとあらゆる罵声を浴びせられている。これに関しては、当然の仕打ちだと思わざるを得ない。

 よって、僕は山瀬に対しては、喜んで罵声を浴びせるわけだが、それ以外の、泣く泣く浦和を去っていった選手たち、特に同郷の埼玉出身の選手には、必ず暖かい拍手を送るように心がけている(スタジアムでこれをしているのは、僕と僕の友人だけのような気がしてならないが、、)。

 そして、単に相手が後ろでまわしている時の不必要なブーイング、そして、そのブーイングも自然発生ではなく、太鼓の合図と共に始まったりする。

 どこのリーグから学んだことなのかは知らないが、目の当たりにするとどれもこれも極めて気分が悪くなる。何とかならないだろうか?

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posted by fareasthammer |23:14 | ファンカルチャー | コメント(15) | トラックバック(0)
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2008年05月31日

FIFA クラブワールドカップジャパン

 来年度からとりあえず2年間UAEでの開催が決まったそうだが、とてもリーズナブルな決定と喜んでいたりする。

 昔「トヨタカップ」という言葉には、特別な響きがあった。僕が小学生の頃など、テレビにサッカーがあふれている今とは違い、南米、欧州のサッカーに触れられる唯一のチャンスは12chのダイアモンドサッカーとこの大会だけであった。
 あの黄色い国立の芝、そして(一体全体なんでああなったのかは知らないが)いっせいに吹かれるサッカーホーン、ゴールが取り消されてふて腐れるプラティニやら、Liverpoolを破ったインディペンディエンテの黒髪の若造のゴールなど、今でも記憶に残っている(今思うとばかばかしいが、、、)。

 もうひとつ良かったのは、当時、海外サッカーなどに興味のある人間はほんとうにごく一部で、トヨタカップというと、そのマイノリティーたちが「聖地」国立に集合し、一流のプレーに「ウー」やら「アー」やら感嘆の唸りをあげる場所だったことだろう(これも今となるとばかばかしいが、、、)。

 なにはともあれ、当時、この大会には、独特なオーラがかかっていたわけである。少なくとも自分の中では。

 ところが、J-Leagueが開幕し、サッカーが若年層の間で、あっという間にNo1.スポーツになり、やがてスカパーやらWOWWOWでどんどん海外のサッカーが流れ込んでくるようになった。オフシーズンには、海外のトップクラブがマーケティング活動の一環で、時差ぼけでサッカーどころではない選手たちを無理やり連れてくることが日常的になった。

 そんな中、名前とフォーマットを変えて毎年だらだらと開催される同大会。明らかにやる気のない欧州のクラブに、聞いたこともないような無名のクラブ。そして、極めつけは、J-Leagueの試合でもそこかしこで見られるヒールパスや、ボレーシュートにも「おー!」「すげー!」と感嘆の声を上げる自称‘AC Milanサポーター’達(ManUサポーター、Barcelonaサポーターに毎年姿を変えるらしい)が埋め尽くすスタンドだ(トヨタカップの伝統を引き継いでいると言われればそれまでなのだが)。

 もうこんなものはいらん。精神衛生上よろしくない。第一、UAEで開催のほうが、欧州のファンは現地に行きやすくなり、注目度は上がるだろうし、何よりも来年から浦和がACLに勝てば、「Dubaiへの1週間のホリデー」が確約されるわけで、より応援にも力が入るというわけだ(結局ここが一番の理由なのだが)。

 選手がフィギュア人形程度にしか見えない日産スタジアムで、「J-Leagueなんてレベル低くて見れたもんじゃないよ」とうんちくをたれるManUのシャツを着たオケラどもの隣で試合を観のと、暖かいDubaiの近代的なスタジアムで、2千人の浦和ファンの同志と共に、イギリスから駆けつけた2万人のChelseaファン相手に試合を観るのはどちらが魅力的だろう?

 まあ、今年は日本での開催ではあるが、ManUの参戦が決定しているので、それなりにACLには力が入るが、、。「エビスビール3本 900円。メインスタンドのチケット 18,000円。ManU 0 – 1 浦和レッズ Priceless」。まあ夢見すぎか。

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posted by fareasthammer |11:54 | ファンカルチャー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年05月19日

Celtic / Rangers

 イタリア人に「守備的すぎる」と批判されながらも(!)守備に徹してファイナルまで登りつめたRangersだが、最後の最後に屈してしまった(しかも最後の20分で)。相手が良く知らないロシアのチームだったこともあり、普段は必ずアンダードッグを応援する僕だが、今回は心情的にはRangersに勝って欲しかったりしていた。
 守備しかしないチームの代わりに、Manchesterの中心街に集まったRangersのファンたちは、攻撃に徹し、負傷者が42人にも登ったというのは皮肉な話だが、、。
 
 それにしてもこの2チームの毎年の争いだけは目が離せない。土曜の夜に寝つきが悪いときなど良くスコットランドリーグを見たものだが、Rangers v Celticだけは観ていてちゃんと目が覚めたものだ。Old Firmの意味も良く分からないが、全力でプレーしないとあとでファンにどやされることだけは知っていて必死に走り回る外国人選手達を見ているのも楽しみのひとつだ(わが国の伝家の宝刀も、やっとここに来て少しOld Firmで汗をかくようになったが)。
 
 とか言う自分も、Old Firm本当の意味など良くわかっていなかったりする。若い頃は、「いつか生でOld Firmを観戦したいものだ」などと思っていたが、少しずつ事情を知るにつれ、そんな気もうせてきた。イギリス人の友人達も良く言っているが、この2チームを取り巻く環境というのは、本当に複雑で、外部の人間には理解できない。

 ステレオタイプ的には、Celticは名前が示すとおり、カソリックのチームで、ファンたちは戸籍上スコットランド人(=イギリス人)でありながら、自分達はIrishであると考えていて、アイルランドの国旗を振り、IRA賛歌を歌っている。
 一方のRangersは、プロテスタントのチームで、ファンはスコットランド人でありながら、英国への帰属派であり、女王陛下が大好きで、Union Jackを振り回し、ローマ法王を侮辱する歌を歌う人たちと言ったところか。

 そして、北アイルランドでは、プロテスタントのエリアに行くと、Rangersのシャツをあちらこちらで見かけ、万が一間違えて、Rangersのシャツを着たまま壁の向こう側に行くと、大変な目に会うというのも良く聞く話だ(逆も然り)。確かに、大昔にCeltic v Dunfermlineを観に行ったときに、Parkheadの道沿いには何十台というバスがとまっていて、そのとき、「北アイルランドやらアイルランドからも相当のファンが毎試合観に来ているからだ」という説明を受けたことを覚えている。
 
 一方では、僕の友人の中にはGlasgow出身、プロテスタントと、ここまでならばいかにもRangersファンというバックグラウンドを持っていながら、「スコットランドを愛していて、イングランドが大嫌いなので、絶対にRangersのファンにはなれないし、かと言ってCelticはカソリックでIRA信奉者達の集まりだからCelticのファンにもなれない」という可哀想な奴がいる。しかし、彼曰く、Rangersファンの中にも、Scotland v EnglandになったらEnglandを応援するような輩がいる中で、Union Jackは大嫌いという類の人間もいるという。んー、よく分からん。

 いずれにせよ、最近は両チームとも、逆の宗派の選手を取ったり、宗教的な歌を歌うことを禁じたりと、過去の負のイメージの払拭にやっきのようだが、、。

 そうはいいつつも、割と最近IbroxでRangers v CelticをAway側(Celtic側)みてきた友人の体験談(1、売店でものを買おうとしたら、Celticファンから「毒が入っているからやめろ」と止められた。考えてみれば誰も売店に並んでいない、、。2、トイレではわざと便器を外して用を足している人たちがいた)などを聞くと、この憎悪が相当根強いことが伺い知れる。

 まあ、僕のようなよそ者は、テレビとネットで楽しんでいれば良いのだろう。Rangersは日本時間明日早朝、St Mirrenとの対戦後、最終節Aberdeen戦を迎える。一方のCelticはDundee Utdが最終戦。勝ち点差は3で、Rangersが1試合少ない状況。得失点差でCelticが優位に立っている。
 
 ちなみにAberdeenファンが一番嫌いなのが、Rangersだという話をWhen Saturday Comesで読んだ記憶がある。いずれにせよ、Rangersにとっては一気に奈落の底に突き落とされたようなシーズンの終盤戦だ。去年のJ-League終盤を思い出さざるを得ず、少しRangersに同情せざるを得ない、、(苦笑)。

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posted by fareasthammer |22:34 | ファンカルチャー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年05月07日

Sing when you're winning...「イギリスのChant」

さて、浦和は順風満帆に最下位相手に横綱相撲、かつWest HamもChelseaには絶対優勝させまい、との意気込みを感じさせてくれる1-4の見事な敗戦と、特に書くべきことがなさそうなので、前回に比べて少し軽い話題を、、。イギリスのChant(イギリスでサッカーの応援歌のこと)について思いつくままに書き出してみたい。

 ご存知の人も多いと思うが、イギリスの場合、メロディー自体は、そのクラブの独自の歌(例えばWest HamならばI’m forever blowing bubbles)以外は、どのクラブのファンも、Go West、Blue Moonなどをはじめとする定番のメロディーに合わせて歌う。よって、J-Leagueのファンのように、「最初にあの歌を使ったのはうちなのに、真似しやがって」などといういがみ合いはあまりない。

 決定的に違うのが歌詞の豊富さである。例えばGo Westなど例に取ると、何百通りものパターンがあったりする。いくつか挙げてみると、、

One Nil to the Cockney boys !
「1-0でCockney Boys(West Hamのこと)がリードしている」

You are shit, and you know you are! 
「お前らはへぼチーム/選手だ!」

Hartson, is a sheep shagger !
「Hartonは羊とやっている」 

Oh ah ! Eric Cantona!
(Eric Cantonaの応援)

2-0, and you fucked it up !
「2-0で勝っていたのに、全て台無しだ」

Le Seoux, takes it up to the a*se !
(訳は危なすぎて出来ません、、。ゲイだと思われている選手に向けられる歌)

などなど、きりが無い。

 一般的には歌詞でも、特定の選手のChantなど、Jリーグと同じような、あらかじめ決まったものと、わりと即興で作られるような季節もの的なものに大まかに分けられる。
当然面白いのが後者だ。僕はよく「イギリスの応援歌ってどうなの?」と聞かれると「川柳みたいな感じ」と答える。ユーモアのセンスがもとめられて、さらに韻を踏んでいたりした上で、特定のメロディーに乗せなければいけない。
 
 そして歌われ方はJ-Leagueやら他のリーグとは違い、太鼓無しで自然発生的(Spontaneous)にゴール裏だけではなく、スタンドのあちこちから起こる(テラスがあった時代はすこし違ったのだが)。
ちなみにSkyなどを見ていると、ファンが面白いチャントを歌いだすとアナウンサーが、取り上げたりもする。

 イギリスのファンが世界中のサッカーファンから尊敬の眼差しで見られる最も大きな理由だと思う。

 いくつか面白いものを、下記に思いつくままに挙げてみた。

・Rio Ferdinadがドーピングテストをすっぽかして、9ヶ月の出場停止の後にピッチに戻ってきた時に、相手側のファンが歌ったもの。

Pissed in the bottle, you should have pissed in the bottle ! 
「あの時にちゃんと容器に小便しておけば良かったのに!」

・3部まで落ちたMan Cityのファンが、Sheffield United相手にCoca Cola Cupでの敗戦のあと、「We hate Wednesday」の大合唱をするUnitedのファン(ライバルのSheffield Wednesdayのこと)に対し、即座に返した歌。

We hate Saturday, we hate Saturday
(イギリスではリーグ戦は基本的に土曜日に行われる)

・Britney Spearsが丸坊主にしたあと、スキンヘッドのKoncheskyに向かって。

Are you Britney, are you Britney, Are you Britney in disguise ?
「お前は変装したBritney Spearsなんじゃないのか?」

・チームメートの頭をゴルフのパターで殴ったCraig Bellamyへの応援歌。

Bellamy is a nutter, he’ll hit you with a putter. Lah lah lah lah !
「ベラミーは気違いだ。パターでお前の頭を殴るぞ!」(*NutterとPatterで韻を踏んでいる) 

・統合失調症であることを明かしたAndy Goramに対して、相手のファンが There’s only one Andy Goram(お前が一番だ)というチャントのパロディーで。

There's only two Andy Gorams.
「Andy Goramは二人いる」(多重人格症と統合失調症をごっちゃにしている、、?)

・West Hamのファンが、カメルーン代表のSong(非常にファンに嫌われていた)と歌の‘Song’をかけて延々と20分位歌い続ける。

  We've only got one Song、、、、、

 そう言えばJ-Leagueでも浦和レッズでCrazy Callsがゴール裏で仕切っていた時は、面白いChantがあったなあ。あの頃が懐かしい。  

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2008年04月27日

日本サッカーにおけるRivalry?

 ちょうどこのBlogを出張帰りでトランジットに寄ったシカゴの空港で書き終えた。仕事柄世界中を飛び回ることが多いのだが、サッカー好きかつ、アメリカのスポーツに一切興味のない自分にとって、アメリカ出張は結構厳しい。新聞を読んでもサッカーの記事は皆無、ホテルのケーブルでもサッカーは殆ど取り扱っていない。そしてもっと困るのが始めて会うアメリカ人お客さんとのIce Breakの話題である。せいぜい、映画、いくつかのテレビ番組程度しかアメリカ文化と触れる機会のない僕にとって、こちらの人と仕事以外で仲良くなるのは正直至難の業である。今回も、1週間で多くの人に会ってきたが、特に誰とも打ち解けることなく、しかも南部の英語のシャワーにあびて現在ほぼ脳死状態だ。

 東南アジアと欧州出張はその点僕にとってはやりやすい。特に欧州となると、どの国に行ってもほぼサッカーの話が通じる。一緒に仕事をしている人たちの中には、マドリッド在住かつReal Madridのシーズンチケットホルダー、30年来のLiverpoolファンだというノルウェー人、ManUファンの南アフリカ人とハンガリー人などなど多種多様だ。イギリスとなるともっと話はわかりやすい。僕の働いている会社のロンドン事務所には、Portsmouth、Liverpool、QPR、Arsenal、Ipswichといったチームのファンがごろごろいて、たいがい月曜日の電話は、サッカーの話題で始まったりする。

 東南アジアも、サッカーが町中に溢れている。タイに行けば市場でお決まりのChelsea、ManUやらの偽物のシャツが売られているし、シンガポールなど土曜の夜の繁華街を歩くと、ありとあらゆるBarでプレミアリーグの生放送をしている。去年休暇で行ったモルジブでは、ホテルの土産屋のおじさんがArsenal v ChelseaのCarling Cupの決勝を画面に食い入るように見ていた。(ちなみにアジアで人気なのはやはりLiverpoolとManUである。当然「Chelseaのファンだ」などという不遇の輩とも遭遇するが、得てして昔のChelseaのことや、そもそもサッカーのこと事態何も知らなかったりするので、こういうものはカウントしない、、。)

 欧州の人にとっても東南アジアの人にとっても、「筋金入りWest Hamファンの日本人」となるとそれなりにインパクトがあるらしく、殆どの人が一回会っただけで僕のことを覚えてくれているという大きな仕事上の利点もあったりする。

 おかげさまで、West Hamがそれぞれのチームと試合をして負けたときなど、翌日になると必ず「ざまあみやがれ」メールが飛んでくる。Liverpoolに0-4で負けたときなど、かなり長文のメールがうちのロンドン事務所のLiverpoolファンの若造から届いた。
当然こちらも応戦はする。昨年の12月28日には現地でWest Hamがお得意様ManUを2-1でいつも通りに叩き潰した試合を本拠地Upton ParkのEast Stand Upperから目撃したのだが、新年の仕事始めでで最初に打ったメールが、ManUファンの皆さんへの ’Happy New Year’メールだった。
 言うまでもなく、このやり取りは、友人レベルになるともっと過熱してくる。毎回TottenhamやらChelseaと当たるとき、必ずそのチームを応援している友人の顔が思い浮かぶ。残念ながらこの2チームとは最近相性がさっぱりなので、彼らのニタニタした表情しか浮かんでこないのだが、、。

 日本でもこうなってくれれば良いなといつも思っている。しかしながら、そもそも会社だろうとプライベートだろうと、日本人で浦和以外のJ-Leagueのチームを熱狂的に(かつ長期間に)応援している人と殆どあったことがない。かつて、会社の同僚で自称‘鹿島アントラーズのファン’(川崎在住で鹿島スタジアムには一度も行ったことがない)がいた。雨の埼玉スタジアムでロスタイムにエメルソンのダイビングへダーで浦和が2-2に追いつき、鹿島の優勝を拒むという、思い出すだけでも今でも恍惚の表情を浮かべてしまう出来事があったことも浦和のファンには記憶に新しいところだと思う。
 この試合の翌週に彼に会ったときにオブラートに包んで「ざまあみやがれ」攻撃をした。これが大失敗に終わった。日本的感覚ではきっと「浦和にとってはタイトルとは何も関係ない試合だったのに、悪いことをして申し訳ない」と謝りを入れるべきだったのだろう。今では彼とは会社であっても挨拶すらしない関係になってしまった。

 きっとプロ野球だったら、欧州的なライバル関係が存在するのだろうと思う。僕はよくは知らないが、きっと阪神ファンは、阪神が自分達の故郷を代表するチームだから誇りをもっていて、東京と、東京を代表するチームである巨人と、巨人のファン達が大嫌いで、巨人に勝ったときは同じく関西弁をしゃべる友達と、酒を飲みながら大いに巨人の悪口を言って盛り上がるのではないかと思う(これがまさに欧州のサッカーファン的な感覚であるが)。
 昔、今はなき近鉄バッファローズの超がつく熱狂的なファンが会社にいた。どうしようもなく僕とはあわない人で、仕事中何回も衝突をしたのだが、不思議とこの人はプロ野球に関しては僕と同じ感覚を持っていて、この話だけは盛り上がれた。彼は逆に、阪神タイガースと阪神タイガースのファンが大嫌いで、常に「阪神は本当の大阪のチームじゃない」と言い張っていた。本当だかどうだか知らないが、彼曰く、彼の周りのバッファローズファンはみんな同じ感覚だという。

 日本サッカーにもそんな日が来るのだろうか?20年後にはプロ野球と同じようなライバル関係が生まれるのだろうか?
 前回と同じ結びになってしまうが、可能性があるのなら、やはり浦和v 鹿島であろうと思うのだが。

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posted by fareasthammer |14:39 | ファンカルチャー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年04月19日

Sydney FCのチャント

 You're only singing Karaoke ! これはSydneyでのSydney FC v 浦和レッズの翌日、Sydney Timesだか何かの現地紙で、Best chant of the day(その日最も良かった応援歌)として紹介されたもの。試合には行けなかった僕に、同じく93年からレッズを応援している友人が、シドニー帰りの土産話のひとつとして帰国後真っ先に教えてくれたのだ。
 
 無論、これはレッズファンの歌ではなく、Sydney FCのファンが休み無く歌い続けている数千人のレッズファンに対して歌ったもの。「お前らは単にカラオケ歌っているだけだ」という日本最大の娯楽のひとつにかけた、実に皮肉たっぷりの1曲だ。恐らくその場で誰かが即興で作ってスタンド中に広がったものだろう。
 
 欧州に仕事でずっと在住していて、Sunderlandの熱烈なファンでもある彼と、かれこれもう10年以上West Hamを応援してきている僕にとって、オーストラリアのファンがそんな英国的なウィットにとんだチャントを作り出すなどというのは正直予想外だった。友人曰く、雰囲気はほとんどイギリスでアウェーの試合と変わらないものだったという。
イギリス人の友人達、そして、長年イギリスのチームを応援してアウェーの試合までものこのこ日本から参戦するような日本人の友人達といつも話題になるのが、「日本と海外のファンカルチャーの大きな違い」だ。

Sydney FCのチャントはそれを実に如実に表しているなと感じた。

 先日の浦和レッズ v 鹿島アントラーズ戦で試合前に現れた「F*ck Reds」の絵文字に憤慨する日本のファン。確かに日本の社会では許され難い行為である。しかしながら、そのJリーグのファン達が盛んに真似をしている欧州のファン達が歌っているチャントの内容は、時にとてつもなく相手ファン、チームに対して屈辱的、攻撃的なものであったりする。

 我がHammersを裏切って出て行ったDefoeが今シーズン、West Hamの本拠地Upton ParkにTottenhamの一員として戻ってきた時、Bobby Moore Lower(ゴール裏の下段のスタンド)から発生した「Defoe, we hope you die you c*nt」(死んじまえこの****野郎)、プレミアリーグの試合で主審の誤審があるとお約束で聞こえてくる「The referee is a wanker !」(イギリス英語でWankと言葉は自慰行為を表す)などなど、数え出したら切りがない。

 近年すっかりプレミアリーグがメジャーになり、ChelseaやらManUやらのシャツは日本のあちらこちで見かけるようになった。しかし、大部分の人たちは、現地のファンカルチャーのことは知らないだろうし、それ以前に、そんなものには興味が無いだろう。

 ただ、サッカー好きのイギリス人達、そしてFanzine(ファンが作るミニコミ誌)まで読み漁るマニアックな日本人とで意見が一致するのが、「このファンカルチャーの奥深さが無ければ、サッカーは絶対にここまで大きなスポーツになりえなかった」ことである。

 このブログでは、そんなファンカルチャーに焦点をあてつつ、愛してやまない浦和レッズ、West Ham United、そして日本代表についてもフリースタイルで書いていければと考えている。

 また、できればイギリスと日本以外の国のファンカルチャーについて詳しい人たちにもここで出会えたら嬉しい。きっと各国それぞれ面白い話がごまんとあることだろう、、。

 さあ、Kick Off... C'mon you IRONS !!!

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posted by fareasthammer |21:54 | ファンカルチャー | コメント(2) | トラックバック(0)
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