2008年10月16日

日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現

 長ーい一日を終えて今帰宅。何度も歩いた埼スタから美園への道のりだが、今日は、いつまでたっても辿り着かないかのように感じた。スタジアムで目撃した風景に嬉しさがこみ上げ、その余韻に浸っていたせいだろうか。

 試合前、美園の駅に着いた瞬間、目に入ってくるおびただしい若いカップル達と女の子の集団の姿。最後までディ○ニーランドのアフター6にいくか、日本代表の内田君に黄色い声援を送るか迷った挙句、こちらに来てくれたのだろうか。これから始まる真のエンターテイメントを前に笑顔が耐えない。日本サッカー協会が夢描いた姿がここに実現しつつあるのだ。「世界一安全なスタジアム」構想。
 あとは、選手の起用方法に不満の声を上げたり、敗戦後に悔しさのあまり空のペットボトルをスタジアムに投げ込むようなごく一部の凶悪フーリガンを排除するだけだ。ぜひJリーグ、サッカー教会、そしてサッカーにエンターテイメント性だけを求める最優良のファン達が力を合わせて、こうした極悪ファンをスタジアムから締め出せる日々を待つだけである。

 スタジアムの外では、等身大の日本代表の選手達が写った、大きな写真が飾ってある。女性、子供、カップル達が、列を作ってその前で記念写真を取っている。ジャニー○のコンサートの前にもこのような気の効いた演出があるのだろうか?「ホーム緒戦は絶対に落とせないぞ」などと過度に緊張した一部のファンたちも、これを見ると思わず笑みがこぼれてしまい、戦意も喪失する。これが、よりスタンドでのフレンドリーな雰囲気を作り出すことに間接的に寄与していることだろう。こんなところにもサッカー協会の絶え間ない努力が伺える。

 スタジアムに入ると、試合前のTulioのメッセージ映像に、スタジアムから暖かい笑い声が起きる。きっと彼の長髪があまりにチャーミングだったのだろう。憎らしい演出だ。
国歌斉唱では、和田アキ子の登場だ。結果としてスタジアムで本日最大の歓声が沸きおこる。
 これから始まるTulio、俊輔の夢の祭典を前に会場のボルテージは一気に上がる。

 試合開始と共に、ゴール裏からは、ノンストップで、98年W杯予選からの定番、「おー、ばもにっぽーん」のコールが延々と流れる。大きな試合にしか足を運ばないような家族連れ、カップル達も一緒に歌えるような素晴らしい配慮である。残念なことに、前のカップルは、「ばも」の部分が聞き取れないらしく、手拍子を繰り返すだけであった。今後は、ファンの声援に合わせて、歌詞をスクリーンに映し出すような配慮を、サッカー協会に提案してみようと思う。横浜マリノスの「今のはオフサイドです」表示の素晴らしい前例もあるだけに、期待は持てるだろう。

 予想外の失点に会場の半分は笑顔で「あー」と残念そうな声を上げる。恐らくドーハの悲劇、ジョホールバルの喜劇を生で体験したであろう年齢層やや上の「自称ハードコアサッカーファン」達は顔を凍りつかせてしまうが、明らかにこれは時代の流れに逆行している。ついつい、お茶目に不用意なパスミスを繰り返す中澤に大声で野次を入れてしまい、前のカップルに冷たい視線を浴びる。もしや自分も浦和レッズに少数だけ生き残っているフーリガン一味だと思われてしまったのかもしれない。強烈な自責の念が湧き上がる。

 ゴール前では全く怖さはないものの、中盤で綺麗にパスをつなぐ日本代表に、1点ビハインドのものの、スタジアムはポジティブな雰囲気に包まれる。あと少しで届かなかった内田からのクロス(長谷部だっただろうか?)にも、笑顔で拍手。
 やがて訪れる同点弾には、和田アキ子登場時に負けずとも劣らない拍手が沸き起こる。8月にかみさんを連れて出かけた横浜港の花火大会で、最後に打ち上げられた巨大花火に拍手喝采する観客を思い出す。ついつい友人と、ガッツポーズを繰り返してしまうが、あまりのオーバーリアクションに周りから再び冷たい視線が浴びせられる。もしかしたら、ゴールの瞬間に立ち上がってしまったため、後ろの人はゴールシーンが見えなかったかもしれない。最後の花火のシーンで、視界をさえぎってしまったら、それを楽しみにして花火大会に来た人たちはどう思うだろうか。
 友人達も僕も、ゴールの瞬間には既に立ち上がっているというきわめて周りにははた迷惑な悪い癖がある。

「たかだか、スポーツ。別にワールドカップに出れなくたって、大事ではない」。そうした風潮をもう少し頭に入れてから今後は試合に臨み、決して他人に迷惑をかけまい、と堅く心に誓う。

 残り10分で上がりっぱなしのTulioに大きな拍手が上がる。これぞ観客が待ち望んでいた真のエンターテイメントである。ロングボールがTulioめがけて上がるたびに、ビッグさんダーマウンテンが急降下する直前のような楽しそうな悲鳴があがる。Tulioを初めとする選手たちも、選手冥利に尽きることだろう。
 今は、98年の予選の時のような、欧州ばりの殺伐とした雰囲気もなし、審判に対して物を投げ込むような不遇の輩も皆無、何よりも選手バスを取り囲んで物を投げつけるようなMillwallファン顔負けのネアンデルタール人達は絶滅したのだ。
 まさにブルーヘブン。不必要なプレッシャーのない中で、ぜひ思う存分自己表現をし続けて欲しい。

 試合は残念ながら1-1のまま終了。ぞろぞろと美園の駅に向かう集団の中には、我々のようにため息をつきながら下を向いてあるく人たちもたぶんにみかけられる。しかしながら、若い世代のファン達は、「今日残念だったけど、いい試合だったね」と軽やかな足取りで家路についている。まさにこのポジティブ思考こそ、ドーハ世代は、「メキシコの青い空」世代が学ぶべき姿勢である。

 97年でのウズベキスタンとのホームでは6-3の勝利。恐ろしいほどの殺気に包まれていた当時だからこそ出来た芸当なのだろうが、1-1という結果は、世界が羨ましがるスタジアムを作り上げた代償としては、小さいものである。

 本予選では、オーストラリア、ウズベキスタンと言った、きわめて好戦的なホームファンがいるアウェーの試合がある。きっと彼らは、人種差別的な発言、投石などで日本のファンを迎え入れることだろう。それに対しては、素晴らしいマナーを持ち合わせたファン達は、「Oi you Jap C*nts !」などと罵声を浴びせられたら、それに対してはぜひ深々と笑顔でおじぎをするなど、日本のサッカー文化がいかに優れているかを見せつけるべきだろう。

 所詮サッカーはスポーツ。日本がワールドカップに出れなくとも、Kaka、Ronaldino、Lampardなどのスター選手たちが代わりに僕らを楽しませてくれるだろう。そんな気持ちで今後のワールドカップ予選を観戦していくべきなのだろう。古い考えは捨てなければ。進化あるのみである。

posted by fareasthammer |00:27 | 日本代表 | コメント(8) | トラックバック(1)
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2008年09月07日

Bahrain 2 v 3 Japan

 やはりキーは俊輔からのセットプレーであった。目の覚めるような低い弾道の弾丸フリーキック。しかも前半の早いうち。あれで一気に試合前に必要以上に立ち込めていた暗雲は消えていった。

 African Cup of Nationsの会場と見誤ってしまうほどのひどいスタジアム、屋台ラーメン屋のチャラメルが壊れたような音色の笛、60人しか駆けつけなかった日本からのサポーター(浦和レッズのACLの試合よりも少ない)、相変わらず気合が入りすぎて暑苦しい松木の解説、主審とラインズマンの一人が、マレーシア系シンガポール人(=ムスリム)であることなど、試合開始前には、確かに嫌な空気は感じられた。

 しかし、試合開始後に、意外と中盤までのパス回しが上手く行っていること、全体的に選手が動けていること、内田が右サイドで良い突破を試みるなど、ポジティブムードが漂う。バーレーンも、効果的なロングボールは出せず、たまに出たとしても、Tulio、中澤は難なく対処。俊輔のゴールの後も、日本ペースで試合は続き、前半終了間際には、ややラッキーなPKを得る。一瞬、俊輔がスポットに向かうかに見え、凍りついたが、遠藤にボールを渡し、一安心。恐らく自身ののキャリアの中で、数回しかペナルティーをミスしたことがない(?)遠藤が難なく決めて0-2!

 バーレーン国営放送作成の映像だかどうだか知らないが、3日前に撮影チームが結成されたのか、それともチーム全員が食中毒にかかったのか、あまりにひどいカメラワークに、ハーフタイム中に、やや乗り物酔いの感覚を覚えていることに気づく。

 後半開始後、スタンドからマイクで激しいMCが繰り広げられ、BBCワールドでよく見る、パキスタンのイスラム過激派リーダーがモスクで「Death to America!」と叫んでいるシーンを思い出し、ぞっとする。国内のバレーボールなども、「せーの、ニッポン、チャチャチャ」でなく、こんな威圧的な威圧的なMCなどしてみてはどうだろうか?

 日本選手もさすがにこれには威圧されたかのように、主導権を徐々にバーレーンに渡してしまう。しかし、昨日は、DF陣だけではなく、長谷部、遠藤は良く相手の攻撃の芽を摘んでいたと思う。特に、ドイツに渡った長谷部は、Jリーグにいた頃よりも、一歩も二歩も早い段階で相手MFに詰めていて、成長振りを感じさせてくれた。Jリーグでは、ほぼ飛んでこないMFからの早いミドルレンジのシュート、この予選ではバーレーンが時折見せたように、今後も注意が必要なだけに、彼の成長は頼もしい限り。

 と、自国リーグの長距離からのシュートのなさにやや憤りを感じ始めた直後、フロンターレ川崎所属の憲剛の矢のようなミドルシュートが突き刺さる。お見事。あれが俊輔、遠藤、長谷部あたりがもっと最初から打てればバーレーンのDF陣ももう少し引き寄せられたろうし、玉田、達也にも多少スペースが出来て、仕事がやりやすくなっただろうに。ウズベキスタン戦、先発がほぼ確定した憲剛に期待。

 当然ながら最後の2失点には、ひやひやさせられた。あそこで同点にされてしまっては、緒戦からW Cup行きはほぼ絶望であっただろう。1失点目は内田がA級戦犯だった。前半あれだけ良い攻めを見せていただけに残念。2失点目は、Tulio4割、楢崎6割といったところか?得失点差的には、もしかしたら後でボディーブローのように利いてくるかもしれない。が、今日のところは、選手達、特にW杯予選を経験していない内田などの若い選手には良いレッスンになったとポジティブに捉えたい。 何せ緒戦のアウェーで、苦手チーム相手に勝ち点3をもぎ取ったのだから。

 不安材料はある。切り崩せた形の少なさ。クロスの精度。ボール試合率が高かった割にはFW陣があまりシュートまで持っていけていないという事実。やはり高さのあるDF相手には、意外と効果的でなかった俊輔のセットプレーからTulio、中澤の黄金パターン。

 次のホームは、ダークホースといわれながらもカタールにころりと3-0でやられたウズベキスタン。2-0のスコアラインあたりで、一気に波に乗りたいところだが、やはりキーは、俊輔のフリーキックとなるのか?

posted by fareasthammer |09:30 | 日本代表 | コメント(4) | トラックバック(2)
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2008年06月21日

Bring on Iran !

 先週土曜日は、ぎりぎりタイ戦のキックオフに間に合うよう帰国でき、まったりと自宅で観戦した。パフォーマンスはともかく、ひとまずPhase 4への進出決定ということで一安心。
 しかしストライカーから得点の香りがまったくしてこない。厳しい道のりであることには変わりない。

 こうなったからには、最終予選は、ぜひイランと同じグループになることを待ちにしている(彼らもまず3次予選を抜けることが前提だが)。そして、またテヘラン郊外のAzadi Stadiumを訪れたいと思う。

 2005年3月、僕は長年浦和を応援してきた友人と共に、0泊3日というとんでもないスケジュールで現地に飛んだ。そこで、今までで最も厳しい’アウェー’を経験した。
 
 よく、マスコミで、タイ戦’アウェー’、オマーン戦’アウェー’なんて言葉を使っているが、正直イランのアウェーは、比べ物にならない。僕は、West Hamの試合などでも行けるだけアウェーの試合には行っているが、正直イラン相手の試合ほど、「恐ろしい」と思ったことはない。同時に、あれだけAway Tripでアドレナリンが放出された試合もまずない。

 空港についてから、バスで移動する際の、市内の風景は非常に新鮮なものだった。街中の人たちが、こちらに手を振ってきたり、指で「3-0」のサインを作って「軽く」こちらを挑発してくる程度だった。街には、電化製品の看板が溢れ、若者はNikeのシャツや、トレーナーをはき、さかんに最新のNokiaの携帯でこっちの写真を撮ってくる。
 
 そして、途中で強制的に立ち寄らされた博物館では、日の丸を背中にしょって歩いていた僕に、現地の人たちがさかんに英語で喋りかけてきた。そして、最後には、一緒に写真まで撮られたりした。
 
 ブッシュ大統領の、Axis Of Evil発言を思い出し、あまりのギャップにふきだしてしまう。

 ところが、この風景はスタジアムに向かうにつれて急変する。途中、ハイウェーで渋滞にはまり、周りをイラン国旗を持った同じく競技場に向かう連中に囲まれた。何人もが、「両手でこめかみを広げて、目を細くする」というアジア人に向けての明らかな人種差別のジェスチャーや中指立てなど、かなり敵意を丸出しにした反応に変わってきた。
そしてスタジアムに着いたところ、何百人というイランファンが、バスに近づこうと寄ってきたところを、銃を持った兵士に阻止される。何人かそのラインを突破したものは、バスの中から日の丸を窓一杯に広げて中指を立てて挑発し返している僕と僕の友人にむけて、激しく投石してきた。
 Sunderlandのファンで、世界で最も悪名高い、MillwallのAwayにも行ったことがある僕の友人と僕は、ただただこれから繰り広げられるであろう試合のことを考えニタニタするだけであった(バスの中で笑っていたのは僕ら2人だけであった)。

 スタジアムの中に入るとそれはそれは別世界であった。入った瞬間に、頭の上で投げ込まれた爆竹が炸裂。コンスタントにこちらエンドに物が飛んでくる。両サイドの柵は、こっち側に入ってこようとしているのか、スカーフを欲しがっているのか良く分からん現地のファンたちが鈴なりになっていて、時折警棒を持った警官に追い払われていた。
 スタジアムはキックオフ3時間前だというのに、既に満員。10万人は軽く入っていただろう。そして全員一斉に、独特の踊りとチャントを繰り返す。
 この踊りが、完全に部族の戦いの前のようなもので、スタジアムにいる全員が前にいる人の肩をつかみ、激しく揺らすというきわめて見ていて身震いがするもの。下記にYoutubeでその日の模様を見つけたが、ここからではその不気味さはなかなか伝わっては来ない。

http://jp.youtube.com/watch?v=MGwNLzHA07s&feature=related

 羽田空港で会って、すっかり意気投合したジャーナリストのJeremy Walker氏も、「今まで世界中でサッカーの試合を見たがこんな凄い雰囲気は初めてだ」と声を震わせていた。
 
 なるほど、Axis of Evilか、、。

 にたにたしている僕をみて、不思議に思ったのか、読売新聞の記者が僕にコメントを求めてきた。それに対して、「日本では身の危険を感じながらサッカーを見る機会など一切ないので、ぜひ今日という日を楽しみたい」というコメントを残したところ、よほどユニークな意見だったのか翌日の読売新聞にしっかりと実名入りで載せられていた。

 ご存知の通り、試合は1-2での敗戦であった。イランがゴールするたびに、スタジアムが崩れるのではないかという狂気の沙汰が繰り広げられた。当然ながら、コインやら、石やら、リンゴやらが、こちらに飛んできて、かなりの日本人ファンが怪我を負った。
 今までの3-5-2から、突然の4-4-2へのチェンジの日本チームの戸惑いを上手くつかれたイランの勝ち越し弾であった。横で一緒に試合を見ていたWalker氏は、試合終了の瞬間「全ては戦術ド素人Zicoのせいだ」と激怒していた。
 そして、ついさっき20時間近い旅を終えたばかりだというのに、あと数時間で再び12時間のフライトという厳しい現実が重くのしかかる。
 福西のゴールの瞬間だけがせめてもの慰めであった。静まるかえる10万人のイランファンを横目に、狂喜乱舞する日本人、、。マスターカード、Priceless Moment。

 試合後には大騒ぎしながら街へ戻るイランのファンたちの勝ち誇った表情を、初めての「アウェー」を経験し茫然自失状態の日本サポーター満載のバスからぼけっと眺め続けていた。万が一勝っていたら、しばらくスタジアムから出ることは出来なかっただろうなあ、などと友人と話していた。当然、その時は、スタジアムの反対側で15人のイランファンが将棋倒しで死亡したことなど知る由もない、、。
 
 全くの未知の世界での、極限の中の戦い。そして確実に存在する身の危険。そして敗戦の際の絶望感。アジアのアウェーも馬鹿に出来たものではない。

 その中でも群を抜いて、危険かつ魅力溢れるテヘランでの試合。浦和レッズのゴール裏が世界で最も「熱狂的」だと信じている方々、さだまさしのコンサートよりも盛り上がらない日本代表の試合に辟易して、スタジアムに行かなくなってしまった方々。もし、イランと同組になった際には、何とかお金と時間を作り出して、足を運んでみることをお勧めする。
 逆に、ガンバ大阪の水風船攻撃に、「日本のサッカー場も欧州・南米並みに危険になってきてしまった」と嘆いている方々にとっては、これほど金をどぶに捨てるような行為は他にない。かわりに家族、恋人とのハワイ旅行をお勧めする。

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posted by fareasthammer |12:43 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月09日

南アフリカ~遠く険しい道のり

 数々の不安が頭をよぎる試合であった。このパフォーマンスが試合前に騒がれた下痢のせいであって欲しいと思うのは僕だけだろうか、、?

 Shaun Wright Phillipsの出来損ないのようなOmanのフォワードの選手に翻弄た挙げく、一瞬便意に襲われたかのように注意散漫になった守備陣(本当か?)。Omanだから何とかなったものの、これがIranや韓国だったら、ただではすまない。

 そして、相変わらずホープレスな両フルバック。ああいった相手ががちがちにひいている局面で、せめて一人だけ抜き去ってくれると、かなり体制が有利になるのだが、、。特に前半は、ペース配分の影響もあったのか、ほとんど積極的な仕掛けは見られなかった。後半にいくつか、内田が積極的にトライしていたが、残念ながら実力が伴っていない。
 日本はとにかくこのポジションには歴史的に恵まれていない。ミラバケッソ、どこかにいないだろうか?アレックスが戻ってくれれば守備面に不安はあるものの、まだ局面の打開は出来るのだろうが、、。

 最後の最後には大久保の伝家の宝刀、余分なラフプレー。いったいこの男、いつになったら成長するのだろう?そんなにフラストレーションが溜まっているならば、もう少し前線でのプレスにいくなどして、チームに貢献すればよいのに。やっとボールに絡んだと思ったら、余計な蹴りを食らわせるなんて。92年のアジアカップの松永の膝蹴りを一瞬思い出してしまった。前半のへダーはアンラッキーだったが。

 一方で、中盤は合格点だろうか?松井もよくボールに絡んだし、よく仕掛けていた。俊輔は2,3本続けてキーパーの正面に行ったコーナーキックを除くと素晴らしい出来だったと思う。以前はどうしてもボールをはたくのがワンテンポ遅れて、攻撃のリズムが崩れるきらいがあったが、今回はポンポンはたいていたし、何よりもあれだけフリーで持てた状況とはいえ、パスは冴え渡っていた。

 試合自体は展開的にはそれなりにエンターテイメントだったと思う。両チームフォワードのAcademy主演女優賞ノミネートを目指しているかのような白熱の演技で得たペナルティーに楢崎のセーブ。玉田など練習場で、いつもシミュレーションの練習をしているのだろうが、まあ審判がまともだったら両方ともイエローカードだっただろう、、。
 主審も失敗したと思ったのか、その後のクリアなペナルティーには目を背けていたのには参った。

 しかし、体力的な側面では、「この暑さに慣れている中東 vs 長旅で疲れている日本」というメディアのお決まりのレッテルに反して、たいがい最後に至るところで足をつってもがいているのは中東のチームだ。今回も小学校の運動会の保護者参加400Mリレーを終えたメタボ症候群のお父さん達のように、あちらこちらでひっくり返っていた。普段生ぬるい年金リーグでプレーしているから、全力で走ったことなどないのだろう。

 そろそろテレビ局も試合の中継の殆どを「やれ今何度だ」「湿度が何%だ」などと下らないことをべらべら喋らずに、もう少し「自分達はこれで飯を食っている」的なプライドを見せて欲しい。Jリーグはくそ暑い8月に平気でリーグ戦をやっているのだ。日本は暑さには割りと強いチームであることにもう少し自信を持つべきだと思う。

 さて、大久保はサスペンションで恐らく次節から外れることになるだろうが、これでフィットしているフォワードは玉田だけとなったようだ。この際、山瀬をFWの位置でためすなどという策はどうなのだろう?彼であればミドルも持っているし、引いてくるバーレーン、タイには効果的だと思うのだが。

 その後の最終予選をどう戦うか、、。今のところあまり考えたくもない。

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posted by fareasthammer |02:13 | 日本代表 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年04月30日

日本のスタジアムが欧州に最も近づいた日々

 サッカーファンであれば、誰もが「あたかも昨日のように鮮明に覚えている試合」があるだろう。僕にとっては、97年のWest Ham 4 - 3 Tottenhamであったり、95年の等々力で、自分の目の前で福田がスキラッチに追いつく31ゴール目を決めた瞬間であるのだが、人生で最も記憶に残っている試合と言われると、98年フランス大会予選の国立での韓国戦をはじめとする一連の最終予選ではなかったかと思う。
 あの時の国立競技場の雰囲気は、日本史上最高のものだったと信じている(僕より上の年代の人はきっとあの木村和司の伝説のフリーキックの試合を上げるかもしれないが、、、)。
 緒戦のウズベキスタン戦で、日本代表イレブンが入場したときの、スタジアム全体の揺れは今でも忘れない。あの瞬間、日本は今までの日本ではなくなっていた。

 97年というと、ちょうどJ-Leagueブームがひと段落し、サッカー人気の凋落が叫ばれ始めた頃であったと思う。今までスタジアムを埋め尽くしていた女子高生達は女子大生になり彼氏とのデートに精を出しはじめ、コネをつかってチケットを入手し、「カズを観に行かない?」と女の子を誘い出す口実にしていた業界人たちは姿を消し、残ったのはJ-Leagueと’ドーハの悲劇’でサッカーにすっかり魅了された10代から30代の主に野郎達だったように思う。
 あの一連の予選でスタジアムを埋め尽くしたのは、そんな若い男共がメインだった。緒戦の入場の際、そんな5万人の野郎達の雄たけびがスタジアム中に響き渡り、すっかりウズベキスタンの選手達は萎縮してしまったのだろう。結果は、憎っくき三浦和義(あえて誤字させて欲しい)が人生最後に輝いた試合で、6-0だった。

 その後、Awayでの引き分けを挟んだ国立での韓国戦。陳腐な言い方だが、スタジアムのボルテージは試合開始前から最高潮だった。大声で歌う5万人の日本サポーター、大きく取られた緩衝ゾーンに守られたアウェーエンドの真っ赤な3千人の韓国ファンたち。この試合の重要性が痛いほど分かっていた僕たちのこの試合にかける意気込みは並半端なものではなかった。
 そんな中、目の前で決めた山口のループシュート。あのゆっくりとゴールに吸い込まれている弾道は頭の中に焼きついている。そしてその後の歓喜。日本でゴールの瞬間にあれだけゴール裏がChaos状態になったのは長いファン経験でも、この瞬間と福田の31ゴール目の瞬間だけだ。3列後方くらいからは、同じく20代位の男ども3人ほどが、椅子から足を踏み外して、僕らの歓喜の輪の中に転げ落ちてきたとかすかに記憶している(笑)。
 そして、韓国のあの同点弾と、逆転弾。あまりのショックに立ちくらみがして座り込んでしまったのをかすかに覚えている(苦笑)。

 極めつけはその後のUAE戦。あまりにロスタイムが短かったことに対して、引き上げてくる審判団に、メインのSS席の観客が罵声を浴びせて、物を投げつけるという衝撃的な場面を目撃した。あの国立のSS席のお客さんがだ。それだけ、みんな真剣にサッカーを見ていたのだと思う。欧州に近づいてきたな、と本当にその時強く思った。

 しかし、ジョホールの頃、そしてフランスの本大会になると、J-Leagueの初期の方々がまた、突然興味を持ち出したような感覚を持った。国中が、また突然サッカーに興味を持ち出したかのような違和感を感じたのを覚えている。

 そして時は流れ、この間足を運んだ日本 v ボスニア戦。そんなフランス大会予選の強烈な記憶があるからこそ、この時の観客席の様子はあまりにショッキングだった。バレーボールの試合と変わらない客層、そしてバレーボールほど一体感のない雰囲気、図書館のように静まり返ったバックスタンドの観客。長年一緒に浦和をおっかけてきた友人とは、顔を見合わせて「これはワールドカップ出場はかなり難しいだろうな」とお互い真っ青になった。
 W杯の予選の前の国際試合で、ここまでひどい客層を見たのは僕は初めてだ。相手がボスニアだから、などというのは言い訳にならないと思う。

 あの時に国立にいた皆さん、一体どこへ行ったのだろう?最終予選になれば戻ってきてくれるのだろうか、、?

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posted by fareasthammer |23:44 | 日本代表 | コメント(26) | トラックバック(0)
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