2009年02月26日

イギリスサッカー史上最大のロスタイムのドラマ

 前回のブログで触れたScarboroughに触発されて、Youtubeの旅を始める。このタイトルを見て、ManC v Gilliangamの試合を思い浮かべた人は相当の通だと思うが、実際は湖水地方の近くにある、Carlisleという町のサッカーチームのお話だ。

 サッカーは良く最後の最後まで分からないゲームであると言う。このスポーツが出来上がってから、ロスタイムにさまざまな悲劇と喜劇が繰り返されてきた。自分が目の前で体験してきた中にも様々な記憶がある。ドーハの悲劇があり、チャンピオンリーグでBayernがロスタイムでManUにひっくり返された悲劇があり、そして今にでも夢に出てくるFA Cup Finalでの暴行魔Gerrardの同点弾という人生最大の悲劇がある(何だ、悲劇だらけではないか、、、)。

 しかし、今までのサッカー人生の中で、僕はここまでドラマティックな話は聞いたことがない。当時スカパーで24時間流しっぱなしであったSkynewsを通じて見た出来事であり、直接試合を見ていたわけではないのだが。

 98/99シーズン、4部で低空飛行を続けていたCumbria唯一のチームであるCarlisle Unitedは、最終戦のPlymouth相手に勝利を収めなければ、アマチュアの全国リーグ、Conference(実質5部リーグ)へと降格してしまう最大の危機に見舞われていた。大観衆が見守る中、0-1から同点に追いつくものの、1-1で無情にも試合はロスタイムへと進む。 

 ロングパスが次々と前線へ入る。必死でクリアするPlymouthのDF。時間は、既にロスタイム4分目を指そうとするころ、Carlisleはコーナーを得る。間違いなくこれが最後のプレーだ。Carlislseのマネージャーは、タッチライン沿いから、必死で、ほんの3試合前からローンでSwindonから来ていた無名のゴールキーパー、Jimmy Glassに対して相手ゴール前まで上がるように大声で指示を送る。

 ほとんどあきらめかけてしまった観衆が見守る中、ボールはGlassの前へこぼれ落ちる。無我夢中で彼が蹴りいれたボールは、なんとPlymouthのゴールネットへ吸い込まれたのだ。ゴールが入った瞬間、スタジアム内の全ての人間が、あたかも3億円の宝くじが当たったかのような狂乱振り。ピッチ上は瞬く間にスタンドからGlassめがけて飛び込んでいったファンたちで埋め尽くされ、当のGlassは、すっかりファンの下敷きに。

 シーズン最後の試合の最後のキックで、ゴールキーパーが、ゴールを決めて、チームをプロリーグ降格から救う、、。出来の悪いハリウッド映画のような筋書きだが、こんな嘘のような話が本当に起こったわけだ。
 
 ちなみに、このとき降格を争っていたチームが、前回触れたScarborough.なのである。すっかり残留を決めたと思い込んだScarboroughのファンたちは、やはりピッチに飛び込んでシャンパンを開けて大喜びしていた最中であった。事実を知って泣き崩れるファンと選手たち。その時、2代目シーズンチケットホルダー犬が、事態を飲み込めていたかは定かではない、、。

 一躍Carlisleの英雄となり、名誉市民賞まで受けたGlassだが、現在はサッカーから離れ、IT関係の仕事についているとか。しかしながら、イギリスのサッカーファンの中では永遠にその名を忘れられることは無いだろう。

百聞は一見にしかず。下記でごらんあれ。

http://www.youtube.com/watch?v=KejwqhLDeOs

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2009年01月25日

Football Funnies

 Youtubeの旅は、果てしなく続く。日曜の夜の笑い飛ばして過ごすために、サッカーに関する面白い映像を集めてみた。
 いつか日本でも、サッカーの珍プレーが、TVで取り上げられたり、面白いCMが放送されるような時代になって欲しいものだが、、。

レフリー電気ショック
よくぞ捉えた決定的瞬間。

http://jp.youtube.com/watch?v=bIZwlBD2j3w&feature=PlayList&p=71D353B3333B7355&index=57

ゲ○レフリー
どこのリーグのレフリーだろうか。浦和の試合に呼んでくれれば、まだ埼スタの行き帰りの足取りも軽くなるのだが。

http://jp.youtube.com/watch?v=p39a63JdrAw

ストリーカー
本当に起こった出来事をNikeが上手くコマーシャルにしたもの。ゴルフ、テニスなどでは良く見かけるのだが、ここまでサッカーで盛り上がったことは無いのでは?

http://jp.youtube.com/watch?v=ZGIq1X7_RZk&feature=PlayList&p=B1C815C6DEA4FB00&playnext=1&index=3

ダイビングイタリアン
イギリスの高級紙Gurdianが2004年欧州選手権の際に作ったCM。タイガービールも面白いが、恐らく世界中で最も有名なFunny Football TV Adsだろう。

http://jp.youtube.com/watch?v=_MbFBy9WtAo&feature=PlayList&p=2A417ACD9C9C2011&playnext=1&index=10

Kicking a dog
ブラックなおち。とても日本では放送されないだろう。

http://jp.youtube.com/watch?v=k1BuD4KLcHg

ストリーカー2
こちらもイギリスならではの下らないCM。

http://jp.youtube.com/watch?v=XPu6pVpG9yI

Soccer AM Third eye
Soccer AMというイギリスのSkySportsでやっているプレビューショーの番組の人気コーナー「Third Eye」の傑作集。担架二連発がかなり面白い。

http://jp.youtube.com/watch?v=8sflsSYxc4I

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2009年01月14日

09'大予想

完全なPiss takeだが、West Ham・浦和ファンの立場から2つのシナリオを考えてみた。
とは言いつつも、West Hamに関しての「ワーストシナリオ」はかなり現実味が帯びているところが恐ろしい。

ベストシナリオ

1月 
・West Hamの快進撃続く。Fulham、Hullも破り8位浮上。Zola、月間最優秀監督賞受賞。移籍市場でも大量流出が予想されたものの、放出された選手はEtherington、Boa Morte、Bowyer止まり。Bellamy、Upson、Parkerの3選手はクラブに残留。

2月
・日本、ホームでオーストラリアに1-0の辛勝。 
・元浦和レッズ相馬、海外移籍の夢がかない、上海申花への移籍が決定。Cリーグの移籍金記録を破る。 
・Chelsea、Scolariついに解任。後任にHarry Rednapp。

3月
・West Ham、デッドラインぎりぎりでサウジアラビアのコンソーティアムに£100Mで買収され、破産と勝ち点剥奪を免れる。Tottenhamは依然18位、Newcastle、WBAがそれぞれ19位、20位。
・J-League開幕。浦和、緒戦の鹿島戦アウェーに引き分けたのち、ホーム2連勝。平川神戸へ移籍。

4月
・FAとプレミアリーグのTevezケースの調査が終わる。結果West HamはNot Guilty。一連の騒動に決着が着く。
・浦和レッズ、リーグ3位と好位置につける。不振が続く鹿島は5位。

5月
・West Ham、再びFA Cup決勝へ。Evertonを破り83’年依頼の念願のFA Cup獲得。リーグは7位で終了。
・Tottenham、ManC降格。Defoe、Spurs降格直後に移籍志願を表明。Harry Rednapp率いるChelseaが獲得の意思を表明。優勝はManU。失墜したChelseaはChampions League出場権を逃す5位で終了。

6月
・ウズベキスタン、カタールを連破した日本、アウェーのオーストラリア戦を待たずに2位以上確保決定、ワールドカップ出場決定。お隣のグループでは韓国、まさかの3位。プレーオフへ回る。
・Arsenal方式で、ユース主体の選手でナビスコ杯に臨んだ浦和、見事グループリーグ突破。

7月
・浦和、山田直輝、原口らユース出身の選手の台頭めざましく、フィンケのもと、攻撃的なサッカーを展開し、観客を魅了。埼玉スタジアム、平均観客動員数52,000人をキープ。
・West HamではLucas Neil、Liverpoolへ復帰。Harry Rednapp、再びJamiane Defoeを獲得。

8月
・プレミアリーグ09/10シーズン開幕。Zola監督2シーズン目のWest Hamは、昨年30得点を決めたCarlton ColeとBellamyの2トップの活躍で開幕2連勝。Collison、Noble、Tomkins、Searsらの若手が台頭。
・Tottenham、Championship開幕戦でQPRに0-3とアウェーで敗戦。

9月
・浦和レッズ、鹿島、G大阪をホームで倒しついに首位に浮上。永田に完全にポジションを奪われたアレックス、ボリビアリーグへ移籍。
・West Ham、ホームでChelseaを破り5位キープ。

10月
・6位とふるわないChelseaはHarry Rednappを解任。Special OneことMourinhoがインテルから復帰。Harry、Portsmouthへ3度目の復帰。またもやDefoeの獲得を示唆。
・West Ham、UEFAカップ圏内の5位を死守。Stokeにホームで負けた翌週、Anfieldで40年ぶりの勝利。

11月
・West Ham、Newcastleアウェーで、0-2で勝利。先発のOwen、ついにWest Ham相手の連続得点記録が止る。
・浦和レッズ、2位堅守のまま12月第1週の最終節へ。

12月
・浦和レッズ、ホーム最終戦で鹿島を破り、奇跡のリーグ優勝。天皇杯も順調にコマを進め、準決勝でG大阪を破り、元旦の決勝進出へ。
 
ワーストシナリオ

1月
・West Ham、Parker、Bellamy、UpsonがそれぞれArsenal、ManC、Tottenhamへと移籍。フロントのふがいなさに激高したZolaとClarkeが辞任。続いてテクニカルダイレクターのNani、解雇。
2月
・日本、オーストラリア相手にホームで0-3の惨敗。
・元浦和レッズ相馬、海外移籍の夢がかない、上海申花への移籍が決定。Cリーグの移籍金記録を破る。 
・West Ham、泥沼の6連敗。ついに18位の降格圏内へ転落。
・浦和、キャンプ開始早々にTulio、都築らがフィンケの手腕に疑問の念を投げかける。早くもチーム内に不協和音。

3月
・Jリーグ開幕。浦和レッズ、アウェーで鹿島に0-4の敗戦。
・West Ham、買い手が見つからず、破産申告。勝ち点-15点のペナルティー。一気に最下位の20位へ。チームは泥沼の11連敗。
・日本、バーレーンにホームで引き分け。

4月
・フィンケ早くも解任。福田が監督へと昇格。しかしチームは1勝2分4敗、16位。
・FAとプレミアリーグのTevezケースの調査が終わる。結果、West HamはGuilty。更に£15Mの罰金と来シーズンの勝ち点、20点没収決定。Sheffield United、ただちに£60Mの補償金を求めてWest Hamを訴える。
・中村俊輔、Dundee U戦で左足骨折。全治9ヶ月。

5月
・West Ham、2月以降、1勝もできずにリーグを終える。1部リーグ史上最低の勝ち点7。
・FA Cup、Harry Rednappのもと甦生したTottenhamが延長戦の後ManUを2-1で下す。
・15位と低迷が続く浦和レッズ、ゴール裏が毎年恒例の「We’re Reds!コール封印」。

6月
・俊輔不在の日本、グループ3位でプレーオフへ。韓国に敗れ、ワールドカップ出場を逃す。

7月
・浦和レッズ、対広島戦で、埼玉スタジアム最低観客動員数を記録。20,207人。浦和のバブルが完全に弾ける。
・West Ham、主力選手は全員移籍。Noble、CollisonはChelsea、Tomkins、SearsはSpursへと。

8月
・West Ham。Championship緒戦で、昇格したばかりのMK Donsにホームで0‐3で敗戦。
・怒った浦和のゴール裏、「福田やめろ」コール。試合後福田に生卵を投げつける。TulioはオーストリアのSalzburgへ移籍。

9月
・浦和、16位。試合後都築がユース出身の選手達にサポーターの前で因縁をつける。相馬、平川、浦和復帰へ。
・West Ham、Carling Cup2回戦で、Dagenham&Redbridgeに0-1で敗戦。選手が足りず、ベンチには3人のみ。

10月
・浦和、経営困難に陥る。
・日本代表、国際親善試合のチリ代表戦、国立競技場で、有料入場者6,208人を記録。ゴール裏には約70人が集結、90分間「おー、ばもにっぽーん」を歌い続けるも試合は0-3。
・Chelseaではゴールを決めたNobleが、チームのバッジにキスをしながら大喜び。

11月
・浦和レッズ、愛媛FCに天皇杯3回戦敗退。ゴール裏が応援を完全にボイコット。埼玉スタジアムの雰囲気が少し良くなる。
・West Ham、本拠地Upton Parkが差し押さえられる。Millwallとのグランドシェアが決定。
・プレミアリーグは、1位 Chelsea、2位 ManU、3位 Liverpool、4位 Tottenham。

12月
・West Hamの監督にPaul Inceが就任。
・浦和、鹿島とのホームでの最終戦に5-1で破れ、J2降格。クラブは来期からの全試合駒場開催を示唆する。
・ブログ主、リストラにあい、サッカーどころではなくなる。

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2008年12月24日

イングランド下部リーグへのお誘い(第2回)

 さてさて、昨夜に続き、第2回目。まずは、イングランド各リーグの、観客動員数にまずスポットを当てたい。下記が、07/08シーズンのイングランド各プロリーグの平均観客動員数と、Top3のクラブの平均観客動員数である。

【07/08シーズン】
Premier League(1部) 平均36,076人
1、ManU  75,691人
2、Arsenal 60,070人
3、Newcastle 51,320人

Championship(2部) 平均17,172人
1、Sheffield United 25,630人
2、Norwich City 24,527人
3、Leicester City 23,508人

League 1(3部) 平均8,182人
1、Leeds United 26,952人
2、Nottingham Forest 19,955人
3、Swansea City 13,519人

League 2(4部) 平均4,427人
1、Bradford City 13,694人
2、MK Dons 9,456人
3、Stock Port 6,989人

 比較するのもナンセンスではあるが、あえて言うと、日本でJ2の全試合に各地で17,000人の観客が押し寄せ、JFLの人気チームに、毎試合27,000人の観客が押し寄せているといったところだろうか。さらにプロ・アマ混合全国リーグのConferenceの古豪Exeterの試合には、同シーズンに平均で6,000人の観客が押し寄せており、そのシーズンの最多観客動員数は、10,000人近かったりする。5部リーグの試合で1万人である。

 よく日本人の観光客で、ManUや、Chelseaが見れないから、とりあえず、「イギリスに行ってプレミアの試合を見てきた」という既成事実を何としてでも作ろうと、どうでも良い試合を見にいく人たちもいると聞く。例えば、Fulham v Bolton。昨シーズンの、平均観客動員数はそれぞれ、24,000人と21,000人程度。この試合であれば、恐らく観客数は2万を切るだろう。Craven Cottageでやれば、チケット代は軽く40ポンド、さらに両チーム共おとなしいファンで知られているだけに、はよほど内容がよくない限り、ファンが歌うチャントなど一切聞くことはないだろう(そもそもFulhamのファンが歌っているところ自体、ほとんど見たことがない)。

 一方で、例えばLeeds United v Nottingham Forest(今シーズンは実現しないが)。若い人はもう知らないかもしれないが、Leedsはほんの数年前まで、Peter Ridsdaleという大馬鹿チェアマンのもと、David O’Leary監督以下、Alan Smith、Woodgate、Kewell、Rio Ferdinandなどの若い選手らが活躍し、Champions LeagueのSemi-Finalまでこぎつけたチームである。かのEric Cantonaがイングランドでデビューした 91-92シーズンでは、リーグ優勝まで果たしている名門中の名門である。ファンの数も半端なく、それこそ人気は全国区。現に3部まで落ちた今でも、平気で2.5万人を越える観客を集めている。

 近年の凋落振りは目を覆いたくなるものがあるNottingham Forestは、Brian Cloughのもと、European Cup(現在のチャンピオンズリーグ)を79年、80年に2年連続で勝利するというこれもまた、名門中の名門。同じ街のNotts Countyに次いで、2番目に古いクラブで、全国区で未だに人気があるチームである。

 当然、下部リーグでも、こうした名門同士が当たる試合、そしてローカルダービーなどは、一見の価値ありと個人的には考える。

 経験に基づいて、いくつかチームを思いつきで書いてみる(独断と偏見だが)。

・近代的かつ、巨大なスタジアムと熱狂的なファンを見たければ、、
  Wolverhampton Wonderers(2部)、Leeds United(3部)

・地方まで行きたくないが、そこそこサッカーのレベルも高くファンが熱くなる試合が見たければ、、
 Queens Park Rangers(2部 Londonにある)、Crystal Palace(2部Londonにある)

・サッカーの質、ファンの熱狂度などどうでもよいが、地域に根ざした小クラブをまったりと見たいとすれば、、、
  Brentford(4部 Londonにある)、Stockport County(3部Manchesterのすぐ近く)

・世界中に悪名高い凶暴なファンを持つチームを見たいという冒険心溢れる方は、、、
 Millwall(3部)、Cardiff(2部)

  • 最近は随分トラブルも減ったようだが、当然お勧めはしない、、。

 まあ、盛り上がる試合は、やはり地理的に近いチーム同士のリーグ戦、そしてもっと良いのはカップ戦だろう。例えばEast Midlandであれば、Derby County、Leicester City、Nottingham Forest、Notts County、Chesterfield、Mansfieldが絡んだ試合、そしてWest Midlandであれば、Birmingham City、Wallsall、Wolverhampton(Aston Villa、West BromもWest Midlandに位置するので、これらのチームとカップ戦で絡むとかなり凄い盛り上がりになる)+ Coventryといったところか。

 当然、プレミアのチームv 下部リーグのチームがぶち当たるFA Cup、もしくはLeague Cupなども場所に関わらず、大きく盛り上がる。今シーズンも、League CupにてBurnlyが、Chelsea、Arsenalを破って、ちょっとした騒ぎになっている。

 大昔、Leedsまで、George Graham率いるLeeds United(当時はプレミアリーグ) v Portsmouth(当時は2部)という試合を観にいったことがある。PortsmouthからLeedsまでは、車だったら軽く6、7時間はかかるだろう。にもかかわらず、Portsmouthからは、軽く5千人を超えるファンが押しかけており、完全にLeedsファンを歌声では圧倒していた。試合も、Portsmouthが3-2の勝利と見事Giant Killing達成。試合後、Leedsの市の中心街で、両チームのファンが大乱闘を繰り広げるおまけつきであった。

 まあ、遠くまで出向くのは面倒、という方には、当然のことながらLondonというチョイスがある。現在、2部に、Charlton、Crystal Palace、QPR、Watfordに混在しており、これらがお互い当たるときは、それなりに盛り上がる。

 世界を見渡しても、ここまで下部リーグにファンが集まり、盛り上がる国はないと言われている。個人的にも、West HamがChampionshipに落ちた2シーズンに、日本からちょくちょく観にいって、今では思い出となっている(来年再び帰る可能性もかなり高いが)。Highfield Road最後のシーズンにCoventryまで観にいった試合やら(当然負け試合である)、Burnly、Watfordと言った相手のまったりとしたホームの試合など、意外と楽しかったものだ。

 また、下部リーグの楽しみの一つには、将来ビッグになっていく選手に出合ったり出来ることだ。97年だったと思うが、Wolverhampton v Nottingham Forrestの試合を観にいった際に、Wolves(Wolverhamptonの愛称)に、小柄ながらも、恐ろしくドリブルの巧みな若い選手がいた。ForrestのDFをずたずたに切り裂いていて、友人とも、「あいつ上手いなあ」などと話していたのだが、それが若かりし頃のRobbie Keaneであった。

 当然、サッカーの質はいまひとつである。が、選手の当たりの激しさ、ファンの熱狂度などは、少なくとも2部レベルまでであれば、決してプレミアリーグに引けを取らない。

 近々渡英するチャンスのある方、ぜひご一考を、、。

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2008年12月22日

イングランド下部リーグへのお誘い(第1回)

 最近、長距離の海外出張が連発しており、飛行機での退屈な時間をつぶすために、こんなものを書いてみた。ずばり、「イングランド下部リーグへのお誘い」。長ったらしいので2回に分けるが、今日はその第1回目。

 イギリス人の友人達も激しく同意してくれるが、「本当のイギリスのサッカー」を知りたいのなら、プレミアリーグではなく、下部リーグの試合に行った方が良いと僕は個人的に考えている。

 そもそも、今日のプレミアは、

1)チケット代が異常に高い ― 昨シーズン、West Ham v Man Uを夫婦で観にいって、定価で二人合わせて28,000円。ChelseaやSpursあたりなどこれではすまない。

2)ビッグゲームのチケットは、最悪でもクラブメンバーでないとほぼ取れない ― クラブメンバーの自分でも、West Ham v Man Uのチケットは、インターネット、電話、手紙のトリプル攻撃で、奇跡的にぎりぎり取れたほど。

3)チケット代が高いお陰で、わけの分からん中産階級のお坊ちゃま方が入ってきて、スタンドの雰囲気がどんどん劣化している - Chelsea、Arsenal、ManU、Liverpoolなどは、特にその傾向が強く、ビッグチーム同士の対戦、もしくはダービーでない限り、スタンドはチャントもほぼ無しで、全く盛り上がらない。

 というかなり嘆かわしい状況である。ダフ屋(イギリス英語でToutと言う)から、200ポンドでチケットを買ってChelsea v Blackburnの試合を観にいったが、試合はつまらないは、ファンは全く盛り上がらないは、スタンドは日本人、韓国人、中国人観光客だらけだはですっかり幻滅した、などというのは最近良く聞く話である。

 そこで、イギリスのサッカーの本当のあるべき姿、というと、今日、下部リーグで見つけ出すのが最も簡単かつ安上がり、という結論に達するのだ。

 そもそも、下部リーグとは言え、そこはサッカー発祥の地、各チームには、しっかりとファンがついており、大きな試合となると、町中が燃え上がる。Cardiff v Swansea、Luton v Watford、Ipswich v Norwich、Sheffield Wed v Sheffied Utdなど、日本に住んでいては「何だそりゃ?」と言いたくなるような試合でも、当日はスタンドは超満員、警察官と警察犬がスタジアム周辺にわんさかという状態となる。

 そもそお、意外と知られていないのだが、イギリスにはプレミアも含めると4部まで「プロ」リーグがあり、

Premier League(1部) 20チーム
Championship (2部) 24チーム
League 1(3部) 24チーム
League 2 (4部)24チーム

 という構成になっている。この92チームは全てプロチームで、殆どのチームが創設してから100年以上の歴史を持っている。現地で日曜日に、新聞を買うと、サッカーの欄(平気で15ページ以上ある!)には必ず2部から4部まで、そしてたいがい、その下のConferenceというプロ・アマ混合の全国リーグ、そして、さらにその下の地域リーグまでの試合結果、順位表が載っている。日本では想像もつかないことだろうが、イギリスではごく当たり前のことなのだ。

 ちなみに、Londonだけでもプロチームで、13チームもあることもやはり意外と知られていなかったりする(West Ham, Barnet, Leyton Orient, Watford, QPR, Charlton, Brentford, Crystal Palace, Fulham, Chelscum, Spuds, Arse, Nillwall)。

 リーグの構造の詳細については、下記をご参照のこと。
http://en.wikipedia.org/wiki/English_football_league_system

 ちなみに、僕はまだ10代だったころ、生まれて初めてイギリスに行って、生まれて初めてかの有名な大衆紙「Sun」を買って、この驚愕の事実を自分の目で発見した。何時間もホテルの部屋で、順位表の一覧を眺めて、「一体Colchesterって、どこにあるんだ?一体Burnlyとはどんなチームなのだろうか、、、」などとと未知の地、そして生まれて初めて聞いたサッカーチームに思いをはせていたことを覚えている(何と暗い性格だろうか、、)。

 そして、その、時僕が一番驚いたのが、下部リーグの観客動員数である。次回のブログで、昨シーズンの各リーグの平均観客動員数と、Top3のクラブの平均観客動員数をまとめてみることにする。

To be continued....

posted by fareasthammer |23:37 | General | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年12月21日

ManU Fever

12月17日(木) Manchester United v ガンバ大阪

 前日に長期の出張から戻ったばかりだが、既にチケットを確保してもらっていたため、会社を定時でそそくさと切り上げ新横浜に向かう。West Ham、そして浦和のファンの自分としては、当然ながら両方とも大嫌いなチーム。ひとまず、どちらを応援することも無く、サッカーを純粋に楽しもうと心に決め、Bolton出身の友人と新横の駅で落ち合い、スタジアムに向かう。  

 Boltonという街は、Manchesterからほんの10マイルしか離れていない場所であり、一般的にBoltonファン=アンチManUという図式が成り立つ。西澤が必死にベンチを暖めていて、某「大スター」選手が現役を大変寂しい形で終わらしたこのチームのファンの彼であるが、久しぶりに母国のサッカーを生で見れるということで、すっかりManUを応援する気らしい。クリケットスコアでManUが勝つんじゃないか、などと息巻いており、既にこの時点から、自分の中に眠っている大和魂が起きはじめる。

 前日、激しい忘年会で、殆ど起きているのがやっとの状態の、浦和ファンの友人とも席で落ち合ったところで、キックオフ。
ManUのスタメンには、黄金時代の生き残り、Scholes、Gigsy、G.Nevilleがずらりと顔を並べており、少なくともFIFAに顔向けはしようとしているManUの姿勢だけは見受けられる。しかしながら、すっかり時差ぼけ状態なのか、完全にManUの中盤は眠ったままで、Nothing To Loseの大阪が面白いように攻撃を仕掛ける。いきなり、播戸が抜け出すもVan der Salのセーブに拒まれる。

 これでManU が多少目が覚めたのか、Vidicが難なくコーナーからヘディングであっさり先制。ガンバは意気消沈することなく、その後もルーカス、播戸がManUゴールに攻めかけるが、憎らしいほど冷静なRioとVidicの最後のラインは破れず。そして、トレードマークのRonaldoのヘディングでさらに追加点。

 それにしても、J-Leagueでは、コーナー、フリーキックでTulioがどんなに必死に突っ込んでいこうとも、全く点数が入る気がしなかったガンバディフェンスであるが、いとも簡単に得点を許してしまう。はたして、今日は調子が悪かったのか、それともこれがプレミアリーグと、J-Leagueの高さの違いなのか?前者であることを祈りたいが、、。

 後半、あれよあれよという間に山崎がゴールを決める。僕と、浦和ファン兼Sunderlandファンの友人はガッツポーズ。やはり我々は日本人であると同時に、ニュートラルの試合では必ずアンダードッグを応援するという典型的なサッカーファンであったのだ、、。
 しかしながら、これからと言う時に、またもやガンバディフェンスが崩壊する。入ってきたばかりのRooneyに上手く抜けられ、1失点。さらに直後にも、Fletcherにまで綺麗なクロスから決められ4点、最後には完全にフィジカルで負け、Rooneyにも追加失点。右隣では半分寝ている友人に、左側では「やっぱりCricketスコアになっただろ」とにやにやするBolton人。

 最後に意地で、2点を返してくれた大阪には拍手を送りたいが、試合の内容は完全にプレシーズンそのもの。ManUも、5点取ったあとで、すっかり集中は切らしてしまっていた。 

 日本のメディアは、例によって「ファーガソン監督も驚いた」などと、大げさに取り上げていたが、中立の地である日本であれだけのサポートを受けた勝ち軍の将軍が、相手に労いの言葉をかけないはずがない。むしろ、イギリスのメディアでは、試合前に、FergieがRonaldoを必死に追い回しているReal Madridに対して、「I even wouldn’t sell a virus to that mob.」(あんな連中にウイルスすら売らないよ)という挑発的なコメントをメインで取り上げていた程度だろう。こんなことで浮き足立つのは禁物である。

12月21日(日) Manchester United v LDU Quito

 友人の間では随分とチケットが余っていたらしいが、プレシーズンに9,000円もとてもかけられるほど日本の経済と我が家の家計は潤っていない。ということで、緑エビスを飲みながら、自宅のソファで観戦。昨夜、West Ham v Villaを生でTV観戦していた疲れが来たのか、すぐに眠りに落ちる。Zzzzzzz….

 後半10分のところで目が覚めるとManUが一人足りなくなっている。当然のことながら、エクアドルのチームを応援。しかしながら、スタジアム全体は、赤で覆われており、Ronaldoの、プレミアではもう誰も引っかからない大げさフェイントに、スタジアム中が、「おおー」の大歓声。J-Leagueが始まって16年たったのに、なんで日本人はいつまで経ってもこんな幼稚なことをやっているのだろうか、とずっと疑問に思っていたが、今日答えが分かった。スタジオで解説をしていた北澤が一緒になって「おおー」と叫んでいたのだ。お金をもらっている元プロ選手の解説者がである、、。

 本大会、今年を最後に2年間、Dubaiへと移る。出来れば、世界に恥ずかしいので、このような解説者と、オフサイドのルールも知らずに、毎年毎年、AC Milan、Barcelona、Liverpool、ManUとビッグクラブのユニフォームを着てスタジアムに現れる暇な方々がもうちょっと少なくなるまで、日本に帰ってこないでも良いのに、などと思ってしまう。

 それにしても、LDUのMansoという選手、中盤からのシュートはなかなかであった。West Hamにもこんな選手がいてくれたら、ホームでの0点行進がストップするのに、、。

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2008年11月12日

Weekend Wrap-Up

会社チームフットサル大会参加

 ほぼ20代前半と思しきプレーヤーがメインのチーム7チーム相手に、わが1チームだけ軽く平均年齢35歳。しかし3位に入る健闘。
 気になったのが若い衆のフィジカルを妙に嫌うプレーぶり。ちょっと当たっただけでも、10歳も年下の長髪兄ちゃんに「あぶねえだろ」と切れられる始末。
 普段、トルコ、イングランド、スコットランドといったかなり当たりの激しい国の人たちとサッカーをやって、フットサル場だろうと容赦なくスライディングタックルが飛んでくる状況に長い間身を置いているだけに、かなりもの足りない。まあ、それがフットサルだと言われてしまうとそれまでだが、日曜日の草サッカーだろうと、カップファイナルのごとく必死でプレーするイギリス人のメンタリティーとはえらい違いである。
 11人制の試合ですら、少しでもスライディングタックルが外れて足にかかると、相手チームから「怪我させるつもりか!」と怒られてしまう日本。
 日本代表が、どんなに綺麗にパスを回しても、「必ず肝心なところで点が取れない/点を取られる」背景には、こんな草の根レベルでの甘さもあるのだろうか、、?

札幌 1-2 浦和
  試合後、慌てて自宅に戻り、気を取り直して、銀河高原ビール片手にスカパーにて観戦。しかし午前中の鬱憤がさらに蓄積される試合内容。最下位の降格決定チームに攻めあぐねる日本のFCハリウッド。何とか相手のミスから勝ち越し弾を奪い、勝ち点3を手にするも、優勝できるには程遠いパフォーマンス。
 試合内容でいらいらしている時に、アナウンサーが、「浦和のいつもは熱狂的なサポーターが、チームに抗議の意味で、いつもよりおとなしく観戦しています」などという全くどうでも良いことを何度も繰り返す。
 唯一の収穫は、エスクデロの前半の動き(あんな縦への鋭い突破は、恐らく今シーズン浦和では初めての出来事だろう)と永井のチェッカーズを髣髴させる新しい髪形だろうか(懐かしい、、)。
 こんなチームが2位というJリーグもある意味凄い。

West Ham 1-3 Everton
 完全に不完全燃焼の状態で、夜中から観戦。全く期待はしていなかったものの、SearsとBellamyの2トップがピッチ中を走り回り、Evertonを完全に圧倒。前週のBoro戦に引き続き、素晴らしいWest Ham伝統のパスでつないでいくサッカーが展開される。
 特にParkerの出来はぴか一で、圧倒的な運動量と正確なパスで完全にミッドフィールドを掌握。Collisonのゴールも見事お膳立て。
 しかしWest HamはやはりWest Hamであった、、。
 80分を過ぎ、何とかこのままで逃げ切れるかと思った瞬間、ディフェンスに穴が開く。Lescottにドフリーのへダーを決められ同点。また勝てた試合で引き分けか、と頭を抱えたその直後、全く存在していないに等しいWest Hamディフェンス相手にSahaが次々とゴールを追加。80分間、あれだけ圧倒しておきながら、たった5分間で3分を失うという事態に、情けなさと怒りでその後全く眠りにつけず。
 まだ11月が始まったというばかりなのに既に降格争いへ突入。Zolaのハネームーンは完全に終わりを告げた。

ManC 1-2 Tottenham
 素晴らしい週末の終わるにふさわしい結果。What the f*ck is going on....?

posted by fareasthammer |22:04 | General | コメント(1) | トラックバック(0)
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2008年11月05日

プレミアリーグ 90年代半ばの名選手

 相変わらず暇さえあればYoutubeの旅を続けているのだが、そんな中、僕がちょうどプレミアリーグを見出した頃に活躍していた2選手の映像に遭遇した。当時は、プレミアリーグのライブがCSやCATVで見れる時代ではなく、1週遅れのBSか、ダイナミックサッカーかという今からは想像もつかないほど、厳しい環境だった。当時は、セリエAが人気絶頂の真っ只中で、「イギリスのサッカー=ロングボール一辺倒で時代遅れのつまらないサッカー」との図式が日本のサッカーファンには定着していたように思える。
 ずばりその2選手とはMatthew Le Tisserと、Georgi 'Kinky' Kinkladze。正直あまり日本では知名度は高くなかったが、奇想天外なプレーをする選手として、強く僕の中では印象に残っている。

Matthew Le Tisser
 下記が、彼のTop10ゴールとのこと。Southhamptonの昔のスタジアム、Dellの変な形をしたゴール裏が妙に懐かしい。彼は、とにかく「何でも無い状態から突然ゴールを生み出す」プレーヤーとして、どこのチームのファンからも好かれていたと記憶している。圧巻は確かManUに6-3でSouthhamptonが勝った試合でのSchmeichelの頭上をチップしたとゴールと、Blackburn戦のゴールだ。後者はMatch of the dayのGoal of the season
にも選ばれており、Blackburnのホームエンドのお客さんがゴール直後に拍手喝采しているほどとんでもないスーパーゴールである。
 残念ながらEnglandでは泣かず飛ばずでほんの数試合の経験しかない。ちなみに彼が酷評されたフランスワールドカップ予選でのItaly戦が、僕の最初で最後のWembley生観戦体験だったりする。確かにあの試合でのLe Tisserは散々だった。
 しかしながら、僕が彼を好きな理由は、とことんSouthhamptonにこだわったOne Club Manであったこと。昨今のプレミアリーグの選手のように、散々ゴール後に所属チームのバッジにキスを連発した翌シーズンに、全く同じゴールパフォーマンスをする金の亡者とはえらい違いだ、、。恐らくSouthhampton史上、最高の選手であろう。

http://jp.youtube.com/watch?v=FSsdfe4Z69g

Georgi Kinkladze

小国Georgiaが生み出したManchester CityのLegend。ちょうどMan Cがどん底の時代に一人だけ気を吐いていた天才ドリブラー。確か、Man Cが3部まで落ちた際に(そんな時代があったのですな、、、)、Ajaxかなんかに移籍したが、それまではふがいないチームメート達をよそ目に、とてつもないドリブルを繰り返し、幾度とチームを救ってきた。
 ちなみにニックネームのKinkyは、英語で「変態」という意味。本人は相当嫌がっていたそうだが、ファン達は親しみをこめてこう呼んでいた。
 またまた懐かしいMaine Roadの風景と共に、彼の変態ドリブルぶり、とくとお楽しみあれ。

http://jp.youtube.com/watch?v=I7BuNzATQsw&feature=related

posted by fareasthammer |10:40 | General | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年09月19日

お勧め海外サッカー本

 誰ーもサッカーに興味を持たない国、フィリピンの首都、マニラに出張で滞在中。1日半で死ぬほどたまった仕事E-Mailの対処に疲れたので、思いつきで書いてみる。浦和の話題や、West HamのDefenseの話は余計疲れるので、一切触れないことにした。

 ずばり、今まで読んでよかったサッカー本。日本語に翻訳されているものをメインにピックアップしてみた。

1、Fever Pitch(邦題;「ぼくのプレミアライフ」・・・なんとひどい邦題だろうか)
 この本と、イタリアワールドカップ、準決勝のGazzaの涙がきっかけで、大きなサッカーブームがイギリスで起こり、今までサッカーにそっぽを向いていた中産階級が突然サッカーに目覚めたと言われているほど、インパクトの大きい本。
 著者は、それまでの「サッカーファン=労働者階級」という図式を覆す、Cambridge大出のBest Seller作家、Nick Hornby。映画化もされており、何と主演はColin Firth(こちらはいまいちなので、観る必要はなし)。
 著者が、父親に連れられて初めてArsenalを観てから、大人になるまでの、Arsenalと自分との関わりを描いたもの。「昨シーズンは、Man Uを応援していたけど、今シーズンはChelseaのサッカーが面白そうだから、Chelseaを応援しよう」的な輩には絶対理解できないほどの、Arsenalへの執着ぶりが、延々と書かれている。
 火曜日夜の下部相手のLeague Cupの観戦記、そして今までのうっぷんを振り払う伝説のAnfieldでの最終戦など、読みどころ沢山。これを読むとイギリス人のサッカーファンの心理が良く分かる。

2、Football Against the Enemy(邦題;「フットボールの敵」)
 オランダ生まれの英国人だったか、英国生まれのオランダ人だったか忘れたが、Brilliant Orangeなどの名著を数々生み出してきた著者の代表作。
 いわゆる「サッカーと政治・宗教・人種問題の関わり」といった、FIFAが絶対に表に出したくないような、サッカーの裏の世界をえぐった作品。Dinamo Kievがどういった背景で誕生したか(政治)、Glasgow Derbyの熾烈さ(宗教)、GermanyとHollandはなぜあそこまで熱い試合になるのか(歴史)などの重ーい話を章ごとにまとめたもの。
 J-Leagueで、相手チームを少しだけからかった横断幕に「神聖なスポーツを汚しやがって」と激怒するような人たちにはあまりにショッキングな内容なので、全くお勧めできない。

3、Among the thugs(邦題:「フーリガン戦記」)
 いまや、巷にごろごろしているいわゆるフーリガン本の元祖。イギリス在住のアメリカ人のジャーナリストが、80年代後半に初めて友人に連れられてサッカーを観に行って、あまりにアメリカンスポーツと違う客層に大きな興味を持ち、Manchester UnitedのRed Army、West HamのInter City Firmといった有名なフーリガンのグループに潜入してその実態を書いた名著。
 極めつけは、一番最後の、イタリアワールドカップ。結局著者本人がイタリアの警察に警棒でぼこぼこに痛めつけられるという痛いエンディング。
 フーリガンを群集心理、イギリスの極右、階級システムなどにからめて、冷静に社会学の視点からも分析している。

4、Legacy of Barry Green
 残念ながら、日本語訳は出ていないが(出るわけもないが)、Over Land and Sea(OLAS)というWest Hamのファンジンの投稿者の一人である、ごく普通の労働者階級のイギリス人West Hamファンが、どうしようもなく弱いチームを応援することの辛さ、そしてたまに訪れる歓喜の瞬間を、馬鹿正直に日記風につづったもの。
 West Ham Till I Dieに続く第3段の本書は、Roederの元で、Joe Cole、Di Canio、Defoe、Michael Carrickといった面子を揃えたWest Hamが、Roeder監督の迷采配と、Christian Daily、Gary Charles、Gary Breenといった、とんでもない選手たちのお陰で降格をするシーズンを軸に書かれている。
 借金にまみれた著者自信の私生活などもリアルに書かれており、きわめて共感の持てる一冊。

posted by fareasthammer |23:20 | General | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年06月30日

イングランド不在のEuro閉幕

 ナビスコカップでついてしまった負け癖がすっかり抜けない浦和は、リーグ戦2連敗。ますますリーグを盛り上げる結果となった。オーバー30の11人制サッカー大会に参加していたため、後半からしか試合自体は見れていないが、内容的には、柏2-1浦和はかなりフェアであり、かつエンターテイニングな試合であった。日本代表のフラストレーションのたまる試合のあとに見るJリーグの試合は、スピーディーかつ、選手のアイデアに溢れており、きわめて新鮮だった。

 さてさて、肝心のワールドカップアジア地区最終予選だが、残念ながら個人的に最も盛り上がるイラン、韓国とは別グループとなってしまった。一方で、オーストラリアと当たれるということ、そもそも、イラン、韓国、北朝鮮、サウジと別組になったことで、多少「楽な」(現実あまりそうとは思えないが、、)グループに入れたということで、良しとせざるをえないところか。最後のオーストラリア戦は、まず間違いなく現地で観戦するだろう。寒い日本を抜け出して、オーストラリアのビーチでのんびりし、夜はバーをはしご、そして10万人収容のスタジアムでサッカー観戦。そしてまたバーをはしご。こんな楽しみ方は、サッカーファンだからこそ出来る。

 そして、そんな楽しみ方が出来なかったイングランドのファンにとっては、少し寂しいEuro08’も、遂に閉幕。Finalは、「1-1、PKでドイツの勝利」という僕の予想を見事に裏切ってくれた。何をつまらんと言われようとも、僕の中でのドイツは「世間の期待を裏切る」チームであったのだが、、。そして、何よりも2002年のワールドカップで、韓国を打ちのめしてくれたあの恩義を忘れていない僕は、何気にドイツを応援していた。

 今回のEuroだが、日本代表のパフォーマンスを見てすっかり汚れきった心を洗浄してくれるような数々の好ゲームにめぐり合えて非常に感謝している。一方で、やはりイングランド代表の不在ということに、意外なまでに、一抹の寂しさを感じていることに気づいた。  
 100%ピュアな日本人でありながらWest Hamのファンという自分にとってのイングランド代表というのは、まさに「嫌いな選手の巣窟」である。近年は、Gerrard、Lampard、Rooneyあたりが、ひどいパフォーマンスを披露し、メディアにぼろくそに叩かれるのをほくそ笑んで見ていたし、Croatiaに負けたときなど大笑いしてしまった。が、実際に大会が始まってみると、前回のワールドカップで散々メディアに面白おかしく取り上げられていたWAGS(選手達のWife & Girl Friendの略)、スタジアム中の壁という壁を覆い隠すSt George’s Cross (イングランド国旗)、目を覆いたくなるほどお粗末なパフォーマンスとLampardの苦痛に満ちた表情、そして必ずお約束の大騒ぎをする体温並みのIQを持つフーリガンども、といった、大きな大会に必ずつき物だった事象に、今大会では一切お目にかかれていないわけである。

 やはりイングランド代表は僕にとっては必要悪なのだ、と今回はっきりと認識した。

 さあ、何はともあれ、J-Leagueに日本代表、そして来月からプレミアリーグ開幕と、忙しい08’下半期のスタートだ、、。

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posted by fareasthammer |11:36 | General | コメント(2) | トラックバック(0)
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