2008年10月16日
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
長ーい一日を終えて今帰宅。何度も歩いた埼スタから美園への道のりだが、今日は、いつまでたっても辿り着かないかのように感じた。スタジアムで目撃した風景に嬉しさがこみ上げ、その余韻に浸っていたせいだろうか。 試合前、美園の駅に着いた瞬間、目に入ってくるおびただしい若いカップル達と女の子の集団の姿。最後までディ○ニーランドのアフター6にいくか、日本代表の内田君に黄色い声援を送るか迷った挙句、こちらに来てくれたのだろうか。これから始まる真のエンターテイメントを前に笑顔が耐えない。日本サッカー協会が夢描いた姿がここに実現しつつあるのだ。「世界一安全なスタジアム」構想。 あとは、選手の起用方法に不満の声を上げたり、敗戦後に悔しさのあまり空のペットボトルをスタジアムに投げ込むようなごく一部の凶悪フーリガンを排除するだけだ。ぜひJリーグ、サッカー教会、そしてサッカーにエンターテイメント性だけを求める最優良のファン達が力を合わせて、こうした極悪ファンをスタジアムから締め出せる日々を待つだけである。 スタジアムの外では、等身大の日本代表の選手達が写った、大きな写真が飾ってある。女性、子供、カップル達が、列を作ってその前で記念写真を取っている。ジャニー○のコンサートの前にもこのような気の効いた演出があるのだろうか?「ホーム緒戦は絶対に落とせないぞ」などと過度に緊張した一部のファンたちも、これを見ると思わず笑みがこぼれてしまい、戦意も喪失する。これが、よりスタンドでのフレンドリーな雰囲気を作り出すことに間接的に寄与していることだろう。こんなところにもサッカー協会の絶え間ない努力が伺える。 スタジアムに入ると、試合前のTulioのメッセージ映像に、スタジアムから暖かい笑い声が起きる。きっと彼の長髪があまりにチャーミングだったのだろう。憎らしい演出だ。 国歌斉唱では、和田アキ子の登場だ。結果としてスタジアムで本日最大の歓声が沸きおこる。 これから始まるTulio、俊輔の夢の祭典を前に会場のボルテージは一気に上がる。 試合開始と共に、ゴール裏からは、ノンストップで、98年W杯予選からの定番、「おー、ばもにっぽーん」のコールが延々と流れる。大きな試合にしか足を運ばないような家族連れ、カップル達も一緒に歌えるような素晴らしい配慮である。残念なことに、前のカップルは、「ばも」の部分が聞き取れないらしく、手拍子を繰り返すだけであった。今後は、ファンの声援に合わせて、歌詞をスクリーンに映し出すような配慮を、サッカー協会に提案してみようと思う。横浜マリノスの「今のはオフサイドです」表示の素晴らしい前例もあるだけに、期待は持てるだろう。 予想外の失点に会場の半分は笑顔で「あー」と残念そうな声を上げる。恐らくドーハの悲劇、ジョホールバルの喜劇を生で体験したであろう年齢層やや上の「自称ハードコアサッカーファン」達は顔を凍りつかせてしまうが、明らかにこれは時代の流れに逆行している。ついつい、お茶目に不用意なパスミスを繰り返す中澤に大声で野次を入れてしまい、前のカップルに冷たい視線を浴びる。もしや自分も浦和レッズに少数だけ生き残っているフーリガン一味だと思われてしまったのかもしれない。強烈な自責の念が湧き上がる。 ゴール前では全く怖さはないものの、中盤で綺麗にパスをつなぐ日本代表に、1点ビハインドのものの、スタジアムはポジティブな雰囲気に包まれる。あと少しで届かなかった内田からのクロス(長谷部だっただろうか?)にも、笑顔で拍手。 やがて訪れる同点弾には、和田アキ子登場時に負けずとも劣らない拍手が沸き起こる。8月にかみさんを連れて出かけた横浜港の花火大会で、最後に打ち上げられた巨大花火に拍手喝采する観客を思い出す。ついつい友人と、ガッツポーズを繰り返してしまうが、あまりのオーバーリアクションに周りから再び冷たい視線が浴びせられる。もしかしたら、ゴールの瞬間に立ち上がってしまったため、後ろの人はゴールシーンが見えなかったかもしれない。最後の花火のシーンで、視界をさえぎってしまったら、それを楽しみにして花火大会に来た人たちはどう思うだろうか。 友人達も僕も、ゴールの瞬間には既に立ち上がっているというきわめて周りにははた迷惑な悪い癖がある。 「たかだか、スポーツ。別にワールドカップに出れなくたって、大事ではない」。そうした風潮をもう少し頭に入れてから今後は試合に臨み、決して他人に迷惑をかけまい、と堅く心に誓う。 残り10分で上がりっぱなしのTulioに大きな拍手が上がる。これぞ観客が待ち望んでいた真のエンターテイメントである。ロングボールがTulioめがけて上がるたびに、ビッグさんダーマウンテンが急降下する直前のような楽しそうな悲鳴があがる。Tulioを初めとする選手たちも、選手冥利に尽きることだろう。 今は、98年の予選の時のような、欧州ばりの殺伐とした雰囲気もなし、審判に対して物を投げ込むような不遇の輩も皆無、何よりも選手バスを取り囲んで物を投げつけるようなMillwallファン顔負けのネアンデルタール人達は絶滅したのだ。 まさにブルーヘブン。不必要なプレッシャーのない中で、ぜひ思う存分自己表現をし続けて欲しい。 試合は残念ながら1-1のまま終了。ぞろぞろと美園の駅に向かう集団の中には、我々のようにため息をつきながら下を向いてあるく人たちもたぶんにみかけられる。しかしながら、若い世代のファン達は、「今日残念だったけど、いい試合だったね」と軽やかな足取りで家路についている。まさにこのポジティブ思考こそ、ドーハ世代は、「メキシコの青い空」世代が学ぶべき姿勢である。 97年でのウズベキスタンとのホームでは6-3の勝利。恐ろしいほどの殺気に包まれていた当時だからこそ出来た芸当なのだろうが、1-1という結果は、世界が羨ましがるスタジアムを作り上げた代償としては、小さいものである。 本予選では、オーストラリア、ウズベキスタンと言った、きわめて好戦的なホームファンがいるアウェーの試合がある。きっと彼らは、人種差別的な発言、投石などで日本のファンを迎え入れることだろう。それに対しては、素晴らしいマナーを持ち合わせたファン達は、「Oi you Jap C*nts !」などと罵声を浴びせられたら、それに対してはぜひ深々と笑顔でおじぎをするなど、日本のサッカー文化がいかに優れているかを見せつけるべきだろう。 所詮サッカーはスポーツ。日本がワールドカップに出れなくとも、Kaka、Ronaldino、Lampardなどのスター選手たちが代わりに僕らを楽しませてくれるだろう。そんな気持ちで今後のワールドカップ予選を観戦していくべきなのだろう。古い考えは捨てなければ。進化あるのみである。
posted by fareasthammer |00:27 |
日本代表 |
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日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
fareasthammerさん、こんにちは。
なんだか褒めている様な皮肉の様な・・・(笑)
私としては、スタンドの熱は選手から伝播するものと考えており、今の穏やかなスタジアムは選手に必死さが無い(見えない)からではないでしょうか・・・?
”古い考え”を持った私からすると、フランス大会以前の代表の方がよっぽど戦っていた(思いを表現していた)と思います。観客の質が変わったのもその時期からと考えています。
時代・世代が変わったからという輩もいますが、ボール回しが上手いだけのチームと、少々下手だが必死にゴールを目指すギラついたチームのどちらが怖さを持っているかといったらいつの時代も同じ、言わずもがなです。
必死なのは同じ(と信じたい)でも、戦わない(様に見える?)選手には戦わない客しか集まらないという事でしょう。 観客はそのチームの映し鏡であると思います。
だから、私はここ数年の代表を絶対に生で応援しようとは思いません!
だからといって、レッズの試合を埼玉で見ようとも思いませんが・・・(笑)
必死さが見えないプレーにスタジアムを興奮のるつぼとする事は不可能なので、結果として安心・安全なスタジアムになったのでしょう・・・
ここ日本でサッカーを本気でやってきた人間としては、最後のくだりだけは納得いきません、だってその考えこそイタリア大会までの自分の考えですから・・・(笑)
posted by NORI | 2008-10-16 13:13
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
Noriさん、コメントありがとうございます。
ちなみに、ご想像の通り、全て皮肉で、自身の本意はほぼ内容の正反対で捉えていただければ大体お分かりになるかと、、。
ということで最後のくだりもNORIさんと考えは一緒です(苦笑)。
> 時代・世代が変わったからという輩もいますが、ボール回しが上手いだけのチームと、少々下手だが必死にゴールを目指すギラついたチームのどちらが怖さを持っているかといったらいつの時代も同じ、言わずもがなです。
おっしゃるとおり。韓国代表はこのぎらつきが日本とやると、普段の150%になるのにはいつも敵ながらあっぱれです、、。
posted by Far East Hammer | 2008-10-16 22:20
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
先日の代表ゲームは全く持って、
「これ本当にレッズのお膝元?」
と言いたくなるぐらい切迫感が
有りませんでしたね・・・
日本サッカー大丈夫?
posted by クレーマー | 2008-10-16 23:51
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
結構まずいと思います<日本サッカー。
これってスタジアムに行っていない人だと絶対に分からないまずさですよね。
posted by Far East Hammer | 2008-10-18 00:41
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
精神論は古い考えだとは思うけれど、、、、
今こんな時にこそ、カズ、ラモスのような熱いハートが応援する人間に伝わる選手を見たい。
最近はテレビ観戦でもチャンネル変えずにいるのが難しくなってます。投石、罵声がいいとは言わないけれど、あれではホームの利なぞ無いに等しい、、、、
ホームの引き分けで満足なぞ出来ませんよね。
岡田やめちまえ!
posted by 748 highroad | 2008-10-18 07:06
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
精神論は古くからある「大事な考え方」という事だと思いますよ。(厳しい事に耐えられなかった精神的に弱い連中がもっともらしく取り繕う常套句ですな(笑)
今の日本は頭でっかちで口が達者なヤツが、もっともらしく仕事をして評価される世の中にしてしまったから、日本サッカーもそんな感じになってしまったのでしょう・・・。
熱い心や最前線で体を張っている人が本当に評価される世の中にならない限り、日本サッカーはお寒いものになるでしょう。(だから日本サッカー界では”最前線”より中盤に人材がより多いのでしょう・・・)
サッカーは国民性が最も現れると言われるスポーツですからね。。。
posted by NORI | 2008-10-22 13:04
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
いつも拝見していますが
コメントは初めてです。
あの夜は全く同じ歯がゆさだけが浦和の夜空に残りました。
荒れ狂えとは言いません。楽しんでいいと思います。でも熱は持っていてほしい。
W杯予選をこんな風に思う我々は古い人間なんでしょうか。
これからもblog楽しみにしています。
posted by sakura39 | 2008-10-25 20:09
日本 対 ウズベキ ~ 世界一安全なスタジアムの実現
コメントありがとうございます<皆様。
僕も「精神論」を大切にしたい派です。そう考えると中山、ラモスあたりは見てて訴えられる何かがありましたね。ラモスなんかもろ精神論前面に出してましたし。
あのウズベキスタン戦の「寒さ」を感じてくれた人が結構いるだけで少し安心しました、、。
posted by Far East Hammer | 2008-10-26 00:28


