2010年08月31日

【第13戦】ベルギーGP:レースレポート~後編~(決勝結果あり)

いつもF1初心者のブログをご覧いただきありがとうございます☆

今回は、先日のベルギーGPのレースレポート『後編』をご紹介します。

ベルギーGPの主役は、やはりハミルトンではありましたが、それ以外にも注目したいドライバーがたくさんいましたね☆



【夏休みでマシンの戦闘力もアップ!クビサが堂々の3位表彰台!】
今回、ハミルトンvsウェーバーのチャンピオン争い兼ベルギーGP優勝争いが注目されましたが、その陰で素晴らしい走りを見せたのが、ロバート・クビサ(ルノー)でした。予選では難しいコンディションの中、上手くタイムを伸ばして3位を獲得!決勝も常に上位集団の中で負けずに走り、バトンとベッテルのクラッシュ以降は、1位ハミルトンと同じペースで2位を走行!
最後、雨が降ってきた時のタイヤ交換で所定の位置にマシンが止められなかったことが大きなタイムロスとなり、ウェーバーに2位を奪われてしまいますが、堂々の3位表彰台を獲得しました!

現在、ドライバーズランキング7位、チームランキングも5位につけるクビサとルノーチーム。シーズン開幕から着実に「弱点を克服していく」マシン改良を行い、夏休み明けの今回ベルギーでは、ついに「Fダクト」を導入!これがトータル的にマシンのレベルアップにつながり、今回の3位という素晴らしい結果の原動力となりました。

次回はFダクトの効果が重要視される超高速コース「イタリア・モンツァ」。チームランキングでも4位メルセデスGPに23ポイント差まで迫ってきました!

開幕時に「4強」と恐れられた一角を崩す瞬間が、そろそろ見られそうですね!





【バリチェロ、記念の300レース目に“追突事故”】
今回のベルギーGP。開幕前から「記念レース」として大きくメディアが取り上げていたのが、ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)のF1参戦300レースです!
実は、現在の歴代F1最多出走記録の1位は、バリチェロ本人!なので、この300レース到達も60年になるF1の歴史の中で、初の快挙となるのです!

アイルトン・セナ時代のF1をご存知の方にとっては、最多出走記録と言えば「リカルド・パトレーゼ」を思い出すかもしれませんが、彼は歴代2位で256戦。バリチェロはパトレーゼの記録を2008年トルコGPで追い抜き、歴代1位で記録更新中なのです☆


1993年に20歳でジョーダンチームからデビューしたバリチェロ。今ではシューマッハとバリチェロのみが、あの「アイルトン・セナ」と一緒にレースをした数少ない現役ドライバーとなりました。1994年には先輩セナが亡くなったサンマリノGP予選で大クラッシュし大怪我を追ってしまいますが、復帰後の“ベルギーGP”、スパウェザーの難しいコンディションを先読みし、初ポールポジションを獲得しました。

デビュー8年目には名門フェラーリに移籍するも、チームからの指示はいつも「ミハエル・シューマッハのサポート」。それが嫌になったバリチェロは2006年にホンダに移籍。日本のチームの一員として、バトンとともに走りました。
そのホンダが撤退し、新たにブラウンGPとして船出した2009年シーズン。チームメイトのバトンと激しいチャンピオン争いを展開しますが、惜しくも破れてしまい、今年は新天地ウィリアムズで元気良く参戦し続けています☆

今回は、この300戦目を祝福ムードに包まれたバリチェロ、ヘルメットはもちろん、バリチェロのマシンも「300戦記念仕様」の特別カラーリングが施されました。
予選では、初ポールの時と同じようにスパウェザーを上手く読み、7位を獲得!決勝でもスパウェザーで荒れる予報が出ていたので、鉄人バリチェロの大活躍が期待されました!!

しかし・・・
スタート直後に降り出した雨に足元をすくわれ、1周目のバスストップシケインでアロンソに追突。300戦目の記念レースは、1周もせずに終了してしまう、あっけない形となり、スパウェザーに邪魔されてのリタイヤとなってしまいました。


できれば完走はしてほしかったところですが、また次回以降も「元気良く記録を更新していくバリチェロ」に注目したいですね!



【メルセデスGP、グリッド降格なら“賢く”戦おう!】
予選では11位シューマッハ、12位ロズベルグとあと1歩でQ3進出を逃したメルセデスGPチーム。さらにシューマッハは前戦ハンガリーGPでの幅寄せ事件で10グリッド降格。ロズベルグもギアボックス交換で5グリッド降格のペナルティを受けました。
他のドライバーのペナルティの関係も有り、結局ロズベルグは14位から、シューマッハは21位からのスタートとなりました。

スタートでは、ほとんどのドライバーが晴れレースを想定して「ソフトタイヤ」を選択していましたが、メルセデスGP勢は路面温度の低い状態ではタイヤの性能が発揮しにくい「ハードタイヤ」を選んでスタートしました。

普通の晴れレースでハードタイヤを装着してのスタートと言うことは
「ハードタイヤでレース前半の走れるところまで走り切って、最後の最後でソフトタイヤを使い短期決戦を行う」
という作戦が想像されます。

しかし、雨絡みのレースが予想され、路面温度もいつもより低い20℃。さらに燃料満タンのスタート時からハードタイヤとなると、少々不利な展開が強いられてしまいます。

それを覚悟で、なぜ彼らはハードタイヤでスタートしたのでしょうか?



★★ここがポイント「これが“世界最強と言われた”皇帝の頭脳」★★
その秘密は、ピット戦略図を見れば、一目瞭然です!

<<上位陣の戦略>>
決勝1位:ルイス・ハミルトン「マクラーレン」
決勝2位:マーク・ウェーバー「レッドブル」
決勝3位:ロバート・クビサ「ルノー」
S:●●●●●●●●●●●[P]○○○○○○[P]◆◆◆◆◆:G

<<メルセデスGPチームの戦略>>
決勝6位:ニコ・ロズベルグ「メルセデスGP」
決勝7位:ミハエル・シューマッハ「メルセデスGP」
S:○○○○○○○○○○○○○○○○○[P]◆◆◆◆◆:G

※マーク説明
S=スタート G=ゴール [P]=ピットイン(タイヤ交換)
○=ドライ(晴れ用)タイヤ「ハード」 ●=ドライ(晴れ用)タイヤ「ソフト」
◆=インターミディエイト(雨用)タイヤ


ソフトタイヤでスタートした上位陣は、レース中盤に義務を果たすために、タイヤ交換を行います。
しかし、レース終盤に雨が降り出し、雨用タイヤを求めて再度ピットに入ることなり、彼らは合計2回のピット作業を行うことになりました。

しかし、メルセデスGP勢は、最初から「レース後半に雨が降ってきても対応できるように」ということで、ハードタイヤでのスタートを選択。雨が降ってくるまで無交換の状態でいたので、彼らのピット回数は晴れ用→雨用への1回のみで終わっていたのです。

ただ、皆さんの中には「そうすると、メルセデスGP勢はソフトとハードを1度ずつ使用しなければいけない“義務”を果たしていないのでは?」と疑問にもたれる方も多いと思います。

実は!予選レポートでもお話しましたが、レース中に雨が降り、雨用タイヤを使用した場合は「ソフト・ハードの義務」は“適用外”となるのです!なので、無理に義務を果たす必要がありません!!


名将ロス・ブラウン率いるメルセデスGPチームは、このルールを上手く利用し、
・ハードタイヤでスタートし、雨が本格的に降ってくるまでハードで走り続ける
・雨が降ってくれば雨用に交換。最悪、最後まで雨が降ってこなければ、ラスト数周でソフトに交換し、義務を果たす。

こういった、レース展開に応じた2つの作戦をたてていて、どちらに転んでも「ピット作業は1回だけ!」という戦略が成り立っていたのです。

これにより、ピットの総ロスタイムを見ると、スタート時に彼らの前にいたドライバーよりも、約20秒(ピット1回分)短いロスタイムで済んでいて、さらにスパウェザーに翻弄されたヒュルケンベルグやリウッツィ、ブエミなどは4回もピットインしていたのです!

9位スタート→決勝14位:ニコ・ヒュルケンベルグ(4回:1分16秒290)
11位スタート→決勝13位:ハイメ・アルグエルスアリ(3回:1分9秒628)
12位スタート→決勝10位:ビタントニオ・リウッツィ(4回:1分36秒155)
14位スタート→決勝6位:ニコ・ロズベルグ(1回:27秒592)
16位スタート→決勝12位:セバスチャン・ブエミ(4回:1分34秒099)
21位スタート→決勝7位:ミハエル・シューマッハ(1回:22秒818)

こうして、勝つため、上位入賞するために、細かいところではありますが「無駄」をなくしたレースをしたメルセデスGPチーム。これによりグリッド降格のペナルティがあったにも関わらず2台揃っての入賞を果たしました!!




いかがだったでしょうか??
今回も、気になったチーム・ドライバーを中心に話題を取り上げて、「復習」という感じで詳しく見てみました☆一度見たレースの内容を振り返ってみたりすると、「このレースのポイントはここだったのかぁ☆」「こういった部分に注目すると面白いのか☆」と新しい発見もできますし、今後レース観戦するときの「ヒント」にもなるかもしれません☆ 
これからも、みなさんのF1観戦のお手伝いができるように、このような記事を作っていければと思っています☆ 

posted by 吉田 知弘 |21:38 | コメント(0) | トラックバック(0)
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