ポラリス★スポーツ通信社

第94回箱根駅伝 往路〔評〕

このエントリーをはてなブックマークに追加

1区

この区間で最も持ちタイムの早い順天堂・栃木が引っ張った。 入りの1kmが2分56秒、3kmが8分42秒、5kmが14分36秒、10kmが29分21秒。 近年、序盤スローペースで入りながら、途中でペースのアップダウンが激しい消耗戦となることが多かった1区だが、この日は1km3分を少し切るくらいのペースで淡々と終盤まで流れることとなった。 こうなると、選手の実力差がそのまま結果となって表れやすい。

青学・鈴木がスパートをかけた17km手前からレースが動いた。 鈴木は、集団の選手の中で特別余裕があるようには見えなかったが、このまま最終盤まで集団で流れてしまうのが嫌だったのだろう。 他の選手は誰かが動いてくれるのを待っていた感があり、それを最もうまく利用したのが東洋・西山だった。 西山は高校時代から、大学に進学せず住友電工に進んだ遠藤日向(学法石川高校→現住友電工)に次ぐ5000mのスピードを誇るランナーだったが、スピードだけでなくロードでの駆け引きという点でも1年生とは思えない落ち着いた適応を見せた。 西山も動き出しとしては早いと思ったようだが、動いたのであればそれに乗じて行くしかない。 余裕もあったのだろうが、それを上回る思い切りの良さ、切り替えの早さは素晴らしい。 青学・鈴木は、動き出した直後に六郷橋を迎えたが、橋の上り下りを利用して離せるほどの余裕はなかったところを見ると、動くのが早すぎたと言える。 とはいえ、自分から揺さぶって行き切れなかったわりには、1区5位の25秒差なら十分な働きができたと言っていい。 他、上位に予想された学校では、神奈川の山藤、早稲田の藤原、東海の三上もそれぞれ西山から40秒以内の差で2区へ襷をつないだ。 平均的にハイペースで流れた中で、17位までが先頭から1分差以内で襷をつなぐという、近年の箱根駅伝を象徴するようなハイレベルな1区だった。

2区

近年は、1区、3区、5区にエースが分散される傾向があったが、昨年から5区が短縮されたこともあり、昔のようにエースが投入される「華の2区」に戻った感じがする。 追いつき、あるいは追いつかれてからそこでしばらく集団になり、終盤に誰かがその中から抜け出し突き放すということが各集団で展開され、非常に見ごたえがあった。

その中で、一度も集団にされることなく首位で襷をつないだ東洋・相澤の走りは光った。 一度でも追いつかれると、前を走るランナーは精神的に多少なりとも動揺する。 相澤は序盤から1kmが2分44秒、5kmが14分12秒と、やや早いかと思われる入りとなった。 これには、一度でも追いつかれて相手に元気を出されたくないという東洋のチームとしての戦略を感じた。 また、デレセ、ニャイロといった序盤から爆発的に飛ばしてくるタイプの外国人留学生がいるチームが直後の二番手ではなく、1分近い後方の後ろの集団からまず前の集団に追いつき、さらにその集団を置き去りにして上がってこなければ追いつかれないという展開になったことも東洋には幸いした。 結果的に終始単独走になり、終盤若干疲れを見せたがそのまま押し切り区間首位とは3秒差の区間3位で走破してしまうのだから恐れ入った。 トップで襷をもらうことも十分想定していたのか、このような展開になったときにはこう走るということが事前に学習されているようなレースぶりに見えた。 運営管理車の酒井監督のレース中の指示もあるが、もし指示がなくても相澤はそのような走りを自分で展開していたに違いない。 もちろん相澤のポテンシャルがそれに応えられるくらい高いものがあるからこそできることなのだが、監督の意図が十分に徹底され、本人もそのつもりで走っているように見えた。 東洋の各選手に言えることなのだが、1区のような集団になっても、また2区以降のように単独走になっても、その時の走りや監督の意図が事前に選手に徹底されている。 準備の素晴らしさとともに、酒井監督の優れた指導力を感じる。

4ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
陸上
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

明治19シーズンぶりの決勝進出【スポーツ えっせい】

第94回箱根駅伝往路総括【愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」】

箱根駅伝’18 大手町で愕然 応援団のハシゴ! 波乱続出往路を東洋がほぼ完勝!青学総合4連覇濃厚!【「KC」だよ!「カンザス」ではない!】

今さらですが、桐生選手、公認9秒台おめでとうございます!【スコッチを片手に】

第94回箱根駅伝 展望【ポラリス★スポーツ通信社】

ハッピーニューイヤー、2018!!箱根駅伝区間エントリー!!【スポーツ大好き聖人−燃え上がれ東北魂−】

第94回箱根駅伝ではどのようなドラマが生まれるか【愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」】

スケート部・日本学生氷上競技選手権大会3位決定戦対関大戦【「中大スポーツ」新聞部ブログ  ~劇闘中大!中大から大学スポーツを熱くする~】

ブロガープロフィール

profile-iconezoshika

  • 昨日のページビュー:154
  • 累計のページビュー:317311

(01月15日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 第93回箱根駅伝 各大学総括
  2. 第92回箱根駅伝 復路観戦記&総評
  3. 第93回箱根駅伝 〔復路〕評
  4. 第94回箱根駅伝 往路〔評〕
  5. 第93回箱根駅伝 〔往路〕評
  6. 第92回箱根駅伝 往路観戦記&復路の展望
  7. JRAは今こそ「内」に目を向けるべき ~JRAの新規騎手免許試験、外国人騎手2人が合格~
  8. 箱根駅伝、これからの十年に向けての問題点とその考察 -その1 給水について-
  9. 第94回箱根駅伝 復路〔評〕
  10. 第91回箱根駅伝オンタイム観戦記 -総評- 来年、再来年を見越して

月別アーカイブ

2018
01
2017
01
2016
01
2015
03
02
01
2014
12
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月15日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss