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第93回箱根駅伝 〔復路〕評

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第93回箱根駅伝は、青山学院の三連覇および大学駅伝史上四校目の三冠達成で幕を閉じた。 レース当日の昨日中にはこの記事をアップする予定だったが、所用が立て込みアップがここまで遅れることとなってしまった。 せっかく全区間漏らすことなくテレビ観戦したので、少し遅くなってしまったが前回記事にならって今回は復路五区間を区間ごとに振り返ってみたい。

6区

前日の往路では、2位早稲田に33秒、4位東洋にさえ2分40秒と、過去二連覇にはない僅差で終えた青学。 それだけに、復路の出だしにはかなり気を使ったことだろう。 だが、この区間に昨年1年生ながら区間2位の走りをして見せた小野田を今年も置けたことは心強かったに違いない。 下りには絶対的な自信を持っている小野田。 それに7区以降の布陣を見ても青学の方が上と思われたため、総合優勝を引き寄せるには、早稲田にしてみれば、オーバーペース覚悟で下りに入る前に1秒でも、できれば手が届くくらいの位置にまで青学を追い上げたかったところだった。 だが、コースの最高度地点の芦の湯では逆に、追うべき2位早稲田、3位順天堂、4位東洋との差をそれぞれスタート時よりも27秒、26秒、36秒開いたことで、青学とすればまずは盤石の入り方ができた。 この時点で総合優勝を大きく引き寄せた、と筆者は思いながら見ていたものだ。 「刺し込み(ランニング時によく起こる脇腹の痛み)が来た」と小野田は後のインタビューで語ったとおり、得意の下りは若干不発気味の走りに終わった。 昨年の区間歴代2位の記録には30秒余り及ばなかったものの、それでも58分48秒台で走れば青学陣営としては十分だった。

この区間ではなんといっても日体大の秋山。 区間2位の小野田にさえ47秒もの差をつける区間新の快走を演じた。 ただ、青学にとって幸運だったのは、日体大が前日の往路で奮わず、6分44秒差の13位からスタートしていた点だ。 これが2~4位ほどの位置でスタートしていたならば、青学は慌てただろう。 結果的な話だが、次の7区で青学・田村和希がブレーキを起こしただけに、日体大が前日もっと奮っていならば、一気に総合優勝争いは混とんとしていたはずだ。 2位早稲田に2分18秒、3位東洋に4分34秒、4位順天堂に4分49秒差をつけて7区に襷を渡せたことは、後の7区の展開を加味するとなおさら、結果的に勝負の分かれ目だったともいえる。


7区

往路4区の裏返しの区間だが、復路のこの区間については往路と違い距離変更はなく、例年同様「つなぎ」のイメージの区間となった。 往路のように勝負区間に位置づけられているわけではないので、それだけに各校ともメンバーが薄くなりがちだが、ここに4区二年連続区間賞の田村和希を置ける青学の強さだけが光るかに思われた。

だが、その田村が、16キロ手前あたり(区間フィニッシュまであと5.5キロあたり)から体調に変調をきたすのだから、駅伝はわからない。 1キロのラップが3分30秒ほどにまで落ち込むなど心配されたが、このままのペースさえ維持できれば、つまり襷さえつなぐことができれば、青学が首位で襷を渡すことには変わりないと思って筆者は見ていた。 つまり、残り5キロで1キロあたり30秒ずつ縮められたところで(後続の早稲田・井戸もこの時点では1キロのラップが3分00~3分04秒程度だったので、実際には1キロあたり20~25秒ずつ詰められている計算だったが)、吐き出す貯金は残り5キロで最大でも2分30秒だ。 田村は前半、快調に区間記録ペースを刻んでいたおかげで、その前の二宮の地点では2位早稲田に2分52秒もの差にまで広がっていた。 したがって、そのままのペースで行っても30秒ほどのリードを持って襷をつなげることができるだろう、6区で広げたリードを吐き出しただけで8区からあらためて復路の仕切り直しになるだけだ、との見方を筆者はしていた。 とはいえ、襷をつなげるという確証もなく、当事者からすると肝を冷やしただろうが、原監督も後続の運営車で戦況を把握しながらおそらくそういった計算はしていたのではないか。 実際には、平塚で襷をつないだ時点で、首位青学と2位早稲田との差は1分21秒で3位東洋とは4分10秒。 思ったよりも差は縮まらず、原監督としては胸をなでおろしたに違いない。 もちろんブレーキの程度にも起こす地点にもよるのだが、この日の場合、田村がブレーキを起こしても、大勢にはそれほどの影響がなかったと言っても過言ではなかった。 それだけに、6区小野寺の功績があらためて大きいと感じられた場面だった。

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