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箱根駅伝、これからの十年に向けての問題点とその考察 -その2 関東学生連合チームついて-

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今回、箱根駅伝のルール変更点が以下のように三点あったということは、前回にも書いたとおりである。

①給水の方法が変わった。原則区間の中で1箇所の給水ポイントのみという固定制となった。

②一昨年までの「関東学連選抜」に代わり、今大会から「関東学生連合」が1チーム編成されることになった。

③コースの変更があった。従来5区の序盤および6区の終盤に位置していたトンネルの「苔の洞門」が、老朽化のため通行禁止になった。それに伴い、迂回するバイパスがコースになり、若干の距離の変更が生じた。したがって、5区が23kmあまりとなった82回大会以降昨年までの区間最高であった柏原竜二選手が出した記録が、参考記録となった。

今回はその2として、②の「関東学生連合」チームについて疑問に感じることを述べる。 筆者が改善すべきだと思う点は、それがオープン参加扱いというところである。

学校単体のチームではなく、混成チームとしての出場は、第79回大会(2003年)から第82回大会(2006年)までオープン参加の扱いとして出場した関東学連選抜が最初である(第80回大会は日本学連選抜)。 それを受け、第83回大会(2007年)から第89回大会(2013年)までの七年間は、オープン参加ではなく順位も残る正式なチームとしての出場となった。 だが、その果たす使命は終わったとして存続・廃止両面を含めて議論されることになり、昨年は学連選抜チームは結成されなかった。 それから、一年を置いた今回「関東学生連合」チームとして復活し存続することになった。

「関東学生連合」は、名前は変わったがその選抜方法と構成は、敗退校の中から予選会で速いタイムを出した選手を中心に選抜するということで、一昨年までの「関東学連選抜」時代と変わらない。 だが、最も大きく異なる点は、関東学生連合チームに関する記録はオープン参加としての扱いであり、全て公式記録とは認められないという点である。 したがって、たとえ区間賞を上回る記録で走ったとしても、区間賞とは認定されないことになる。 ここに筆者は疑問を感じる。

自分の走った記録が公式記録として残る。 出場する選手としては、当然、モチベーションの持ち方が変わってくることもあるのではないだろうか。

公式記録として認められていた一昨年までは、我々ファンとしても見ていて学連選抜チームにはワクワクするものがあった。 チームとして出場することは叶わず、練習環境もあまり恵まれているとは言えない、いわば弱小チームの雑草魂に溢れた選手が、エリートランナーを破って区間上位に名を連ねる。 そういう場面に、判官贔屓の気持ちにも似た胸のすく思いを感じた人も多かったはずだ。

また、学連選抜時代は、総合でもしも10位以内のシード権内を獲得すれば、シード校は学連選抜を除く9校となり、その分次年度の予選会から本大会に出場することのできる学校の枠を一つ増やすという制度があった。 実際に二度、シード権内に入った年があった。 これは、予選会から箱根を目指すチームにとって「自分たちのチームも出られるかもしれない」という勇気を与えられるものだった。 それに、もしもチームとして出場できなくても、学連選抜の一員として憧れの箱根路を走ることができるかもしれないという希望も、選手たちに与えた。 公式記録に残るのであれば、当然、より誇りを持って走ることができる。

「公務員ランナー」の川内優輝は、前回のロンドン五輪のマラソン日本代表こそ落選してしまったが、日本人の中では世界に近いマラソンランナーと言えるだろう。 その川内選手は、学連選抜で二度箱根路を走り、2007年の二年生の時に6区で6位、四年生の時には6区で3位という成績が残っている。 本人も「今の自分があるのは、チームとしては出られなくて悔しい思いをしたけれど、学連選抜で箱根を走れた経験があるから」という内容のことを言っていた。

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