2008年05月08日
コメントを頂いた皆さん、どうも有り難うございます。
コメントに対してのお礼は次のエントリーでたっぷりと・・・。
ブログ中断中の4月29日、前橋敷島サッカーラグビー場では、第19回敷島カップ争奪中学生ラグビーフットボール大会が行われました。
僕はその日、以前から県協会ジュニア委員会の方からお誘いは受けていたのですが、仕事の予定があり、直前まで色々段取りしたのですが結局は観戦を断念ということになりました。
ただ、ひとつだけどうしても気掛かりがあり、現場へ顔を出してはいます。
気掛かりとは、新中1生の試合。
他のスクールの関係者の皆さんには非常に申し訳ないのですが、その他がどうでも良いということではなく、とにかく、この2チーム、いえ、1チームが気掛かりだったんです。
それは、この日の第1試合、中学C(1年生の部)、シルクス(桐生)×高崎RCの一戦です。
このブログを以前から読んで頂いている皆さんには既にピーンと来ているとは思うのですが、先日のカインズ杯5~6年生の部代表戦決勝のエントリー『ただ、がむしゃらに。』の主役となった、桐生レオニスと高崎ポパイブラックスの子供たちです。
まだあれから1ヶ月あまりではありますが、彼らが中学生となり、新チームでいきなり対戦となったのです。
僕はひとつの心配事があり、どうしてもこの試合だけは見届けたかった。だって、僕は彼らを小学4年生から観続けていたのですから。
その心配事とは、『おそらく、桐生は負けるだろう。』ということ。
そして本当の心配事は、彼らがしばらくぶりに経験する敗戦ではなく、彼らを取り巻く環境がこの敗戦によって変化するであろう予想。
とにかく、運良く仕事は10時からでしたので、なんとか9時~9時27分の第1試合は観られると思い、敷島に駆けつけました。
当日の敷島はイベントが重なり混雑していましたが、なんとかキックオフ直後に現地に辿り着けました。
大会が終わってから『じつは・・・』なんて書くと結果論的で非常に嫌なのですが、この予想は、大会数日前から何人かの方に予測していました。最近とみに群馬のジュニアラグビーについて語り合う友人や、個人的にメールのやり取りをする、あるスクール(クラブ)の保護者さん方数人です。もちろん、そんな不吉な予想をズバリ言うわけにもいかず、『もしかしたら敗戦も有り得るよ』程度でしたが。
なぜ、カインズ杯チャンピオンで負け知らず(じつは小4の時に敗戦は経験しているようです。桐生タイムスのKさん、教えてくれてありがとう。さすが桐生通。)の王者・桐生の敗戦を予想していたかというと、ズバリ、環境の変化です。
変化について2つあります。
ひとつは競技環境の変化。
この1ヶ月で、小学生のミニラグビーの小さいフィールドから、いきなりフルコートへと変わります。変わりますって、僕もジュニア委員会の方から大会直前に教わって初めて気が付いたのですが(笑)、この差は大きいと思います。
詳しくはもう一度『ただ、がむしゃらに。』を読んで貰いたいと思うのですが、縦の圧力と接点を制圧してボールを継続し、こじ開けてBKの決定力で仕留める桐生に対し、高崎は、同じくFWの接点の強さとディフェンスから、魅力的なタレントを揃えるBKのスピードで揺さぶり、スペースを活かして走りきるというスタイルです。
狭いスペースでは森田兄弟というインパクトプレーヤーを揃える桐生に分がありますが、フルコートになってスペースが多くなったらスピードに勝る高崎に分があると感じていました。
もうひとつは、変化に対する免疫力です。
これも競技環境の変化になると思いますが、小学生の部卒業~中学生の部へと、まるっきり新しい環境に変化する“スクール”という体系のシルクス(桐生)に対し、ブルートという社会人のトップチームを頂点に、ジュニアと女子までピラミッドを形成している“ラグビークラブ”という体系の高崎は、そのトップから裾野まで一貫した指導が可能であるという点で、こうした環境の変革時には揺ぎ無い強さを発揮する。それがスクールとは違うクラブの特色だ。
特に今年の新中1生は、桐生は9人と、それだけでは中学生大会に出場するチームとしては成り立たず、必然的に、中学生の部が今のところ存在せず、隣の桐生に合流するというカタチになる伊勢崎ラグビースクールの子供達のチカラを借りなければならない。
そこが問題である。というか心配である。
僕ひとりが、個人的に感じたことであるが、『絶対的な強さを持っていた分、新しい環境に飛び込む準備が“出来ている”。』と。
文面がオカシイ。通常、『出来ていない』となるところではあるが、『出来ている』なのである。
カインズ杯終了後の謝恩会に、桐生タイムスのK氏と共に参加させて頂き、そこでの指導者さんや保護者さんとの会話、その後の関係者さんらからの伝聞をもとに想像すると、あまりにも伊勢崎スクールをエイリアン扱いしていると感じたからだ。
字面は非常に暴力的で桐生の皆さんにも、伊勢崎の皆さんにも失礼で憤慨することと思うが、ここはひとつ我慢して読んで欲しい。
桐生の誰もが、悪気は一切無く、逆に子供達に諭すように「新しく仲間になる伊勢崎の子達を歓迎しなさい。」と話していた。
一見、僕がラグビーで一番好きなところである、ウェルカムである。
しかし、根底には、『伊勢崎は今まで勝ち続けていたお前達とは違うのだぞ。その子達が“混ざってくるのだ”。』という想いを感じるのである。素直な子供達は敏感にそんな裏を察知する。伊勢崎から来る“仲間への心構え”準備万端である。
開始早々にポンッと獲られたトライによって、シルクス(桐生)は動揺する。縦の圧力で狭いスペースでも細かくボールを支配し繋げるのが持ち味であるので、スペースを見付けて華麗なステップで抜き去る技術なんていらない。役割りを理解しフォローを続ければ、技術・経験の差は埋まるのではないかと思う。しかしこの試合に限っては、どこのスクール出身に関係なく、ペネトレーターが孤立した。
「早く並べよ!」「なにやってんだよ!早く位置に着けよ!」
あるレオニス出身選手の叱責が飛ぶ。そのイライラが募った声調は、主将が仲間を鼓舞する檄ではなく、叱責の要素が多い。経験の少ない新しい仲間は、旧知の仲間には檄と思えるその声に狼狽し、余計にクルクル回ってしまう。
手が届きそうでも、どうしても超えられず、突き破れない分厚い壁であった“レオニス”を、意外にあっさりと抜き去り、走れることに高崎の子供達は戸惑ったかもしれない。高崎にも“エイリアン”が居たようだが、こちらは初の試合にも関わらずトライを得、ラグビーに目覚め、既に前からポパイブラックスに居たかのような“ネイティブ”になったようだ。
高崎にも、『新しい環境を迎える準備が出来ている』。
こちらは正真正銘『出来ている』のである。
僕は30歳代後半に差し掛かるところだ。僕が高校生の時、ラグビー部の友人が多かった(野球部とラグビー部は伝統的に仲が良いのだ。)。
ほとんどが高校からラグビーを始めるなか、1人だけスクール出身者が居た。現在は伊勢崎市になっている境のその友人は、高崎ラガーズ(当時。現高崎ラグビークラブ)出身であった。その頃群馬には、中学生は高崎ラガーズしかなかった。境という伊勢崎でも太田寄りのはずれから、その友人は高崎まで2時間近くかけて通っていたのである。
余談であるが、我がワイルドナイツ、桐生の、否、群馬の至宝・霜村誠一もそんな一人である。このブログでも再三、そして霜村選手ご本人も『桐生ラグビースクール出身』と公言されているが、じつは中学時代は高崎ラガーズで指導を受け、半分は高崎ラグビークラブ出身と言えるのである。
僕がここで『桐生RS出身の』と書く度、悶々とした気持ちでいる高崎関係者さんが、もしかしたらおられたかもしれない。だったらゴメンなさいだ。高崎の人たちはそんなこと全く持ち出さず、桐生に華を持たせている。
話しを元に戻して、もしかしたら、中学生の部では一日の長である高崎には、そんな環境の変化にフィットするプログラムが、高崎ラガーズ時代から伝統的に備わっているのかもしれない。それが今回の結果なのかもしれない。
さぁ、心配事の話しに戻るぞ。
後半、シルクスは流石に王者である。苦境にも自らの持ち味を活かし、信じ、再び試合のペースをもぎ取りにかかる。高崎ゴール前で何度も縦にフェイズを重ねる。高崎伝統の強いタックルも尽き、トライを奪われる。僕はこの時点でどちらがリードしているのか解らなくなっていた。
しかし、スペースを走れる楽しさは、もう高崎に刷り込まれた。なんと、傍から見れば明らかに足が速いと思えないサイズの堀越康介君までもが、シルクスディフェンスを置き去りにし走りきった。
26-27。この先も続くであろう好敵手の第2ステージの初戦は、高崎が勝ち取ったのである。
心配事はここからだ。
この両チームの対戦恒例、相変わらずの僅差。
負けたといってもじつに1点差である。壁を見事に破って意気上がる高崎には申し訳ない言い様だが、負けたうちに入らないのである。
しかし、かたやシルクスの選手たちや、彼らを取り巻く環境には、この久々の敗戦は非常に大きなインパクトであったと想像する。
そして、僕が心配する最悪の想像はこうだ。
『伊勢崎がもっと頑張っていれば・・・』
そして『レオニスでは勝ち続けたのにシルクスになった途端にこうだ。なにを指導しているんだ。』・・・。
何度も書くが、僕はどこかのスクール(クラブ)の関係者ではない。まして県協会役員でもない。そして競技者でもない。ついでに子供もいない。ただの傍観者、ワイルドナイツ原理主義者であり、群馬のラグビーファン、おっと、群馬のジュニアおよび女子ラグビーファンである。だから偉そうにラグビーについて語る資格は無い。そんなこと、誰に指摘されるまでもなく、以前から何度もここで書き続けているし、自分でも解っている。でも聞いて欲しい、いや、読んで欲しい。
この時点での、君達のスタートラインを少し超えたばかりのラグビー人生において、今の段階で1点差なんか負けじゃない。なにかがひとつ狂えば結果は逆になってる。シルクスの子供たちが間違ったプレーなんかしちゃいない。1ヶ月前と変わらず、自分達の持ち味を理解し、繋ぎ、掴まってもダウンボールをきっちりキープしていた。
新たに加わった仲間を責めるべきではなく、自らのスタイルに磨きをかけた高崎の選手達を讃えるべきである。それが競技経験の無い僕が感じる、信じる、ラグビーである。ノーサイドの精神である。
『伊勢崎の子達にはもっと頑張ってもらわないと。』
『伊勢崎のレベルではなく、桐生のレベルに合わせるべきだ。』
仮にそう思っている、クチにしているのだとしたら、僕は異論がある。
そもそも、シルクスのレベル、目的はどこですか?
どの目的に向かってもっと頑張るのですか?
勝利か?絶対的な勝利か?アルティメット・クラッシュか?
確かに競技において勝利は大切だ。子供のモチベーション維持には『勝つ』『強い』という競争意識が大切だ。
勝利を第一にするんだったら簡単じゃないですか。レオニスの優勝時の指導者の皆さんがそのままシルクスにスライドすれば良いんだから。
しかしそれが許されていないのが現状です。だったら、勝利の他に何か目的があってのことでしょう。
ちなみにシルクスのサイトから抜粋。
スクールの活動方針
1. ラグビーをとにかく好きになってほしい。そして,高校,大学,社会人になってもラグビーを続けられるほど好きになってほしい。
2. ラグビーを通して積極性や連帯感を高めつつ,人間関係の自分の行動の取り方・在り方,絆を学んでほしい。
3. 中学1年生から3年生まで仲良く。(仲間意識を強くもつ)
既に伊勢崎も桐生も“シルクス”である。
どちらに合わせて、どちらに頑張ってもらうではなく、シルクスとして頑張ってもらうのではないだろうか?
目的のはっきりしない企画・提案は、ただの思いつきである。そこに次に繋がる方法論は無い。誰の賛同も得られない。仕事の常識である。
子供達は敏感である。目的がはっきりしなければ迷う。逆にマイナスでもはっきりとしたものに染まってしまう。しかもマイナスが発する威力はプラスを凌ぐ。「伊勢崎は・・・。」なんて言えば子供達はそのまま「伊勢崎が・・・。」と言い出す。
シルクスが賛同されていないわけがない。いつだったか、東日本大会の予選でしたか、群馬選抜に漏れてしまったシルクスの3年生が自らウォーターボーイを買って出たと、選抜チームの監督の胸を打ったとコメント下さいましたね。それは子供達がシルクスとラグビーが好きだからとった行動ではないですか?子供達もそれがシルクスなんだと理解しているからではないのですか?
午後3時過ぎ、仕事がひと段落したので、再び僕は敷島に戻った。ちょうど最終戦の前橋RS×高崎RCの3年生の試合がやっている頃だ。
そこで僕は心の霧が晴れるような出来事を見た。
既に自分達の全ての試合が終わり、時間を持て余したシルクスの面々が、見慣れた顔とそうでない顔が一緒になって、グラウンド隅でなにやらボールゲームに興じているのである。
子供達の心に仕切りを作ってしまうのは、僕らオトナたちなのではないだろうか?
桐生の皆さん、槍玉に挙げたようなエントリーで申し訳ありません。ご了承下さいとか許してくださいとは言いません。ご気分害されたら、ただただゴメンなさいです。
でも、旧レオニスは、ひとりひとり個性のある素晴らしいタレントで、チームでした。彼らが最初からチームであったわけはないはずです。色々なことがあり、切磋琢磨してあれだけのレベルになったはずです。だから伊勢崎の子だって、すぐに追いつき、チームになるはずです。幾つものステージがあるなかの、今はまだ第2ステージのスタートに着いたばかりです。どうか、どうかお願いです。たった数回の取材をしただけなのに、僕を桐生ファミリーのように扱って下さったように、伊勢崎の子供達を、保護者さんを、シルクスファミリーとして下さい。
お願いです。
posted by みのる |16:35 |
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2008年04月02日
先日、日頃僕に群馬県内ラグビー事情を色々とご教授下さる県協会ジュニア委員の方から、『スクラム』という冊子が届きました。
(あ、まだ直接お礼を言ってなかった!どうもありがとうございました。)
B5版45ページからなるその冊子は、高崎ラグビークラブが定期的に発行しているクラブ会報のようです。それを発行しているのがスクラム会、いわゆるクラブの保護者会のようですね。
(“スクラム会”というから、FW選手の会とか、プロップマニアの会だと楽しみに覗いたウホッ!な方がいたらゴメンなさい。)
スクラム会会長さん(保護者会長さんかな?)のご挨拶から始まるその冊子は、時節柄、小学6年生と中学3年生の保護者さんや指導者さん、そして選手たちの高崎ラグビークラブでの思い出の寄せ書きで埋まっている。
僕は群馬のラグビーファンであるから、それほど各スクールやクラブの事情や選手、指導者さんを熟知しているわけでもないが、それでも試合のグラウンドに行くと度々声を掛けて下さる指導者さんや保護者さん、そして注目している選手など、顔と名前が一致する方々がいて、その方や子供たちが書いた文章を、顔を思い浮かべながらニヤニヤしながら読んでいた。
小学校低学年の子供も文章を寄せていたりしているのだけど、小3~中3まで、本当にこの子が書いたのかな~と思うほど大人びたものもあれば、あ~、この子はそういったキャラなのかというものもあり面白い。
小6の子達の文章を読んでいると、どうやらこれは小学校最後の試合、カインズカップの直前に編集されたもののようで、その意気込みや勝利への願いが至るところにあり、少しチクッと胸が痛むのだが、後は小学生の部修了を前にしての想い出とクラブや親御さんへの感謝の文章が詰まっていました。
大体の子供たちが、最初は半ば親の強引な勧めでラグビーを始め、嫌で辞めたかったというのが笑ってしまう。
しかしいつしか子供ながらに楕円球の魅力にとりつかれ、仲間の大切さを学んだ様子が書き綴られている。
そして後半、中学生の部の吉井コーチが、中学の部修了生ひとりひとりにこの子はどんな選手なのかというプロフィールと共に、贈る言葉を綴っているのだが、僕はこれを読んでいて泣きそうになりました。というより泣いたのですが。
残念ながら、この年の高崎RCの中学生は、前橋と桐生シルクスとの対戦は、春の敷島杯、秋の中学生大会ともに思うような成績は収められませんでした。僕のブログでも、決勝戦あたりからしか観ていなかったこともあり、採り上げることもなかったと思います。ゴメンなさい。
しかし、成績はどうあれ、指導者さんは一人一人の個性をしっかり見ていました。おそらく、中3生の文章を読むと半分ぐらいはそう想像できますが、この子達の多くが高校でもプレーを続けることでしょう。
先日、桐生の修了式にお邪魔させてもらった時にも、6年生はほぼ全員シルクスでプレーを続けると聞きました。最高のライバルである高崎の6年生もそのようだと耳にしています。
このことは、スクール(クラブ)の指導者さんや親御さん方など、周りの環境が子供たちにそうさせているのでしょう。
それはそうでしょう。これだけ一人一人の個性を見守ってくれている大人が傍にいると解っているのですから。
素晴らしい冊子を、どうもありがとうございました。
posted by みのる |19:44 |
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