股割り(MATAWARI JAPAN)

股裂き、開脚ストレッチング/股関節のソケット/腸の生理的湾曲/股割り

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先日も「股を割りたい」というお問い合わせがあった。
股割りは、ご存知のように裏技はない。
地道に股関節を訓練するよりほかないのだ。
一般の方は、股割りとストレッチングの区別がつかない。
すぐにでも股割りで180度開脚できるようになりたいという。
股割りは股関節を動かして、股関節から開脚するということだ。
しかし、股関節から開脚することと開脚ストレッチングとの区別がつかない。
私の出版物で勉強しても、その区別が難しい。
その事実を知らないと、「股裂き(ストレッチング)でもいいからお願いしたい」ということになる。
残念ながら、当社では股裂き(ストレッチング) を指導できない。
理由は、何度も繰り返しているが、身体を壊すからだ。
私は、リハビリを指導する立場のものとして、そのような有害な方法を指導できるはずがない。
たとえそれが見た目だけの柔軟性だとしても180度開きたいという人も多い。
しかしそれは、私の範囲ではない。
私は股裂き(ストレッチング)を絶対に指導しない。
医療関係者ならば周知の事実だ。
医療関係者で股裂き(ストレッチング)を処方するはずがない、と信じたい。

筋肉を柔軟にしてから動くという考え方には問題がある。
医療関係者なら解剖学実習を経験していると思う。
ヒトは死ぬと筋肉が弛緩して死後硬直し、生前よりも身体は真っ直ぐになる。
つまり、生きているときは自分自身のコントロールが筋肉を、身体を硬くしていることを忘れてはいけない。
なぜ、筋肉が硬いのか、硬くしてしまっているのか、ということを考えるべきだ。
1960年代から、筋肉という呪縛がはじまり、私たちの中ではすでに常識になった。
今一度、常識を見直すときだろう。

私は骨格ポジションをトレーニングする。
骨、関節、筋肉など、それぞれの器官の役割があるからだ。
ヒトは筋肉だけで動いているのではない。
重力の元、様々な力の中で生活をする。
ヒトは人間としての骨格構造を築く必要がある。
私は、それぞれの器官が役割を担う身体としての組織をトレーニングすることが大切だと考える。
それが、自然との調和ということになるのではないだろうか。
私の場合もメディアで骨盤が強調されることから偏って見られることも少なくない。
しかし、解剖学的見解は譲れない、見逃すことはできない。
私は、リハビリを指導する者である。
健康を脅かし、運動能力を脅かす骨格ポジションを指導できるはずがない。
骨盤後傾は、股関節のソケットに深くはまり込み、股関節運動を阻害する。筋骨格系の痛みの問題よりも内科的な問題の方が深刻なのだ。骨盤は漏斗状に傾き、骨盤底に負担を一極集中する。当然、腸の生理的湾曲は失われ、圧迫される。
このことについては、長くなってしまうのでまたの機会に触れることにするが、骨盤のポジションを骨盤後傾が正しいと勘違いしていたら大変なのだ。
腰を平らにしたり、仙骨を巻き込んだり、坐骨を下に、と表現はいろいろだが、動きが大事なのか、健康が大事なのかを考えるべきだ。むしろ、両方を兼ね備えていることが理想の骨格ポジションといえる。
骨盤立位という基準は、そういった背景を踏まえて紹介した。
骨盤立位より後ろでは、股関節のソケットに深くはまり込み股割りができない。
だから、骨盤をおこせという。
そこから、腹圧をかけるのは股関節の回転を上げる為でもあるが、腹壁でハンモックのように内臓を保護したいからである。

また、一般の方は、反り腰(腰椎伸展)と骨盤立位の区別がつかない。
これについても、長くなってしまうのでまたの機会に触れることにするが、そんなに簡単に骨盤立位で立つことはできない。先日、骨盤をおこすことのできない人のレントゲン画像を確認したが、腰椎で可動をつけていた。当然、そのようなことを続けていたら椎骨を変形させてしまうだろう。動きが大事なのか、健康が大事なのかを考えるべきだ。むしろ、両方を兼ね備えていることが理想の骨格ポジションといえる。
骨格ポジションはテクニックではない。
だから、地道に訓練するしかないということである。
ということで、私は股裂き(開脚ストレッチング)を薦めていない。
かといって、股割りが簡単にできるはずがない。
最低、3年はチャレンジすべきだろう。

私は、現場の相談に応えなくてはならない。
運動学に偏っても痛みのメカニズムに偏っても問題は解決されない。
メカニズムというのは、その研究に携わる人たちが最新の情報を導き出してくれる。
私たちは、それらの幾つもの情報を掛け合わせて一人一人の相談に対して解決策を導き出していくのである。一つの方法が有用なこともあれば、決して一つの方法だけでは解決できないことがある。むしろ、後者の場合がほとんどだ。
だから、勉強しなくてはいけないが、時間は無限ではない。
必要としている人がいる限り、情報発信者でありたい。



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