2008年10月06日

『小野公誠。』

小野公誠


捕手。右投げ右打ち。

ヤクルトには古田敦也がいた。
ヤクルトの捕手には常に古田敦也がいた。
チームがグラウンドに散ったとき、彼は必ずホームベースの近くに立っていた。

故に、小野公誠が表舞台に立つことは少なかった。


しかし彼は、古田敦也が居ないときには常にグラウンドにいた。
控えという立場ではあった。代役という役割ではあったが、そこは間違いなく小野公誠の居場所だった。
彼は常に古田の影にいた。だけど、彼は常にヤクルトと共にいた。


彼が最も輝いていたのは、恐らく2001年だった。ヤクルトが優勝した、あの年。
中盤で古田が膝を壊し、故に回ってきたその座。やはり代役ではあったけれど、常にスタメンで出続けた。
彼は打った。古田の影を感じさせないほどに、打った。
あの時、彼は希望だった。古田がいなくなっても、小野がいれば何とかなる。そう思った。

それは間違いだった、とは僕は思わない。あの年結局は、小野は古田の穴を埋めることはできなかった。
古田は膝の水を抜きながら、グラウンドに戻らなければならなかった。
でもあの時、小野は間違いなく古田の後を継ぐような、そんな姿を見せてくれていた。



小野公誠。

古田敦也の影に生きた選手。ただ、彼は決して影そのものでは無かった。

そんな彼もまた、今年ヤクルトを去る。


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posted by end-world |13:26 | 選手の話。 | コメント(0) | トラックバック(0)
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