暇人の観戦記

やはり天敵か、あるいはライバルか。

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スコアを見た瞬間、「やっぱり」と「惜しい」その両方の言葉が頭をよぎりました。

上地選手の準決勝、相手はオランダのアニーク・ファン・クート選手。 上地選手にとっては四大大会やマスターズ、スーパーシリーズで勝利が止まるならここ、というくらい相性の悪いオランダ勢。 ……昨年のマスターズシングルスでオランダ勢に連敗し、予選敗退するぐらいに相性が悪いです。 そして、今回も「僅差で競り負け」ました。 スコアは5-7.5-7。1セットもぎ取っておけばというスコアですが、セットごとのスタッツを俯瞰すると「競り負けた」というのが正しいでしょう。 今日の結果だけを切り取っても本当に相性が悪いですが、ファン・クート選手との相性は最悪です。 大会前のシングルでの通算成績では10勝12敗。全体で見ると「やや苦手」に入ります。但し一昨年辺りから勝率が悪いと感じていました。 そして、昨年のシングルスの対戦成績をITFの公式から引用すると、6戦して2勝4敗と大幅に負け越し。 特に大舞台でぶち当たると、これでもかとばかりに天敵と化します。負けた大会を列記するだけでうんざりしますが。 ローランギャロスの準決勝、BNPパリバオープン・ド・フランス(スーパーシリーズ)準決勝、ブリティッシュオープン(スーパーシリーズ)準決勝、そしてNEC車いすテニスマスターズ予選一回戦。 逆に勝利出来たのは、ジャパン・オープン(スーパーシリーズ)決勝と、サルディーニャ・オープン(ITF 1 Series)決勝。 そしてどちらの勝利も薄氷を踏むような勝利スコア。逆に負けた試合は何もさせてもらえないこともままあります。 今大会も当たると判明した時点で嫌な予感がしていたのですが、まだましな負け方の一つと慰めるしかありません。 で、なぜこんなふうになったのか。スタッツを分析していきましょう。

とは言え公式の不具合なのか、マッチスタッツしか出ませんが。 しょうがないので全体のスタッツのみで簡易分析です。 上地選手のスタッツはエース4本のダブルフォルト9本。1stサーブin率が53/87で61%、1stサーブポイントが26/53で49%。2ndサーブポイントが18/34で53%。 対するファン・クート選手のスタッツがエース1本のダブルフォルト8本。1stサーブin率が42/69で61%、1stサーブポイントが30/42で71%。2ndサーブポイントが13/27で48%。 両者のサーブのスタッツだけで並べても、「入っているのに勝ち切れない」のがよく分かります。それでもスコアが僅差になったのは上地選手の2ndサーブのポイントスタッツが5割に乗っているからでしょう。 集中力は切れておらず、ミスをしても自分のテニスは守っているからこその勝率の逆転現象だと思います。 そして、ブレークポイントの勝率スタッツが接戦を物語ります。上地選手が4/8の50%、対するファン・クート選手が6/14で43%。 質より量とばかりに、そもそものブレークポイントの母数に大差がついています。その中でも確実に試合を拾ってはいるのですが、勝つには最低でも母数に後2~3ゲーム上乗せして、更に勝率を維持しないと辛いと思います。 そして最後のスタッツ、ウィナー数が上地選手4に対し、ファン・クート選手が1。アンフォーストエラーが上地選手9に対しファン・クート選手が8。 セットごとのスタッツも一応参考にしていますが、マッチスタッツからは凡ミスは少ないが、競り負けたという結論しか出せません。 逆に言えば、これだけ僅差なので最初の「惜しい」という感想以外に出てこないのが実情です。 そして予想通り昨年の天敵であったオランダ勢二人が決勝で対戦です。 どちらが勝っても王国オランダの土台は盤石でしょう。そしてその包囲網を「食い破るには一人では辛い」という事実も突きつけられました。 (とは言え頭数がそろっていても、英国のように個別撃破されるパターンが…) この包囲網の中で一時トップに立てた上地選手はすごいとは思うのですが。 包囲網が溶けるどころか、更に強化されそうなのが現在のランキング。 トップ10の下位を見ると、……別記事で取り上げたオランダの次世代のトップ候補が。 この選手が上がってくると、包囲網は更に硬くなるでしょう。 特にグランドスラムで「どこの枠に入ってもオランダと当たる」という悪夢のような事態も、下手をすれば半年から1年後ぐらいにありえます。 今年はリオの関係上、全米がありません。となると、全仏でのリベンジしか無いのですが。 年1度の赤土で、昨年から続く苦手感を克服できるのか。 まずは5月にジャパン・オープン飯塚国際と有明でのチームワールドカップという連戦が待っています。 地元開催で弾みをつけてローランギャロスへ行ければ最高ですが、まずはダブルス。 横目で公式のリアルタイム速報を眺めながら、スタッツの分析を終わりたいと思います。

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病気療養中の暇人です。
時々TV等の観戦記を上げていると思います。
初級障がい者スポーツ指導員資格所持。
社会復帰したらそちらの方の事柄も掲載予定。
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