暇人の観戦記

……テニスは恐ろしい。

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何が起こるかわからない。 そういうものなのがテニスだとは思ってました。はい過去形です。 まさかの国枝選手が一回戦で敗退。起きたばかりなので目が覚めてないのかと本気で疑いました。 が、結果は結果です。スタッツから「理由」を紐解いていきましょう。 スコアは3-6・6-7の混戦での敗北。国枝選手らしからぬ、粘りが見えないスコアです。 トータルスタッツを公式から見てますが、エースが2、ダブルフォルトも2、平均サーブスピードが1stが120km、2ndが114kmと決して悪い数字ではないです。 ……国枝選手単独で見れば、ですが。 対するリード選手のエース1、ダブルフォルト2、ここらへんは変わりませんが平均サーブスピードが1stが121km、2ndが109km。 但し、サーブの最高速が1stで140kmと、車いすテニスではビッグサーバーに入る選手です。 しかし、サーブ自体はさほど影響してこないでしょう。 1stサーブのin率そのものは国枝選手が75%、対するリード選手が63%と「入って」はいるのです。 そしてリターンポイントも大きな差はついてません……というか相変わらず国枝選手が有利です。 国枝選手のリターンウィナー数は9、アンフォーストエラーは0、対するリード選手はウィナー2のアンフォーストエラー3と、ここでも国枝選手が「勝って」いるのです。 そして最後のラリースタッツでも国枝選手のフォーストエラーがフォアバック計16、アンフォーストエラーがフォアバッグ計14(内ドロップショット1) 対するリード選手がフォーストエラーがフォアバッグ計9(内パッシングショットが1)、アンフォーストエラーがフォアバッグ計21(うちドロップショットが2)。

さて、ここに上げてきたスタッツでは「どうして負けたのか」が全く分かりません。 文字通りの今季初戦だから国枝選手の調子が上がらなかった。それはあると思います(可能性としてゼロではないと思いますし)。 しかし、昨年の全豪を制覇した時にWOWOWの番組で松岡さんと対談された際、当方が凄まじく違和感を感じた言葉が顕著になった。 それを示すスタッツが上がっています。(動画そのものはWOWOW内の国枝選手の公式サイト内の動画一欄にあります) 「これから先はノーバウンドでの処理が必要になってくると思う、そしてそのスタイルに自分はチャレンジしたい」 要約するとこんな感じになりますが、それを実践してしまいました。今年の初試合になる全豪の初戦で、です。 普段のスタイルからかけ離れたことをやれば、それだけ反動は出るでしょう。 というわけで、最後に残ったスタッツです。ネットポイント率がリード選手が6/6で100%に対し、国枝選手は3/11の27%。 普段はベースラインからサービスラインを主戦場として、時折ネットプレイを混ぜるというのが当方の知る国枝選手のスタイルです。 が、スタッツから見えてくるのはそういったスタイルを無理に破ろうとする国枝選手の姿。 更に言えばブレイクポイントが3/10で30%。普段ならありえない低さです。 スタッツ全体で見ると記述した1stサーブのin率と2ndサーブのウィン率(61%)を除けば前述のネットポイント率を筆頭にブレイクポイント率、1stサーブウィン率(44%)、レシーブポイント率(29/72で40%)と軒並み50%を切っています。 地上波で放送されないか、分析するためにどこかでやらないかと願ってしまいますが、スタッツから見れば納得の敗北。 体調面なのか、それともスタイルの変更からなのかは分かりませんが、ダブルスまでにどう修正していくのか。

そして国枝選手はこれでシングルス初参加の2006年以来の初戦敗退。そしてダブルスを含めて10年ぶりの全豪での敗北(2012年は大会不参加)。 今まで制覇し続けているダブルスがどうなるかは不明ですが、場合によっては初の全豪での無冠が発生するかもしれません。 (逆に言えば参加しなかった2012年以外は全豪で何らかのタイトルを奪取していることになります……おかしいだろ。) 何とも苦い全豪となりましたが、まだ大会は始まったばかり。 そしてシーズン初戦です。全米こそ無いものの、今年はパラリンピックもありますし、ここから盛り返すことは不可能でないでしょう。 でも全豪でのタイトル獲得継続は願って止みません。出来れば、ダブルスでは奮戦して欲しいと願ってしまいます。 そして、全豪オープンに参加している日本人選手はまだいます。 当方が追いかけられるのは車いす部門のみでしょうが、公式を見ていると「次世代の争い」も盛んなようで。 (日本人選手のジュニア部門スタッツが公式に上がってましたが、流石に手が回らない為、他の方に丸投げしておきます。)

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この記事へのコメントコメント一覧

……テニスは恐ろしい。

>toshibou0509m様
コメント有り難うございます。
まさかまさかの結果で絶句いたしましたが、スタイルを変える代償としてはしょうがないのでしょう。
スタイルの変更に関しては、車いすテニスは決して「楽」では無いとおもいます。
そしてもしかすると、普通のテニスよりスタイルの流動が激しいのかもしれません。
漕いで、止めて、打つ。この基本を担う握力と腕力の衰えを足で賄えないからこそだとは思いますが。
そしてその壁に昨年は上地選手、今年は国枝選手が当たっと思えばしょうがないのかもしれません。
出来ればダブルスでスタイルとの折り合いを見つけて欲しい所ですが、どうなるか注視していたいと思っております。

……テニスは恐ろしい。

国枝選手も「今のままではいずれ対策されてくる」という思いがあるのでしょうね。上地選手もバックハンドのスピンにトライして昨期は苦戦してましたし。それでも1回戦負けは衝撃ですけどね。

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