2007年03月26日

トッティ vs クリスティアーノ・ロナウド

準々決勝1stレグ屈指の好カード

傑出したタレントを持つ選手がいるチームでは、その選手の出来がチームのパフォーマンスを左右することが多いが、その典型的なチームがローマである。

現在のローマの基本的な戦術は、カウンターからボールを素早く前線に運び、時間をかけない攻撃である。
そしてもう一つ、トッティのキープ力と展開力がもっとも活かされるような戦術をスパレッティは編み出した。

トッティはFWでもトップ下でもプレーできる選手である。
カペッロがローマを率いていた頃は、トップ下のポジションを中田英寿と争っていた。
抜群の得点力に加え、パスセンスも非凡なものを兼ね備えている「スーペル」な選手なのだ。

そのトッティを1トップに置くのが、スパレッティ独特の戦術である。
トッティはトップの位置取りから頻繁に降りてきてボールを受ける。
その瞬間、前線には誰もいなくなる。
その位置にウイングのタッデイ、マンシーニといった選手はもちろん、ボランチのデ・ロッシやペロッタまでもがトッティを追い越して侵入していく。
そこにトッティから正確なスルーパス、ダイレクトでスペースに走らせるボールが出てくる。

中盤の選手の運動量が非常に多く、また飛び出していく選手にボールが出るため、非常にオフサイドになる回数が多いのがローマの特徴だ。

もとはと言えば、昨季のFW不足から生まれた苦肉の策であった。
この戦術はトッティがいなければできない。

背番号7は伊達じゃない

マンチェスター・ユナイテッドにおける背番号7は、特別なものとして認識されている。
古くはジョージ・ベストからスティーブ・コッペル、ブライアン・ロブソン、エリック・カントナ、デビッド・ベッカムと、伝説的なプレイヤーが背負ってきた番号だからだ。
クリスティアーノ・ロナウドは、この番号を18歳の若さで引き継ぐことになる。

クリスティアーノに対し、当時のメディアは懐疑的であった。
18歳の若さでユナイテッドの7番は重すぎる。
だが、ファーガソンの判断は正しかった。

ユナイテッドに入団以来、順調にその能力を開花させてきたクリスティアーノだが、早くも22歳にして世界でも屈指のドリブラーへと成長した。
独特のステップワークを駆使した高速ドリブルは、始まってしまえばファール以外で止めることは難しい。

強烈な個性はチームへの適応が難しい。
球離れの悪さとタイミングの計れないクロスから、当初はファン・ニステルローイなど、チームメイトから怒られることもしばしばだった。
だが、今やチームメイトを活かすことができるようになったことで、自分の得点力も上げる結果になっている。
現在、プレミアリーグでの得点は16。
ドログバの18に次いで得点ランク2位である。

今季はここぞというところでクリスティアーノが試合を決めることが多い。
クリスティアーノは、彼個人が戦術だと言えるような域まで到達している。

守備力の高さがベース

攻撃力が目立つ両チームだが、強さのカギとなるのは高い守備力である。
ローマは言うまでもなく、堅い守備のリズムがチームの攻撃を作る。
180分リヨンを完封した守備力は本物だ。
キブ、メクセス、フェラーリなど、代表級の選手がずらりと並び、層も厚い。

一方のユナイテッドも守備力は高い。
統率された2ラインのディフェンスはシステマティックで、大きく破綻しない。
センターのファーディナンド、ビディッチのコンビネーションもここにきてよくなってきている。
だが、ビディッチの経験の無さが出てしまうこともある。
怪我をして離脱中の右SBギャリー・ネビルの穴を誰が埋めるのかという不安要素もある。
ギグス、スコールズと並び、今季の好調の要因であるベテランの一角を欠いたダメージは少なくないだろう。

アウェイで点を取る自信のあるスパレッティはまず、アウェイゴールを与えないことを第一に考えてくるだろう。
さらに、ホームの観衆を味方につけた厳しいプレスから、素早くシンプルな攻撃を仕掛けるはずだ。
だが、ユナイテッドは、同じようなプレスをしてくるリバプールに試合を支配されながらも、最後は1点を奪ってアンフィールドで3ポイント取っている。
中盤での速くてタッチ数の少ないサッカーはユナイテッドも得意とするところ。

勝負を決めれるストライカーはローマの方が上。
ヨーロッパの経験では断然ユナイテッドが上。
チームの勢いは同じと見ていいかもしれないが、リーグ優勝、FA杯も視野に入れなければならないユナイテッドと違い、ローマはCL一本に絞れる。
だが、ユナイテッドにはトレブルを達成した時のような、神懸かり的な雰囲気ができつつある。

いずれにせよ、眠気もすっ飛ぶ試合になるだろう。

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posted by e-3_inc |20:35 | チャンピオンズリーグ | トラックバック(0)
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