2008年03月31日

大きいからポストプレイヤーという考え方は日本だけのお話

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by 徒然フットボール

  • 昨日のJ・LEAGUE3節の短評はこちら


ACミランのMFカカのサイズは186cm、73キロ。
しかし、誰も彼をポストプレイヤーと呼ばない。彼がワントップに張ることもない。だが、日本人で身長が186cm、73キロあったら、確実にポストプレイヤーと呼ばれ、ワントップに使われるであろう。さらにいえば、クリスチャーノ・ロナウドは185cm、ロニーですら181cmある。日本ではポストプレーヤーに起用するで基準で、欧州は、高速ドリブル、華麗なパスをさばいたりするのだから、すでにこの時点で欧州と日本に大きな隔たりがあるといえよう。


たとえば、東京の平山相太。彼はポストプレイヤーに相応しいのかもしれないが、それはあくまで選択肢のひとつであり、彼の本質ではない。平山には身長やフィジカル以外に瞬間的に放つ非凡なセンスがある。彼にパサーを組ませ、普通にFWとして使ったら、結果は、まったく違うであろう。しかし、いまだ、日本では代表でもクラブでも、彼をどう使えばいいのかわからないのが現状で、彼の素質は開花していない。

長身FWといえば、他に代表クラスでは森嶋、巻、矢野がいる。森嶋は卓越したボレーセンスがあり、矢野、巻には無尽蔵のスタミナと守備への執着心がある。背が高くとも、身長のほかになにかしら特徴があるものだが、それを最大限に活かしきれているかというと、(巻、矢野はともかく)そうでもないのが、日本の現状であろう。


たしかに日本人のフィジカルは世界的にチビであり、徹底した高さ勝負で勝てないのは、ドイツW杯のオーストラリア戦でも証明された。しかし、だからといって、背の高い選手を闇雲にポストにしたところで、上手く行くはずもない。すくなくとも、日本代表がワントップで上手く行った試合はほとんどない。そもそも、そういったポストに相応しい本物の人材がいない限り、ワントップ、ポストという闘い方は、どうしても余所行きになる。

育成面を見ても、背が高いゆえに、逆にポジション・コンバートが遅くなってしまったり、本来の特徴を活かしきれていない場合もあるのではないか。足が速くても、球の扱いが上手いから司令塔へ行かせるのではなく、その場合は、サイドも試してみる。守備が上手くて打点の高いヘッドを持ってるならば、DFにまわすのではなく、FWで使ってみたりする。つまり、指導者が選手を型にはめるのではなく、うまく特徴を引き出してやる。そういった選択の幅を広げる意識がなければ、素材や人材を無為に消耗していくだけである。

とにかく、背が高いというのは、世界の勝負から見れば、それほど大きな武器にならない。対戦相手が身長の低いベトナムやタイならいざいしらず、身長の高さを重宝する前に、個が持つ能力を最大限に引き伸ばすべきではないか。

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2008年03月30日

サッカーにおける代表監督とクラブ監督の違いは…

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by 徒然フットボール

現在、サッカー日本監督が岡田氏で良いのかどうかは、こちらで触れているが、ここでは代表監督とクラブ監督の違いに触れてみたい。代表監督とクラブ監督は同じように見えて混同しやすいが、実は、42キロのマラソンと100m走ほどに両者の性質はまったく違う。わかりやすくいえば以下になるだろう。

代表監督  =チームを勝たせる。強くなくても上手に勝つ。
クラブ監督 =チームを強くする。強くして勝つ。


まず、両者において、チームの構築に大きな違いがある。代表監督は、限られた状況から選手をシャッフルし、短期的な戦術を授け、代表チームを運営する。具体的には、選手を選抜、人選し、短い合宿を張り、試合前に「勝とう」と言って、代表選手を試合に送り出す。やることはさほど多くはなく、かかる仕事の大部分は責任くらいである。つまり、代表は強いかどうかは二の次であり、勝てばいい。よって、どうしても内容より結果に比重がかかる。また、監督の途中交代の非常事態においても、短期間で結果を出せる利点がある。たとえ緊急で代表監督に就任しても、有能な人物ならば、なんとかなってしまうものである。

一方、クラブ監督は代表監督とは違い、チームに自分の戦術を完全に溶け込ませて徹底管理し、クラブの現状を長期的に携えなければならない。そして、つねにクラブの目標に迫れるよう、現状よりチームを強くすることがクラブ監督の使命になる。一年間、チーム全体を見ていなければならない分、選手の心理面のケア、瑣末な問題の解決など、かかる仕事は多く、結果だけでなく内容も問われる。ゆえにシーズン途中にクラブ監督が更迭された場合、上手く行かずに、逆に悪くなることが多いのはこういった背景がある。

つまるところ、代表監督とクラブ監督は水と油である。また、両者は環境においても、あきらかな違いがある。わかりやすくいえば、以下になる。

代表監督=時間が無い。選手は(その国内で)選び放題。
クラブ監督=時間はある。選手は限定される。


一長一短だが、これは監督の能力における向き不向きも影響してくるであろう。現在、フェネルバフチェで指揮を取るジーコ氏は、このふたつのジレンマを、日本代表、フェネルバフチェで経験しているに違いない。また、両者を人生に喩えれば、代表監督は恋人、クラブ監督はファミリーになるのではないか。恋と結婚、両者を成功させるのは、われわれ生活の中でも、なかなか難しい。両方上手な方もいれば、片方だけ。もしくはまったく駄目な人もいるだろう。

いずれにしても、監督は人生の縮図である。この両者を巧みに料理できる術を持っている監督にフース・ヒイディング氏があげられるであろう。クラブではPSV、代表ではオランダ、韓国、オーストラリアと成功を収めている。ようするに彼は代表監督とクラブ監督の違いを心得てて、使い方もきちんとわけてやっている。ほかではブルーノ・メツ氏もこの部類に入る。はたして、現在、無職のホセ・モウリーニョ氏が代表監督に就任しても上手く行くかはわからない。

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2008年03月29日

サッカー日本代表がバーレーンに敗れたことによる皺寄せ

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by 徒然フットボール

現在、ワールドカップ三次予選のA組は、オーストラリア、イラク、中国、カタールで死の組を形成しているが、組み合わせ抽選しだいでは、ここが日本、イラク、中国、カタールになっていた可能性は十分にあったのだから、まだ、日本代表には運があったと考えるのは、あながち間違いでもないだろう。もし、この組に入っていたら、少なくとも、このような暢気な記事は書いてはいないはずである。

尚、予選2節を終えた三次予選各組の結果は『2010年ワールドカップ・南アフリカ大会・アジア三次予選 <2節> 』で。


先日、サッカー日本代表がバーレーンに敗れたことで、最終予選進出条件となる2位キープへ、オマーンとの直接対決が明確になったが、日本にとって対オマーンで避けたい勝敗パターンは、(2連敗は論外だが)1勝1敗、もしくは2引き分けであろう。4節を終えて、日本とオマーンの勝ち点が同じになると、得失点差や総得点、当該対戦成績が決め手になるが、日本が一番避けたいシノプシスは、最終節までオマーンが勝ち点が並んでいくことである。

なにせ、アジアは広い。長い時差がある。おそらく、他の大陸との一番の違いは時差である。以前、アジアは東と西で二つに分けた方がいいと『FIFAワールドカップの大陸予選ブロックについて…』で書いたことがあったが、まさか、こともあろうか日本が三次予選で時差のジレンマにご厄介になるとは。そもそも、最終節の同時キックオフは世界の常識であり、AFCがなにかしらの仲立ちや対応策を講じなければならないだろう。

仮に最終戦までもつれた場合、先に試合を行う予定の日本の結果を待ってから、試合開始を迎えるオマーンが圧倒的有利になるのは明白である。しかも、オマーンの相手となるタイは予選敗退しているであろう(推定)。日本サッカー協会は、アジア3次予選最終戦・バーレーン戦(6月22日・埼玉スタジアム予定)を深夜キックオフにすることを考えているようだ。オマーンは、最終戦は時差で日本より5時間遅れのホームで戦うことになっており、日本サイドが時間帯を合わせることになる。日本サッカー協会では、午後21時、22時キックオフとなる可能性を模索するようだが、あまり経験が無いだけに、期待はできない。

日暮れの遅い欧州では、深夜の時間帯におけるキックオフは普通であるが、日本の場合は、そうもいかない。(翌月曜日は仕事のある)日曜日開催でもあり、また、予定されている開催場所が埼玉スタジアムでは、神奈川以西の方は、確実に終電に間に合わない。おそらく、チケットは完売せず、埼玉スタジアムのメインアッパーは空席になり、唯一、満員しかホームの利点の無い日本の優位性は萎むだろう。サッカー専用にこだわらなくとも、(すでに取れないとは思うが)せめて会場はアクセスの良い近場の国立競技場の方がいいのでは…。



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2008年03月28日

サッカー日本五輪代表の可能性は…

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by 徒然フットボール

27日の夕刻、駅のキオスク売店に並ぶ夕刊の広告見出しは、サッカー日本代表の「日本惨敗」「日本敗戦」ではなく、「松井結婚」だった。松井選手の結婚そのものはとても喜ばしい事だが、ゴシップチックな話題がサッカー日本代表、それもワールドカップ予選レベルを凌駕するとは、あらためてこの国のフットボール文化は…、と思わないでもない。(だからというわけではないが)、だから、バーレーンに負けても平気なのだろうか。

U23-日本代表 1-1 アンゴラ代表 の<戦評>はこちらです。

さて、そんなしょうもない兄貴分はさておき、弟分に該当する五輪チームだが、北京五輪出場国が次の通りに決まった。中国、日本、韓国、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン、カメルーン、コート・ジ・ボワール、ナイジェリア、ベルギー、イタリア、オランダ、セルビア、アメリカ、ホンジュラス、ニュージーランド。 

昨日のアンゴラ代表との親善試合の健闘で、すくなからず期待を抱かされるかもしれないが、日本の実力は下から数えた方が早いであろう。本大会では、かならずシード国(南米、アフリカ)とも当たる。現実として、グループリーグで2位抜け出きるかどうかが焦点となるが、そういう意味では、ニュージーランドと当たりたいところである。また、本来、強豪であるはずの欧州はあまり気にするほどでもないだろう。五輪に対する「欧州のやる気の無さ」については、こちらの『欧州サッカー界が代表ユースや五輪代表に力を入れない理由』で解説。

今回の五輪サッカー日本代表の可能性を見ると、実力云々以前に、やはり、運とドロー次第という部分が大きい。もちろん、日本にも未知なるポテンシャルはあるが、ベスト16から始まる大会の性質上、どうしても実力以外の外部要因で50%は決まってしまう。(これは前回大会でベスト4になったイラクを見ても明白である)。よって、本大会の結果で一喜一憂するものでもない。前回の山本監督が率いた五輪チームは、(銀メダルと銅メダルのいた)グループリーグでの敗退だったが、決して弱いから敗退したのではない。あくまで、ギャンブル性が高く、本質的な力を図るには、この五輪というステージは相応しくないのかもしれない。


今回の世代は、新黄金世代になりうるタレントが揃っているが、現実的には、メダルというより(グループリーグ突破の)ベスト8が妥当なところ。われわれ見る側としても、(過剰な期待もせず、投げやりな失望もせず)冷静に目標ハードルをセットしたいところだ。オーバーエイジについては、賛否両論あるかと思われるが、使えるのならば、使用したほうがいい。特に、この五輪チームには、試合を落ち着かせられたり、汗かき役となるボランチに安定感が無い。たとえば、小笠原あたりを入れたら、さぞ、チームは見違えるかもしれないが、おそらく、オーバーエイジでは(反町監督が違和感ある選出をして)有効に活かすことはないだろう。


しかし、兄貴分の日本代表が(万が一)ワールドカップ三次予選で敗退したら、その後に行われる五輪(の方向性や目標、モチベーション)はどう促えられるのだろうか。そうなると、五輪チームはハシゴを外され、まさに宙ぶらりんになるのだが、同じワールドカップ三次予選で(豪、イラクなどの)死の組にいる中国はそうなる可能性は高い。

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2008年03月27日

昨日のたった1敗で、サッカー日本代表が極めて苦しくなった理由。<W杯アジア三次予選>

【関連ブログ】
by 徒然フットボール

昨日の『<展望>バーレーン代表 対 日本代表』にも含みを持たせて書いたが、予想通り、日本が負けた。さらに予想外だった事は、日本の出来だった。日本が敷いた3-5-2も初の試みで、適材適所というより、いるメンバーによるバンドエイドの貼付にしか見えなかった。海外組召集しないからとか、そういうことではなく、根本的に構築段階で間違えている。

試合の戦評については、こちら→『<戦評> バーレーン代表 1-0 日本代表』をどうぞ


ここでは、昨日の1敗でサッカー日本代表が苦しくなった理由を簡潔に述べるが、一番危ないのは、「まだ、W杯アジア三次予選である。」「最終予選ではない。」という余裕である。危機感がないのが一番、まずい。

昨日、負けてしまったことで、ホームでバーレーンに勝てばいいとか、残り4戦あるというのは関係なくなり、完全にオマーンとの2連戦(6月2日のホーム、6月7日のアウェイ)がすべてになる。つまり、次の3戦目にあたる横浜国際で日本がオマーンに負けたり、引き分けると、予選が6月集中開催なだけに3次予選は意外と危ないかもしれない。

バーレーンは昨日、日本に勝ったことで、残りのタイとの連戦で1勝1分にして勝ち点4を積み上げれば、2試合残して勝ち点10となり、そこでほぼ三次予選通過が確定する。日本の対象となるオマーンは現在、日本と同じ勝ち点3。直接対決でオマーンが日本に対して1勝1分になると、日本の三次予選敗退がほぼ決定する。オマーンが日本に1勝1分にするのは、可能性としては低いが、日本が昨日のような試合をすれば、あながち低い確率でもないかもしれない。(もちろん、6月の集中開催でなかったら、また、事情は変わってくるのだが)

もはや、昨日の記事に書いた、シードの心配をしている場合ではなくなるかもしれない。しかし、サッカー日本代表は90年代からバブルに膨れ上がった。現在の腐敗した日本サッカー協会を先頭とした飽和状態にピリオドを打つためにも、そろそろ、予選敗退という屈辱を味わってもいい時期かもしれない。すでに、昨日、日本が負けたことで、三次予選は面白くなったと思っているわたしの心が、日本の三次予選敗退への序曲なのかもしれない。

とはいえ、選手にも「この敗戦を絶対忘れちゃいけない」という玉田のコメント以外に、危機感がなく、現場の指揮官からして、「最後にちょっと油断が出て、ミス絡みで取られてしまった。」「(今回は)アウエーだし、今度ホームで勝てばいい。予選はまだまだ続きますし、これからまだ時間もあります。」と悠長なことを言っているのだから、むしろ、(敗退する)実現性は高まるのではないだろうか。

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2008年03月26日

サッカー日本代表がW杯最終予選でシード落ちになる余波は…

【関連ブログ】
By 徒然フットボール
今夜の展望はこちら→『<展望> バーレーン代表 対 日本代表』

アジア・サッカー連盟(AFC)により、2010年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の組み合わせ抽選が6月27日にクアラルンプールで実施されるが、日本が大きくシード落ちする可能性がある。シード順は2006年W杯の成績に基づき、第1シードがオーストラリアで、第2シードは韓国、第3シードがイランとなり、日本、サウジアラビアはともに1分け2敗、2得点7失点と優劣がつかないため、抽選直前にくじ引きで第4、5シードを決めるという。(いずれかの国が3次予選で敗退した場合は下から繰り上がる)。

事実上、組み分けのAランクシードはオーストラリア、韓国となる。日本は、サウジアラビアとの抽選に漏れると、Cランクシードとなる。つまり、『韓国、イラン、日本…』、『オーストラリア、サウジアラビア、日本…』というグループ実現も現実としてあり、とくに、ワールドカップ・フランス大会アジア最終予選以来、これまで、日本、韓国は共にAシード、2002年の母国開催国だったため、日本と韓国が最終予選で合間見えることはなかったのだが、今回の最終予選では直接対決が可能性として十分にあるといえよう。

日本がCシードになることで、日本の入らない片方の組は楽勝になってしまうなど、日本がキーマンの立場に追いやられてしまうことになる。サッカー日本代表がW杯最終予選でシード落ちになる余波というよりも、オーストラリアがアジアへ転籍してきた余波といった方がいいかもしれない。いまさらながら、アジア・サッカー連盟(AFC)はオーストラリア受け入れという愚かな決定をしたが、アジアの切磋琢磨、レベルアップのためとポジティヴに捉えるしかない。


最終予選は、秋の9月から来年5月、6月までホームアンドアウェー方式で争われる10チームが2組に分かれて行われ、各組2位までがW杯出場権を獲得する。各組3位同士の勝者がオセアニアとのプレーオフに進むが、事実上、プレーオフは消化試合になるので、自滅しない限り、さほど心配はいらない。





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2008年03月25日

シュートを外して、どうして拍手が起きるのか?

by 徒然フットボール

欧州各リーグは終盤へ、Jリーグは開幕の立ち上がりであるが、両者を見ていると、スタジアムから起こる拍手でひとつ気づくことがある。スタジアムにいて感じる人も多いかもしれない。特にシュートが外れた瞬間のレスポンスがそうである。

欧州では、シュートがバーを掠めたりすると、ゴール裏などから拍手が沸き起こる。惜しかったという気持ち、次への期待感などがあるが、実際はそうではない。そもそもシュートが入ろうが入らなくても、つまるところ良い形で攻撃できたかどうかであり、シュートの成否に関係なく拍手は起きる。

最近は、Jリーグでも、昔とは変わり、たとえシュートが外れても、良い形で攻撃できた場合、スタジアムのゴール裏から拍手が起こる事もしばしばある。サポーターがきちんとゲームを読んでいる証左であるが、日本代表のゲームになると、それがまるでない。シュートが外れると、拍手などなく、あーっ、という溜息が上がり、まるで元巨人の松井選手が空振り三振に切って落とされた東京ドームのライトスタンドの溜息に似ていたりする。せめてゴール裏から、外した選手の名前をコールするだけである。あれもすこしどうかと思うが。

そもそもゴールを外して拍手が起きるのは、良い攻めができた時だけである。たとえば、GKがミスキックして相手FWにボールが渡ってGKと一対一になって、相手FWが外した場合は拍手は起きない。そもそもシュートしたFWへの拍手ではなく、ボールの起点になった時点から絡んだ選手全員への拍手である。当然、ナイスパス、ナイスチャージでも拍手は起きる。スコットランド・プレミアでやっている中村俊輔が「サイドチェンジしただけで拍手が起きる」と言うのも、むこうではごく当たり前のことである。

根本的に拍手が起きるのはUK圏である。イタリア、スペインといった嫉妬深い国々で拍手は起きない。相手がどんなに良いプレーをしても、それは、くそったれでしかない。UK圏は敵のプレーにも拍手したりするが、ラテンでは、ロナウジーニョクラスにでもならない限り、敵への拍手が起きることはない。

基本的に日本はUK圏の形式の方が向いているであろう。ただし、拍手が起きるということは、それだけ厳しい目で見ている裏返しでもある。もし、選手が不味いプレーをして、たとえ、それで結果が良くても、あまり評価しないこともある。残念ながら日本は、まだその「域」には到達していない。

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2008年03月24日

高原の蘇生は… by徒然フットボール

【補足記事】
■6年ぶりJ復帰の高原について
■浦和が強いという錯覚、そして、大型補強というイメージ
■予想通り、開幕ダッシュに失敗した浦和の重症度は…


  • 辛口で書いてますのであしからず

 
まだ、Jリーグが開幕して2節。すこし気は早いかもしれないが、ドイツ帰りの高原については、浦和のみならず、代表にもかかわるため、ここでチェックがてら、触れてみたいと思う。

今のところ、危惧していた通りになった。年明けの1月に、批判覚悟で『6年ぶりJ復帰の高原について…』にも懸念と不調予想を書いたが、まったくその通りのプロセスを踏んでいる。浦和では、周囲との連携すら取れておらず、孤立してしまうシーンについては同情を禁じえないが、彼のトップフォームからすれば、キレは完全には戻っておらず、不調であるのは間違いない。帰国後、ずっとホテル暮らしであるのも、プロである以上、言い訳には出来ない。正直、現在、代表に選ばれているのは不思議でならないし、浦和でも永井の方が、あきらかにチームに貢献している。

高原については、期待のハードルが高すぎる分、どうしても普通の結果では周囲が満足しない宿命にある。相手DFも、高原というビッグネームに対して、人一倍のエネルギーでぶつかってくる分、ドイツでプレーするよりJリーグの方が難しいのかもしれない。今後、(岡田監督が英断しない限り)日本代表ではレギュラーでも、浦和では控えになる現実味もあるにはある。

去年のアジアカップは高原がいてくれて、本当によかったと思った。それだけの動きと活躍をしてくれた。しかし、それはすでに過去のことである。どれだけすごい実績を積んでも、いつまでも賞賛されるのは、市場の小さなマイナースポーツの金メダリストかボクシングの世界チャンピオンくらいのものである。巨大市場は時の流れが激しく、厳しい淘汰もあり、すぐに忘却の彼方へ追いやられるサッカーの実績、野球の記録などはあってないようなものでさえある。たとえば、中田英など、引退して2年も経ってないにもかかわらず、(引退直後に比べると)もう、忘れている部分はあるし、思い出しても、大昔の選手のように感じることすらある。

おそらく、Jリーグ3節の新潟戦、今週のワールドカップ予選のバーレーン戦で高原がゴールでもすれば、すぐにマスメディアは「高原復活!」とか騒ぎ立て、趨勢の評価は180度変わるであろう。ただし、集中的にゴールを量産する時期はあったとしても、一過性のもので、すぐに元に戻ってしまうとわたしは見ている。基本的に、彼は反骨心がエネルギーになっている分、弛緩してしまうとすぐに萎えてしまうのだ。常に危機感を持てる環境にないと、彼は持続的に活躍は出来ない。

やはり、彼には彼に相応しい舞台がある。厳しい言い方だが、欧州の階段を下りた段階で、自らの成長を放棄したといってもいい。日本は平和で恵まれているため、厳しさを手に入れる方が難しい。結果、すぐに慣れてしまい、ぬるい空気に埋没してしまう。これは、(帰国した場合の)中村俊輔や松井にもいえる事であるし、逆に、今、ドイツでプレーしている小野を見ても明白であろう。

今後の高原については、トータルで見ると、ゴールより、フォアでアシストやチャンスメイクしてチームに貢献する事になるだろう。

posted by FOOTBALL NOTES |15:47 | J・」LEAGUE | トラックバック(0)
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