2008年07月24日
Jリーグの秋春制移行について
【関連記事】 by 徒然フットボール サッカー日本代表の候補については、こちらで書いてますが、こちらでは、Jリーグ秋春制移行(例:8月開幕~5月終了)について根ざすJリーグの脆弱体質について 最初は、Jリーグ秋春制移行の報道が、現在、問題になっている温室効果ガスの地球温暖化対策の不味さに対する嫌味ともとれたが、そんな冗談はさておき、まず、最初にひとつ、誤解している方もいるかと思うが、観戦者の立場から見て、冬は寒い、嫌だという人がいるようだ。だが、欧州(東欧)に比べれば、まだ、日本は温暖である。別に、欧州の真似をする必要はないが、現行のフットボールは寒い時期の競技であり、Jリーグが秋春制移行したからといって、これまでの観戦環境とさほど大きな差があるというわけではない。現行の春秋制が4月開幕の10月終了までならいざ知らず、実際、今のJリーグは、雪国がまだ真冬の3月頭に開幕して、終焉も12月。3月は関東も十分に寒く、4月に雪が降ることもある。過去の日本代表の試合に限っては、1月、2月に普通に試合をしてきている。特に、Jリーグ秋春制移行したからといって、別に何かが大きく変わるわけではない。寒い12月、3月に観戦に来ているサポーターが1月、2月には来ないというのは不自然であろう。要は、6月(休止期間)、7月に試合するか、1月(休止期間)、2月に試合をするかの変更でしかない。1月をブレイク(休止期間)にすれば、実質、試合は2月のみになる。現行の春秋制が4月から10月までの開催ならいざ知らず、さほどの大きな変更でもない。そもそもスタジアムに行く人は、寒かろうが暑かろうが行くのだし、行かない人は寒くなくても暑くなくても行かない。あくまで推測だが、Jリーグが秋春制に移行しても、観客の増減で見れば、増えもしないが、減りもしないだろう。 さて、Jリーグ秋春制移行についてだが、昨日の記事に書いたように、われわれ日本人は、なにかと変更を嫌う。最近、終了したフジテレビの某ドラマ最終回でも、「いままでずっとやってきたから、無理に変える必要はない。では駄目なんです」という主人公の台詞(正確ではない)があったが、(省庁に出入りしているわたしの友人営業の話だと)役人の世界では、何かを変えることが地球の自転を変えるに等しいという。だが、実際、われわれの生活や職場でも、別に何も問題ないなら、今のままでいいだろうというのが、99%の日本人の姿といえよう。そういう意味では、(株)ソフトバンクなどは、かなり異端児な会社だと思う。あれだけ組織として図体が大きくなれば、なにもせず、保守的に守っていけば、半世紀はやっていけるのに、わざわざ兆単位の借金をして、リスクを冒し、ビジネストライしているのを見ると、(好きか嫌いか、良いか悪いかは別に)剪定に値する。だから、あまり日本人っぽくない会社ともいえよう。 話を戻すが、日本では、(何かを変えようとする)人はすぐに槍玉に挙げられて、皆から、毛嫌いされる。なにかするより、何もしないほうが平穏に行くし、その方が評価が高い場合もある。だが、何もしない人より、(出来るかわからないけど)やってみようという人を(遊びでも仕事でも)わたしは前向きに見る。 まずは、Jリーグ秋春制移行についてのデメリット、メリットを思いついただけランダムに上げてみる。さしずめ、昨日の記事ではメリット(日程の偏りがなくなるなど)を書かずとも、わかってる人は多いと思ったが、不親切だったので上げてみた。 【Jリーグ秋春制移行のデメリット(例:8月開幕~5月終了)】 ・雪国クラブの練習環境が非雪国より効率が悪くなる。(J1は札幌、新潟。J2は山形、仙台、岐阜) ・雪国クラブの観客動員が非雪国より悪くなる。(J1は札幌、新潟。J2は山形、仙台、岐阜) ・天候、移動不可による試合順延の可能性。 ・ヒーティングシステム導入にはコストがかかる。(鹿島は導入済) ・芝の管理、維持費がかかる。 ・(間接的に)スタジアム側の光熱費がかかる。 ・高校、大学の3月卒業者の受け入れ問題。 ・ACLの問題。ブレイクが入り、(悪い意味でいえば)チームが変わる。もしくは降格の危険性も。 ・移行前の空白の半年間がある。 ・決算時期の変更 【Jリーグ秋春制移行のメリット(例:8月開幕~5月終了)】 ・欧州スタンダードで、選手、(監督も含めた)移籍市場がスムーズに。オフも重なり、区切りが良くなる。 ・リーグが過密日程にならなくてすむ。カップ戦、シーズン日程が組みやすい。日程に偏りがなくなる。 6月の国際Aマッチデーが邪魔にならず、むしろ、リーグ中断が減る。 ワールドカップなどのFIFA(AFC)の大会が欧州同様、リーグ休止中に行える。 ・夏場の選手のコンディション維持負担が減る。 ・梅雨時期のシーズンを避けられる。 ・休止期間を6月から1月にすることで、休止期間がFIFAのための強制中断ではなく、選手のための休止期間になる。 ・シーズン中に2月開催のワールドカップ予選の試合に対応できる。 ・欧州のアジアツアーを開幕前のオープン戦に当てられる。(今は無理してやってる) ・うまくやれば、シーズン終了後と被る天皇杯における(手抜き格差)質低下の回避。 ・うまくやれば、ナビスコ杯GLで代表選手が抜けることがなくなる。 まず、当然のごとく、反対が多いであろう。反対している人は、雪国の事を懸念していて、賛成している方は、海外移籍選手についてのメリットを重じている。また、反対者は、目先の問題を重要視し、賛成者は、日本サッカー全体を見据えた長期的視点に向けられている。森を見るか、木を見るかというところか。どちらが良い悪いではない。 だが、残念ながら、Jリーグ秋春制移行の根本的な問題は、雪国とか移籍とかではなく、もっと根深い。単刀直入にいえば、金があるかないかである。上のデメリットも、雪国はタテマエでしかなく、つまるところ、クラブ(親会社)が投資するかしないかに尽きる。悲しいが、これ一点に尽きるといえよう。現状では、金で解決するか、クラブ、選手の酷使で解決するか。において、Jリーグは後者を選択している。 実際、今、雪国で対応が可能なのは、札幌になるが、それでも環境・資金繰りは厳しい。だが、雪国のクラブだろうがなんだろうが、まず、全天候型のスタジアムを持ち、全天候型のクラブハウス練習施設を持って運営出来るのは事実で、イニシャル、ランニング双方で金さえあれば、前述したデメリットを吹き飛ばして、普通に運営可能である。おまけに、投資すれば、強くもなれる。すでに、高校スポーツでは、サッカー、野球、(ラグビー)で雪国勢が躍進している。(アマチュアという部分もあるが)要するに、(人材集め、遠征、環境で)学校が部に投資するかしないかである。(全部がそうではないが)学校が本腰を入れれば、どこに学校があろうが、ある程度、強くなる。これはJクラブにも同じことがいえて、資本投下があるかないかでしかない。 どうして浦和が急に強くなったか。あらゆる要因があるが、(親会社からクラブを切り離して)フロントがクラブに投資した部分は見逃せない。だが、現状、Jクラブのほとんどは脆弱な経営体質のため、あらゆる問題に対し、金がないから出来ないというのが実情である。その投資できない実情を汲んで、Jリーグ全体が、現行のまま存続、維持しているといえよう。これまであったステージ制、降格枠の甘さもそういった救済の面が主だったが、別に、雪がどうのこうのではなく、金がないという理由でそうなっている。つまるところ、現状は、リーグ全体の選手に酷使をさせているに過ぎない。 実際、現在のJクラブの体質のほとんどは親会社依存体質で、自前でスタジアムを持つなど夢のまた夢。毎年、赤字を垂れ流し、それを親会社が面倒見ている。それでいて、Jクラブ(J2、JFL以下含め)立ち上げは、ほぼボランティアのようなスタートだから、最初から資金難を抱えたまま始めているので、問題の本質を永久に抱えたままになる。そんな体質で資金工面など出来るはずもなく、それでいて、プロスポーツチームが株式公開しての資金調達は受け入れない風土が日本には出来上がっていて、左右から選択肢を窄めている。 つまるところ、Jクラブが親会社から離れ、自立するような風土が出来上がらない限り、Jリーグ秋春制移行をしようが、デメリットは消えることはないだろう。いや、それ以前にJリーグの持つ問題の本質解決にはならない。わたしは、このJリーグ秋春制移行は、(代表マンセーの)日本サッカー協会に大きなメリットがあるようにしか思えないが、長期的に日本サッカー界のことを考えれば、賛成だ。現状の春夏秋開催は中断期間が多く、日程も過密になり、クラブ、選手を酷使している状態は、(根性は付くかもしれないが)あまりにも奴隷的で馬鹿げている。 もちろん、(代表マンセーの)日本サッカー協会、Jリーグが、きちんと諸問題をクリアせず、資金難の構造を放置したまま、Jリーグ秋春制へシフトとすると、逆効果になることも十分にある。もちろん、Jリーグ、日本サッカー協会から(雪国含む)クラブへのなんらかのアシスト(資金援助、日程考慮)も必要だし、雪国クラブの意識改革も必要であろう。いつまでも雪国だから、お金がないから出来ませんでは、今の時代では通用しないし、生き残れない。現状に甘えるか、なんとかしようとバネにするか。結局は、やるかやらないかである。最初から何もせずに諦めるのであるならば、フットボールのみならず、すべてにおいて成功など覚束ない。まずは、プレゼン含め、資金集めに奔走する。資金調達強化、利益を生むスキーム構築をし、リスクを背負う。(こんなことは、どこのビジネスでもやっていることだが)それが出来ないと、今のままである。 最後に蛇足だが、冒頭で冗談まがいに出した温室効果ガスの地球温暖化も、やれば出来るのに(自分のことしか考えない自己都合の国があって)世界が一枚岩でやれてないだけでしかない。同様に、これまでのJリーグ(主催者、管理側)は、(外国人、主審の問題含め)現状に甘んじて、問題を先送りにしているに過ぎない。
- 当然、雪国の開催運営は困難・難しいという認識・前提で書いてます。
posted by FOOTBALL NOTES |11:19 |
J・」LEAGUE |
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