2008年04月16日
ワールドカップと夏季オリンピックが開催したい国
【関連記事】 by 徒然フットボール 五輪サッカーは出場の年齢制限を下げることで、ますます「逆ユーロ状態」に拍車がかかるであろう。その記事はこちらで書いているが、ワールドカップ、オリンピックにおける開催国についても、すこし面白い現象がある。 サッカーのワールドカップ、夏季オリンピック(以下オリンピック)、両者とも、開催したい国や都市は、それこそ引く手あまたで、その開催争奪戦における水面下での駆け引きは凄まじい。開催する側のメリットとしては、その計り知れない経済効果はもちろん、世界へのアピールとしても満点である。その主催者たるFIFAもIOCも、そんな高い需要を背景にスポンサーを取り込んだ開催枠ビジネスを展開している。ただし、両者には微妙な温度差があるようだ。それは開催する場所についてである。 すでにワールドカップは先進国以外での開催は難しいくらいのビッグイベントに成長した。開催コストで膨大な負担を強いられるため、もはや、経済不安を抱く国での開催は難しいとされる。一方、オリンピックは先進国でなくとも、マイナー都市での開催余地もあり、前回のアテネの成功はそれを証明している。開催コストはそれなりにかかっても、開催期間は2週間で、主に1都市(一部を除き)で運営するという手軽さが、小国、小都市での開催をいまだ可能にしている。しかし、開催国争奪の動きはワールドカップとオリンピックはそれぞれ逆になっているようだ。つまり、こうである。 先進国開催が好ましいワールドカップ = 非先進国での開催 非先進国開催も可能なオリンピック = 先進国での開催 つまり、ワールドカップ開催は小国で。オリンピック開催は大国で。というように、双方が真逆のベクトルを描いている。次回、次々回のワールドカップ開催国である南アフリカ、ブラジルは経済的にも厳しく、国内の交通、宿泊のインフラは先進国にはるか及ばない。あきらかにワールドカップには不向きな国であり、あきらかにワールドカップの開催招致は時代に逆行しているともいえる。 一方、オリンピックは経済発展著しい北京、ロンドンと開催がつづく。2012年の最終候補市を見ても、開催の決まったロンドン(イギリス)の他にも、パリ(フランス)、ニューヨーク(アメリカ)、マドリード(スペイン)と、それこそ並みいる先進国の顔ぶれで、「経済の不安な国では開催しません」というIOCのメッセージとも受け取れる。もはや、第三国や経済不安を抱く南米での開催は難しいというスタンスを明確に打ち出している。 FIFAにしてみれば、ワールドカップは放映権と広告で巨額の黒字を果たせるため、開催はどこでもかまわないというフレキシブルな立場にあるのかもしれない。かたや、IOCのオリンピックは、(どちらかといえばマイナー競技の集合体ゆえに)目立つ失敗は許されない。それだけに、コストがかかっても安心な先進国を選びたいようだ。 サッカーワールドカップとオリンピック、FIFAとIOCの思惑は、つまるところ、余裕があるかないかにあるといえよう。
posted by FOOTBALL NOTES |11:44 |
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