2010年02月12日

■あなたはゴールシーンを見逃したことがありますか?

 「やべっ、見逃した・・・」を今季はやめにしませんか?

 サッカーはプレータイム中にほぼ途切れることがなく、また一瞬のうちにゴールが生まれるスポーツ。多くの方が、一般的な知識として認知されていることと思います。しかし、同時にそれを知りながら、席を離れていた間に重要なシーンを見逃した経験も決して少なくはないでしょう。

 今回はだいご味であるゴールをはじめ、時系列のデータを取り上げました。やはり、用は試合前やハーフタイムに済ませておくこと、試合は終了のホイッスルが鳴るまで見続けることを推奨します。


●少なくない「劇的な幕切れ」

 まずは、5分ごとのゴール数を集計した図をご覧ください。


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 09年のJ1では、50分を過ぎたあたりから、前半に比べて全体的にゴール数が増加しています。最も多かったのは、55分から60分までで54得点。その後の5分間を含めると、55分から65分までの10分間で総数の約13%を占めています。


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 続いて、09年のJ2では60分から80分までの20分間に、全体の約28%が集中していました。また、総数に占める前半と後半の割合を比較すると、J1は前半が約44%で後半は約56%だったのに対し、J2では前半が約41%で後半は約59%とより後半の占める割合は高くなっています。

 加えて、J1、J2に共通して後半のアディショナルタイム(以下、AT)では多くのゴールが生まれています。両リーグとも全時間帯のうち上から5番目の値(J1が47得点、J2が66得点)を記録していました。

 「劇的な幕切れ」の例は、枚挙にいとまがないほど挙げられます。
09年の最終節だけでも、J1とJ2の計18試合のうち3試合で後半のATにゴールが生まれています。仙台対愛媛と東京V対札幌では、アウエーチームが起死回生の同点弾を挙げ、鳥栖対C大阪ではホームチームが1点のビハインドから逆転勝利を成し遂げました。


●ゴール数に比べ、高低差の少ないシュート数


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 次に、5分ごとのゴール数の割合とシュート数の割合を組み合わせてみます。上図がJ1、下図はJ2です。ゴール数と同様に、両リーグともシュート数は前半よりも後半が多く、J1は前半が4199本で後半は4955本、J2は前半が6260本で後半は7393本。総数に対しての割合にすると、どちらも前半が約46%で後半は約54%でした。

 ただ、ゴール数に比べシュート数は特定の時間帯に集中せず、分散しています。つまり、昨季のJ1とJ2では、ゴール数が多い時間に比例してシュート数も多いというより、特定の時間帯では決定率が高まる傾向にあったのではないでしょうか。


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 見逃したシーンを補う手段は、録画放送やハイライト映像など豊富ですが、リアルタイムでしか味わえない緊迫感は取り返しが付きません。その価値を踏まえ、観戦に臨みたいものですね。



<使用データ>
2009年度J1、J2リーグ




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執筆担当: 小野 正太郎


posted by 小野 |18:54 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年02月05日

■O型FWの説明書

「あの人はO型っぽいよね。」

 このように、日常の会話にしばしば登場する血液型占いに関する話題。科学的な根拠に乏しく、その信ぴょう性に賛否両論があるようです。とはいえ、株式会社トーハンが発表した08年におけるベストセラーの上位5つ(トーハン調べ)のうち、血液型占いの本が3冊名を連ねたことが示す通り、多くの人がこの話題に興味を持っているといえそうです。

 そこで、今回は選手の血液型に着目し、データとの関連性を探ります。


●実はO型のFWが多数派

 今回で調査対象としたのは、「09年のJ1、またはJ2に3分の1以上出場した、日本国籍を有する選手」の420人。最後の条件を追加した理由は、例えば南アメリカに住むインディオは90%以上がO型であるなど、人種や出身地域によっては血液型の分布に偏りがあるためです。また、日本への帰化を果たした選手と、血液型が不明だった選手は対象外としています。


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 さて、図1は日本人とJリーガーの血液型の分布を表したものです。日本全体の分布はA型が約40%、B型が約20%、O型が約30%、AB型が約10%であるのに対し、JリーガーではA型とO型の割合がそれぞれ35.0%と33.8%。O型の選手が多い傾向が見て取れます。


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 さらに、図2はポジションで分類した結果を表したものです。DFとFWでは上記の傾向がより顕著に見られ、人数はついに逆転。A型よりもO型の選手の方が多くなっています。中でも、FWは69人中31人がO型と、半数近くを占める結果となりました。

 ちなみに、O型のFWの代表格は、今や日本代表のエースに成長した清水の岡崎や09年の新人王に輝いた横浜FMの渡邉。ほかには、鹿島の興梠や千葉の巻らがいます。


●残した結果は物足りない

 では、血液型によって特徴に差はあるのでしょうか?もちろん、上記の4人でさえそれぞれ異なる個性を持つため、O型という共通項だけで特徴付けることはできません。ですが、血液型占いと同様に、多くの集団に当てはまりそうな「傾向」は見られるかもしれません。


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 図3は、血液型で分類したFWのスタッツをグラフにしたものです。母集団によって人数や出場時間に違いがあるため、この影響を取り除くべく「1人の90分あたりの数値」に換算しています。

 注目は、O型は他の血液型と比較してゴール数とシュート数が少ないことです。確かに、換算後の差はわずかかもしれませんが、O型は約4試合に1点の割合で得点を挙げているのに対し、B型とAB型は約3試合に1点。年間を通せばJ1でおよそ2点、J2でおよそ3点の差が生まれる計算になります。ゴールという結果が求められるFWにあって、多数派であるO型が残した結果は多少物足りないといわざるを得ません。

 また、ドリブル数はA型に次いで少なく、タックル数はB型の次に多くなっています。

 最後に、血液型占いの中心を占める「性格」との関連性について、今回はあえて言明を避けました。データとは異なり、根拠に乏しいからです。しかし、様々な解釈が可能なこの話題こそ、より白熱した議論になるのかもしれませんね。



<使用データ>
2009年度J1、J2リーグ




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執筆担当: 溝口 洋介


posted by 溝口 |16:20 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2010年01月29日

■平山が狙うイエメン発、南アフリカ行きのチケット

 10年の最初の代表戦となったイエメン戦。主力に休養を与えるとともに、新戦力の発掘を目指して日本代表に選出された若きメンバーがこの戦いに臨むと、2点のビハインドから逆転勝ちを収めました。

 とりわけ、ハットトリックを達成しその原動力となったF東京の平山は、1月25日から始まった指宿合宿にも招集されるなど注目が集まっています。

 そこで、今回は復活を遂げつつある彼にスポットを当てます。


●攻撃面に見る非凡な才能
 
 平山の特徴といえば、何だと思いますか。

 大柄な体格とフィジカルの強さを生かしたポストプレー、確かな技術をベースにしたボールコントロールやパス、豪快なシュート・・・。

 様々なプレーが想像できます。そこで、代表に選出されたFW陣と、昨季のリーグ戦におけるデータを比較してそれを探ってみましょう。

 次の図1は、代表に選出された平山、佐藤寿(広島)、玉田(名古屋)、興梠(鹿島)、岡崎(清水)の計5人の昨季のJ1におけるデータの平均と、平山の値を比較したものです。


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 ここに列挙した攻撃項目の多くで、彼は他の選手を上回っていることが分かります。

 しかし、多くのボールに絡み攻撃に貢献している一方で、奪ったゴールはわずかに4つであることがポイントでしょうか。かつて、高校選手権では2年連続で得点王となるなど、高い得点力を見せていたことを思えばやはり物足りません。平均値を超える数のシュートを打っているだけに、精度が上がればより怖いFWへと進化するのではと考えられます。


●新たな一面とは
 
 攻撃面のみ着目される平山ですが、守備面はどうでしょうか。図2は各選手のアタッキングゾーン(ピッチを3分割にしたときの敵のゴール側)と敵陣における守備項目の合計値を示したものです。


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 なんと、ディフェンス面でも大きく貢献するFWとして有名な岡崎をしのぎ、彼は両方の値において最多を記録していました。F東京で高い守備意識を身に付けたことがうかがえます。

 チームの戦術などで各々の状況が異なるのは当然とはいえ、前線から守備をするFWとして特筆すべき点ではないでしょうか。

 高い位置からのプレスをコンセプトの1つとしている岡田ジャパン。「前からの献身的な守備」を武器の1つに、南アフリカへのチケットを獲得できるのか否かも含め、平山のプレーに注目です。



<使用データ>
2009年度J1リーグ




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執筆担当: 山中 健太


posted by 山中 |18:48 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2010年01月22日

■やっぱり外国籍選手なのか

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 唐突ですが、図表1としてJ1の総ゴール数の推移を記載しました。976の得点が記録された06年を最後に数値は減少の傾向にあり、08年は783点でした。
 
 そのような状況で迎えた昨季は790のゴールが生まれ、この傾向がストップ。しかし、前年からの増加分はわずか7ゴールと、06年と比べると180以上もの差があります。

 そこで、今回は06年と09年の「シュート数」から、この差の原因を探ります。


●シュート数の減少


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 「下手な鉄砲も数撃てば当たる」ということわざがあるように、何かで成功を収めるには、それに向かって何度も挑む姿勢が大事ですよね。

 06年と09年にJ1に所属していたチームのシュート数と得点数の関係を示した図1から、得点はシュートを多く打った方が生まれ易いことが確認できます。とりわけ、06年は多くのチームが積極的にシュートを打っていました。


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 図2ではチームのシュート数を50本区切りの階級に分け、年度ごとに比較しています。

 ともに、450~499本の階級に属するチームが最多(06年は5チーム、09年は6チーム)となりました。しかし、階級の散らばり方には違いが見られます。

 上記に次ぐ階級を見ると、06年は4チームが属した600~649本の階級。一方の09年は、1つ上の500~549本の階級でした。全18チームの中で10チームがこの隣り合う2つの階級に属しており、06年に比べて鉄砲を撃つ機会は全体的に少なくなっているといえるでしょう。

 このような違いは、ある選手らの存在が影響していました。


●外国籍FWの存在


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 その存在とは、外国籍FWの選手たちです。表1は06年に二桁得点を挙げた選手をシュート数でソートしたものですが、日本人選手と比べると違いは一目瞭然。鹿島のアレックスミネイロと名古屋(当時)のヨンセンを除くすべての選手が、日本人を上回る数のシュートを放っており、その積極性が実を結んで幾多のゴールを得てきたことが分かります。

 では、09年はどうだったでしょうか。


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 二桁得点を挙げた選手の中で日本人を上回る数のシュートを放ったのは、06年に同記録を樹立したエジミウソン(浦和)、ジュニーニョ(川崎F)、マルキーニョス(鹿島)のみ。清水の岡崎(125本)や磐田の前田(100本)といった日本人FWのシュート数が増加したとはいえ、彼ら3人に次ぐ外国籍ストライカーが存在しなかったことも事実です。

 総得点数が減少の傾向にあった要因は、悲しくも外国籍FWの出来に左右されていたことになります。昨年は7年振りに前田が得点王に輝きましたが、ゴール数の20点はJリーグ発足時から見て最少タイ。このこともその証明の1つになるでしょう。だからこそ、彼を筆頭に日本人FWが台頭し、積極的にシュートを放ってゴールシーンを増やしてもらいたいものですね。



<使用データ>
2005~2009年度J1リーグ
(シュート数は公式と異なります)




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執筆担当: 石川 直樹


posted by 石川 |18:51 | Jリーグ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2010年01月15日

■「2年連続得点王」はムズかしい?

 09年度のJ1リーグでは、7年振りに日本人が得点王になりました。栄冠に輝いた磐田の前田遼一は20得点を記録したものの、その数値は00年度の中山雅史と並んで歴代最少でした。

 では、彼らを含めて、歴代のトップスコアラーはどのような結果を残してきたのでしょうか。


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 表1は2ステージ制が廃止された05年からの得点王のスタッツです。

 この表を見ると、6人の中で前田は空中戦の勝ち数が多く、ドリブル数やシュート数は少ない傾向にあるようです。マルキーニョスは突出した値こそないですが、ジュニーニョはドリブル数が多く、マグノアウベスはシュート数とドリブル成功率が高くなっています。そして、ワシントンは1ゴールあたりの所要時間が最も短く、アラウージョはシュート成功率が最も高いという結果になりました。


●得点王の翌年

 非凡な才能を生かしてトップスコアラーに輝いた面々ですが、2年連続で得点王に君臨した選手はJリーグの発足時から見ても存在しません。それはなぜなのでしょうか。次の表から考察してみましょう。


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 表2は得点王を取った年と、その翌年のスタッツです。マルキーニョスの90分あたりのシュート数とドリブル数が微増したのを除き、他の選手のスタッツは前年より軒並み低下しています。ゴール数も、全員が8点以上減っています。何が原因なのでしょうか。


●利き足を封じられて


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 表3は部位別のゴール数、表4は最もゴール数の多かった利き足でのシュート成功率を、それぞれ得点王になった年とその翌年で比較したものです。

 前田を除く4人とも右足でのシュートの割合が高く、その最も得意としている右足でのシュート成功率が、得点王を取った翌シーズンは落ち込んでいるのが分かります。マークが厳しくなり、得意とする利き足を封じられたというのが、得点が減った一番の原因のようです。

 利き足は右足ながら、左足、頭でも満遍なく得点を積み上げた前田は、10年にどのような結果を残すのでしょうか。



<使用データ>
2005~2009年度J1リーグ




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執筆担当: 小松 暁義


posted by 小松 |18:38 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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