2011年02月18日

■本田圭佑の新たな一面

 11年1月に日本代表はアジアカップを制覇。W杯終了後に就任したザッケローニにとって、極東の島国での最初のタイトルとなりました。
 その中で、主力の1人としてプレーしたのが本田圭佑であったことは間違いありません。南アフリカにおいて大車輪の活躍をした彼は、イタリア人監督にも厚い信頼を寄せられていて、10年の秋に行われた4試合(以下、パラグアイ、グアテマラ、アルゼンチン、韓国との4試合を「4連戦」と表記)でも好プレーを披露しました。
 そこで、今回は「4連戦」と「アジアカップ」のそれぞれにおける本田圭を比較してみたいと思います。

●シュートやドリブルよりも…

表1には、4連戦とアジアカップの主なスタッツを挙げました。

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 シュートやドリブルといった値が減少しました。フィニッシュへの意欲が非常に高く、積極的にゴールに迫るプレーが持ち味の本田圭ですが、アジアカップではそれらのプレーは少なかったことが読み取れます。一方、全プレー数は12回ほど増加。特に、パスが10本以上増えたことは、着目すべき点でしょう。

 では、そのパスについて見てみましょう。

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 表2ではピッチを3分割したときに(敵のゴールに近い場所から、AZ、MZ、DZとする)各エリアからどのくらいパスを出したかを示しました。AZでは90分当たりで5.7本、MZで5.8本と同じくらいの本数が増えています。さらに、そのパスの「質」の違いを示したのが図1です。

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 図1は、AZとMZにおいて本田圭が前方と後方のどちらにパスを出したかを割合で示したものです。これを見ると、アジアカップでは4連戦より「前方」にパスを多く出していることが分かります。とりわけ、AZにおいては顕著で、10%以上増えました。つまり、表1に示したようなシュートやドリブルによるのではなく、高い位置でより前にパスを出すことでゴールに迫っていたことが推測できます。
 最後に、本田圭のパスの受け手が誰であったのかを調べたのが表3です。

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 おのおの出場時間に違いがあるため一概に比較はできないものの、4連戦においてはAZとMZのどちらにおいても香川へのパスが最多でしたが、アジアカップでは他の選手へ出す回数が増えました。中でも、韓国戦における前田の得点シーンでは長友を巧みに使ったように、サイドバックが彼とより綿密な関係を持つようになったことは、チームの躍進に少なからず関係していたといえるでしょう。

 アジアカップでは優勝という最高の結果を残したザックジャパン。その中で、日本代表の18番はゴールこそPKでの1つだったものの、新たな一面を見せました。それは、パスで周囲を生かすことだったといえそうです。


<使用データ>
2010年9月、10月日本代表戦
アジアカップ日本代表戦



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執筆担当: 山中 健太


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2011年02月16日

■1タッチの長友、2タッチ以上の内田

 アジアカップで優勝した日本。中でも、右サイドバックの内田と左サイドバックの長友は積極的に攻撃参加し、多くのチャンスを創出していました。

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 表1はアジアカップでのスタッツです。長友は本田圭と並んでチーム内で最多となる11本のラストパスを供給するなど、多くの項目で高い数値を出しています。対して、内田はクロス数とスルーパス数で長友を上回る値を記録しました。

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 図1と図2は2人がクロスを上げたエリアです。深い位置に集中している長友に対し、内田は浅い位置からも上げていることが分かります。

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 表2はクロスを結果別、タッチ種別、時間帯別に表したものです。長友は決勝のオーストラリア戦で李の得点をお膳立てするなど、クロスで2本のアシストを記録しました。また、2タッチ以上よりも1タッチで上げた方が、高い確率で味方へ届いています。一方、内田は1タッチでのクロスは1割程度にとどまり、成功率に関しても2タッチ以上の値を下回りました。



<使用データ>
アジアカップ日本代表戦



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執筆担当: 小松 暁義


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2010年10月15日

■第一の選択は森本か、前田か

 10月8日のアルゼンチン戦ではこれまで6戦全敗だった相手から初勝利を飾り、12日の韓国戦では激闘の末に引き分け、1勝1分けと上々のスタートを切った新生日本代表。新しく就任したザッケロ-ニ監督はイタリアで培った経験を生かし、その手腕を発揮しています。

 ただ、2試合連続で無失点に抑えた守備は機能しましたが、反対に奪ったゴールは岡崎の1点のみ。長年の課題である得点力不足は一朝一夕では解決に至っていません。では、その2試合で最もゴールに近い場所でスタートした森本と前田の2人は、どのようなプレーをしていたのでしょうか。そして、現時点ではどちらがザックジャパンのストライカーにふさわしいのでしょうか。検証してみたいと思います。

●シュートに絡んだ前田

 まず、森本と前田が先発した試合でのデータを見てみましょう。

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 どちらもシュートが0本と寂しい数字で終わっています。そこで、ほかの値を見てみましょう。両者を比較すると、森本はパスの成功率で、前田はトラップの成功率で一方を上回っています。また、キープタイムにおいて、前田は森本の3倍近くの時間を記録。トラップのデータと併せて、より起点となれていたものと思われます。

 それは、次の味方のシュートに関与した回数にも表れています。

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 図1はシュートに関与したプレーを、シュートとその何プレー前に関与したかで点数に差を付け、それらを集計したものです。点数の付け方とシュート関与率の計算方法は図の注釈をご参照ください。表1とは異なり90分換算したデータではありませんが、森本が全体の2.9%にとどまったのに対し、前田は9.5%を占めています。また、前田は森本に代わって出場したアルゼンチン戦では3本のシュートを放ち、11.2%とチーム内で5位の値を記録しました。

●森本は頻度こそ高かったが…

 アルゼンチン戦において、プレースタイルは違えども、前田に比べ味方のシュートに関与できなかった森本。2得点を挙げた9月7日のグアテマラ戦と、アルゼンチン戦との違いを比較してみましょう。

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 ここでは、「プレー割合」に注目してください。表2を見ると、わずかながらグアテマラ戦に比べ、アルゼンチン戦の方が高い比率を記録しています。一方、森本自身がエリアごとにどの程度プレーしたかを表す図2においては、グアテマラ戦の方が前方でプレーする割合は高くなっています。つまり、この2戦のみを見る限り、プレー数と彼の活躍振りは関係ないようです。それよりもクロスやスルーパスを受けた回数、裏を突く動きをしていたことを想起させるオフサイド数など、シュート数と同様に内容の部分でアルゼンチン戦では不本意な出来に終わっていました。

 今回取り上げた前田と森本は、ザッケローニ体制下で「得点」という結果を挙げるには至っていません。果たして、来年の1月から始まるアジアカップでFWの席に座るのは森本か前田か、それとも別の選手か。


<使用データ>
2010年度J1リーグ



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執筆担当: 小松 暁義


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2010年07月23日

■南アフリカで見せたディフェンス力

 南アフリカW杯はスペインの優勝で幕を閉じました。開幕前の親善試合では連敗を喫し不安視されていた日本ですが、望外の結果を残して国に歓喜をもたらしたことは、記憶に新しいでしょう。
 さて、南アフリカでの日本が、守備的な戦い方をしていたということに異論はないはずです。大会の直前に方針を転換し、一時は「迷走」とまで評されたものの、列強にも通用することを示しました。日本の本大会での失点数は2。90分当たりだと0.44で、決勝トーナメントに進出した16ヵ国の中で4番目の少なさでした。

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 しかし、磐石で老かいな守備を見せたかというと、そうではなかったことは皆さんもご存知だと思います。ボール支配率を見てみると、カメルーン戦は44.1%、オランダ戦は38.7%、デンマーク戦は39.4%、パラグアイ戦は39.0%。すべての試合で相手に劣り、押し込まれながらもなんとか耐えたという印象の方が強いはずです。

 では、失点を防げた要因はどこにあるのでしょうか。

●シュートに対する反応の良さ

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 その答えの1つを図表2に示しました。図表の右側へ位置するほどシュートを打たれ、上側に位置するほど自陣のゴールから30mのエリアに進入されていることになります。日本が90分当たりで相手に打たれたシュート数は11.9本でした。多くの人数を割いて守っていたのは間違いないですが、7ヵ国が日本よりもグラフの右下にプロットされていることから、「攻め込まれていたものの、シュートは打たれていなかった」といえます。

 さらに、打たれたシュートに対する反応は、特筆すべきものでした。

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 図表3は、相手のシュートをどの程度ブロックできたかを示したものです。実は、32ヵ国中で最も高い値だったのが日本。シュートに対して体を投げ出して止めていたことが、データから読み取れます。相手にボールを保持され守備に回ったものの、多くのシュートを打たせず、打たれても体を張って止めていた。それが、南アフリカで見せた堅いディフェンスの一端なのです。

 余談ですが、優勝を果たしたスペインは、図表2においては「攻め込まれず、シュートも打たれなかった」ことを表すグラフの左下にプロットされ、図表3では日本に次ぐ「ブロック率」を記録しました。「攻撃」というイメージが先行する彼らですが、守備においても「無敵」であったことを示すデータの1つです。



<使用データ>
2010年W杯





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執筆担当: 山中 健太


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2010年01月29日

■平山が狙うイエメン発、南アフリカ行きのチケット

 10年の最初の代表戦となったイエメン戦。主力に休養を与えるとともに、新戦力の発掘を目指して日本代表に選出された若きメンバーがこの戦いに臨むと、2点のビハインドから逆転勝ちを収めました。

 とりわけ、ハットトリックを達成しその原動力となったF東京の平山は、1月25日から始まった指宿合宿にも招集されるなど注目が集まっています。

 そこで、今回は復活を遂げつつある彼にスポットを当てます。


●攻撃面に見る非凡な才能
 
 平山の特徴といえば、何だと思いますか。

 大柄な体格とフィジカルの強さを生かしたポストプレー、確かな技術をベースにしたボールコントロールやパス、豪快なシュート・・・。

 様々なプレーが想像できます。そこで、代表に選出されたFW陣と、昨季のリーグ戦におけるデータを比較してそれを探ってみましょう。

 次の図1は、代表に選出された平山、佐藤寿(広島)、玉田(名古屋)、興梠(鹿島)、岡崎(清水)の計5人の昨季のJ1におけるデータの平均と、平山の値を比較したものです。


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 ここに列挙した攻撃項目の多くで、彼は他の選手を上回っていることが分かります。

 しかし、多くのボールに絡み攻撃に貢献している一方で、奪ったゴールはわずかに4つであることがポイントでしょうか。かつて、高校選手権では2年連続で得点王となるなど、高い得点力を見せていたことを思えばやはり物足りません。平均値を超える数のシュートを打っているだけに、精度が上がればより怖いFWへと進化するのではと考えられます。


●新たな一面とは
 
 攻撃面のみ着目される平山ですが、守備面はどうでしょうか。図2は各選手のアタッキングゾーン(ピッチを3分割にしたときの敵のゴール側)と敵陣における守備項目の合計値を示したものです。


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 なんと、ディフェンス面でも大きく貢献するFWとして有名な岡崎をしのぎ、彼は両方の値において最多を記録していました。F東京で高い守備意識を身に付けたことがうかがえます。

 チームの戦術などで各々の状況が異なるのは当然とはいえ、前線から守備をするFWとして特筆すべき点ではないでしょうか。

 高い位置からのプレスをコンセプトの1つとしている岡田ジャパン。「前からの献身的な守備」を武器の1つに、南アフリカへのチケットを獲得できるのか否かも含め、平山のプレーに注目です。



<使用データ>
2009年度J1リーグ




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執筆担当: 山中 健太


posted by 山中 |18:48 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2009年10月23日

■日本代表のサイドバックに求めるもの

 9月に行われたオランダ代表、ガーナ代表との連戦で、クロスの精度の低さや受け手との連係面で課題が浮き彫りとなった日本代表。岡田監督や中村俊輔から、クロスの改善が必要との話がたびたび挙がりました。そこで、クロスを上げる役割を担うポジションの中で、今回は日本代表のサイドバックに焦点を当てます。


●Jリーグで結果が出ない内田と長友


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 表1は今季のJ1リーグで、クロスの本数が多い選手から上位20名をピックアップしたものです。ここで着目すべきは、鹿島の内田篤人とF東京の長友佑都です。この20名の中で成功率別に見ると、内田は12.8%で最下位。長友は15.6%でワースト3位となっています。同じく日本代表に選出された磐田の駒野友一は25.8%。F東京の徳永悠平は24%と、ともに内田の倍近い数値を出しています。


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 次に表2は、クロスの次のプレーがシュートだった割合です。ここでも内田と長友は数値が低くなっています。クロスを受けた選手がそのままシュートを打った割合を見ると、内田は2.1%で長友は6.5%。ワースト1位、2位を記録しています。徳永が17.3%、駒野が15.2%を記録しているだけに、改善が急務といえるでしょう。


 このように所属クラブでは低い数値になってしまった内田と長友ですが、日本代表での数値はどうなのでしょうか。
 
 次は代表戦でのデータを見てみましょう。


●日本代表で跳ね上がる内田と長友の数値

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 表3、4は08年1月に行われたチリ戦以降の代表戦で、クロスを上げた本数の上位5名を示したものです。Jリーグでの数値と比べて、内田と長友は高い数値を出しています。内田は成功率で20.8%と8%も高い数値を出し、クロスの次のプレーがシュートだった割合は9.6%とこの中では最下位だったものの、Jリーグでの数値と比べると4倍以上となっています。

 長友は90分あたりの本数こそ1.8本と数値を落としているものの、成功率は21.2%と6%近く数値を上げ、クロスの次のプレーがシュートだった割合も15.1%と倍以上の結果を出しています。駒野がどちらの割合もJリーグのデータより低い数値だったことを考えると、この2人は代表戦においてより自分の力を出せるのかもしれません。


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 最後にオランダ遠征後に行われた香港代表、スコットランド代表、トーゴ代表戦でのデータです。それまでの試合と比べてタッチ数に変化が見られます。全体では1タッチで上げるクロスの割合が9%増加し、出場したサイドバックの選手も、同率だった長友以外は初代表の徳永を含め割合が高くなっており、意識の変化が伝わってきます。この1タッチでのクロスの精度を上げることが、上記の成功率を高めることにもつながるはず。それも、相手が同等あるいは格上と対戦したときに求めたいものです。



<使用データ>
2008、09年度日本代表戦
2009年度J1リーグ




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執筆担当: 小松 暁義


posted by 小松 |20:51 | 日本代表 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年10月09日

■「俊輔と圭佑」 確執は本当だった!?

 9月の上旬に行われたオランダ遠征で、日本代表には多くの収穫と課題が見えました。特に、プレッシングとビルドアップ。前者は運動量を維持できた後半の途中まで、後者は敵のプレッシャーが比較的緩いアタッキングサードまでと限定的ではあるものの、ある程度は通用することが分かりました。

 一方で、個々の間にある歴然たる差を痛感。中でも、得点に直結させる個人技は、オランダやガーナは日本を大きく上回っていました。

 とはいえ、日本にも世界に通用する「個人」が確かに存在します。その最たる例が、今夏に移籍したエスパニョールでスタメンの座をつかんだ中村俊輔と、今季のエールディビジ(オランダの1部リーグ)で9試合に出場し5点を挙げた本田圭佑の2人です。

今回は2人に注目してオランダ遠征を振り返ってみます。


●中村俊から本田へのパスは0本!

 遠征の初戦となったオランダ戦では、本田が出場した後半の45分間で2人は同時にピッチに立ちました。しかし、2人の関係は決して良好とはいえませんでした。


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 図1は、オランダ戦での中村俊と本田のエリア別でのプレー割合を色別したもの。上から順に「中村俊(前半)」、「中村俊(後半)」、「本田」となっています。図1の通り、前半の中村俊は右サイドを中心にプレー。左サイドに進出していた時間帯もありました。しかし、後半に突入すると一変。左サイドの高い位置でボールに触れることは一切ありませんでした。一方、本田は左サイドでのプレーが中心。「右サイドから中央に持ち込んでシュートを打つ」といった、彼の得意な形は作れませんでした。

 ともに左利きで、右サイドからの仕掛けを持ち味とする2人。監督の指示なのか、あるいは代表での実績のない本田が譲ったのか。いずれにせよ、本田が実力を発揮できなかった1つの要因はプレーエリアにあるといえるでしょう。


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 次に、図2はこの試合で各選手が中村俊からのパスを受けた回数を表したもの。採用された4-2-3-1の布陣に見立て、パスを受けた回数別で色分けしました。

 注目は、中村俊から本田につながったパスが1本もないこと。GKの川島永嗣を除くと、フィールドプレーヤーでは彼だけが中村俊からのパスを受けていません。この理由の1つとして、上述の通り彼らは主として逆サイドでプレーしており、2人の間に距離があったことが挙げられます。

しかし、異なる見方もできます。


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 図3は、オランダ戦の前半と後半における中村俊のパスを方向と距離別に表したものです。
 (赤線の判別が難しいかもしれませんがご了承ください)

 「自身から左前方へ25mを越えるパス」に限定すると、前半は7本蹴っています。このうち、味方につながらなかったパス(図では赤い線)が3本あったとはいえ、前半は自身から左方向へのロングボールを用いていました。一方、後半に折り返すと、「自身から左前方へ25mを越えるパス」は2本に減少しています。

 この原因として、本田のサイドにはスペースが少なかったこと、彼へのマークが厳しかったことなどが考えられますが、多少うがった見方をすれば、このデータは出し手と受け手に十分な信頼関係が成立していなかったことを表しているのかもしれません。


●出場後に3点をもぎ取ったものの・・・

 次に、遠征の2試合目となったガーナ戦では、2点のビハインドを負っていた後半24分に中村俊に代わって本田が投入され、立て続けに3点を奪ったことは記憶に新しいでしょう。

しかし、逆転の立役者は彼ではありません。


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 表1は、ガーナ戦で中村俊と本田がシュートに絡んだ回数を表したもの。自身がシュートを打った回数だけでなく、仲間が放ったシュートの1~3つ前のプレーにさかのぼって絡んだ回数を載せています。

 本田は自身が放った1本のシュートを除いてチャンスとは無関係。いうまでもなく、得点シーンには一切絡んでいません。逆に、中村俊は前後半ともに多くのシュートに関係していることが分かります。

 合流後の短時間では仲間と十分な意思疎通が図れず、信頼を得られなかった可能性がある本田。結果的に、攻撃の要として存在感を示した中村俊との間には少なからず差がありました。

 10月8日に行われた香港代表との試合では、本田の出場はありませんでした。スコットランド戦とトーゴ戦では、彼らの関係は改善されるのでしょうか。また、クラブチームでのように、本田の活躍は見られるのでしょうか。日本が誇る2人のタレントが共存するのかも含めて注目したいですね。



<使用データ>
日本代表戦(対オランダ、対ガーナ)




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執筆担当: 溝口 洋介


posted by 溝口 |19:19 | 日本代表 | コメント(54) | トラックバック(0)
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2009年05月30日

2002年 日韓W杯 ベルギー戦の日本代表スタメンのプレー平均位置

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プレー平均位置 : 各選手のボールタッチ位置の平均(セットプレー除く)


posted by サッカーチーム |22:47 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年02月12日

2010年W杯 アジア最終予選 日本 vs オーストラリア パス方向&距離データ

オーストラリア戦
スターティングメンバー(日本)のパスの方向と距離

※円の半径は25m
 黒線:パス成功 赤線:パス失敗
 セットプレーによるパスは除く

                                 攻撃方向↑
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posted by サッカーT |21:20 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年02月10日

2010年W杯 アジア最終予選データ 2009/2/10

日本 & オーストラリア データ比較

【対象試合】 2010年W杯 アジア最終予選
・バーレーン(2-3)日本
・日本(1-1)ウズベキスタン
・カタール(0-3)日本

・ウズベキスタン(0-1)オーストラリア
・オーストラリア(4-0)カタール
・バーレーン(0-1)オーストラリア

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※数値が大きい方のチームのデータを赤字
※シュートセット起点率
 (セットプレー直接シュート数+セットプレーから5プレー以内のシュート数)/シュート数

【データから見るオーストラリアの特徴】
・シュートセット起点率の高さ
・シュート成功率の高さ
・空中戦勝率の高さ
・ファウル数の多さ
・パス数は多いがペナルティエリア進入回数はそれほど多くない
・被シュート数は日本の倍近いが失点は「0」


posted by サッカーT |23:02 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(2)
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