2010年03月12日
■カメルーン代表のコイツに注目せよ!
南アフリカW杯で日本代表と同組になったカメルーン代表。E組の初戦で顔を合わせる「不屈のライオン(カメルーン代表の愛称)」と聞いて、まず思い浮かぶ選手はイタリアのインテルに所属するエトオでしょうか。彼を筆頭に、欧州のビッグクラブに所属する選手が本大会のメンバーに選出されるはずです。 そこで、今回は1月に行われたアフリカネーションズカップのデータを用いて、カメルーン代表の注目選手を紹介します。 ●アフリカネーションズカップは不本意な結果 まず、上記の大会結果を振り返ります。表1はアフリカネーションズカップの結果です。グループステージは4チームが勝ち点差1にひしめく混戦。当該チーム同士の直接対決の成績でわずかに上回ったカメルーン代表はエジプト代表との準々決勝に臨みましたが、延長戦の末に1対3で敗れました。以前にRマドリーやチェルシーに所属したことがあるジェレミの不用意なバックパスを奪われたシーンなど、目も当てられないミスが散見。中村俊輔が先日まで所属していたエスパニョールで守護神を務めるカメニも安定感を欠いており、大会を通して守備面に不安を残す戦い振りが印象的でした。 そんな本調子でないチームの中で、抜群の存在感を発揮していた選手がいます。チームの顔でキャプテンを務めるエトオ、ではありません。 ●司令塔はアーセナルに所属 アーセナルに所属するAソングは、今大会でエトオやカメニらとともに4試合にフルタイムで出場した数少ない選手。4-1-2-3システムの「1」を担う中盤の要として、攻守にわたって活躍していました。 彼の役割はアンカーと司令塔。具体的には、最終ラインの1つ前でハードなディフェンスを行うことと、奪ったボールを前後左右に散らして攻撃を組み立てることです。 今回は、後者のタスクについて、日本代表で同様の役割を担う遠藤と比較してみます。
図1は、Aソングと遠藤の方向別のパス割合を示したものです。遠藤のデータは直近の4戦。東アジアサッカー選手権の3試合とアジアカップ最終予選のバーレーン戦です。 このグラフから分かるのは、Aソングは遠藤と比べて前方へのパスを選択する割合が高いこと。5回中4回は前方にパスを出している計算になります。他方、遠藤は3回に満たない試合もありました。両代表のスタイルの違いによるのかもしれませんが、Aソングの方が前線の味方へつなぐ意識は強いといえそうです。
また、図2はAソングと遠藤の前方へのパス成功率の推移を表したもの。いずれの試合でも、前方へのパス成功率はAソング<遠藤という不等式が成立しています。図1と合わせれば、技術や戦術の差とともに、多少厳しい状況でも前方にパスを出すAソングと、より味方につながる可能性が高いパスを選択する遠藤という違いが浮かび上がります。 6月14日に迎える本番では、両司令塔のゲームメイクの違いに注目して観戦してみてはいかがでしょうか。 <使用データ> アフリカネーションズカップ、東アジアサッカー選手権、アジアカップ最終予選、FIFA.com
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執筆担当: 溝口 洋介
posted by 溝口 |16:44 |
ワールドサッカー |
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表1はアフリカネーションズカップの結果です。グループステージは4チームが勝ち点差1にひしめく混戦。当該チーム同士の直接対決の成績でわずかに上回ったカメルーン代表はエジプト代表との準々決勝に臨みましたが、延長戦の末に1対3で敗れました。以前にRマドリーやチェルシーに所属したことがあるジェレミの不用意なバックパスを奪われたシーンなど、目も当てられないミスが散見。中村俊輔が先日まで所属していたエスパニョールで守護神を務めるカメニも安定感を欠いており、大会を通して守備面に不安を残す戦い振りが印象的でした。
そんな本調子でないチームの中で、抜群の存在感を発揮していた選手がいます。チームの顔でキャプテンを務めるエトオ、ではありません。
●司令塔はアーセナルに所属
アーセナルに所属するAソングは、今大会でエトオやカメニらとともに4試合にフルタイムで出場した数少ない選手。4-1-2-3システムの「1」を担う中盤の要として、攻守にわたって活躍していました。
彼の役割はアンカーと司令塔。具体的には、最終ラインの1つ前でハードなディフェンスを行うことと、奪ったボールを前後左右に散らして攻撃を組み立てることです。
今回は、後者のタスクについて、日本代表で同様の役割を担う遠藤と比較してみます。
図1は、Aソングと遠藤の方向別のパス割合を示したものです。遠藤のデータは直近の4戦。東アジアサッカー選手権の3試合とアジアカップ最終予選のバーレーン戦です。
このグラフから分かるのは、Aソングは遠藤と比べて前方へのパスを選択する割合が高いこと。5回中4回は前方にパスを出している計算になります。他方、遠藤は3回に満たない試合もありました。両代表のスタイルの違いによるのかもしれませんが、Aソングの方が前線の味方へつなぐ意識は強いといえそうです。
また、図2はAソングと遠藤の前方へのパス成功率の推移を表したもの。いずれの試合でも、前方へのパス成功率はAソング<遠藤という不等式が成立しています。図1と合わせれば、技術や戦術の差とともに、多少厳しい状況でも前方にパスを出すAソングと、より味方につながる可能性が高いパスを選択する遠藤という違いが浮かび上がります。
6月14日に迎える本番では、両司令塔のゲームメイクの違いに注目して観戦してみてはいかがでしょうか。
<使用データ>
アフリカネーションズカップ、東アジアサッカー選手権、アジアカップ最終予選、FIFA.com

