2009年12月11日

■J2覇者のゴールマウスの守り方

 J2で優勝を成し遂げた仙台。来季は03年以来、7年振りとなるJ1へと戦いの場を移します。

 シーズンを振り返ってみると、3失点以上を喫した試合がない唯一のチームとなり、また失点数は今季のリーグ最少である39を記録しました(表1)。

 3連覇を達成した鹿島も失点数がJ1で最少だったように、長丁場であるリーグ戦を勝ち抜くためには、失点数を抑えることが欠かせません。


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 そこで今回は、仙台がいかにしてゴールマウスを守っていたのかを考察していきます。


●外からは打たせても

 失点数が少ないということは、それだけその危険性を抑えているということなのでしょうか。表2では各チームのシュートを打たれた本数を、ペナルティエリアの内側と外側に分けて集計しています。


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 仙台がシュートを打たれた本数は最も少ない612本でした。同様に、ペナルティエリア内での本数も279本と最少。それに対して、外側での値は333本。シュートを打たれた本数が少ない順にランキングを付けるなら、その順位は8位と、決して少なくはありません。

 図1では、相手の放ったシュートが失点につながった割合を表2と同様に分けて比較しました。


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 すべてのチームにおいて、ペナルティエリア外からの割合がその内側における割合を大きく下回っており、ペナルティエリア内からシュートを放たれる方がより失点の確率が高まることが分かります。また、多くのゴールはペナルティエリアの中から放たれたシュートによって生まれます(参考)。

 さらに、仙台を含む多くのチームが、内側で放たれたシュートによって失点を喫する割合が10%前後を記録しており、どのチームにとってもボックス内で放たれるシュートが脅威になることに変わりはないようです。つまり、仙台はペナルティエリア内でシュートを打たせないことで、失点を抑えていたといえます。

 ではなぜ、それが可能だったのでしょうか。


●堅守につながる攻撃

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 表3は、相手によって自陣側のゴールから30m以内のエリアにボールを運ばれた回数、自陣のペナルティエリア内にボールを運ばれた回数を集計し、その割合を表したものです。

 ここで注目すべきは、右端に表記している割合の部分です。ペナルティエリア内で最もシュートを打たせていないのですから、そもそもボールを運ばれる回数が少ない(466回で最少)というのは当然のことかと思われます。ですが、自陣30m以内にボールを運ばれた回数1880回は最少ではなく、札幌、鳥栖、草津、甲府に次ぐ値であり、少ないながらもある程度はペナルティエリア付近まで攻め込まれていることが分かります。

 しかし、そこからペナルティエリア内にまでボールを運ばれた割合は、上記の4チームがそれぞれ札幌30.1%、鳥栖31.4%、草津35.8%、甲府31.4%と、約3回に1回の確率であるのに対して仙台の割合は、全18チーム中最小の24.8%。ペナルティエリア付近まで相手の攻撃を受けても、そこからゴールが最も生まれるボックスの中には進ませずに、危険を回避することに成功していることがうかがえます。

 その要因の一つとして考えられるのが、仙台のボールを失う位置です。


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 表4ではエリア別にボールを奪われた回数を集計しました。仙台のディフェンシブゾーンおよび、ミドルゾーンにおける回数はそれぞれ138回、1275回と最も少なく、自陣のゴールに近い位置で反攻に転じられるケースは少なかったことが分かります。

 攻撃をシュートで終える、または高い位置まで攻め込むことで、いざ相手にボールが渡っても守備ブロックを形成する時間や余裕を持てたことが、失点の危険を回避することに起因しているのではないでしょうか。



<使用データ>
2009年度J2リーグ




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執筆担当: 石川 直樹


posted by 石川 |17:09 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(1)
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■J2覇者のゴールマウスの守り方

コメント投稿者ID :

すごいな。確かな理由でJ2を制したんですね。

posted by 伊達マサムネ | 2009-12-19 03:10

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