2010年03月11日
女か虎か
すいません。久しぶりの更新です。 本日、日刊スポーツさんの取材を受けたのですが、ご担当の藤中記者のから「笹原さんのブログは素晴らしい!」とお褒めの言葉をいただいたので(えー、実際にはこんな言い方ではなかったのですが、私のなかでは100%の賞賛の言葉に変換されています)、はりきって更新します。 唐突ですが、みなさん「リドルストーリー」ってご存知でしょうか。 端的に言うと、結末が曖昧なまま終わる物語のことです。 と、説明してもピンと来ない人がいるはず。 分かり易い例を出してみましょう。 リドルストーリーと言えば、最も有名なのは「女か虎か」という、ストックトンという作家さんが書いた作品です(かなり意訳しているので、興味のあるかたは原文をあたってみてください!) ある野蛮な王が治める国のお話。 この国には独自の処罰方法があった。罪に問われた者は、その国王の自慢の闘技場において、二つの扉のうち一つを選ばなくてはならない。一方の扉には餓えた虎が入っており、開ければたちまち虎に喰い殺されてしまう。もう一方の扉には美しい女性が入っており、こちらを開けば罪が許され、その女性と結婚することができる。 そんな国の王女と、ある若者が恋に落ちる。身分の違う恋を知った王は激怒し、この処罰を実行しようとする。しかし王女はあらゆる手をつくし、どちらの扉が美女で、どちらの扉が虎かを探り当てる。そして迎えた処罰の日。この日が来るまでに王女は悩み抜いた。虎を選べば、自分の愛する人が虎に喰い殺されてしまう。しかし女を選べば、愛する人が目の前で自分以外の美しい女性と結婚してしまう。 呻吟を重ねた末に、王の野蛮な血を引き、かつ誇り高く激しい感情の持つ主の女王は、その若者にだけ分かるようにそっと扉を指し示す。 果たして王女が選んだのは、女なのか?虎なのか? つまりリドルストーリーとは、このように結末が読者に委ねられているワケです。 で、この作品を発表した後、作者のストックトンは「あの結末はどうなるの?」と色んなところで尋ねられたのですが、胸に秘めた結末は最後まで明かさなかったそうです。 ある意味、一対一の格闘技も、試合が終わってしまえば何らかの決着がつくのですが、戦前はこのリドルストーリーに似ているのかもしれません。このストーリーの読み手同様に、我々観る側は「どちらが勝つのか?」と、あれこれ想像する以外の手だてはありません。 先日発表した青木真也×ギルバート・メレンデスの一戦は、青木選手にとっても、DREAMにとっても乾坤一擲の大勝負です。このカードを発表した後にDREAMのBBSで「この試合は、勝てば天国、負ければ地獄の試合」という書き込みがありました。はい、まさしくその通りなのですが、よくよく考えてみると、負ければ地獄は言わずもながですが、実は勝っても地獄なのです。なぜか。当然メレンデスに勝てばストライクフォースライト級のチャンピオンになるわけですから、アメリカではそのベルトの防衛戦を行なわなくてもなりません。もちろん日本でもDREAMのベルトの防衛戦がある。つまり日米を又にかけ、加えてチャンピオンシップに出てくる強豪と闘わなくてはならないわけですから、この試合は、いずれの道も地獄ってことなのです。 我々は、選手が勝利の喜びに浸る姿にも、敗北に涙する姿にも、感情移入させられるのですが、身体が震える程ゾクゾクさせられるのは、たとえ地獄と分かっていてもその扉を開こうとする姿です。 必勝が義務づけられ、勝っても地獄、負けても地獄という扉を開けようとする青木真也。彼はたとえそこから虎が出て来ようとも、立ち向かい、闘うはずです。 彼の命を懸けたリドルストーリーの結末は、4月17日に明らかになります。
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posted by dream_sasahara |21:01 |
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