2010年02月25日

【プロ野球】名珍外国人列伝 ロブ・デューシー

プロ野球界では毎年数多くの外国人が大きな期待と共に来日し、またその一方で期待された成績を残せずにひっそりと帰国していきます。その中で私の記憶に残っている外国人選手をご紹介するこのコーナー、今回は恐怖の1番打者こと、ロブ・デューシーです。

  
ロブ・デューシーは1965年5月24日カナダ・オンタリオ州トロントで誕生しました。セミノールコミュニティ大学を経て1984年アマチュアFAとしてブルージェイズと契約し、プロ選手としての人生を歩み始めました。マイナーから順調にステップアップを果たし、1987年5月にメジャーデビュー。その後1992年7月にエンゼルスへトレードされその年の11月に解雇されるものの、同年12月にはレンジャーズと契約することができました。デューシーは来日までの8年間メジャーに在籍し、252試合559打席493打数118安打(打率.239)4本塁打42打点12盗塁(9盗塁死)52四球123三振(3Aでは619試合2201打数607安打(打率.276)66本塁打)という成績でした。ここから見る限りアメリカでは本塁打数は多くなく中距離ヒッターだったように感じます。またデューシーの特徴的なスタッツとしては出塁率、IsoDがあるでしょう。来日直前の1994年には3Aで打率.268ながらも出塁率.387、IsoD.119という見事なスタッツを残しており、三振も多いですが四球を選べる出塁率の高い選手であったことがわかります。

1994年10月、日本ハムはレンジャーズからデューシーの契約を買い取ります。アメリカでは中距離砲でしたが日本ではパワーのあるところを見せつけ、1995年シーズンは3番、終盤には結構足も速かったことから1番を主に任されていました。血の気が多く気の荒いところもあり、1995年9月16日対福岡ダイエーホークス戦で本塁突入時に坊西浩嗣捕手にタックルしたことから小競り合いに。それを見た仲間思いのダイエー、ケビン・ライマーがヒートアップ!本塁付近に猛ダッシュし、デューシーと大乱闘を繰り広げました。もちろんデューシーは退場処分となりますが、翌日初回に死球を受けると再び坊西を殴打しまたもや退場…。これによりデューシーは2試合連続退場初回先頭打者退場という不名誉なNPB記録を樹立、更にこのシーズンは3度退場処分を受けておりこれも日本タイ記録となっています。結局1995年シーズンは117試合に出場し、打率.249ながらも出塁率.342、シーズン初回先頭打者本塁打8本(史上2位タイ)を含む25本塁打という成績を残します。翌年も日本ハムに在籍したものの、打率、本塁打ともに前年とほぼ同じ成績に留まりシーズン終了後に退団となりました。

カナダ人というと白人をイメージしてしまいますが、デューシーは褐色の肌で188cm、82kgという引き締まった長身の見事なスタイルでした。顔もワイルド系な男前。確かに三振は多く打率も悪かったのですが、それは獲得前からある程度わかっていたことです。NPB在籍2年間の出塁率はそれぞれ.342、.373。IsoDは.093、.127(!)という非常にすぐれた結果を残しており、更にアメリカ時代よりも多くの本塁打を放っています。メジャー/マイナーでの特徴通りに加えてプラスアルファのプレーを見せたのに解雇というのは、今改めて成績から振り返ると個人的にはちょっと理解しがたいです。球団が更なる潜在能力に期待していたのか、獲得方針が誤っていたのか…。

日本ハム退団後アメリカに戻ったデューシーは1997年1月にマリナーズと契約。その後1998年12月にフィリーズ、2000年7月に古巣ブルージェイズにトレードされますが、同年8月に再びトレードでフィリーズに出戻ります。2001年6月にエクスポズに移籍するものの同年11月に解雇。メジャー復帰後のスタッツは5シーズンで451試合919打席786打数191安打(打率.243)27本塁打104打点10盗塁(8盗塁死)114四球223三振でした。復帰後も四球が多く出塁率が高いという特徴はそのままで5年通算で出塁率.344、IsoD.101というスタッツを残しています。2002年シーズンは米独立リーグでプレーし同年オフに現役から退きました。

現役引退後は2004年にはナショナルズ傘下2Aハリスバーグ・セネタースのコーチに就任する傍ら、同年開催されたアテネオリンピックの野球カナダ代表として選手としてプレーし、日本戦にも代打で出場しました。その後ヤンキース傘下1Aスタテンアイランド・ヤンキースのコーチを務めた後に2006年1月からブルージェイズのアジア・ヨーロッパ地域担当スカウトに就任。高橋健とのマイナー契約もデューシーが絡んでいました。しかし2009年10月にその職を解かれてしまっています。ちなみにデューシーはオンタリオ州出身者として初めてブルージェイズでプレーした選手であり、またカナダに本拠地を置くMLB2チーム(ブルージェイズ、エクスポズ)両方に在籍した初めての選手※1でもありました。
※1 歴代でも2名しかおらずもう一人はマット・ステアーズ。

個人的には魅力的なスタッツを残した特殊な外国人選手でした。まだ40代半ばと若いのでまだまだこれからも野球界に貢献してくれるのではないでしょうか。

■参考記事:【プロ野球】スタッツから見た横浜ジョンソン解雇の妥当性@当ブログ記事(2009.12.03.)

【ロブ・デューシー】
NPB在籍2年(1995年‐1996年日本ハム)
1995年 117試合 490打席 425打数 106安打(打率.249) 61得点 25本塁打 61打点 7盗塁 54四球 7死球 103三振
1996年 120試合 519打席 427打数 105安打(打率.246) 68得点 26本塁打 59打点 3盗塁 86四球 2死球 90三振
通算 237試合 1009打席 852打数 129安打(打率.248) 129得点 51本塁打 120打点 10盗塁 140四球 9死球 193三振

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2010-02-25 16:59 | 続きを読む
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